都政改革アドバイザリー会議(第4回)議事録

令和元年11月29日(金曜日)
都庁第一本庁舎7階大会議室

15時31分開会

1.開会
○野間総務局次長 それではただいまより、第4回都政改革アドバイザリー会議を開催いたします。本日は皆様、大変御多忙なところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。会議の事務局を担当しております総務局次長の野間でございます。議事に入るまでの間、進行役を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、会議の公開について御説明申し上げます。本日の会議は東京都のホームページ上でインターネット中継により配信されてございます。また、会議資料につきましては本日、議事概要については後日、ホームページ上に公開いたします。
 なお、会議はタブレット端末を使用して進行してまいりますので、もし端末に不具合が生じた場合には職員までお声かけをしていただければと思います。
 お手元には次第と都政改革アドバイザリー会議委員名簿、都政改革アドバイザリー会議座席表をお配りしてございます。その他の資料はタブレットの端末で御覧いただくことになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、本日の会議の御出席者については、座席表の配付をもって代えさせていただき思います。本日はキャシー・松井委員、それから西村委員より、御欠席の御連絡を頂戴してございます。
 それでは、この後の議事進行につきましては、松本座長にお願いします。どうぞよろしくお願いいたします。

○松本座長 座長の松本晃です。いつもどおり私の最も大事な役目はタイムマネジメントです。今日は90分という時間を予定しておりますので、皆さんの発言に関しましては、できる限り簡潔明瞭にお願いしたいと思います。
 それでは最初に、小池知事から一言、お願いします。よろしくお願いします。

2.知事挨拶
○小池知事 皆様、こんにちは。御多忙のところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。第4回の都政改革アドバイザリー会議となりました。東京都は現在、未来の明るい東京を実現するために、長期戦略の策定を進めているところでございますが、戦略的な政策の展開のためには、都庁自らが変わる、その意志が必要でございます。そしてそのために、新たな都政改革ということで、ことしの9月に始動したところでございます。
 前回のアドバイザリー会議でございますが、岩本委員から、今後の都政改革に必要な視点ということでプレゼンテーションを賜りました。ありがとうございます。それをベースに各委員からも幅広く御提案を頂戴、御意見を頂戴したところでございます。
 今日は、政策評価の取り組み状況、そして2020改革プラン、この進捗状況を報告させていただくと同時に、主に新たな都政改革についての御議論をいただきたいと存じます。
 その御意見を踏まえまして、先ほど申し上げましたように、都政改革ビジョンを形成しているところでございますので、その改革の方向性などを年内に盛り込んで進めていきたいと思います。皆様方の率直な御意見、こうあるべしということなど、改革の質を更に向上するための御意見を賜ればと、考えるところでございます。
 ありがとうございます。

 3.議題
○松本座長 小池知事、ありがとうございました。3年少し前に新しい都政が始まり、まずビジョンづくりから始まりました。ビジョンに関しては、三つのシティという名称でした。一つ目は、東京をより安全な町にするというセーフ シティ、次に東京が色々な意味での多様化するというダイバーシティ、三つ目には、東京をもっと豊かで快適な都市にするというスマート シティです。この大きなビジョンをもとに、小池知事が新しい改革を始められました。そして三つの大きな改革の原則がありました。
 一つ目は、上から目線ではない、都民の立場に立った都民ファースト。二つ目は、情報開示。三つ目は、都民の皆さんから集まったお金を上手に使おうと、ワイズスペンディング。
 その中で、改革の原則を決められました。一つはしごと改革、二つ目は見える化改革、三つ目は仕組み改革です。そしてこの基本的な改革の原則をもとにこの会議が始まりまして、小池知事の大きな方針・方向に沿って具体的な成果が出るような議論をしていこうというのがこの会議の趣旨です。
 それでは、お手元の議事次第に従いまして本日の議題に入っていきたいと思います。議題は三つあります。一つ目は政策評価の取組状況について、二つ目は2020改革プランの進捗状況、三つ目は新たな都政改革。今日は特に三つ目の大きな夢、これに向かって議論をし、できる限り時間を割きたいと、思っております。
 まずは、最初の議題に関しまして、勝見都政改革担当部長から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○勝見総務局都政改革担当部長 それでは、政策評価の取組状況につきまして、資料1により、まず事務局から御説明いたします。
 1ページ、政策評価の取組状況でございます。
 本年4月以降のスケジュールを表でお示ししていますが、最上段の細い段が都政改革アドバイザリー会議と都政改革本部会議のスケジュール、その下、上段が今年度の取組で、政策評価の開始初年度として21の局が各局1ユニットを選定し、取り組んでまいりました。7月には都政改革アドバイザリー会議政策評価分科会のヒアリングを実施し、御意見、御助言をいただき、各局、都民にわかりやすくという視点を重視して、成果指標、目標の設定を行っております。分科会から各局にいただいた御意見、御助言の内容、また御意見を踏まえて設定した成果指標・目標は、参考資料1-2、1-3で御紹介しています。
 こうした今年度の取組を踏まえ、9月から11月にかけまして、分科会での議論を重ね、制度のブラッシュアップを検討してまいりました。分科会からは、現在使用している評価書様式などをもとに具体的な事項を含めて、構成委員、専門調査員、7人の方々の御議論を踏まえた分科会としての一定の御意見をいただいているところですが、この分科会からの御意見をもとに、まず都として、制度改善の方向性を整理いたしましたので、本日、表の11月の欄の黒い三角のところですが、御報告させていただきます。
 また、本日以降の流れとしましては、引き続き分科会からの御意見をもとに、都として具体的な事項を整理し、12月後半の都政改革本部会議に向け、改善案をまとめていく予定としております。まとめました改善案につきましては、スケジュールの表の12月でピンク色の矢印が二手に分かれていますが、上段、今年度の取組で各局が行う評価内容と下段の来年度の取組、双方に反映させてまいります。
 2ページは、政策評価分科会の活動状況です。分科会を4回開催したほか、7月にヒアリングを実施し、21の局、それぞれと意見交換いただきました。
 3ページからが分科会の御意見を踏まえ、今回、都として整理しました来年度に向けた制度のブラッシュアップ、制度改善の方向性でございます。
 まず、3ページは、政策評価のねらいでございます。分科会からの都では既に事業レベルを対象とした事業評価が実施されているなど、既存の取組もある中で、屋上屋を架すものにならないようにとの御意見を踏まえ、今回改めて複数の事務事業の束となる施策レベルで政策評価を実施する意義、ねらいを整理いたしました。
 太字の部分でございますが、政策評価は都民の視点に立って、施策レベルの成果、アウトカムに着目した指標・目標を設定し、この指標・目標を基軸に施策の進捗状況を点検・分析し、施策の見直し・改善につなげて、さらなる成果の向上を目指していく取組とすべきであり、社会・経済状況や都民ニーズを踏まえた検証とあわせて、各局が戦略的に施策を展開していく上で、基本とすべき取組としてございます。
 この政策評価のねらいを踏まえた上で、4ページでは、ブラッシュアップに向けた基本的考え方と改善の方向性、2点に分けてお示ししています。
 1点目が施策のマネジメントの強化でございます。より大きな成果を生むためにどうすべきか。社会・経済状況や都民ニーズに的確に対応しているかという視点から、施策の状況を点検・分析し、施策の見直し・改善につなげていくため、改善の方向性としまして、囲みの部分ですが、評価対象を重点化し、成果を志向する今後の取組につながる仕組みにしていくとともに、政策評価の取組から得られた具体的なノウハウを蓄積、都庁内で共有し、それぞれが高め合える仕組みにしてまいります。
 2点目は、よりわかりやすい情報発信の推進です。分科会の公開、資料のホームページ掲載など、今回の政策評価では、透明性の確保を図っていますが、そうした透明性の確保に加え、前回の会議での評価書の量があるのに現状の課題認識などが読み取りにくいとの御指摘も踏まえまして、囲みの部分ですが、評価書は、施策の構成や評価内容を論理的にわかりやすく示すために必要な項目のみとし、簡潔な記載を重視するとともに、ポイントを記載した要約版を公表してまいります。
 5ページでは、各局の政策評価の取組フローの図にポイントを記載いたしました。
 まず、矢印の①第1段階で、各局が政策評価に取り組む施策を選定し、指標・目標を設定しますが、この段階から外部有識者の御意見・御助言をいただくということとあわせて、各局を対象に政策評価の意義ですとか、ねらないなどを外部有識者の視点からも御講義いただく説明会、研修の実施を新たに設けています。
 ②は各局が評価に取り組む施策、施策を構成する複数の事務事業を実施していく施策の推進の段階でございます。分科会では、評価結果を待つまでもなく、施策の推進過程、年度途中での創意工夫や状況に応じた不断の見直しが重要であるとの御意見を強くいただきました。
 また、評価の際には、そうした年度途中での創意工夫なども確認できるようにすべきとの御意見もありましたことから、②の矢印の下には、創意工夫や不断の見直しとしてございます。
 ③が自己評価の段階でございます。オレンジ色の線で囲んだ部分ですが、分析では指標の達成状況の点検をした上での目標と実績の差が生じた要因の検討と、また、施策が社会状況や都民ニーズと合っているか、必要性・妥当性などの検証、二つの視点から分析を行います。そうした分析と分析を踏まえた今後の方向性の提示を自己評価の内容としています。
 こちらの段階でも外部有識者の視点で見ていただくこととあわせて、各局を対象とした説明会を設けています。
 ④は③の自己評価の結果を今後の施策の企画立案に反映させる段階でございます。自己評価の結果は迅速に当該年度の施策の取組や翌年度以降の予算要求等に反映させてまいります。
 以上が制度の改善の方向性の御説明ですが、参考資料1-1では、改善の方向性は項目だけで整理しています。
 引き続き、分科会からの御意見を踏まえ、都の改善案のまとめを進めてまいります。
 事務局からの説明は以上でございますが、本日、御欠席の西村委員からは、今回の改善をもって完成というのではなく、政策評価に取り組みながら、必要なことは肉づけし、無駄をそぎ落としていくことで、しっかりと制度をブラッシュアップしていくことが重要とのコメントをいただいています。分科会会長の石田委員、構成委員の水町委員からの御発言をお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

○松本座長 ありがとうございます。それでは、この政策評価分科会は、3名の構成委員と4名の専門調査委員からなっていまして、なかなか厳しい方ばかりなんですが、この厳しい方から、厳しくて優しい御意見をいただきたいと思います。分科会の会長を務めていただいている石田委員、そして水町委員のから、御発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○石田委員 石田でございます。事務局にはたくさん汗をかいていただきました。この場をかりてお礼申し上げます。
 分科会はこれまで4回開催し、委員の先生方から忌憚のない御意見を多く頂戴することができました。また、事務局には成果重視の行政運営の先進自治体である広島県にヒアリングに行っていただきました。
 制度の今回のブラッシュアップでは、松本座長ご指摘の「透明化、簡素化、分権化」の三つのキーワードにプラスして「スピード」をぜひ組み込んでいただきたいとお願いをいたしました。具体的には主に三つあります。
 一つ目は、事務局からも今も説明がありましたが、既存制度に屋上屋を架すことがないようにということで、各局の行政計画や事業評価等、既存の制度との目的を再整理して、政策評価制度と既存制度のすみ分けをきちんと文字にして、明確にしていただきたいとお願いしています。
 二つ目は、簡素化に関係するということで、評価書の様式が、以前のものはかなりボリュームがありましたので、各施策、A4判1枚、ないしは2枚程度、できるだけ簡潔でわかりやすくしてくださいというお願いもしてございます。
 三つ目はスピードです。他の自治体にも政策評価制度という同じ名称の制度は多々あるんですが、多くの他の自治体では、例えば、2019年度の振り返りは、翌年度である2020年度の6月、早くて6月頃にすると、そして実際にその事業、施策の見直しに反映するのは、2019年度の振り返りが2021年度の予算要求になってしまうんですね。民間だと1年以上たってフィードバックというのはあり得ませんので、ここはしっかり四半期、あるいは半期できちんと成果を見て、2019年度の振り返りの結果を2020年度の予算要求にはある程度入れてもらうように、そういうスピード感を持って、1年中考えるような制度にして欲しいと。1年に1回、評価書をつくって終わりじゃないというきちんと機能する制度にして欲しいということをお願いしております。
 最後に、民間と違って利益という業績の測定の尺度がない中、行政で成果重視の運営を行うためには、まず最初に何をゴールにするのかというのをきちんと明らかにして、ではゴールを明らかにするためには、今、向かっているゴールと現状のギャップがどの程度あるのか。その現状のギャップをどうやって埋めるのかというのは、これは利益ではないので、もう仮説しかないですね。仮説を立てて、回してみる。今度、回したら、ゴール、利益ではないので、またこれも測定する指標を何らかつくって、向かっていっているのかどうかを、かなりPDCAをぐるぐる回さないと、見当違いのところにいって、自己満足で、目標だったアウトプットは達成だったので終わりになってしまいますので、そこを頑張っていただきたいということで、でも、それは、本当は事務局だけじゃなくて、現場の都の職員の方の意識改革と、それからやろうとしていることがきちんと腑に落ちて、120%ぐらい汗をかいていただかないと無理なことなので、そこはやはりこの政策評価制度を支える仕組み、税収制度ですとか、褒賞制度、表彰制度みたいなものを是非つくっていただきたいということをお願いしてあります。
 以上です。

○松本座長 ありがとうございます。
 では、引き続きまして、水町委員、お願いします。

○水町委員 部会長のほうから、かなりすごく中身のある指摘がございましたので、私からは簡単に述べたいと思います。
 今年度は、本格稼働の前に試行ということで、事務局と各局がかなり丁寧に試行していただいたおかげで、政策評価分科会でも、かなり中身のある実質的な議論ができたので、よい改善につながっていったというふうに思っています。今後の本格稼働に向けて、実のある自己評価をしていただいて、それを以降の施策に反映させていただくということが一番重要だと思いますので、今後とも自律したPDCAサイクルの実現というのをお願いしたいと思います。
 以上です。

○松本座長 ありがとうございます。基本的にはいい方向に向かっていると思いますが、どうしてもこういう組織というのは、やったらどうなるということがはっきりしないとスピードが上がらない。したがって、やったらどうなるんだという、そういうものがひとつ必要なのではないかと思います。
 委員の方から御意見ございましたら、お願いいたします。

○石田委員 やはり成功体験というんですか、モデルをぜひ事務局とどこかの局の施策で、いいモデルを一緒に汗をかいてつくってください。それを、できたら、それはもう大々的に公表して横展開してくださいということは、一応、お願いはしてあります。

○松本座長 ありがとうございます。
 それでは、この議題は、最後、知事にまとめていただきまして、終わりたいと思います。よろしくお願いします。

○小池知事 ありがとうございます。非常に的確な分析と、そしてまたなすべきことについての御提示をお願いできたかと思います。確かに行政というのは、いくらプロフィットがあったとか、そういったことがなかなか、目安はない。一方で、確か都民の幸福度というのが非常に低くて、最初、3年前の当時、40%だったと思うのですよね。どういう測り方をしたのかはよくわかりませんけれども、タニタさんのところの体重計に乗れば、全部BMIとか、分かれば一番早いんですけれども、そういう何か、満足度とか、色んな調査でも出てくるかと思うので、そういったことを数値化していく。そのことを各局、各部署における政策がどれぐらい浸透しているのか、測れるように、前にダッシュボードを作ったのですが、今、途中だからそれ以上ではないのですけれども、何かそういう目安がよりわかりやすいような形にしていくべきなのかなと、お話を伺っていて思いました。
 また、情報について、8ページにありますけれども、よりわかりやすい情報発信の推進というのは、これは極めて重要なことで、せっかくいい政策で、かつ予算もばっちりつけているけれども、よく知られていないと結果として、その予算が使われずに終わってしまう。国の場合だと、その予算は翌年取り上げらちゃう。「だって使われなかったんだもんね」ということで厳しい。そこをやはりもう少し実行性を、ただやりましたではなくて、どれぐらい価値がありましたか、どれぐらい過去、使われましたかという、その辺のメモリもしっかり確認をしていくことだと思います。
 その情報も、最近動画にするのですけれども、東京動画にアップしたら終わりではなくて、それをどれぐらい、テレビ局で言うならば視聴率ですよね、それから色々今、このネットだと何回見たか、見られたかというのが明確にわかるので、だからもう少しその辺のところも作って終わりではなくて、載せて終わりではなくて、見られる工夫などをしてもらいたいなと思います。
 見せ方というのは色々あって、最近の私のフェイスブックで一番アクセスが多かったのは、うちのワンちゃんが長寿犬になったというお祝いを出したらすごくアクセスがありました。一生懸命都政のことを流しているのですけれども、掴みはそういうことで入って、そしてその後、どのようにに持っていくかという、そういうもう一工夫を都としてやりたいと思って、都の職員の皆さんと共有できればと思っております。
 ありがとうございます。

○松本座長 ありがとうございます。日本人は、特にお上に対して厳しい点数をつけますから、その40点という数字がいいとか悪いとかではなく、大事なことは、それがよくなることが大事です。今日より明日、今年より来年、そういうことであれば40点という数字を悲しむ必要は全くないんじゃないかと思います。いつも良くなっていくということが大事で、豊かになる、快適になるという、ことがいいんじゃないかと思います。
 議題1は小池知事の締めの言葉もって終わります。
 議題2に移ります。議題2は、2020改革プランの進捗状況について。こちらは豊田部長から説明をお願いいたします。

○豊田総務局都政改革担当部長 
 2020改革の進捗状況につきまして、資料の2によって御報告をさせていただきます。
 2020改革につきましては、しごと改革、見える化改革、仕組み改革の三つについて取り組んでおります。
 まず、しごと改革についてでございますが、資料の2ページから3ページにかけまして、総括的にまとめております。はんこレス、ペーパーレス、キャッシュレス、そしてテレワークや女性活躍の推進、柔軟な働き方の推進などの働き方改革などにつきまして、それぞれの目標設定と、その現在の進捗状況、また次年度における目標設定などにつまして、この2ページで、一覧で確認できるように簡潔にまとめてございます。後ほどこの2ページに関するしごと改革の主な取組につきまして、詳しく御説明させていただきますので、次のページに行かせていただきます。
 4ページを御覧ください。
 見える化改革でございますが、昨年度までに各局が合計58の事業ユニットを点検し、現状と課題を見える化し、今後の方向性をまとめております。今年度はその方向性に基づきまして、改革を推進しております。来年度につきましては、見える化のこの手法を生かしまして、先ほどの議題で御説明させていただきました政策評価の制度を運用してまいりたいと考えております。
 組織・人材マネジメントにつきましては、東京2020大会後を見据えた組織再編に向けて組織のあり方を検討、具体化してまいりたいと思います。内部統制につきましても、毎年4月からの運用開始に向けまして、準備をしているところでございます。
 以上が全体像でございます。
 続いて、5ページを御覧ください。
 この後、しごと改革の主な進捗を御説明いたします。
 まず、電子決定率でございます。今年度、2019年度の目標が60%でございました。9月時点では、こちらにありますとおり62.4%となっております。今年度は特に局長や部長の決定の決定事案の電子決定の徹底、あるいは契約・支出関係の電子化の推進に取り組んでおります。来年度の目標は80%になっておりますので、引き続き推進してまいります。
 6ページを御覧ください。
 ペーパーレスでございます。昨年度は2016年度対比で10%減の目標に対しまして、実績は11%削減という結果でございました。今年度の目標は15%削減となっておりまして、今年度上半期でございますが、昨年度の上半期と比較しますと、こちらにありますとおり4.8%減少したという状況になっております。今年度は使用枚数の多い部署につきまして、業務の分析に基づいて具体的な削減の取組ですとか、あるいは局長等の幹部説明の原則ペーパーレス、こういった取組をしてまいります。また、ICT環境につきましては、第4四半期には本庁職員の全職員に従来よりも小型の新端末が導入されます。また、庁内にWi-Fi環境が整備される予定となっております。こういった状況を踏まえまして、来年度の削減目標につきましては、現時点では既に20%削減という目標を設定しておりますけれども、目標の上乗せをしまして、30%削減に修正をいたします。なお、一層のペーパーレスを目指すべく、この30%にとどまらず、さらなる目標設定についても今後検討してまいりたいと考えております。
 続いて7ページを御覧ください。
 ペーパーレス会議の実施率でございます。2019年度末目標が60%に対しまして、今年度上期で56.6%となっております。徐々にペーパーレス会議の実施が定着している状況でございますけれども、引き続き目標達成に向けて取組を進めてまいります。
 8ページを御覧ください。
 キャッシュレスでございます。今年度までに、いわゆる利用者の多い主要施設のキャッシュレス決済導入の完了を目標にこれまで取組を進めてまいりました。上野動物園や葛西臨海水族園などの4施設につきましては、今年度キャッシュレス決済を導入したところでございます。また、神代植物公園につきましても、今年度内の導入を予定しておりまして、これによって、利用件数が年間10万件以上の都立施設につきましてはキャッシュレス決済の導入が完了することになります。
 また、新たな決済手段の導入としまして、上野動物園では、本日からQRコード決済の実証実験を開始したところでございます。今後もキャッシュレス対応施設の更なる拡大などに引き続き取り組んでまいりたいと思います。
 以上が3つのレスについての主な進捗でございます。
 9ページを御覧ください。
 続きまして、女性の活躍推進の取組について御説明いたします。都では、女性職員の活躍推進の取組としまして、行政系の管理職に占める女性職員の割合の向上を目指しております。今年度の主な取組としましては、管理職選考の受験資格を拡大しまして、育児休業中などであっても、全部選考受験を可能とする制度改正ですとか、キャリア・メンター制度の試行拡充を実施しております。管理職に占める女性職員の割合は、2019年4月時点で20.0%となっておりまして、2020年目標である20%につきましては達成している状況になってございます。
 2025年の25%達成に向けまして、引き続きキャリア形成支援などの取組を推進してまいります。
 10ページを御覧ください。
 最後に、男性職員の育児支援についてでございます。男性の育児休業取得率につきまして、今年度は15%に向上させることを目標としております。現状は取得率が増加傾向にありまして、2018年度において10.6%となっております。一方、出産支援休暇や育児参加休暇といいました休暇の取得率につきましては、こちらの右の表にありますように、非常に高くなっている状況でございます。このため今年度9月に実施いたしました職員の育児休業取得に関する実態調査、こちらの結果を分析することで男性職員における育児休業等の取得の促進に向けて活用していく予定となっております。
 2020改革プランの進捗状況についての御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○松本座長 ありがとうございます。私は他の都道府県にもよく行くんですが、東京都はこんな大きな組織なのにもかかわらず、これだけしっかりやっておられます。私は個人的にはそれは高く評価したいと思います。さすがにリーダーがしっかりしているところはできるなという気はいたします。
 それでは、ここで委員の先生方からの御意見を拝借したいと思います。御意見ございましたら挙手いただきまして、御意見をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 岩本委員、お願いします。

○岩本委員 私も松本座長と同じように毎年それぞれの分野で目標は達成してきていると思いますけれども、逆に達成してくると二つほど心配になることがあって、一つは、例えばはんこレスもキャッシュレスもそうですけれども、もちろんそれを目標にやっていますけれども、それは一種の代替指標であって、そのことが本来の目的ではないはずなんですよね。つまりはんこレスにするということは、今までの決裁のプロセスなりメカニズムをより合理化しようというのが目的であって、単純にはんこレスになれば良しではないはずなんですよ。したがって、東京都の細かなシステムの中身までは存じていませんけれども、一般的にはんこレスにするということは、色々な人たちが、その案件について決裁システム上で色々なコメントを登録しながら決裁が進みます。決裁権者の人は、場合によっては案件を差し戻すことがあるわけですけれど、それ以外の審査者や意見照会先などの人たちが、例えばコメントみたいなものができるような仕掛けになっていると思うんですよね。そういったコメントなどがどのくらい上がってきているかとか、あるいはそれがきちんと起案者にフィードバックされてチェック機能が働いているかといったことが重要で、できるだけはんこレスにして、スピーディに効率的に決裁するというのはとてもいいことですけれども、そういう裏側の話がないと、単にはんこレスを、なくなりました、目標何%で超えましたでは意味がないのです。こういうことについてどのくらい、ケアされながらやっているかが重要です。やっていることはとてもいいことという意味では、私も松本座長と全く同じですが。それが一つ。
 それからもう一つは、都庁の人にも小型の端末を全部配って、基本的にはペーパーレスでやる、これもすばらしいことですけれども、そうなってくると、実はICTのプラットフォームのアベイラビリティの重要性はますます高くなるんですよね。つまり全部がペーパーレスで、あらゆる業務でPCを使うことになると、プラットフォームが落ちた時に都の仕事が一斉に止まってしまうということになりは、大変なことなんですよね。
 したがって、前から私はセキュリティーについても申し上げていたんですけれども、こういうふうに全部システム化されてきた場合に、その基幹のシステムの安全性、可用性については、かなりの人とお金を投入しないと達成できません。しかし、起こっちゃってから、いや、そんなことは知りませんでした、わかっていませんでしたという言い訳ができないのが、昨今の御時世なので、大いに進めて欲しいと思うんですが、それと同時に、そのICTのプラットフォームの健全性のようなことについても十分検証してほしいなと思います。
 以上です。

○松本座長 ありがとうございます。ほかにございますか。
 はい、お願いします。

○河野委員 私のほうからは、座長が、数字が進捗していて素晴らしいというお声があってあれなんですが、私のほうは、よく民間で目標設定する流れでお話をさせていただきますと、やっぱり目標設定して、毎年毎年やっていく中で、一番最初の初動がやっぱり難しくて、仕組みをつくるとか、あとはやっぱり意識改革をしなきゃいけない、文化自体を変えなきゃいけないというところで、そこにはとても時間と労力はかかるかなというふうには思っています。
 そういう意味では、ここ2018年、2019年と、数字が進捗したのはとても素晴らしいなと思う一方で、やっぱりこういった目標数字って一回加速し始めるともっと行けるんではないかなという期待値もありますので、ぜひ高い目標をどんどん掲げて、むしろこのレスに関しましては、議論する必要がないぐらい、もう放っておけばこれから行くんだなというところまで、皆さんが自信持てるところまで進められるんではないかなというふうに思ってきたので、ぜひそれをお願いしたいなというところと、今回、きょうのミーティングの事前ミーティングを事務局の方とさせていただいたときに、少し変わってきたのかなというところで、私は少し嬉しく思ったものがあったので共有をさせていただきますと、民間ですと、こういう数字を掲げたときに、どこの部署や、誰の責任のもと、この数字が動いているのかというところをすごく見える化をしますと。なので、各部署ごとの目標があって、その進捗を本当に定期的に追っていくという流れだと思います。
 やはりそういったものを取り入れるのは難しいと思うんですが、事務局の方にお伺いしたところ、局ごとの進捗、例えば会議の状況だったりというのを、以前はやっていなかったけれども、今は局ごとに数字を出して、進捗を見ていて、伸びたところに関しては成功事例というところを共有されていらっしゃるというのをお聞きしたので、少し変わられてきているんだなというのをすごく嬉しく思いましたので、ぜひ引き続き、進捗していただければなというふうに思っております。

○松本座長 ありがとうございます。
 では、谷田さん、お願いします。

○谷田委員 10ページの出産支援休暇と育児参加休暇、これは素晴らしいと思うんですね。弊社でも話していましたけれども、多分、私も含め、出産支援休暇と育児参加休暇はとれない。いや、本当に。なので、これ素晴らしいと思います。私は民間企業の社長をやっていますけれども、未だに開発も営業も前線に立ってごりごりやっていて、もちろん社長業もすごくやっているので休暇の取得は難しい。この出産支援休暇と育児参加休暇の仕組みを行うためには、多分、ワークシェアリングが必要だと思うんですね。なので、都がどういう形で実際に分担されていて、出産支援休暇と育児参加休暇の間にどういうふうにカバーしているのかが、ちょっと私の中にはアイデアがないので、逆に都の方からぜひそこのところを御披露いただきたいなと思います。それができれば、多分休めるようになるんです。私の場合は、私の代理がいないので、私が休みますと言ったら、休んでいる間の五日分の仕事がバーンとたまって、そのまま仕事が前後にスライドするだけで、休みをとる前に死ぬように働くことになります。多分、都ではそうならないようにして成功されているので、業務シェアの良い方法というのがあるのではないかと思うんですけれども、これを一生懸命研究されると、皆さんが出産支援休暇と育児参加休暇をもっと取りやすくなるんじゃないかなと思います。
 また、そういった仕組みの改善進めていただくためにでは、これを推進する人の 報酬が非常に大切だと思います。霞を食べて生きているわけではありませんので。実際の報酬はどうなっているのかというと、私はこれまで知らなかったんですが、公務員さんって報酬体系がしっかり決まっているそうですね。たまたま最近話をお聞きした方は、「色々と頑張って働いた 国家公務員が大した報酬をもらえていない」とおっしゃっていました。つまり、報酬はいじれないのですね。公務員の中でも、役職のある方には、多分運転手さんがついているとか、公用車があるとか、何か色々なものがあると思うんですけれども、別にそうでなくても、報酬は法律で決まっているのでいじれないということであれば、福利厚生のところでもうちょっとあげられないかなと。やった人にはちゃんとリワードというか、報酬があるように検討していただけると、多分、現場の方はもっと頑張るのではないかなと思いました。
 以上です。

○松本座長 ありがとうございます。皆さんの御意見は、とにかくよくやっているのではないですか、しかしそれに満足せずもっともっとやったらという激励だったと思います。
 小池知事のほうで締めていただきます。

○小池知事 励ましもいただいて、またお褒めもいただいた部分もあろうかと思います。また、そのことを皆さんのお言葉、職員にも伝えることによって、また励みにしていきたいと思います。
 はんこレス、おっしゃるとおりです。はんこをなくすことが目的ではなくて、はんこがなくなったがゆえにチェックが効かなくなったなどといったら、それはケアレスの方になってしまいますので、注意すべきことであります。そこはしっかり見るべき人は見たという、きちんとそういったシステムも取られているかと存じますので、仰る点も注意しながら進めていきたいと思います。
 それから、それぞれ職員も頑張って、だんだん意識も変わって、コピーマシーンが働いているようなところにはならないようにしていきたい。某丸の内のある企業に行きましたら、もうコピーマシーンは片隅に追いやられていて、みんなペーパーレスは当たり前というようなところ、それからフリーアドレスでやっているとか、非常に書類の陰に人がいるのではなくて、書類の山のところに積み重なっていて、そしてデスクごとに、ここまでが自分のテリトリーとかといって、領土争いをするようなことがないような、そんな新しいワークスタイルも幾つかの例を参考にしながら、今後考えてもいく必要があるとか思います。
 それから、女性職員の活躍推進というのは、これは私も大変誇りに思うところであると同時に、これまで色々な民間企業の場合などを見てみますと、やはり公務員と、それから一般の、民間の方々とはちょっと事情が違うかなと。ですから、だからこそ、公務員として守られている部分で、取るべき休暇などはしっかり取ってもらうというのが、またこれが社会の一部ながらも、普通になっていけば民間にも影響が出てくるのではないかと思いました。
 昨日の新聞だったか、育休を理由にクビになったということが裁判で争われて、そして会社側が負けているという例もありました。これからはそういったことも普通になるようにしていくためにも、都庁としていい例ができていけばと思いますし、男性も育休をとり始めたかな、梶原副知事は育休を取られたのでしたか。

○梶原副知事 育休はとらなかったですね。出産支援休暇と育児参加休暇は全部取りました。

○小池知事 もうそれが当たり前になるように、またその人の、その分、では誰のところにしわ寄せが行くかとか、それについては、副知事どうですか。

○多羅尾副知事 出産支援休暇とか育児参加休暇を実際にとれるようにするためには、大きく分けて二つあると思うんですけれども、一つは、当然その間、戦力が一定の期間ダウンするわけですから、それを補完するというシステム的なものができなければいけないということが一つと、それからどうしてもそれができなければ、やっぱりチームで応援していくということが一つあると思います。
 二つに共通することなんですけど、介護休暇等と違って、突然あした発生するというものではないので、ある一定期間前からわかるわけですので、そういう可能性が生じたら、直ちに本人は上司なり同僚に申告というか、言ってもらう。そして職場全体でその人が出産支援休暇から育児参加休暇をとるためにはどうしたらいいかと職場で考える、そういうふうな、今、運動というか、取組をしておりまして、もし定期的な人事異動でそのお休みの間のことを補えるならばそれが一番いいわけですし、それができないときにはどうやって応援隊体制を組むかということを早目早目に検討していく、そんなような今、対応でやっておりまして、とにかくその可能性が生じたらすぐ上司に言う、同僚と相談する。そういうような取組を、今、しております。

○松本座長 ありがとうございます。継続して進めていただきたいと思います。
 それでは、本日の最大のテーマ、議題の三つ目である、新たな都政改革についてに移りたいと思います。
 まず、事務局から説明をお願いいたします。

○豊田総務局都政改革担当部長 新たな都政改革につきまして、資料3によりまして、御説明をいたします。
 前回の7月のアドバイザリー会議で、今後の都政改革の進め方という議題で御議論をいただきました。都民や企業の利便性や効率性などがより一層向上することができるような改革の進め方などにつきまして、さまざまな御意見をいただいたところでございます。
 その後、9月2日の都政改革本部会議におきまして、新たな都政改革の指導について、御報告をしておりますので、そのときの資料がこちらになってございます。
 これまで2020改革を推進しまして、都庁の生産性向上や改革マインドの浸透などを図ってまいりました。一方、都庁内外の状況は劇的に変化しているところでございますので、長期的な視点に立って、これまでの延長線上ではない抜本的な改革をこれからも絶え間なく実施していく必要がございます。
 現在、都では、冒頭知事から御発言がありましたように、目指すべき東京の姿や将来に向けた目標と取り組むべき政策の柱、これらを実現するための主要な事業等をお示しします長期戦略ビジョンの年内の策定に向けまして取り組んでおります。この長期戦略の目指す東京、これを支える都庁につきまして、新たなステージ、進化させた都政改革が必要となります。
 こちらの図にありますように、新たな改革のイメージが矢印の右側にあります、将来の目指すべき都政・都庁を実現するために、都庁が担う仕事を変革し、その変革にふさわしい形で各制度を見直す。また、規制などについても、改革してまいりたいと考えております。
 2020改革につきましては、一番下にございますように、先ほどの議題で御説明したようなしごと改革ですとか、各局の自律改革などの成果を矢印の左にございますように、今後も継承し、発展させてまいります。
 次に、新たな都政改革の進め方でございます。新たな都政改革推進チームを設置しまして、制度所管部署を中心に現在、議論を進めております。今後につきましては、こちらにありますとおり未来の東京への論点の公表に際しまして募集しております都民の皆様からの御意見ですとか、下にございますように、職員アンケート、若手職員の企画提案など、職員の声も反映しながら、年内には新たな都政改革の方向性や主な取り組みについて、都政改革ビジョンという形で策定をしてまいりたいと考えております。
 その後、令和2年度の早期に実行方針を策定しまして、順次、具体的な改革案をまとめて実施していきたいと考えております。
 次のページは、職員アンケート、若手職員の企画についてでございます。
 まず、アンケートでございますが、都庁の業務に関する課題などについて、職員の生の意見を集めまして、改革の方向性や具体的な取り組みの検討に活用するために10月にアンケートを実施しました。2,000名を超える職員から回答がありまして、現在、内容を分析しております。
 次に、若手職員の企画でございます。将来を見据えた都庁の仕事のあるべき姿ですとか、その実現に向けた取組を若手職員が検討するというものです。35歳以下の主任級職員を対象にしまして、参加を全庁で募ったところ、参加希望があった38名の職員が今月から活動を開始しておりまして、ワークショップをこれまで3回開催しております。これからも検討を重ねていきたいと考えております。若手職員の都庁の仕事の仕方などを変えたいという意思を改革案の企画提案につなげていきたいと考えております。
 次のページでございます。求められる変化と前回会議での主な御意見を紹介しております。
 1点目ですが、今後、人口減少ですとか高齢化、こういった人口構造の変化などが進んでまいりますので、労働力減少ですとか、医療介護需要の増加、多文化共生など、多様化していく行政ニーズへの迅速な対応がますます求められると考えております。そのような中、前回の会議におきましては、都民、企業が気づいていない問題を解決することが究極の改革、イノベーションではないかといったようなさまざまな御意見をいただきました。
 2点目としましては、技術革新やSociety5.0の到来によりまして、場所や時間を選ばない行政サービスの提供が可能になるなど、都民の利便性向上がさらに求められると考えております。前回の会議におきましては、デジタル化によって、これまでできないと諦めていたようなことが可能になるかもしれないので、諦めずにチャレンジしてほしいといったような御意見をいただいております。
 次のページ、お願いします。
 こういった状況を踏まえまして、本日の御議論でございますが、こちらにありますとおり、都民ニーズを先取りした政策を展開するために必要な改革について、御議論いただきたいと考えております。
 私ども、都政の究極の目的は、都民福祉ですとか、都民サービスの向上でございます。人口減少の中でも、革新的な技術をフルに活用しまして、都民ニーズを先取りした都政の展開を目指していく必要がございます。そのためには、民と公の知恵を結集していく体制を整えるなど、現状の都の役割や仕事そのものを変革していかなければなりません。御議論いただくに当たりまして、こちらにありますとおり政策課題の解決や新たな行政サービスを創造するための都と民間企業との協働のあり方、具体的には、例えばコンソーシアムなどの協働の仕組みですとか、民間とのオープンデータの活用や情報の取り扱い、こういった視点などで御意見をいただけたらと考えてございます。
 次のページをお願いします。
 次のページ以降は、先進的な事例などを一つずつ紹介させていただいております。
 まず、民間企業との共創による社会課題解決でございます。
 横浜市では、共創推進室という民間事業者からの公民連携に関する相談・提案窓口を設定してございます。こちらが提案者と市役所各部署との橋渡し役をしておりまして、事業の実現に向けたコーディネートをしてございます。横浜市からテーマを示して、そのテーマに対する提案やアイデアを募集するテーマ型共創フロント、あるいは公民連携を希望する事業、アイデア等をテーマを問わずに自由に提案できるフリー型共創フロントなどがございまして、これまでに350件以上の事業が実現していると伺っております。
 具体的な例としては、こちらにあるようなごみの分別の案内の例を書いてございます。こちらはNTTドコモが持つAIの技術と市が持つ分別の検索データをAIに学習をさせまして、瞬時に案内する、分別の方法を案内するサービスを開始した、そういった例になっております。
 このような行政単独ではなく、新しいアイデアや先進技術を持つ民間と事業の企画提案段階から連携することで、社会課題を解決する事例が出てきているかと思います。
 次のページ、お願いします。
 こちらはデータ利活用の例でございますが、こちらについては、本年2月にデジタルガバメントに関する海外の先進事例につきまして、私ども都政改革担当や当時の情報通信企画部の職員がエストニアやシンガポールなどを現地調査した際の事例を紹介しております。
 こちらはシンガポールの例でございますが、国民のニーズを酌み取って施策を検討するためにデータの収集や分析を行う仕組みを構築しております。
 例えば、National Steps Challengeという取り組みでは、国民に運動する習慣を根づかせるために始めたプロジェクトとなっております。モバイルアプリなどを参加者に配布して、歩いた歩数などに応じまして、クーポンなどを提供しながら、歩数データを分析しまして、次年度の健康施策に活用している状況でございます。
 また、Virtual Singaporeについては、国土全体を3Dモデル化するプロジェクトになっております。建築物、道路、鉄道などが3D化されているだけでなく、それぞれの管理者などの属性の情報も確認できるようになっております。当然、各省庁もアクセスできて、全庁横断的に都市計画の検討などを進めることを目指している取組と伺っております。
 最後のDATAMALLという取り組みについては、交通関係のオープンデータサイトになっておりまして、交通渋滞や道路工事情報など、所管の省庁が保有するデータだけでなく、民間の事業者が保有するデータもあわせて提供しているのが特徴となっております。
 最後の2ページにつきましては、本年8月に都が公表いたしました「未来の東京」への論点~今、なすべき未来への投資とは~の中の2040年代を想定した、我々が目指すべき未来の東京の姿を参考で掲載しております。こちらにありますとおり、目指す都庁のイメージの例としましては、職員が、民間企業と協働して社会課題の解決に取り組んでいる。また、次のページになりますが、定型業務の大半をAIが担い、職員は政策のイノベーションを生み出すことに注力する組織に変更している。世界の大都市と連携し、世界レベルの課題解決の先頭に立っている。強固な財政基盤を維持し、さらなる行政サービスの充実を図っているなどのイメージをお示ししております。
 以上のような事例等を挙げさせていただきましたが、本日は都民ニーズを先取りした政策を展開するために必要な改革につきまして、特に民間企業との協働などの視点から、各委員の皆様の貴重な御意見をいただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○松本座長 説明ありがとうございました。
 2020年のお話をしてきまして、突然2040年というのは、はっきり言って夢です。しかし、夢を語ることは本当に大事だと思います。吉田松陰の言葉で非常にいい言葉があります。「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功はなし、故に夢なき者に成功なし」という言葉です。2040年を語ってみるのは、本当にいいことです。そしてそれをdreamもしくはdreamsとSがつくと思いますが、dreams come trueだと思います。ぜひとも残り30分弱ですが、委員の方から御意見をいただきたいんですが、その前に、本日御欠席されております松井委員と西村委員から事前にコメントをいただいていますので、事務局のほうから御紹介させていただきます。
 事務局、よろしくお願いします。

○豊田総務局都政改革担当部長 まず、松井委員からのコメントを紹介いたします。大きく2点、御意見をいただきました。
 1点目が、民間との人材交流についての御意見でございました。民間との人材交流をより活発化し、異なった視点からの民間の知恵を入れるべきではないか。特に若い世代からの交流が必要で、そして交流して、外から戻ってきてからどういうキャリアアップに生かせるかを若手職員に示していくことが重要ではないかというのが1点目の御意見でございました。
 2点目が、情報やデータのリスクと人材についての御意見です。ITについては、リスク管理やサイバーセキュリティーが日本ではまだ全国的に十分ではなっていない。そこについては、戦略的に検討を進める必要があるのではないか。専門性がある人材を置くのがグローバルスタンダードであると思いますという御意見を頂戴しました。
 続きまして、西村委員からのコメントでございます。
 こちらも大きく2点、いただいておりまして、1点目が、民間との協働の進め方の御意見です。民間の発想で新たな取り組みを進めていく中では、必ずしも成功しない事例も出てくると思う。それでもオープンな形で民と官がともに責任を負いながら、トライ・アンド・エラーを繰り返して、前に進めていく手法が必要ではないでしょうかといった御意見でございます。
 2点目が、データの利活用についての御意見です。行政では、有用性が低いと考えているようなデータだとしても、民間企業の視点で見ると、それは分析や活用をすると社会課題の解決などにつなげられる可能性もあることから、情報をよりオープンにすることが重要ではないか。こういった御意見をいただきました。
 以上でございます。

○松本座長 ありがとうございます。それでは意見交換に入りますが、今日の委員、お一人ずつからまず御意見をいただきまして、時間が残りましたら意見交換したいと思います。水町委員から順にお願いしたいと思います。

○水町委員 では、データ活用について、意見を述べたいと思います。
 デジタルガバメントとかデジタル活用を都として非常に強く打ち出されている姿勢は、本当に素晴らしいことであるというふうに思います。霞ヶ関でも基礎自治体でも、ほかの都道府県でも、やりたいと、やっていくというようなことは言っていても、なかなか難しい事例も多いと。なので、やはり強力なリーダーシップというのが非常に求められるというふうに思います。特に、局をまたいで様々なデータが散在しておりますので、局をまたいで調整、強力な調整能力が効くような強いリーダーシップが必要だと思います。
 色々な地方公務員の方の御意見を聞いていると、現場のほうがやりたいという意見もあるんですね。現場が逆にデジガバをやりたい、データ活用をやりたいんだけれど、やはりリスクをおそれてなかなか進めないという場合もあります。そういったやりたい現場をサポートするような、そういう制度所管というのがあるともっと進むんじゃないか。なかなか、当局内当局になりがちというか、リスクを抑える本部的な機能でという、そういうものもありがちなんですけれども、逆にやりたいと思っている、このSociety5.0の時代に即したことをやりたいと思っている人を助けるようなサポート部局というのもあったほうがいいんじゃないかと。
 その反面、今度は現場がやりたくないという声もよく聞きます。データを出すことで何のメリットもない、現場的には何のメリットもないのに、リスクを負うというのを嫌がる声は非常に多いです。こういったことは、やはり具体的に都としてどういう方針で、どういうものをやっていくのか。リスクといっても、高いものから低いものまで様々なパターンがあり得て、何も出すことが全部リスクになるわけではないので、そういう丁寧な検討、現場の何が阻害要因になっているのか、例えば、目標設定であるとか、基準設定であるとか、そういったものをやっぱり強力に打ち出していくということも重要じゃないかなというふうに思います。
 あと、やっぱり個人情報も含まれておりますので、データの中に個人情報が含まれておりますので、個人情報保護というのがもう大前提になろうかと思います。個人情報保護はもう絶対大前提なんですが、なかなか個人情報保護とデータ利活用が相対立するものという捉え方をしてしまうともう進まないんですね。自治体なんかでよくあるパターンなんですけれども、そうではなくて、個人情報保護をやりながら、データ活用も同時に進めていく、そういう発想の転換というか、そういった観点から、個人情報保護の担当とデータ活用の担当を一つにするということも、ある意味、意義が高いのではないかというふうに思います。個人情報保護条例、東京都は非常に昔からよくやっていらっしゃるとは思うんですけれども、やはり今の時代に即した個人情報保護条例、個人情報保護のルールがあってもいいんじゃないかなと思いますので、もちろん保護というのは大前提なんですけれども、時代に即した保護というのも御検討いただけると嬉しいなと思います。
 あと、民間との活用についての意見なんですけれども、横浜市なんかの取組もいいと思うんですけれども、もうちょっと、例えば今やっているような委託形態でも様々なパターンがあり得るんじゃないかなと思っています。都の事業ですと、大規模で長期間で非常に責任が強いような取組、事業が多いので、入札する民間事業側にかなりの能力や資格を求めているような場合もあると思うんですね。それは非常に大事なことであると思います。ただ、もうちょっと軽い案件ですね。例えば、RFI、リクエスト・フォー・インフォメーションとか、RFPレベルのものであるとか、軽いコンサルティング、あとアイデアが必要なもの、企画、調査、こういったものは、入札の要件をもっと軽くして、逆に1社提案、1社だけ採用するのではなくて、例えば20社、30社から提案が来て、よい上位5社と契約しますとか、10社と契約しますというようなやり方、例えば、もう随契レベルの金額でもいいと思うんですけれども、そういったことでより、今のやり方、調達のやり方を少し変えるだけでも、結構様々なアイデアが集まってくるんじゃないかなと思いました。
 以上です。

○松本座長 続きまして石田委員、お願いします。

○石田委員 私もAIの活用やビックデータの解析について、今、証拠に基づく政策形成・立案、EBPMというのが、ちょっと言い方が悪いですけれども、はやりのようになっていて、まだでも始まったばかりで、具体的なところがない中で、例えば大津市、新聞報道もありましたけれども、過去のいじめの疑わしい事案5,000件をAIで分析して、深刻になりそうな度合いをあらかじめ予測して、早期発見・防止に役立てるようにするという、もう中間報告も出ていて、実際に稼働するということですので、そういったことは多分児童虐待とか、ひきこもりとか、不登校とか、そういうことにも活かせるいけると思うんですね。今まで政策評価制度を担当していましたので、行政だとゴールはわかるんだけれども、今やっていることがゴールに近づいているのかどうか、どういう施策をしたらいいのか、事業をしたらいいのかというのがわからないところを、そこでAIやビックデータを解析して、仮説を立てて、こういうことをするとひきこもりの早期回復とか、社会復帰ができるとか、児童虐待もこういう事例はこのまま放置すると危ないから、次にこうしたほうがいいんだというのを、現場の個々の職員が頭を悩ますことも大事ですけれども、大きなデータでこういう傾向があるよとわかっていれば説得もしやすいでしょうし、そういうところに活用していただきたいなということが一つです。
 あともう一つ、最近、世界最高齢のプログラマーという若宮さんのインタビュー記事とか色々出ていますけれども、東京都さんもエストニアに行かれたということですが、若宮さんも一人で行かれて、そこでやっぱりITというのはシニアにこそすごく大事という、動けないからこそ。その若宮さんが、新聞記事によると100人のエストニアのシニアの人にアンケートをとったら、8割の人が電子政府のサービスを使っていると。さらに9割が、それによって生活が豊かになったと言っている。どうしてなのかということで、若宮さんも仮のIDをとって中に入ったら、シニアの人の医療データが全部出てくると。これが出てくると、例えば災害でおくすり手帳とか病院のデータが全部なくなって、あるいはお医者さんもどこかに行ってしまっても、何も新しいことをしないでも、そのデータを使ってちゃんと処方箋がでるんだと。これはすごくシニアにいいという、そうですよね、シニアにいいですよねと思って。
 では今回、都民福祉、都民サービスの向上ということで、シニアというと、私の至近な例ですが、義理の父が介護認定を受けるときに、介護の認定というのはお医者様にも書類を依頼して、さらに認定の人が直接その高齢者に会って、さらに家族の人も行かなければいけないんですね。すごくそれ日程調整が大変で、これこそそんなのスカイプとか、ITとか使えばできるんじゃないのという。今まで何も考えていなかったけれども、シニアにとってもっと優しいサービスというのは、こんなのがあったらいいなという声を拾えば、色々あるんじゃないかなというふうに思いました。
 あとやっぱり東京都はすごく大きいので、23区と市ですね、すごくばらつきがあると思うんですね。そこで困っている課題をやはり都が支援していくというのも必要じゃないかと。本当にこれも最近の新聞の記事で、同じ都内でも小学校でプログラミングの教育が来年度から必修になるのにパソコンの普及率に10倍差があると。世田谷は一人1台だけれども、練馬でしたか、そこは14人に1台という差がある。財政難で、区でできることというのは限りがあると思うので、これからICTの重要性はますます重要になる中で、都民、お子さんたち、皆さんがきちんと使いこなせるようなリテラシー教育というのは23区でできなかったら、ぜひ都でも御支援いただけたらありがたいなと思いました。
 以上です。

○松本座長 それでは岩本委員、お願いします。

○岩本委員 総括的に言うと、大変いい計画ができていると思いますし、我々もぜひそれを支援していきたいと思うんですけれども、大きく分けて言うと、三つコメントしたいと思いますね。
 一つは、この計画の中に書かれていたんですけれども、やっぱり若い人の意見、意識を聞くという基本的な考え方は素晴らしいと思うんですね。2040年でしょう。
話が変わるようですけれども、都知事も行かれましたけれども、北京って今すごくきれいになっているんですよね。ちょっと前までは大気汚染で全く山並みなんか見えませんでしたが、今は見えています。どうしてかというと、習近平の三つの大きな内政施策のうちの一つが環境のなんです。1990年生まれの北京の人たちは、今ちょうど30歳ぐらいになってきて、結婚適齢期を迎えています。子供が生まれると親は当然ですけれども、子供の健康とかがのすごく気になる。粉ミルクもそうですけれども、健康を気にする声がすごく大きい。だから、一面的な見方かもしれませんが、習近平政権も対応せざるを得ないということもあるわけです。だから、20年後、今の東京というか日本の社会がどうなっているかということを考えるためには、今の都庁にいる若い職員など少なくともそういう若い人に自分の人生をどう生きて、だからどうしたいんだみたいな意見を聞いて、それをこういう計画の中に織り込むというのは、私は大変すばらしい試みだと思うし、ぜひそれはこれからも継続してやってほしいというのが一つ目のコメントです。
 二つ目は、先ほど石田さんからもちょっとあったんですけれど、以前も私は申し上げたんですけれど、東京都というのはちょっと別格の自治体なんですよね。一番大きいのは日本のキャピタルであるということです。それから東京「都民」としての意識があります。他の県だと県民であるよりも何とか市の市民とか、何とか町の町民としての意識のほうが強いんですよね。一方、東京の行政として見ると、都と区、市との違いみたいなものがわかりにくい。じゃあ都政というのは、どう考えるのか。一般の人たちにとっては、やっぱりサービスは区のサービスであったり市のサービスであるんですよね、多くのところが。もちろん例えば消防だとか、都しかできないようなものも色々があるかもしれませんけれども。そこを私は日本のキャピタルという意味で、都のサービスはもちろん都民のためのものであり、都にある大企業も中小企業も皆がいいビジネスができるような環境を整えることが重要であると思うのです。また、我々がパリ、ロンドン、ニューヨークと言うときには、ひとつの市というよりも、その国の代名詞として言っていることがよくありますよね。20年後ぐらいには羽田も更に国際便が増えてきますから、多くの人たちが日本のキャピタルとしての東京に訪れる。それが魅力ある、日本の代名詞としての東京であって欲しいという期待を、どう都政の新しい改革のメニューの中に入れていくかという視点は忘れてほしくないと思うんですね。その延長線上でいうと、30年以内に70%の確率で首都直下型地震が起こるわけですよね。都の人たちがものすごく工夫していて、もし大きな首都直下型地震が起こったときにどうするかということを考えていることは、私なりによく存じ上げています。本当に一生懸命やっていると思うんですけれども、多分足りないんだろうと思うんですね。
 今、日本全国で、例えばお隣の千葉県でも、ついこの間の台風被害時のような議論がありますし、私のふるさとの長野県でも千曲川が氾濫をしてしまったなんていう話もある。つまり100年に一度の豪雨が毎年来るということがわかっていて、東京も周辺部に行くとかなり危ないところかたくさんあるとしたら、災害に強いレジリエンスな東京にするためにどう対応していくかというのもこの長期の計画の中にはきちんと入れてほしいし、そしてこれを解決する方法も色々あると思っているんです。
 三つ目は、ちょっと私の畑に戻るので、我田引水ですけど、このITの世界は、前回も申し上げたとおりExponential Growthに進化していきます。Exponential Growthに20年経過するというのは、とんでもない進化ですよ。以前にも言ったかもしれませんが、ロボットがここにいて、このロボットは、1歩目は2メートルで2歩目は4メートルで3歩目は8メートルで・・・と進むといて、東京から西に向かって30歩歩いたら、30歩目の歩幅はどのくらいですかという質問です。数学のできる、宮坂さんがすぐ答えられると思うんですけれども、10歩目は1,024メートルなんです。では30歩目の歩幅はどのくらいですか。この話を世界中色々な人と私はしますけれども、すぐ答えたのはシリコンバレーにいる、ある有名な会社のCTOでした。5秒後に、ミスター岩本”It’s from earth to mono”と答えたんですね。いい答えですけれども、惜しいです。答えは地球を25周回るぐらいの歩幅になるわけですよ。これは、2の30乗はいくつかという数学の問題です。2の10乗が1,024メートルだから約1キロメートルとすると、2の20乗はその1,000倍だから1,000キロメートルです。2の30乗はさらにその1,000倍だから100万キロメートル、地球1周は4万キロだから地球25周回る距離です。地球から月の距離は38万キロだから、いい答えだけれども、惜しいですね。そのぐらいこの技術というのは飛躍的に進歩するので、今までできなかったことが当たり前にできるようになり、これは全ての、個人にも社会にも影響しますけれども、行政ができることにも大きく影響するのです。
 最後に、ヒントを言いますと、今、デジタルと言われて3年から4年経ちました。2014、2015年ぐらいからデジタルトランスフォーメーションと言われ始めましたけど、今は、それをもう少し分解したCAMBRICと言う言葉があります。CAMBRICとは、Cはクラウドコンピューティング、AはAI、それからMはモビリティ、このモビリティにはバーチャルリアリティ(VR)とかアーグメンテッドリアリティ(AR)も入ります、それからBはビックデータですね、Rはロボティクス、IはIoT、最後のCはサイバーセキュリティーです。このCAMBRIC皆さん色々なところで議論していて、20年経ったら更にすごい変化をする。その中で、都政をどうするかということをぜひ考えてほしいと思います。
 以上です。

○松本座長 ありがとうございます。私にはわかりにくかったけれども、楽しかったです。
 では河野委員、お願いします。

○河野委員 タイムキーパーがおりますので、ちょっと簡潔に頑張りたいと思いますけれども、まずはやっぱり都政改革のスピードを上げる意味では、民間を入れるのはもう必須だなというのはもう前からお話しさせていただいていると思うので、ぜひぜひというところなんですが、本日のお話の中で、都民の幸福度というお話があったと思います。やっぱり幸福度を上げていくという一つの近道が都政に対しての興味・関心をもっと上げていくというのが何よりも重要かなというふうに思っています。まず、色々と掲げていただいて、数字も上がってきているんですけれども、実際都民がそこをどこまで理解していて、自分事になっていくかというところが重要だと思うので、この民間と一緒にやっていくというのは、そういう意味でも意識を高めるというので、とても重要かなと思っています。
 ただ、色々な方がAIとかデータとかおっしゃるので、あえてお話しさせていただきますと、やっぱり重要なのは当事者を巻き込むことかなと思っていて、当事者なきプロジェクトに結果は出ないんじゃないかなというふうに思いました。というのは、例えば、私ごとですが、私この夏に高齢出産をいたしまして、実は2カ月ほど、今までずっと仕事畑だったんですけれども、2カ月ほど休んで、復帰をして、ここにおります。
 やっぱり、色々うちの会社は仕組みを持っていて、女性に優しい、色々な仕組みがあったんですけれども、実際に弱者と言われる、その当事者になってみて初めて、仕組みはあるんだけれども、使うときの手続がすごく難しいですとか、あと色々と区の助成金とかあるんですけれども、それを使うときにスマホではできないと。子育てをしてスマホでできない、パソコンできない、紙を書かなきゃいけない、こういう、実は仕組みがあるんだけれども、使う側にとってすごく不便だということがとても多いんですよね。
 なので、やっぱりAIを使うことはとても素晴らしいし、データを使うことは素晴らしいんですけれども、結構このユーザーのエクスペリエンスを見たときに抜け落ちているポイントというのは絶対あるはずなので、何かだけではなくて、やっぱり当事者を入れて意見を聞くということを全体的にやるほうがいいなというふうに思いました。
 今回の資料にもありますけれども、若手職員にワークショップをするに当たって、手を挙げさせたというのが都政の中ではすごく珍しいというふうにお聞きしています。どのぐらい集まるかといったところで、38人、多いか少ないかわからないですが、でも挙がったというのがとても重要かなと思っています。これ文化にしていただければ、もっともっと挙がっていくと思うので、ぜひ継続していただきたいですし、そこにはどんどん民間も実際に入れて、一緒にワークショップするというものもやっていただけるといいんじゃないかなと思っています。ぜひ引き続きよろしくお願いします。

○松本座長 ありがとうございます。それでは谷田委員。

○谷田委員 お時間大丈夫ですか。前にも申し上げましたが、一つだけ申し上げたいと思います。民間ですので。
 企業では売り上げと利益があり、利益というのは売り上げからコストを引いたものです。これまで意見交換をしてきた改革の全部が、コストのところをどうしようかというお話でした。私は、この後、改革を進められる上で、売り上げを上げるという視点を絶対に入れていただきたいなと思っています。これは前にも申し上げたんですが、ちょっと調べたところ、お金に関しては、財産権がありますので、憲法に違反するわけにいきませんが、銀行の休眠口座の活用に関して、民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律ができました。一応、国でタッチできるようになったのです。都に関係することですと、空き家とか空き地です。これらについてすごく問題になっていますが、こちらも法律ができたようなので、色々やられていると思います。しかし、固定資産税が未収になっている土地・家が含まれていますので、ここにやっぱり思い切ってメスを入れていただきたい。税の公平性から考えても、払っていないところがあるというのはおかしいです。税収が増えるというそれだけ都民の皆さんの負担が減りますよという話になりますし、都民ファースト目的にかなっています。これからオリンピックもありますので、先ほども出ましたけれども、防災面、安全面からでも空き家をどうするかは大きな問題です。オリンピックは国の威信をかけてやりますので、景観についても問題です。ですので、そこの部分、かなり色々と配慮が必要なところがあって、色々な軋轢があるのはわかるんですけど、きちんと考えて税収を上げようということで、本当に毎月会議をやっていただきたいぐらい重要ななところです。
 そうなると、空いた土地が都のものになりますので、そこに民間の企業さんがたくさん建物を建てていただければ、経済が回ります。当然、その建物が建った上では、ぜひ共働きの方がぜひ優先的に入居できる仕組みにしていただいて、子育て支援に役立てていただきたいです。通勤時間の問題としても、子育てが大変で遠くにいるような人を、なるべく職場の近くに住めるようにするというようなモチベーションアップを目指していただければ、色々な改革の一助になると思います。ぜひ売り上げを上げるというか、税収を上げるほうの仕組みを入れていただければというふうに思っております。
 以上です。

○松本座長 皆さんから本当に大変いい意見をいただきました。本当にありがとうございました。
 2040年ですから、本当に夢を語っていきたいと思いますが、夢を語るにはちょっと30分では短いので、改めてまたじっくりこの会議で夢を語っていきたいと思います。
 いい組織をつくるのは、まず最初にいいビジョンが必要です。しかしビジョンというのは非常に抽象的ですから、その抽象的なことを具体的にする、それがプランです。いいビジョンがあって、いいプランがあったら残るのはリーダーシップです。これはいい組織をつくる基本だと私は思っています。
 今日、本当に熱い議論をしていただきまして、ありがとうございました。最後に知事からまとめの御発言をお願いしたいと思います。

○小池知事 タイムキーパーがいますので、2分で。
 皆様、ありがとうございました。やはり民間の企業での経営の視点、学識経験の知見などを踏まえて多くの参考になる御意見、御助言をいただきましたことを感謝申し上げます。
 また、政策評価については、成果指標や目標の設定、制度改善の方向性が示されまして、それぞれの方々に対し、御協力いただいた件、ありがとうございます。
 新たな都政改革ですが、2040年代をフォーカスいたしまして、そして2030年までに、そのために何をしていくかというその準備でございます。最も8月に北京に参りましたときは、何とあちらの計画は1000年単位だというので、さすが万里の長城と思いながら、今の出生率でいくと、この我が国は1000年でもうレッドデータブックに確実に載るということでございまして、居なくなるという、恐ろしい話ではございますが、だからこそ待機児童対策や少子化に向けてしっかり取り組ませていただいているところでございますが、御出産誠におめでとうございます。
 それから、先ほど空き家の話がありましたので、若干データ的なことを申し上げますと、東京都においては81万件、戸といっていいか、室といっていいか、結構それは動いているというか、不動産物件としての動きがあって、むしろ減りつつあるというのが、他の地域との違いかと思いますが、いずれにせよ固定資産税、皆さんに楽しくお支払いいただけるために、環境、経済的な環境も整えていきたいと、このように思っています。
 まず都庁、合計すれば17万人と言われている、大所帯ではありますけれども、一人一人がやはり責任を持って、そしてまたそれぞれが夢を持った働きできるように努めていきたいと思います。
 後で岩本さんに最初の、AIの前が何だったか。AIの前は何ですか。

○岩本委員 AIの前はデジタルといって、その前はスマック。スマックからデジタルに変わって、それがスマックデジタル、そこからキャンブリックになります。

○小池知事 キャンブリック。ダウンブリックじゃなくて、キャンブリック。クラウドコンピューティング、ちょっと後でまたゆっくり聞きます。あと、私はいつも例に出しますのが1901年の1月2日付の報知新聞でありまして、あれは100年後の日本というので、かなり的確にというか、100年たった今、もうとっくにできているということですから、100年単位でものを考えるというのは、やっぱり夢を語るということなのだろうと思っております。
 本当に皆様ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

 4.閉会
○松本座長 本日は大変ありがとうございました。
 では最後に事務局から連絡事項をお願いします。

○野間総務局次長 事務局から御連絡申し上げます。本日の議事録につきましては、また例によって改めて御確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、本日は貴重な御意見をいただきましたので、今、新たな都政改革ビジョンの策定に議論を進めているところでございますので、これに反映させていただきたいと思います。
 本日は常に長い時間にわたりまして、貴重な御意見を頂戴しまして、本当にありがとうございました。

16時59分開会

 

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