都政改革本部会議(第21回)議事録

平成31年1月23日(水曜日)
都庁第一本庁舎7階大会議室


10時37分 開会

○事務局(榎本) それでは、ただいまより第21回都政改革本部会議を開催いたします。
 本日の会議はインターネット中継を行うとともに、タブレット端末を使用して進行してまいります。会議中、端末に不具合が発生した場合は、職員までお声かけください。
 また、本日の会議出席者は、座席表の配付をもってかえさせていただきます。
 なお、本日の会議は、30分間を予定しております。よろしくお願いいたします。
 それではまず、知事より御挨拶をいただきたいと思います。
 知事、よろしくお願いいたします。

 2.知事挨拶
○小池知事 おはようございます。
 今日で21回目になりました都政改革本部であります。今年は、何よりも来年の2020年大会が迫ってきている。それからさらにその先を見据えて、東京の、そして日本の持続的な成長に向けて準備をすると、仕込みをするという意味で、大変重要な1年になろうと、このように思っております。
 引き続き職員の皆さんと改革、自律改革に邁進していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 そして、今日は3点ありますが、まず監理団体改革について、去年の1月に作成をした監理団体改革の実施方針に基づいて今年度の取組状況についての報告。
 二つ目、各局の主要事業の総点検の見える化改革について、水道局から報告をお願いします。
 そして三つ目が、今後の執行体制の強化でありますが、検討内容の報告をいただきたいと、このように思います。
 効率的にこの会議進めたいと思います。よろしくお願いいたします。

3.議題
○事務局(榎本) ありがとうございました。
 それでは、本日の議題に入らせていただきます。
 本日の議題は、「2020改革プランの取組状況について」、「仕組み改革について」、「見える化改革について」、「執行体制の強化について」でございます。
 それでは、「2020改革プラン」取組状況につきまして、事務局から説明をさせていただきます。

○事務局(小笠原) それでは、事務局から活動状況について報告をさせていただきます。
 資料1を御覧ください。
 まず、「しごと改革」ですが、現在、今年度の取組状況と次年度の取組内容の整理を行っているところでございます。月末に予定しております次回の本部会議で報告をさせていただきます。
 次に、「見える化改革」についてですが、本日水道局から御報告をいただきます。これで、全ての事業ユニットの報告が完了いたします。
 「仕組み改革」についてでございますが、本日監理団体改革と執行体制の強化について報告をさせていただきます。
 次回の本部会議では、政策評価について次年度からの実施に向けた検討結果を報告させていただきます。
 施設サービス魅力向上プロジェクトにつきましても、次回の本部会議で、今年度の取組結果と次年度の取組内容を報告させていただきます。
 また、次回の本部会議では、合わせましてこれらを反映いたしました「2020改革プラン」のバージョンアップの素案について御報告をさせていただきます。
 事務局からは、以上でございます。

○事務局(榎本) ただいまの報告に関しまして、何か御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして議題の二つ目、「仕組み改革について」でございます。
 本日は「監理団体改革の取組状況」について、総務局から報告をさせていただきます。

○小林行政改革推進部長 では、監理団体について御報告申し上げます。
 昨年1月にお示ししております監理団体改革の実施方針に基づきまして、今年度取り組んだ状況についての報告ということでございます。
 目次をめくっていただきまして、1ページを御覧いただきたいと思います。
 団体の統廃合・新設、これが約10年ぶりの見直しとなりました。団体常勤役員ポスト等の見直しによりまして、民間などのポストの数を倍増させるということ。そして、団体の基準・名称等の見直し、こちらも約20年ぶりということなど、主な取組内容を簡潔にまとめたものでございます。
 これらの取組と合わせまして、2ページ以降実施方針に基づく個別の取組について監理団体、団体を所管する局、総務局の三つの切り口から御報告をさせていただきます。
 まず、監理団体による改革でございます。4ページ目、5ページ目になりますけども、昨年6月に全団体が策定をいたしました「経営改革プラン」についてでございます。現在31年度に向けまして改定作業に取り組んでおります。外部有識者も活用しながらPDCAサイクルを回し、各団体の経営改革をさらに進めてまいります。
 6ページでございます。
 団体の監事・監査役によります監査の指針、計画の策定や、団体の主要事業別の収益や執行体制、理事会・評議員会の議事要旨の公開など、団体内部のガバナンスの強化や経営情報の見える化を図ったところでございます。
 次に、所管局による改革でございます。8ページを御覧いただきたいと思います。
 三つのシティの実現に向けまして、現在各局等長において、監理団体活用戦略、仮称でございますが、こちらの策定に着手してございます。これは、社会情勢の変化、見える化改革で示しました改革の方向性や団体の経営改革など踏まえながら、9ページにございますとおり、団体の役割の高度化、新たなミッションの付与、既存活用策の見直しの三つの視点から各団体の活用の考え方を取りまとめるものでございまして、2019年度早期の策定を予定してございます。
 続いて10ページは、監理団体のあり方の見直しでございます。
 社会情勢の変化に応じまして、都庁グループの機能強化という観点から、これまで監理団体のあり方について検討してまいりました。今回4テーマについて御報告いたしますけれども、今後も社会情勢の変化を踏まえながら、継続的に団体のあり方の見直しについて検討していく予定でございます。
 11ページと12ページを御覧いただきたいと思います。
 初めに東京水道サービスとPUCの統廃合でございます。
 人口減少や施設の老朽化などに対応いたします経営基盤の強化や、水道法の改正など広域連携、官民連携が進展していくことが想定されますことから、水道局が所管いたします東京水道サービスとPUCを2019年度中に統合し、水道事業を包括的に担うことができる体制を構築していくというものでございます。
 二つ目は、13ページ、14ページの教員の働き方改革を推進する団体の新設でございます。
 学校現場におけます教育課題の増加に伴い、過労死ラインの教員が多数存在する中、教員の質の低下を招きかねない危機的状況を改善することが重要でございます。教員の負担軽減と教育の質の向上、この両立を図る取組の一つとして、学校をきめ細かくサポートいたします全国初の多角的な支援機関を2019年度に設立するというものでございます。
 三つ目、四つ目は、スポーツ文化事業団と農林水産振興財団でございます。
 15ページで、それぞれ2020大会後のレガシーを見据えましたスポーツ振興施策の担い手として役割を特化していくこと、また、都内の食品産業のさらなる振興に向け、食品技術センターが持つ機能の抜本的な見直しを図るというものでございます。
 最後に、総務局による改革について17ページ以降ということになります。
 まず、17ページは、団体の常勤役員ポスト等の見直しでございます。各団体の事業規模などによりましてポスト数の見直しと民間などの人材の配置を倍増を行うことといたしました。あわせて、下段ですけども、公募を行う際のガイドラインを策定いたしましたので、今後各団体において役員構成の見直しを順次進めていくことを予定してございます。
 18ページでございますが、都と監理団体職員の人事交流拡大についてでございます。
 2019年度は団体固有職員の派遣は、都以外を含めまして51名と、これまでの1.6倍に拡大予定でございまして、そのうち14名が都職員との相互の交流による派遣ということになります。
 続いて19ページですが、監理団体へ派遣する都の職員について、派遣の目的、期間の明確化を図るため、昨年7月に都職員派遣方針を策定いたしまして、派遣職員を三つのタイプに分類してございます。
 20ページは、その結果を団体別にお示ししたものでございます。
 21ページを御覧ください。
 都と監理団体・報告団体との関係性などの再整理についてでございます。
 都の政策実現に寄与する団体を明確化し、協力関係をより強化することを目的といたしまして、基準と名称などの見直しを行いたいと考えてございます。
 具体的には、現在の都政との関連性に重きを置く考え方に見直した上で、一定の基準を満たす団体を「事業協力団体」として定義いたします。その上で、特に関連性が高い団体について「政策連携団体」に変更するということでございます。
 22ページについては、その具体的な基準を示したものでございますが、対象となります団体などについては、今後手続を進めまして、4月を目途にして、指定・公表をしていきたいと考えてございます。
 23ページでございますが、事業協力団体との取組、政策連携団体への関与についてお示しをしてございます。
 ガバナンス・コンプライアンス強化を図る一方、柔軟な人材確保策の導入などメリハリをつけた関与を行ってまいりたいと考えてございます。
 最後に24ページですが、現時点におけます実施方針の達成状況を取りまとめたものでございます。
 今年度既に取り組んだものにつきましては、達成済としておりまして、現在実施中のものにつきましても、引き続き実施方針に基づき、着実に推進いたしまして、都庁グループ全体の機能強化を図ってまいります。
 御説明については、以上でございます。

○事務局(榎本) ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告に関しまして、御意見、御質問等ございますでしょうか。
 梶原局長、お願いいたします。

○梶原政策企画局長 今の資料の21ページ、22ページのところなんですが、監理団体の報告団体、この基準や名称等を見直すという方針が出されたわけでありますけども、現在両団体合わせて84団体あるという現状なんですけれども、新たな基準に基づいて指定される団体というのは、今後どのぐらいの規模になるのか、教えていただければというふうに思いますが。

○事務局(榎本) 遠藤局長、お願いいたします。

○遠藤総務局長 ありがとうございます。
 今お示ししたように新たな基準では、設立時の関連性というものではなくて、現在の都政との関連性に重きを置く考え方を、これを基にしまして、事業協力団体を指定し、さらにその中から特に関連性が高い団体を政策連携団体と指定していくことによって、都庁グループとしても位置づけを明確にしていきたいというふうに考えております。
 本日のこの会議での議論を経まして、方向性が決まれば、都が出資などを行っている団体につきまして、具体的に当てはめをしていく作業を行っていくことになるというふうに思いますけれども、現在、先ほど局長がおっしゃられたように84団体ありますけれども、これは相当数減ってくるのかなというふうには想定しております。具体的な数を今の段階で幾つというのはなかなか言えませんけれども、いずれにしても今後団体との調整、それから要綱も改正しなければいけませんので、それに基づきまして指定に関する手続を進めて、4月頃には、新たな団体として指定の上、公表していきたいというふうに考えております。
 以上です。

○事務局(榎本) ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。
 多羅尾副知事、お願いいたします。

○多羅尾副知事 この1年間、各監理団体、所管する各局、制度を所管する総務局の三者がさまざまな角度から検討を重ねながら改革に取り組んできました。
 本日その取組状況について報告していただいたわけですけれども、まず約10年ぶりに団体の統廃合や新設など、あり方の見直しを行います。また、約20年ぶりに都が関与すべき団体についての基準や名称等の見直しを行い、大変大きな改革となります。
 改革の柱となる団体を統合、新設、常勤役員ポスト等の見直し、新たな基準に基づく監理団体等との関係性の再整備はいずれも民間におけるグループ経営の視点も持ちながら、これまで以上に戦略的に連携し、都の政策展開を加速するために必要な取組であると思います。
 別の言い方をしますと、都庁グループの団体が都の補完支援のみならず新たな価値創造をしていただくということで都政の発展に寄与していただくと、こういうことではないかと思います。
 引き続き、各団体、各局、総務局の三者がしっかりと連携して、関係者とも調整を図りながら改革を実行していただきたいと思います。
 特に、総務局につきましては、各局への助言や支援といった役割をいま一度強化していただければと思います。
 以上です。

○事務局(榎本) ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、続きまして三つ目の議題「見える化改革について」でございます。
 本日は、推進部会Ⅰのユニットについて、水道局から「水道」ユニットの報告書を御提出いただいておりますが、報告書の全体版につきましてはかなりのボリュームがありますので、時間も限られている中、抜粋版により報告をしていただきたいと思います。
 それでは、お願いいたします。

○中嶋水道局長 それでは、水道局から御説明いたします。
 本日は、水道事業の概要、事業を取り巻く状況変化、今後の取組の方向性の順に御説明いたします。
 まず、事業の概要ですけれども、東京水道の水源は、利根川・荒川水系が8割、残り約2割が多摩川水系で、主要11カ所の浄水場と、総延長2万7,000キロに及ぶ配水管を通しまして、都内760万件に24時間365日、水道水を安定供給しております。
 経営面から見ますと、独立採算のもと、健全性の指標でございます自己資本比率は、全国主要都市の中では最も高い水準にあり、収支に占める企業債の負担割合も他都市に比べて低い状況でございます。
 一方、水道料金は、全国主要都市の中でも中位レベルでございまして、水道水1トンお届けする原価は203円。その内訳は送配水管関係が全体の4分の3と最も大きなコストを占めております。
 水道事業を担う人員でございますが、まず水道局職員は、70年代のピーク時から人員削減、監理団体への業務移転などを進めた結果、現在、約その半数以下ということとなっております。
 さらに、水道事業全体を支えるマンパワーで見てみますと、この三角図のように水道局職員に加えて、ハード系、ソフト系の2つの監理団体、さらに水道管工事などを担う民間事業者の3区分となりますが、これまで民間委託を順次実施する一方、基幹的事業は局と監理団体が担うとともに、監理団体への業務移転を進め、効率化を図ってまいりました。
 これらの結果、現在のところ、おかげさまで健全な財政運営で推移しているところでございます。
 しかしながら、東京水道を取り巻く状況は今後大きく変化することは必至であり、次にそれを見てまいります。
 まず、水道事業の全国の状況でございますが、今後の課題は、施設の老朽化、耐震化への対応でございます。しかし、水道は市町村事業であり、多くの事業体は経営的に脆弱で、加えて今後の人口減少の影響を受け、国の調査によりますと、約3割の事業体で急激な水道料金の引き上げの可能性が指摘されております。
 そこで国はこのたび水道法を改正し、市町村単位を越えた水道事業の広域化に道を開くとともに、官民連携の一層の推進を図ろうとしております。
 東京の場合も、将来の人口減少が大きく影響してまいります。左側の都の人口推計に基づき、今後の給水収益を右のグラフで予測しますと、2060年には2020年時点より13%程度の減を見込んでおります。
 また、この人口減少に伴い、水道需要も同じく2060年時点では、ピーク時の2025年時点に対し13%程度減少すると試算しております。
 同様に施設の老朽化対応にも直面しております。このグラフは、主要浄水場の施設規模の建設年度別推移ですが、高度成長期の人口増加に対応して建設されました大規模浄水場は、今後一斉に更新時期を迎えます。
 また、水道管につきましては、これまで順次、強度の高いダクタイル鋳鉄管に取り替え、現在まで99.8%更新完了ですが、より地震の揺れに強い耐震継手管への取替えはいまだ43%でございます。
 以上の状況変化を踏まえまして、次に今後の取組の方向性を御説明いたします。
 最初に、取組の視点ですが、現行の料金水準をできる限り維持しながら、将来にわたり高品質なサービスを提供できるよう、長期的な視点に立った持続可能な事業運営を目指します。また、それを支える執行体制につきましては、コンプライアンスの徹底を第一に、ガバナンス強化を図ります。
 まとめたものがこの表です。ただいま御説明いたしました水道事業のモノ、ヒト、カネの課題に対する具体的方向性として、右側に3点、長期的な財政見込みを踏まえた施設整備、新技術の活用等による経営の効率化、そして、監理団体を含めた東京水道グループ全体の総合力を強化し、全国自治体へも貢献してまいります。
 次に、具体的な御説明をします。
 まず、大規模浄水場の更新ですが、予防保全型管理を徹底することで長寿命化を図り、現行60年サイクルが前提の更新期間を90年に延長し、平準化をいたします。
 また、施設規模につきましても水道需要の減少傾向を踏まえ、更新時にダウンサイジングを行います。こうした見直しにより、年平均事業費を約60億円抑制いたします。
 次に、管路につきましては、緊急性の高いものから重点的に整備をいたします。2022年度までに重要施設への供給ルートの耐震化や他のライフラインと輻輳するなど取替が困難な管の更新を完了させ、2028年度までにその他の優先整備箇所を完了させます。その後は、供用年数に応じて更新を行ってまいります。
 ここでは、浸水対策を含めた災害対策全般をまとめております。
 また、ソフト面の災害対策では、緊急時のマンパワーを強化するとともに、全国自治体との広域的な受援体制を強化し、応急給水車も増強いたします。
 次にICTの活用につきまして、2点御説明いたします。
 まず、世界水会議で知事から御紹介いただきましたスマートウォーターシステムですが、この柱は、スマートメータを広範囲で設置して、都内の水データを詳細に蓄積・分析し、これを水運用や維持管理、事故対応やお客さまサービスなど幅広く活用することで、水道事業の最適化を図ろうとするものです。今後、スマートメータの技術向上とコストダウンを促進するため、段階的に大規模な実証実験を行ってまいります。
 2点目は、お客さまセンターにおけるAIの導入です。お客さまセンターには現在、約400名のオペレータがおり、年間200万件の電話相談に対応しておりますが、年々ベテランオペレータの確保が困難となっております。そこで、AIを導入して、これを補い、効率化を進めます。来年度からの本格運用を予定しております。
 次に、経営基盤の強化ですが、水道法改正を契機に、今後は都の広域水道としての一体性と責任を確保しつつ、さらなる効率化を追求するため、有識者の意見も聴きながら、御覧のように幅広く官民連携の手法を今後検討してまいります。
 その有力な受け皿となるのが、監理団体でございます。先ほど御説明ございましたが、技術系の東京水道サービス及び営業系のPUCの二つの監理団体を統合して新会社とし、水道事業を包括的に担える体制を構築いたします。また、水道局と団体との人材交流を活発化することでマンパワーを強化いたします。さらに、国内の水道事業体の官民連携や、広域連携を支援していき、全国に貢献していくことで、経営の自主性を目指してまいります。そして、第三者の視点からコンプライアンスを強化し、しっかりとした経営体制を築いてまいります。
 統合後は、この図のように施設の維持管理から営業業務まで、ソフト・ハードの複数業務を組み合わせた、より広範な包括委託の受け皿となって運営能力を高め、スケールメリットによる一層の効率化を検討いたします。
 また、今後の官民連携のトライアルとしまして、一部浄水施設の維持管理などを包括委託の対象とし選定し、その委託先を統合後の新監理団体を含め、広く民間に求めていくことも検討してまいります。
 新監理団体につきましては、さらに自主事業として、全国水道事業体への貢献を拡大いたします。水道法改正によって、今後見込まれる国内水道事業体の官民連携につきましては、民間事業者に対して発注者である水道事業体が行うモニタリングによる事業評価を、新監理団体が支援することを検討いたします。また、市町村の広域連携につきましては、その運営のサポート役として、水道事業全般のノウハウを有する新監理団体が、都の信用力をバックに支援することなどを検討いたします。
 以上のような多角的な取組を前提に、2060年代までの財政収支の見通しを試算したものがこのグラフです。現行の料金水準と企業債の適切な活用を前提にしておりますが、企業債の負担割合の適正規模等も含め、今後さらに精査を行ってまいります。
 また、長期的な視点に立った業務運営体制につきましても検討いたします。ICTの活用によりキャッシュレス、ペーパーレスをお客さまサービスの現場でも積極的に進めます。具体的には、営業業務において料金支払いのキャッシュレスを促進し、また、給水装置業務において、水道工事の申請手続などのペーパーレスを促進することで、将来的に都内各営業所における窓口業務の縮小・解消を図り、業務運営の効率化と人員の再配置を検討いたします。
 こうした取組を含め、おおむね2040年代を見据えた長期の事業運営方針を来年度中に策定いたします。そして、この方針をベースに中期経営計画を3から5年ごとに策定し、定期的にローリングしていくことで、将来とも持続可能な水道事業の実現を目指してまいります。
 最後に、今回判明しました情報漏えいを踏まえたコンプライアンスの強化でございますが、このたびの再発防止策で掲げました第三者によるコンプライアンス委員会につきましては、水道局の事業運営全般を対象とするとともに、監理団体についても対象とし、東京水道グループ全体のコンプライアンスを検証、強化してまいります。また、新監理団体設立後は、その内部におきましても会社法改正により新たに設置が可能となりました議決・提案権を有する監査等委員会を設け、その構成委員に有識者など外部人材を充てることで会社のガバナンスを強化いたします。
 このような対策を通しまして、本日御説明いたしました持続可能な東京水道を実現できる執行体制の強化を図ってまいります。
 説明は以上でございます。

○事務局(榎本) ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告に関しまして、何か御質問、御意見はございますでしょうか。
 長谷川副知事、お願いいたします。

○長谷川副知事 ただいま水道局には、将来的な都の人口や水道需要の減少、そして老朽化した施設の更新など、直面する事業課題についての分析や、昨年12月の改正水道法を踏まえた今後の事業運営の方向性について御報告をいただきました。
 東京水道はこれまでも多摩水道の一元化でありますとか、民間委託の拡大、あるいはPFIの導入など、全国に先駆けて広域化や官民連携を進めて、事業の効率化を図ってきています。今後はこれまで培ったこうした強みに、さらに磨きをかけながら他の国内水道事業体の運営への貢献も視野に入れて、ただいま19年度中と報告がされました監理団体の統合を初めとする東京水道グループ全体の一層の経営基盤の強化に取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
 一方、現在公正取引委員会の調査が継続しておりますけれども、昨年判明した情報漏えい事故の再発防止に、組織を上げて取り組んでいかなければならないと思います。そのためにも外部の視点で局の事業運営を検証できる体制、これも今報告がありましたけれども、これをしっかりと構築して、さらなるコンプライアンスの強化に徹底をして取り組んでいただき、都民の皆様の信頼回復に努めていただきたいと思います。
 私からは、以上です。

○事務局(榎本) ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、四つ目の議題でございます。「執行体制の強化について」、総務局から報告をさせていただきます。

○栗岡総務局人事部長 はい。それでは、執行体制の強化について報告いたします。次のページをお願いいたします。
 まず、1、組織の概要では、平成30年8月1日現在の組織の数と、あと平成16年度以降の局、本部の編成も記載してございます。
 16、17年度に都市整備局、福祉保健局、あと青少年・治安対策本部をつくって以降、基本的にはスポーツ、オリ関連の動きが中心でございまして、大きな再編はなされていない状況にございます。
 次に、2の現状及び背景についてですが、この間、都政を取り巻く環境が大きく変化し、今後本格的な人口減少社会を迎えますことから、都政に求められる役割や、都庁の職員構成が大きく変化することが予想されてございます。
 こうした状況を踏まえまして、3の今後の方向性では、組織改正に当たっての基本的な考え方として、中長期的な視点から都が抱えるさまざまな課題に的確に対応していくためには、限られた資源を効率的かつ効果的に活用した執行体制を構築することが重要と考えてございます。このため、箱の中にありますけれども、東京2020大会以降の状況を見据えまして、重要課題を着実に解消するための都庁組織全体のあり方につきましては、平成31年度をめどに方向性を示してまいりたいと考えてございます。
 また、喫緊の課題につきましては、これまでも定数措置や管理職ポスト設置などによりまして、適宜体制強化を行ってまいりましたが、これまで以上にスピード感を持って既存の執行体制を見合わせていくことも必要と考えてございます。
 具体的には、機動的な対応可能な「本部」を活用するなどしながら成長戦略の分野を初め、住宅政策、青少年問題の分野につきまして、速やかに事業動向に即した執行体制の整備を図ってまいりたいと考えてございます。
 私からは、以上です。

○事務局(榎本) ありがとうございました。
 ただいまの報告に関しまして、御意見、御質問等ございますか。
 多羅尾副知事、お願いいたします。

○多羅尾副知事 執行体制の強化ですけれども、喫緊の課題について特に今回報告いただいた成長戦略や住宅政策、青少年問題などについては、今後速やかに執行体制を整備していくことが重要と考えますので、よろしくお願いいたします。
 また、2020大会後の組織のあり方については、都を取り巻く環境をしっかりと見据えて、都庁組織全体の力を最大限に発揮して、少子高齢社会対応ですとか、稼ぐ力の向上など、都政の重要な課題の確実な解決を図られるよう、引き続き効率的で効果的な執行体制の検討を進めていただきたいと思います。
 以上です。

○事務局(榎本) ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、最後に知事から御発言を頂戴できればと思います。
 知事、よろしくお願いいたします。

○小池知事 報告御苦労さまでございました。
 先ほど多羅尾副知事からお話ありましたように、平成16年度以降、都では大規模な組織改正を行ってこなかったということでありますが、この間の変化は大変大きいものがあります。将来の人口減少など、懸念から現実のものになっている、それから都政を取り巻く状況についても大きな変化があったと言うまでもありません。よって都庁の組織全体も、この現実に即して、また将来のあるべき姿に即して再構築すべき時期であるということはみなさんの意識が共有できたと思っております。
 組織のあり方ですけれども、まずは東京、来年の2020大会以降を見据えて、つまり組織委員会でも多くの人員が出ていて、それがまた戻ってくるということなども大きな変化として見込まれております。そして、同時にそういう人員の配置もそうでありますけれども、そのそれぞれの局であるとか、部署の機能なども考えていかなければならない。そこで平成31年度中に方向性を示すということで、喫緊の課題が三つ、成長戦略、それから住宅政策、青少年問題と、これらの課題については、スピード感をもって執行体制を整理していくという報告がございました。
 そして、成長戦略は日進月歩で変わる成長の具合に置いてけぼりになっては、もう稼ぐ東京にはなれない。住宅政策は、空き家問題など多々ありますし、公共住宅建替えなどもあります。青少年問題、ひきこもりで余り年齢は関係なく起きているというような現実、これらについて整理をするという報告がありました。
 それから、監理団体でありますが、監理団体と報告団体については、私も、もう100を超えると言っていい団体の方々とも直接ヒアリングをさせていただきました。その中から今回東京水道の団体を統合する、それから全国で初めてになりますが、教員の働き方改革を推進する団体をつくるということの報告がございました。特に、水道については、今、水道法が変わる、それから人口減少で過疎の地域などは、全国の、とても今日的というか喫緊の課題になっていることと合わせて、東京の水道は残念ながらコンプライアンスに課題があるということから、これは逆にこの水道をよりガバナンスやコンプライアンスの強化を図る、そしてまたある意味、東京が持っている水道の力をもっと生かしていくという方向性について整理をしてもらったと、こう理解をいたしております。よって外郭団体の考え方や名称などを整理して、効果的な協力体制をつくっていくという報告がありました。
 それから、東京が持続的に成長する、そのために社会情勢の変化に合わせて大胆に改革を推し進めていくということでありまして、今回の21回目のこの都政改革本部会議でありますけれども、都庁全体を見回した上で、機能強化という点では、大きな節目であったのではないかと思います。
 この報告をしっかり肉づけをしながら、いつまでに何をどうということをそれぞれの部署において明確にしていただいて、しっかりとこれからも進めていただいて、都民のニーズに応えていただきたいと、このように思います。
 一言だけ申し上げると、報告団体であるべき組織委員会からのヒアリングができていなかったというのが、とても残念に思います。
 以上です。

○事務局(榎本) ありがとうございました。
 次回の会議ですが、今月末の開催を予定しております。
 以上をもちまして、第21回都政改革本部会議を閉会いたします。どうもありがとうございました。


11時13分 閉会

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