第1回政策評価分科会



箇条書き名簿(PDF:69KB)


箇条書き座席表(PDF:152KB)


















議事録

令和元年6月24日(月曜日)
都庁第二本庁舎31階特別会議室26
       

       

13時59分 開会

 1.開会
○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 それでは、お時間になりましたので、ただいまより第1回都政改革アドバイザリー会議政策評価分科会を開催いたします。本日は、皆様、大変御多忙のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、本分科会の事務局を務めます、総務局行政改革推進部都政改革担当課長の糸賀でございます。よろしくお願いいたします。会長が選任されるまでの間、進行役を務めさせていただきます。
 まず初めに、会議の公開について御説明をいたします。本日の会議は公開で開催いたします。また、会議資料につきましては本日、議事概要につきましては後日、ホームページ上に公開いたします。
 なお、会議はタブレット端末を使用して進行してまいります。会議中、端末に不都合が生じた場合は、職員までお声をかけてくださいますようお願いいたします。
 また、本日は会議中に出ましたそれぞれの御意見につきまして、キーワードを中心に事務局のほうで入力いたしまして、モニターに映し出すことを考えてございます。こちらとあちらに2台ほどあるかと思います。たくさんの御意見をいただくことになるかと思いますので、御参考までに、メモとして必要に応じて閲覧いただければと思います。
 会議時間は15時30分までを予定してございます。
 それでは、開会に当たりまして、総務局次長の野間より一言御挨拶を申し上げます。よろしくお願いいたします。

2.総務局次長挨拶
○野間総務局次長
 総務局次長の野間と申します。
 本日は御多忙の中、またこのようなお足元の悪い中、新宿までお越しいただきまして、誠にありがとうございます。
 また、この分科会の構成員や専門調査員をお引き受けいただきまして、重ねて御礼申し上げます。ありがとうございます。
 東京都では、各局が自律改革ということで、見える化などの改革、「2020改革」と呼んでおりますが、これに取り組んでございます。この改革の中で、「仕組み改革」というのをやっておりまして、その一つとして、政策評価というものを実施しようということで、今年度から始めた次第でございます。
 今お手元に資料があると思うのですが、政策評価は、今回、21のユニットを対象にしてございますが、例えば環境ですとか人権ですとか、それから治安といった、非常に施策の目標が大きいものやアウトカム指標がなかなか設定しにくいものなどもございまして、私どももこの間、各所管の局と副知事を筆頭に議論を重ねてきたところでございますが、なかなか、これというものが仕上がっていないところでございます。先生の皆様方に様々な忌憚のない御意見を頂戴できればと思っておりまして、そういう中で、いい政策評価、仕組みを構築したいと考えてございます。
 今日は、1時間半ということで、中身が大きい割には若干時間が足りないかもしれませんが、先ほど申しましたように、忌憚のない御意見を頂戴できればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。 ○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長 続きまして、皆様の御紹介をさせていただきます。  構成員、専門調査員ごとに、五十音順で御紹介をさせていただきます。
 まず、構成員の3名でございます。  文教大学経営学部、教授・公認会計士、石田晴美様でございます。 ○石田構成員 どうぞよろしくお願いいたします。
○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 明治大学政治経済学部、准教授、西村弥様でございます。

○西村構成員
 西村でございます。よろしくお願い申し上げます。

○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 弁護士、水町雅子様でございます。

○水町構成員
 よろしくお願いいたします。

○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 次に、専門調査員の4名でございます。
 A.T.カーニー株式会社、マネージャー、大川浩平様でございます。

○大川専門調査員
 大川でございます。よろしくお願いいたします。

○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 株式会社出島プランニング、代表取締役、出島誠之様でございます。

○出島専門調査員
 出島と申します。よろしくお願いいたします。

○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 公認会計士、中川美雪様でございます。

○中川専門調査員
 中川です。よろしくお願いいたします。

○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 株式会社日本総合研究所、リサーチコンサルティング部門理事、山田英司様でございます。

○山田専門調査員 山田でございます。よろしくお願いします。

○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 なお、事務局の出席者につきましては、お手元の座席表の配付をもってかえさせていただきます。

3.会長選任
○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 続きまして、本分科会の会長を選任いたします。
 会長につきましては、本会議の設置要綱第5条第4項により、構成員の互選によることとされておりますが、構成員の皆様には、事前に御相談させていただきましたとおり、文教大学経営学部、教授・公認会計士の石田晴美様にお願いしたいと存じます。皆様、いかがでしょうか。        

(異議なし)


○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 ありがとうございます。

○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 ありがとうございます。
 それでは、石田様に会長をお願いしたいと存じます。
 石田会長、就任の御挨拶をお願いできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○石田会長
 石田でございます。このたびは会長職を仰せつかり、責任の重さを痛感しておりますが、今回、皆様方は、大変自治体経営にお詳しい方だということで、大変心強く思っております。ぜひ皆様の知見をいかんなく発揮していただきますよう、深くお願いいたします。
 それでは、着座で失礼します。
 本日は、政策評価分科会の第1回目ですので、自治体の業績評価あるいは業績測定において、アウトカム指標がいかに重要であるかについて、もう既に皆様は十分に御承知だと思いますので、釈迦に説法ではありますが、一言お話をさせていただきます。
 民間企業の場合は、重要な業績測定尺度として利益があります。これは大変便利な尺度で、いかに営業部門が頑張って営業活動をしても、あるいは製造企画部門がいかに優れた製品を企画製造したとしても、成果としての利益が上がらなければ企業は潰れてしまいます。言い換えれば、事業活動をいかに頑張っても、利益が出なければ、それは顧客ニーズを満たしていないということで、自然淘汰されていくわけです。
 翻って、自治体の場合は、福祉の増大を事業活動の目的として、多様な事業を展開していますので、業績測定尺度として、利益のような単一の測定指標はありません。そのため、各施策、各事業でどのような状態、状況にすることが究極の目的なのかという、アウトカムを明らかにして、具体的な数値目標を設定することが重要になります。なぜなら、もしアウトカムの具体的な数値目標を設定していなければ、こういう事業をこれだけ頑張ってやったというアウトプットだけが出てきて、それに着目すると、その事業が本来目指す究極のなりたい状況や目的の達成にたとえ全く貢献していなかったとしても、非効果的な事業を見直すことができません。
 ただ、自治体の間では、アウトカムと各事業間の直接的な効果測定が難しいという理由で、頑張ってアウトカムの数値目標を設定しているところ、そうでないところと、肌感覚ですが、大きな差が出ているのも事実です。
 今回、東京都で政策評価の試行実施に当たり、評価書の当初案が提示されました。中を拝見すると、先ほど御説明があったように、アウトカムの設定があるもの、あってもどうかなというもの、あるいはないもの等、多々見受けられます。
 そこで、今後予定されている各部局のヒアリングでは、ぜひ先生方の御経験と御知見で、各現場に必ずアウトカムの数値目標を設定するようアドバイス、意見交換をしていただきたく、よろしくお願いいたします。
 それでは、これをもちまして、私の最初の挨拶とさせていただきます。

4.議題
○石田会長
 ここからは私が司会進行ということですので、本日の議題ですが、「政策評価の概要と今年度の実施内容について」、「今後の進め方について」、「成果指標・目標の設定状況等について」というテーマで、事務局より、それぞれの議事につきまして、一括して御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○内藤総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 本分科会の事務局を担当しております総務局行政改革推進部の都政改革担当課長をしております内藤です。よろしくお願いします。
 最初に、一つ目の議題、「政策評価の概要と今年度の実施内容について」御説明させていただきます。
 まず、参考資料1、こちらを御覧ください。「2020改革」の概要と政策評価の位置付けにつきまして御説明いたします。
 2016年9月に、都では知事を本部長といたしまして、副知事及び各局長を本部員とする都政改革本部を設置いたしました。「都民ファースト」、「情報公開」、「賢い支出」を改革の3原則に据えた都政改革の取組をスタートし、翌2017年4月に、左下の図になりますが、「しごと改革」、「見える化改革」、「仕組み改革」の三つの改革からなる「2020改革」に着手したところでございます。
 「2020改革」は、各局が自ら主体となって自律的に改革に取り組むものとなっており、今回の政策評価は、全庁的な制度や仕組みの改革を進める仕組み改革の一つとして位置付けられております。
 昨年3月には、三つの改革の取組の成果と今後の進め方を示した「2020改革プラン」を策定しまして、今年3月には改定を行ったところでございます。
 右下のイメージ図でございますけれども、「2020改革プラン」につきましては、昨年6月に、外部の有識者で構成する「都政改革アドバイザリー会議」を設置し、幅広い視点からの御意見等をいただきながら、PDCAサイクルを運用しているところでございます。
 次に、資料1を御覧ください。都政改革アドバイザリー会議政策評価分科会の概要をまとめたものでございます。
 設置目的ですが、本分科会は、政策評価に関して、より専門的な事項について検討するため、都政改革アドバイザリー会議のもとに置かれる分科会として設置されたものでございます。
 所掌事項につきましては、こちらに記載の事項に関する意見・助言となってございます。
 政策評価の運用に当たっては、各局が実施する成果指標・目標の設定と自己評価の妥当性につきまして、御意見・御助言をいただく予定となっております。
 あわせて4点目ですけれども、今年度の本分科会では、政策評価の制度上の改善点につきましても御議論いただきたく、よろしくお願いいたします。
 続きまして、資料2に基づき、政策評価の概要につきまして御説明いたします。
 1ページ目を御覧ください。政策評価は、昨年度まで、「2020改革」の取組の一つである見える化改革を通じて実施してきた、政策・施策レベルで各局が自ら点検・評価し、見直しにつなげていくという取組を制度的に継続させていく仕組みとして、今年度から実施するものでございます。
 政策評価のポイントを整理しておりますけれども、政策評価は、成果を重視した効果的・効率的な都政運営の推進と都民への説明責任の徹底の2点を目的に実施いたします。
 評価対象ですが、今年度は、見える化改革の事業ユニット、こちらは各局の主要事業を、都民の視点から見て一定の完結性のある事業の固まりとして括ったものでございますけれども、この事業ユニットにおける施策レベルを対象としてございます。
 各局が実施する成果指標・目標の設定や進捗状況の把握、分析、今後の方向性の提示といった評価の過程で、皆様から御意見・御助言をいただくとともに、施策の内容や評価結果につきましては、情報公開の観点から、都政改革本部のホームページ上で全て公表してまいります。
 2ページ目でございますけれども、今年度の政策評価の取組フローとして、全体像をお示ししております。
 今年度、各局は、まずステップ1として、見える化改革の事業ユニットの中から1ユニットを対象として評価を実施する施策を選定いたしました。こちらは、資料5として皆様のお手元に配付しました評価書の様式1、政策体系シートに対応してございます。
 次に、ステップ2として、成果指標・目標の設定等を実施しております。現在は、こちらの段階でございます。
 そして、来年度にかけまして、ステップ3として、施策の自己評価を実施していきます。
 ステップ2とステップ3につきましては、評価書の様式2、政策評価シートにその内容が記載される形となっております。
 フロー図の下に、本分科会の役割を改めて記載しておりますけれども、こちらのステップ2とステップ3、こちらにつきまして、それぞれの妥当性について、各局に対する意見・助言を実施していただくことになります。
 ステップ1からステップ3につきまして、具体的に3ページ目以降で御説明させていただきます。
 3ページでは、ステップ1として、局ごとに政策評価に取り組む1ユニットの選定状況を一覧でお示ししております。色付きの事業ユニットが各局において選定したものでございます。
 4ページを御覧ください。ステップ1の政策体系の整理と評価実施施策の選定でございます。
 今年度は、見える化改革の事業ユニットについて、ユニットの目的を実現するための具体的な方策や対策である「施策」を評価対象としております。
 各局は、評価実施ユニットにつきまして、ユニットの目的を起点に政策体系を整理し、評価対象となる「施策」を設定しております。
 下にイメージ図を描いておりますけれども、左側が、政策・施策・事務事業という一般的な政策体系でございます。右側が今回の政策評価の評価対象ですが、ユニットの目的を最上位に置き、個々の事業まで政策体系を整理した際に、おおむね中間に位置する「施策」を対象としております。
 各局においては、このように政策体系を整理した上で、評価を実施する施策を選定しているところでございます。
 5ページを御覧ください。ステップ2の成果指標・目標の設定等についてまとめさせていただきました。
 各局は、こちらの①から③の手順で、評価実施施策ごとに、成果指標・目標を設定し、施策を構成する事業を整理しております。
 ①から③それぞれに記載している内容につきましては、参考資料3の通知に添付されている評価書の記載要領、こちらにおきまして、各局に対して周知している内容でございます。
 手順としましては、初めに、①でございますけれども、施策目標と施策目標の達成に向けた方針を明示します。
 次に、②の成果指標・目標の設定です。「施策目標」に関し達成すべき水準を定量的に測定できる成果指標、いわゆるアウトカム指標と目標を設定します。
 留意点としましては、施策内容を漏れなくカバーした複数の成果指標を設定すること。
 実績測定が隔年であるなどの理由で、評価対象年度、つまり今年度の実績を来年度に把握できない指標がある場合、実績測定可能なほかの指標もあわせて設定すること。
 成果指標、アウトカム指標ですけれども、これによる目標設定が困難な場合、「施策目標」の実現に向けて寄与度が高いと考えられる事業の定量的な活動指標、いわゆるアウトプット指標による目標設定も可能であること。
 定量的な指標の設定が困難な場合、定性的な指標の設定も可能であり、この場合、達成すべき水準が具体的に特定され、事後検証可能なものを設定すること。
 これらの4点を成果指標・目標の設定に当たっての留意点といたしまして、各局に提示させていただいております。
 最後に、③の施策を構成する事業の整理でございます。「成果目標」の達成手段となる事業を体系立てて把握できるよう、同一の目的、対象、手法等で分類した事業のまとまりを「取組」という形で整理しております。また、「成果目標」と「取組」との対応関係を意識し、「成果目標」の達成に向けて寄与度が高いと考えられる主要な取組というものを取り上げてございます。
 6ページを御覧ください。ステップ3の施策の自己評価でございます。
 来年度にかけまして、各局は、成果指標の実績をもとに、施策の進捗状況を把握、有効性や効率性等の観点から分析し、今後の方向性を提示することで施策を評価していきます。
 皆様に、自己評価の内容の妥当性ですとか原因分析がしっかりされているかどうかといった点につきまして、各局に対する御意見等をいただく予定でございます。
 次に、二つ目の議題「今後の進め方について」、資料3により御説明いたします。
 今年度は、見える化改革の事業ユニットの中から、各局1ユニットを対象とした政策評価を実施いたします。
 これまで、5月下旬に、先ほどもありましたけども、副知事を部会長とします、都政改革本部推進部会での議論も踏まえながら、各局において、政策体系の整理、成果指標・目標の設定等に取り組みまして、皆様のお手元にございます評価書の当初案を作成したところでございます。
 本日の第1回の分科会後、7月下旬に、各局へのヒアリングによる意見交換を実施しまして、9月ごろの第2回の分科会で、成果指標・目標の設定等を終える予定でございます。
 また、今年度の第4四半期から来年度前半にかけまして、各局においては、施策の自己評価案を作成していく予定でございます。  こうした今年度の政策評価の取組と並行しまして、政策評価制度につきましても、検討状況によりましては、2回目以降の分科会も開催させていただき、皆様の御議論を踏まえながら、年内を目途に制度のブラッシュアップを進めてまいりたいと考えております。
 最後に三つ目の議題、「成果指標・目標の設定状況等について」ということで、御説明いたします。
 資料4を御覧ください。お手元の評価書の当初案において、各局が設定しております、施策ごとの成果指標・目標につきまして、一覧としてまとめたものでございます。
 指標ごとに、直近の実績、あと目標としまして、今年度の目標値と、中期的な目標値、年次を整理しております。あわせて、一番右側の欄でございますけれども、同様の成果指標・目標が掲載されている行政計画等を挙げております。御議論の参考として御活用いただければと考えております。
 事務局からの説明は以上でございます。

○石田会長
 御説明ありがとうございました。
 今回は初回なので、皆様お一人ずつ、現状での問題意識、あるいは問題提起等をいただきたいと思います。
 それでは、お一人、5分から8分程度でしょうか、西村先生から、よろしくお願いいたします。

○西村構成員
 トップバッターだから心しておけというふうな御指示を頂戴して、いろいろ考えていたところです。
 西村でございます。改めまして、よろしくお願い申し上げます。
 私は大学で行政学を担当しておりますので、学問としては比較的一番近い分野で学んできた、教えている立場なのかなというふうに思っております。不見識ながら、東京都でまさか政策評価制度を導入されていなかったというのは、私も存じておりませんでした。せっかくの機会ですので、ぜひ、後進性の利益を最大限発揮して、いい制度にしていただければと思います。
 アカウンタビリティという観点、日本語では説明責任と言われます。語義の本来からしますと、アカウントをきちんと示すことによって、成果を示すことによって、その結果についてきちんと責任を負っていくのだというところに、力点が置かれております。つまり、説明すればいいということではなくて、説明のために出されたデータ、そのデータに基づいてきちんと、また次に取り組んでいくのだぞと。結果をきちんと踏まえて責任をとってやっていくというところに力点がありますので、ぜひこの機会に、本来の意味でのアカウンタビリティを果たしていくことで、見える化改革というのを進められていらっしゃるようですので、ぜひ、いい評価制度を導入できるといいかなと思っております。
 その点で申しますと、政策評価に関しまして、実は我々の学会のみならず、実務の世界の方々でも、評価疲れという言葉がよく聞かれております。これは恐らく、会長から冒頭ありましたとおり、適切な指標を設定していないケースにおいてはそうなりやすいのかなと。つまり、やってもやらなくてもいいような評価であれば、とりあえず年中行事としてこなしてしまえと。何でこんなことをこなさなきゃいけないのだろうということで、原課が疲弊していくという形なのかなと考えております。
 ぜひそうした評価疲れのないように、評価することにやはり意味があるのだと、都政がよくなっていくのだというところが重要だと思っております。今日、ゆうちょか何かで不適切な契約の変更がいっぱいあったとありますが、あれはどうやら目標の設定の仕方、ノルマの課し方が非常に不適切で、その結果、現場が目標を達成するために、本来やるべきでないことをやってしまったということのようでございます。詳しくは報道、今後の調査を見なければわかりませんが。
 いずれにしても、いかに適切な目標を立てていくかがやはり重要だと思っておりますし、ただ評価すればいいということではなくて、もう一つは適切なフィードバックだろうと思います。つまり評価をして終わりではなくて、そこで指摘されたことが、翌年、翌々年、その先どういうふうに改善されているのか、いないのか。改善されないとしたら、どこにボトルネック、課題があると原課は認識するのかというような形で。評価をして終わりではなくて、それがいかに次の段階につながっていくのか、いったのかがきちんとたどれるようになっていかなければ、まずいと思います。そうした観点で行きますと、フルセットといいますか、全事業を毎年度、数値を切って見ていくやり方が本当に適切なのかどうか。政策分野によっては、毎年度、細かくチェックしたほうが適切だということもありましょう。ある程度、改善期間を与えた上で、それがちゃんと達成されたかきちんと見ていくという観点からすると、複数年度、改善の期間あるいは経過観察の期間を与えて、ただ適切にきちんとフィードバックしていくというやり方も、考え方の一つとしてはあるのかなと。
 何しろ都庁の実施されている政策は膨大ですので、これを全政策、毎年度というのは、現実的ではないですし、これを毎年度やっていくことになりますと、恐らく冒頭申し上げたような、こなすための評価になっていく懸念がどうしてもつきまとってくるということであろうかと思います。
 どのように政策を並べていくのかとか、どのようにローリングをやっていくのかというのは、具体的な内容を見ながら考えていかなければいけないことだと思っておりますが、現時点では、大枠の方向性といいますか、私の問題関心としては、以上のような点があると。
 いずれにしても、評価を実施する以上は、東京都、都政、都民、あるいは都庁の方々にとって、やってよかったという評価にならないといけないと思っておりますので、ぜひそのために協力させていただければと思っております。
 以上で私からの冒頭の問題意識を終わらせていただきます。

○石田会長
 次、山田先生、お願いします。

○山田専門調査員 日本総研の山田でございます。
 今回、政策評価分科会に参加させていただきますが、私は、政策連携団体の評価制度の委員をやっております。各部局のシートを拝見させていただくと、政策連携団体の評価と非常にかぶることがあります。その中には、いわゆる営利企業と非営利の企業体の二つがございますので、まさに非営利の団体についてのアウトカムの設定の指標については、同じような議論がなされてきたと認識しております。
 特に、この指標の設定につきましては、なかなか難しいものがあるとは思いますが、重要なのは、たくさんの指標があるときに、この指標間の重要性、緊急性というものをどういうふうに位置付けているのかと。例えば、交通安全対策、1、2、3、4と書いてありますが、この1、2、3、4はどのような理由で並べているのか。この並べ方に何らかの法則があるのか、ないのか。ないのであれば、順位付けをしておいたほうがいいのと。指標は、恐らく時期とか時代とともに必ず入れかえをしていかなければいけないということで、指標について、部局においていつぐらいから認識をされているのか。努力の伸びしろがないので、これを測定することが必要なのかどうかということも、私個人としては、見ておく必要があるのかなと。
 先ほど西村先生から、評価疲れというのが出ていると思いますというお話がございました。これは民間も公共も同じでございますが、評価指標の見直しをしないと、年とともに新しい評価指標が加わって、雪だるま式に増え、評価する項目が増えて、だんだん疲れてしまうということがあります。今回初めてということですが、指標として、今これを見ておくべきなのか、今後見ておくべきなのかとか、何年後にならこれはもう見なくてもいいというようなものが共有できると、非常にいいのかなと思います。
 また、当然、政策と指標の因果関係というのは非常に重要なことだと思いますが、指標間の因果関係、各指標が、なぜこの指標が並べられていて、その各指標というのがどのような関係によって結びつけられているのかというのは非常に重要だと個人的に思っております。
 要は、片一方の指標を実現するためには、もう片一方の指標が実現されないと実現できないものなのかとか。何に一番努力すれば、こういったアウトカムが達成できるのかというところが非常に重要だと私個人としては思っております。
 私自身、民間のコンサルティング業務が非常に長いので、どちらかというと、利益関係指標でごりごり押していくような仕事をずっとやっておりましたので、政策的な、公共の便益に資するようなアウトカム設定というところにつきましては、まだまだ十分ではないと思いますが、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

○石田会長 ありがとうございました。
 では、出島先生、お願いします。

○出島専門調査員
 出島です。よろしくお願いします。
 私は、民間の経営コンサルティング会社出身でして、縁があって、8年程前、公共政策のコンサルをやらせていただくことになりました。その縁がずっと続いていまして、今は公共政策のコンサルティングの仕事を、ほぼフルタイムでやらせていただいているという状況です。
 民間の出身ということもあって、この業績管理といいますか、政策評価の仕事、相談を受けることもあり、このような形で会議に参加させていただくこともあるのですが、施策面でのパフォーマンス評価というのは本当に難しいなと感じています。
 今回、政策評価ということでお話をいただいて、政策といったときに、事業と施策というものがあり、評価といったときは、業績管理の評価ということと、体系とかロジックとかそうした評価があると思います。
 一つ目の事業評価と施策評価を比べてみたときは、やはり施策評価のほうが難しいと。個別の事業に対しての評価をするものについては、事業を実施することによって起こる効果とか、そのプロセスとかロジックとかがわかるわけですが、施策になると様々なものが複合的に入っているので、そこの判断が難しくなってきます。
 また、ロジック評価とパフォーマンス評価を比較して並べてみると、施策でパフォーマンスを定量的に見るのは難しいと。それに比べると、ロジック評価になると、もう少し定性的にも評価ができるのかなと思っています。
 何が言いたいかというと、今回、東京都の政策評価の枠組みというのは、非常に難しいところに突っ込んでいっている。施策×パフォーマンスということで、難しいところに入っていっているのかなと考えています。
 世の中の流行りとしては、EBPMのように、事業のインパクト評価ということで、比較対照試験を行うなど統計解析をやるというようになってきていると思うのですが、今回はあえてその中で、EBPMのようなところではなくて、施策評価を行っていくということで、非常にチャレンジンだと理解しています。  それが私の、全体としての認識になります。
 しかし、これは難しいからトライしないということではなくて、私自身も、ここまでの体制で政策評価、施策評価に取り組んだ経験はありませんので、実際に取り組んでみて、何が課題なのかということをきちんとあぶり出すということをやったほうがいいと思っています。ただ施策のパフォーマンス評価は難しいですよで終わるのではなくて、どのあたり、あるいはどの分野で難しいところが出てくるかきちんと可視化して、それについて何ができるかを考えていければと思っています。
 必ずしも政策評価、今回の取組が、施策評価のパフォーマンス評価でなければいけないというわけではなく、仮にこういう課題があるのであれば、こういう評価をすることができるのではないかなど、そうした議論になればいいと思っています。
 私自身は、行政学や評価学が専門ではないので、体系的に、こういうやり方があるということを、ぜひ学術系の方々から教えていただきたいですし、逆に言うと、私自身、複数の自治体でこの政策評価、施策評価の枠組みづくりに関わっているので、実務面ではこういうことが課題になりますとか、例えばこういうやり方で課題解決ができるのではないかといったような御提案はできるのかなと考えております。
 よろしくお願いします。

○石田会長
 どうもありがとうございました。
 では、次、大川先生、お願いします。

○大川専門調査員 大川でございます。私、所属がA.T.カーニー株式会社となっておりますので、余り聞きなれない会社名かなと思うのですが、先ほど出島先生がおっしゃられていました民間の経営コンサルティング会社でございます
。  4人目なので、言うことが相当かぶるのではないかと思うのですが、同じ認識を持っていますということで、繰り返しになってしまうかもしれませんが、意見させていただければと思います
。  現在、御提示いただいている評価書を拝見させていただくと、非常に頑張られて、まとめてこられているなという一方で、課題もあるのかなと思っております。
 一言で申しますと、何がどうしてこれが重要なのかということが、第三者的、つまり私ですけども、から一見してわかりにくいところがあるということでございます。これは、都民の方が仮に見たとしても同じ感想を持つのではないかなと思います
。  もう少し具体的に申しますと、挙げていただいている施策や事業、の大きさ、粒度感に相当程度ばらつきがあるなと。それは予算や人数の張り方を見てもわかるのですが、100倍ぐらい違うものもあるのかなと思っています。それを同列に並べて評価することがいいのかどうか。重い軽いがあるだろうと思います。
 また、西村先生、山田先生もおっしゃられていましたが、政策の大目標からブレークダウンされて、個々の施策、個々の事業があるはずだと思います。ここの論理的な位置関係と意味合い、つながりが必ずしもわかりにくい、わかりやすくなっているとは限らないようにお見受けしております。このあたりも見直していく必要があるということでございます。
 例えば、私は民間系の会社での経営助言というのが非常に多いのですが、今では、公共性の高い施設の運営会社のコンサルティングをやっております。そこでも同じような議論がまさにあるのですが、大きな目標からロジカルツリー、このように分解されてくるという論理的な関係性を可視化して議論をするということ、それによって粒度感が揃えやすくなるだとか、論理性が第三者からもわかりやすくなるといったことがあると思います。
 こういったステップを踏んで、施策目標が立てられているかどうかといったところを伺って、検証していく、聞く必要があるのではないかと、施策段階の評価としては感じております。
 2点目に、今回、ユニットを挙げていただき、21局等にそれぞれ評価書を出してきていただいております。この中には、公営企業ということで、利益を上げることが至上目的ではないものの、事業性の継続を担うような、水道局や交通局というのもあると思っています。こういったところは、民間企業で言うところのプロフィットセンターに近い評価、そこからブレークダウンされてくる利用者の満足度を高めることや効率的な運営といったところで評価していけばいいと思います。
 一方で、ほとんどの局は、不遜な言い方で申し訳ございませんが、民間企業でのコストセンターの位置付けになる機能もあるのかなと思っております。
 その中で、どのように、政策といいますか目指すところ、住民の方に提供する価値、大きな目標からブレークダウンして、施策、事業へと分解していくか、それを評価するかといったことがポイントになってくると思っております。
 3点目に気になったこととして、民間では使い古されて大分たっていますが、バランスト・スコアカードという考え方があります。皆さん御承知のとおりだと思うのですが、財務的な視点、業務プロセス的な視点、顧客の視点、人材の視点という四つの視点で施策を評価するという考え方がございます。こうして見ておりますと、財務、業務プロセスといったところはカバーされているのかなと。
 一方で、物によっては顧客の視点が欠けている、つまり都民にとってどうかというところが欠けていると感じます。最後の人材の視点を評価に含めるかどうかは、私としては議論が必要だとは思うのですが、都庁のスタッフの方の人材育成や成長といったところも、彼らの業務である施策、事業を評価する上で考えられるべきなのかどうかといった点も、問題提起として挙げさせていただきたいと思っております。  つけ加えさせていただきますと、フィードバックが大事だと西村先生もおっしゃられておりました。いわゆるPDCAということに尽きるわけなのですが、今回やっているのは、チェックだと思います。それが、次年度以降、また次期以降のプランニング、計画にきちんと反映されるかが、この評価制度自体の大目的だろうと思っております。
 この評価の目的が、ほかの自治体でどのように使われているか、何年か前に、三菱総研かどこかが調査されておりましたが、意外に予算の策定、編成に使われるというケースは少ないようです。増えていたのが、何が重要施策かといったところの意識込め、意識を込めていくと、そこで使われている割合が比較的高いといったような記憶がございます。
 こういった評価制度が、次期の都庁の運営計画といいますか、施策体系、そちらには反映されていくというのが一つあり得る姿、使われ方なのかなと思っております。
 そんなようなことで、意見とかえさせていただければと思います。

○石田会長
 どうもありがとうございました。
 では、中川先生、お願いします。

○中川専門調査員
 私は昨年の夏まで、監査法人で、パブリックセクター部というところに所属しておりました。そちらで、約20年間地方公共団体の包括外部監査であるとか、あと、公会計ですね、複式簿記発生主義の会計を導入するという仕事をしておりまして、その後、独立し、今も同じく、包括外部監査、それから公会計の仕事をしております。
 監査法人時代は、ある政令市の事務事業評価制度の構築のお手伝いなどをしておりまして、そのようなことを生かして、こちらでもお役に立てればと思っております。
 問題意識としては、二つ申し上げたいと思います。まず1点目ですが、成果指標、指標の目標設定についてです。先ほど石田会長のほうから、成果指標がいかに重要かというお話がありまして、私も非常に重要だと考えてはおります。
 しかし、長年、包括外部監査等でたくさんの自治体の現場を見てきまして、そうは言っても、やはり現場の仕事などから見ますと、成果指標を設定すること自体に無理があったりですとか、指標の設定が非常に難しいということもよく理解できるところであります。ヒアリングに行った際には、皆さんのお仕事の内容をよく聞いて、現実的な指標設定について助言できればというのが1点です。
 2点目、この評価制度の位置付けに非常に関心がありまして、先ほど最後のほう、大川先生もおっしゃいましたけれども、この制度が今後の東京都全体の政策とかにいかに結びついていくかということが一番重要じゃないかと思っております。
 予算につながるというのは、余り例がないのではないかというお話もされていましたが、やはり直接的には予算にもつながっていくということでなければ、評価されている皆さんのモチベーションも余り上がらずに、結局、先ほどもありました評価疲れということにもなっていくのではないかなと思いますので、評価制度の位置付け、特に予算や今後の計画につながるような制度構築をしていただきたいと思っております。
 私からは以上でございます。

○石田会長
 ありがとうございました。
 では、水町先生よろしくお願いします。

○水町構成員
 弁護士の水町と申します。
 私は、政策評価については特に専門的知見を持っているわけではないので、意見が、専門家の方から見たら、とんちかんなところもあるかもしれません。政策評価関係の経験としては、国で働いていたときに、自分がやっている政策について政策評価を、私が直接やったわけではなく、係長にやってもらってという経験があるということ。政策評価とは関係ない制度ですが、国や自治体が実施しなければいけない評価制度、プライバシーインパクトアセスメントという、マイナンバーの個人情報取扱いの評価制度を創設した経験があって、そういう経験を踏まえてお話させていただければと思います。
 まず三つお話ししたいと思っています。一つ目が目標設定について感じたことです。目標設定していただいているのですが、この目標が外部要因によるところがかなり多くて、都がいかに努力されても、改善できる目標ではないことは結構あるのではないかと思いました。  最初の「治安対策」でいえば、特殊詐欺認知件数が前年より減少することが目標になっておりますが、都が頑張ってもなかなか減少しないというところもあるかもしれない。それを目標に置いてしまうと、警察ではないわけで、警視庁ではなくて行政の東京都がやるべきことは何かという、そういう観点からの目標でなければ、都は一生懸命取り組んだのだが、詐欺が減らないとか、そういう政策評価になってしまうので、なかなか目標設定は難しいと思いました。
 大川専門調査員もおっしゃっていましたが、ロジカルツリーというようなお話されていました。施策の大きな目標があって、その目標を達成するために、阻害要因、課題があるはずで、その課題を解決するためにはどのような事業が必要で、そしてその事業についても都がやるべきことと、民間がやるべきことと、あとほかの行政がやるべきことがあると思うので、都としては課題解決のためにこれをやっていきますということが明らかになるといいと感じました。
 次、2点目ですが、政策評価の作業にかかる時間と効果の見合い、バランスがとれているかという観点も重要だと申し上げようと思います。政策評価については政策がよりよくなるための評価であって、公務員にとって、これをやることで前年度事業の反省、また励みになるような、そういうものであると思います。実際、これを拝見すると、予算とか行政計画とか、もう他の制度ががっちりある中で政策評価を実施してしまうと、もう計画に何件というのが書いてあるから、それを変えることはできないから、政策評価もその数字も入れましょうとなっていると、転記のような形になってしまいます。予算から転記すればいいのであれば、それはそれで作業量は少ないのですが、お聞きしたところ予算とは、事業の範囲が違う等重複するような制度の中で似たような作業が発生し、かつ作業量もそれなりにあるとのことです。考えて分解するなど、このためにまた膨大な時間がかかる懸念を感じました。そういう他の制度との重複の問題。
 この政策評価によって、都が実施している、担当の原課の仕事全体を説明しているわけではないと思います。定かではないですが。自分の政策に政策評価を実施したときに思ったのですが、公務員として非常に頑張って取り組んでいることがあるのですが、様式に入らないなど政策評価にそれが載せられないことがある。非常に努力しているにも関わらず、全然書けないとなってしまうと、残念なところもありますので、全体感や行政側の努力、頑張りをもう少しアピールできるような資料になると、公務員にとっても反省、励みになるのではないかと思いました。
 その一方で、拝見すると、非常にきれいなまとまりのある資料になっていて、これを作成できるということは、力があることはそのとおりと申しますか、これは都だからここまできちんとした評価書案ができているのだと思うのですが、これを作るのことにおそらく多くの作業を必要としたと思います。それに対する効果、見合いを考えると、全年度このやり方で実施すると一覧性があり、統一様式で数値も具体的に入っていて、情報公開としては非常に価値があると思います。しかし、作業量と効果を考えると、もう少し政策評価の対象を大幅に絞った上で外部の目を入れるなど。もちろん原課の自己評価は、それぞれやっていっていただいた上で、その自己評価は必ずしもこの様式でやらなくてもよくて、政策評価を実施するのであれば、もう少し対象を絞って外部のチェックを入れる方がいいのではないかと感じました。
 最後3点目なのですが、こういう評価書の様式は、情報公開としては非常によく、都民に向けた説明として、こういう事業、こういう目的のためにこういうことをやっているんだ、具体的に、こんなふうにやっていて、実績もこうなっているのだというのが一覧としてわかるので、開かれた都政としては非常にいい資料であると思います。
 ただ、その一方で、実際に都民の方がこれを読まれるかというのは、また難しく、都民への情報公開ということであれば、都民に向けて、都はこういう行政をやっているというのを読みやすい簡潔な資料にした方が、都民も見てくださるのではないかと思います。
 私も自分の仕事で、結構本や論文を書くなど一生懸命文を書くことがあるのですが、一生懸命、文字を何万字も書いたものはあんまり読んでもらえず、パワーポイントで資料を作った方がアクセス数等が非常に多いことがあります。作業量とアピール力と申しますか、効果はなかなかつながるものではないので、そういう効果も踏まえて、作業量を絞って効果を上げられるような評価になればいいと思いました。
 少々長くなりましたが、以上です。 ○石田会長 どうもありがとうございました。
 皆様方から御意見をいただいたら会議終了かと思っていましたが、まだ少々時間がありますので、少し私の意見を述べさせて頂きます。先ほど、西村先生から、東京都は政策評価が初めてなのかというお話がありました。実は東京都は5,000ぐらい事業があり、事業評価を毎年やっていらっしゃいます。ただ、少しお話を伺うと、やっているけれど、アウトカムの数値目標を明らかにするということは、どうも少ないようで、今回初めてアウトカム数値目標を設定するように言われたところも結構あるらしいということです。
 資料4を事務局で御用意いただきましたが、資料4では、この政策評価のほかに既に実行プラン等計画を持っているところは数値目標があるけれども、そこがブランクのところは、どうも今回初めて数値目標アウトカムを出せと言われたらしいということです。私たちが思っている以上に大変かもしれません。東京都は大きいだけに、あまり今までアウトカムに対して、数値目標を設定することにお慣れにはなっていらっしゃらないかもしれません。
 現場感覚としては、東京都は非常にたくさんお仕事をやっていらっしゃいますよね。今非常にたくさん仕事をやっていて、言葉は悪いですけど、あっぷあっぷなのに、数値目標のアウトカムをも設定しろと言われて、びっくりしている感がおありかもしれません。そこで、冒頭でお話しさせていただいたように、まずは、上から目線で恐縮ですが、啓蒙という形ではないですが、アウトカムの数値目標は、まずは設定するのが大事だよと。やった後に、「これでは、自分たちの業績はきちんと測定できない」となったときに、代替として何をするのかが大事になる。まずそこから事業を見直すということを現場感覚としてやってほしいと考えております。いろいろな先生方からのお話もあり、また水町先生のお話ありましたが、おそらく現場は評価疲れがあります。今までやっていないけれど、でもほかにもやることがたくさんあって、評価疲れがある。さらに、予算要求はきちんとやっているわけです。予算要求のときも、各部局ごとの定型的フォーマットで今までの過去の実績とかを出して、予算要求するという話があると、やはり重複感があるのではないかと思っています。
 しかし、予算要求ではどうもアウトカムは示していないらしい。執行率を見られたり、「これをこれだけやるよ」といったら、これをこれだけやったかどうかで判断されているようです。アウトカムを見て、主計部が、予算をつけているかというと、そうでもないようで、少々不確かなところがあるとのことです。せっかくこれだけ非常に大変な作業をやるわけですから、今回試行で、次は本格施行ということなので、私たち分科会の役割は、いかに現場の方が、疲れない、実のある、これをやったおかげで他の今までやっていた仕事をやめることができた、仕事がしやすくなるようなものを提言できればと考えております。
 おそらく、それは東京都だけの話ではなく、他の自治体の良い例にもなると思います。今働き方改革も言われていますが、新しい制度を入れるときには、既存のものをやめていかないと、どんどん現場に溜まってしまうので、これをやるんだったら、あれをやめましょうとか、今やっているこれにかわる形にしましょうという提言ができればと思っています。
 さらに、大川先生、水町先生もおっしゃいましたが、説明責任のためにやっているものの、都民は170ページのものを読まないですよね。そうすると、これをやったら、今度は、簡易版のようなもの。21ユニットであれば、21枚A4のものを出すためには、新しいものを作るのではなく、その中から1枚がサマリーできるようなものをやっぱり入れなければいけないと思います。アウトプットもアウトカムも、さらに、指標間で山田先生がおっしゃったように何が重要なのかもわからないものを並べるのではなく、グラフ化するとか、目で見てぱっとわかるように。さらに、東京都は大きいので、横でお互い競争することがなかなか難しかったようなので、これをやることによってアウトカムを設定してやっているところと、アウトプットしか設定していないところがはっきりわかって、やらないと格好悪いというような形にしたほうがいいと思います。
 最初に事務局のお話にあったとおり、アウトカムは定量的な数値目標で設定してください。難しいときはアウトプットでもいいですよ。さらに、それも難しかったら定性的目標でもいいですよという話になっているので、現在は、混載ですが、まずはアウトカムについて、アウトカム欄を作ってください。なかったらアウトプットでもいいが、そのときは、アウトカム欄は空白にしてください。たとえば、A4用紙の上3分の1が空白になると目立ちますよね。そうすると、横でうちだけ空白だと、とにかく何か作ると。現状の認識でもいいから作ろうというような話になると、少し効果が出てくると思っています。ただ「アウトカムを設定してください」と言われても、なかなか難しいと思うので、自助努力ということであれば、そのような見せ方の工夫も必要になるのではないかと私は思っているところです。まだ時間がありますので、今のことに関してでも、あるいはほかのことでも結構ですので、このようにしたらいいのではないか、あるいは、ここにもっと問題があるのではないかというような御意見をいただけるとありがたいです。
 先生方、いかがでしょうか。 ○山田専門調査員 先ほど、水町先生のお話にあったとおり、政策評価の項目については、今回こういう形で出てこられたと思いますが、将来的に何を出していくのかというのは、おそらく政策の目的の重要性に鑑みて、これを公開すると、なぜ政策評価でこれを選んでパッケージ化したのかという、その説明責任もあると思います。今回は第1回なので、できる範囲のところでというようになると思います。これがこなれてくると、いわゆる見える化したいくつかのパッケージの中で、これを選んだ理由というのは、いわゆる政策的な重要性とか緊急性が高いから選んだとか、何らかのロジックを見せて絞ったほうがよく、そういう意味で言うと、部局によっては、原課によっては、ないという選択肢もあって、逆に言うと、原課によっては複数あるとかということも想定できるのではないのかと。いわゆるユニットを見せていただいたときの粒度のばらつきの根源というのはそこにあるのではないかというのが、私が初めに感じたことでございます。

○石田会長
 ありがとうございます。
 どうぞ。

○大川専門調査員
 今、山田先生がおっしゃったことにかぶせる形になるのですが、同じ問いかけを事務局の方にさせていただいたときに、局側でこのユニットということで上げてもらったのであって、特にロジックだとか理由がないとのことでした。この制度を運用していくに当たって、何が重要な施策なのかということを、誰がどういうプロセスで決めるのか。民間の例で当てはめると、経営者が会社の経営目標を達成する上で、当面はこの政策が重要だから、これを評価対象として上げてくださいというのか、各部局長が自発的に経営、都であれば都政を理解し、自分の所管部署ではこれが大事だと自己申告してくるのか、大きく分ければどちらかのケースになると思っています。
 都庁、都においては、どちらがやれるのか、なじむのかは、私はわかりかねていますが、今の時点では。そういったことも分科会を通じて見えてくるといいと思っておりますというのが、追加意見の1点目で。
 やはり評価自体が都民の皆さんに見えるといいということで、一つ思っていたことが、将来的には評価自体の評価という意味では、都民の方の閲覧数、どれだけビューがあったのか、わかりやすく簡潔に、最終的にまとめることを通じて、都政の活動を都民の方にどれだけ展開できたかで、評価自体を評価するのがいいのではないかと思っておりました。

○石田会長
 どうぞ。

○出島専門調査員
 先生方の話をお聞きしながら考えていたのですが、この分科会といいますか、政策評価の取組自体に何らか付加価値があるといいなと。今回、この取組があったことによって、東京都政、都庁がこんなによくなりましたというところがあったほうがいいと思います。お聞きしている中で、ロジック構築について外の人が見ると気づくが、中にいる人というのは情報が多く入っていて、その分野の常識にとらわれると申しますか、そういうところがあるので、外の目からそのような指摘をいただくことは非常に付加価値が高いと思います。
 当初、私もそういった価値があったような気がするのですが、最近、こういうところが難しいなど見えてしまい、そのような指摘の歯切れが悪くなったなということもあり、自戒も込めてそうした指摘を、内部だからと言わずにやっていただくというのは非常に価値があると思います。  3点あるのですが、2点目の指標づくりについて。目標アウトカムをこのように設定してくださいといっても、部局、原課のほうにそのアイデアがないということがありえます。そうしたときに、例えば、普及啓発や意識的なものであれば、大学の心理系の先生がこのような指標を持っていますよとか、そういった展開があってもいいと思っています。
 なかなか意識調査って成果ではないのではないかと指摘されることがあるのですが、こういうとり方が学術的にはバリデートとされていて、意味があるとされているので、それは使えるのではないかとか、そうした部分等の提案もあると非常にいいのかと。必ずしもこの分科会の中のみでやるというよりは、こういう人に聞いてみたらどうかという提案があってもいいかと思いました。
 最後に情報公開についてなのですが、各部署の方々、必ずしも情報公開の部署にいるわけではないと思うので、それほど得意ではないと思います。そのため、最終的にこのような見せ方がいいのではないかとか、内部的にはこのような評価があるが、これについてはこのような見せ方やストーリーで出した方が、都民にとってわかりやすいのではないかとか。あるいは全部見せなければならないと思うかもしれないが、全部見せると余計わかりづらいので、都民向けにはこのような説明がいいのではないかというような、アドバイザリー的な提案ができると、より生産的な政策評価につながるのではないかと、お聞きして感じたところです。

○石田会長
 ありがとうございました。
 どうぞ。

○西村構成員
 私もいろいろお話を伺って、いずれも、例えばロジックツリーのような話はまさに御指摘のとおりだと思いながら伺っておりました。施策で見るときに、どうしても事業の寄せ集めとして政策を見ざるを得ないという、つらいところがあり、それではどうしてその事業を選んでいるのですかということについては、こうこうこういう流れで、こういうアウトカムがあるから、この事業とこの事業を選んでいますというのが、原課にはそういうロジックがやはりあってほしいと思いますし、そういう点で作っていくのが、重要だと思いながら聞いていました。
 そのような点でいうと、今年度は基本的な制度の枠組みを作るということなのだとは思うのですが、やはり少し長期の取組でこれを見ていく必要があるのではないかと思います。
 なぜかと申しますと、幾つかありまして、こういった評価を導入していく上で、東京都は非常にたくさんの施策を持っていらっしゃいますから、今年度はテストケースで一つ、各委員とかで選んだという形なのだろうと思うのですが、今回選ばれていない施策の中にも重要なものはきっとあるだろうと。都民にとって、都政にとって重要なものあるだろうという点からしますと、やはり一通り回してみる必要はあるのではないかという気はしております。そうすると全ユニットの全施策を毎年度というわけにはいかないだろうとも思っています。  そのため、長期的に少しテストケースのようなものを重ねて、やり方を精錬させていくことが必要ではないかと思っておりますし、こういった評価に向いている部局と、そもそも、このようなものを評価してどうするのかというような部局もあるはずなので、その辺の見極めも、先見的にこうでしょうというのも、もちろん大事ですが、自治体というのはそれぞれ特性をお持ちなので、それぞれ見た上できちんと判定してく。
 なおかつ、もう一つ長期でという理由がありまして、フィードバックがきちんとなされているかをどこで見ていくかということがあろうかと思います。つまり、評価書の中でやってくださいね、次のときにやりましたよということだけでいいのか。それについてもきちんとヒアリング等でなぜできなかったのかというところまで確認しながらやっていくのかというのは、御相談しながらどういうやり方がいいのか考えていくべきだろうと思っています。やはり一つヒントになるものは、国のほうで行政評価局が、政策評価ではなく、行政評価というのをやっていますが、評価局が非常に粘り強く、各省に対して指摘したことがなぜ直らないのかというのを3年、4年かけて、ずっと毎年度是正されない場合は、かなりしぶとく問い詰めていくという仕組みがあります。ああいったことも、あそこまでやるかどうかは別として、少しヒントになるかと思います。
 つまり、評価というのは、評価のための評価ではないとなると、きちんとチェックアクションのほうに結びついているかどうかが大事だと思いますので、やはり単年度で試行して、これで完成というのは難しく、この評価結果を見て、どう改善されたかというところまで我々が見ていかないと。結局入り口のところだけ作って、あと出口は知りません、といった話でいいのかという気はしております。それは本当にいいかどうかは、皆さんの御意見を聞きながらとは思うのですが、やはり今年度だけでこれでいいですねというのは難しいのではないかと思っております。
 以上でございます。

○石田会長
 ありがとうございます。
 ほかに。

○中川専門調査員
 皆さんのお話をお聞きして思ったことが二つありまして、まず一つは、水町先生が作業時間と効果について、評価表を作成する時間とその効果の見合いが重要というお話をされていて、私もそうだと思いました。そこからさらに、先ほど水町先生はその評価表を作る作業時間についてお話しされたと思うのですが、もう1点気になったのが、その施策や事業自体を実施する時間、お金と成果の関係です。
 成果指標を重視する余りに、コストパフォーマンスが悪くても成果の達成を誘導してしまうというような間違った成果指標の設定になっては、逆効果なのではないかと思っています。成果を上げるためには、皆さんのお仕事の時間やお金もかなりかかってくると思います。そういうときに、成果指標だけを見てしまって、お金とか仕事の時間を見ないと、コストパフォーマンスが悪い指標が設定されて、一生懸命達成するというような間違ったインセンティブが働いてしまうおそれがあるのではないかと少し気になりました。
 2点目ですが、今回の政策評価の制度を都民に知っていただくべきだというお話がありました。これは私もそのとおりだと思います。東京都として今回の取組を都民の皆さんに知っていただくために、特に注目していただくためのメディア戦略というのか、そういったことを少し意識されたらいいのではないかと思いました。今回も報道に入っていただいたりして、ホームページでも公表したりされるとは思うのですが、なかなかそれだけでたくさんの都民の方の注目が集まって、どんどんこの評価シートなども見てもらえるかというと、そこまでは期待できないのではないかと思っています。私は、ほかの団体でいろいろ委員をさせていただいていますけれども、ある団体では新聞社等をたくさん呼んで、日に各紙に報道してもらうというような、意図的なメディア戦略のようなものをとられているところもあります。また、新聞報道やシンポジウムのようなものをやってみるとか、そのようなことができるのではないかと思いました。より都民の方に知っていただくための何か戦略と申しますか、そういったものを考えられたらいいのではないかと思いました。

○石田会長
 皆さん、お一人ずつなので水町先生も。

○水町構成員
 私からは、簡単にと思うのですが、西村先生がフォローアップが必要だとおっしゃったのは、総務省がやる他省庁の行政評価のお話をされていて、本当に同感だと思いました。国の政策等でも、計画は立てたものの、結局チェックをしないで、5年後、10年後にまた同じような先祖返りのような計画が出てくるというのはよくある話です。やはりPDCAを回すというのは、なかなか政策だとやっていないことも多いので、全部の政策、全ユニット、全政策評価して、全部チェックする、外部の目を入れるというのは難しいのかもしれないですが、やはり立てた目標や改善すべき点をきちんと継続してチェックしていかなければ、とりあえずこれをやっただけという形だけになってしまいがちだと思うので、きちんとPDCAが回るようにというのも重要だと思いました。
 以上です。

○石田会長
 どうもありがとうございました。
 ほかにどうしても、今回初顔合わせですので、言っておきたいような御意見はないですか。よろしいですか。
 膨大な作業なので、皆様の中から、やはりこれはどういう意図で選択をして、今回ここに上げて見せるのかというお話もありました。
 ただ、私個人としては、都は毎年の予算要求を全事務事業で行い、そのときに事業評価もやっていて、もう既に何らかフィードバックを働かせているわけです。
 そのため、今回政策評価をやるのであれば、それを全部一つにしてしまって、都民に見せるときには、そのごく一部の大事なものだけ見せるようにする方法もあると思っています。同じようなシステムが2本も3本も走るのではなく、今回肝いりでやっているわけですから、一応全部その中に入るようにして、事務事業も今までの話を聞いたところ、アウトカム指標がないものもあるようですし、優先順位も施策によってつけているかもどうかもわからないので、それも全部やるようにしたらどうかと個人的に思っています。ただ、都民に見せるときには、5,000事業を見せるのかという話になるので、それは無理だとしても、上位のものだけにするなど工夫したらいいのではないかと。
 とにかく、個人的には現場が、なぜまたこれをやるのかと言わないように、さらに、これまで、もしかしてアウトカムを意識しないで前例踏襲で事業をしていたのであれば、アウトカムを見て、きちんと見直すということをやっていただきたい。さらに、そういう目で都民の方にわかるように、要約版のようなものを出せるようにしたい。現場の方が仕事をやりやすくなるような政策評価が導入できれば、非常にいいと思っているところです。
 今後は、皆様には大変お忙しい中、予定を調整していただきまして、ヒアリング作業が始まります。何しろユニットが多いので、各事業40分しかヒアリング時間がありません。その40分しかない中で、なかなか問題意識等を共有するのは難しいとは思うのですが、まずは皆様にヒアリング作業でお願いしたいのは、アウトカムの数値目標について現場が答えを持っていると思うので、現場の方々にアウトカムってどういう目標がのか、一緒に考えていただきたいということ。それからおそらく、最初企画部門系の現場としか話はできないと思うのですが、やはりこれ、どう思っていますか、無駄ですか。別に議事を公開するわけではないので、現場感覚としてこれについてやはり評価疲れを持っているのか、これを書くのだったら、何をなくすことができるのかというようなことも聞いていただきたいということと、また、現場の人の仕事がやりやすくするためにさらに、フィードバックについて、やはり次の予算にフィードバックできないとやる気が起きません。次の年の予算要求しているときに、2年前の査定というか評価をして原因と結果を書いて何の意味があるのかというのはやはりあると思うので、適切なモチベーションを維持できるフィードバックの仕方にはどのようなものがあるのか現場と一緒に考えていただけたらありがたいと思っています。  少々早いですが、私からはこれで。事務局側、何か補足、あるいは追加の情報等ありましたらお願いします。

○出島専門調査員
 1点よろしいですか。
 現場疲れの話という点で、僕は現場とお付き合いさせていただくことが多いのですが、この評価自体に対する評価というのもあったらいいと思います。評価しろと言われるだけで悶々とするのではなく、こういうところが課題だとかきちんと現場の方からもフィードバックできるような、そういう部分があった方がいいと思います。  極端な話、この分科会の我々の構成員、専門調査員ごとに点数付けしていただいても結構ですし、嫌ですが、そういったヒアリングする側にも緊張感を持たせるような部分で、発想としては合っているんだと思います。ただ、それをすることが必ずしもベストではないと思うので、そうした中でどうすれば、現場からのフィードバックがあるのかというのはあってもいいのではないかと思います。
 評価する側が評価されることのリスクというのは、どうしても現場寄りになってしまって、「忙しいですよね、大変ですよね、だからこういう指標は作れないですよね」と現場寄りになり過ぎて、それによって甘くなってしまうというのは、これはリスクなのだと思うのですが、その点は、今回のメンバーの方々も、それぞれプロフェッショナルでやられていて、現場に寄り添うインセンティブは余りないのではないかとも思いますし、そういった意味で、この評価制度に対して、現場の方々がよりよくするためにどういうことができるのかという視点でフィードバックをもらうというような部分も、ぜひあるといいかなと。それが、評価の判断に変なバイアスやインセンティブとかを与えるようにならないようには気をつけなくてはいけないのですが、そうした視点をぜひ持っていただくと、単純に、「現場は疲れる」とか、「負荷がかかるからそれを減らそう」という議論ではなく、現場の方々もここでロジックをこう整理したいのだけど困っていて、今回この話を聞いたら非常にいいアイデアをもらえたとか、目標を何か設定したいと思っていたのだが、この会を通じてこういう設定ができましたというのは、肌感覚としては喜ばれます。そのため、そうした部分があってもいいのではないかと思いましたので、現場とのコミュニケーション、あるいは現場疲れの部分については、そういう視点があってもいいのではないかと思います。 ○石田会長 ありがとうございました。

○山田専門調査員
 先ほど石田先生が40分しかないというお話をされていたので、事務局の方々にお願いなのですが、政策連携団体のほうもそうなのですが、都の方はおそらく真面目なので、事前に十分リハーサルをして読み上げ型になるようなケースがやはり多々ありますので、どちらかというと、ディスカッションをするので、読み上げていただくのではなく、実際作るときにどういうことに悩まれていて、どういう議論があったのかというようなことを言っていただくと、その時間というのが読み上げる前に我々必ず読み、考えてきて、それで臨みたいと思っていますので、その辺の御配慮をいただければ、逆にリハーサルをやるという無駄な作業がなくなると思いますので、ぜひそういった形で御指導していただければというふうに思っております。

○石田会長
 ありがとうございます。出島専門調査員もおっしゃいましたけど、今回は試行ですから、試行ということは本格実施の前に直すべきことがあれば、私たちは提言をしなければいけないので、そのときに可能であれば、一度全部ヒアリングが終わって、それからその後に自己評価もやるのですね。それについて私たちもまたそれを見て、その後に本格実施なので、そのどこかで、無記名でも何でもいいのですが、アンケートみたいなものを、本気に役に立つと思うのかとか、何かそういった意識調査のようなものができればいいと思います。ただ単に負担を軽減するのではなく、私は骨太で本当にこれがど真ん中のシステムになって、これをやらないと予算がもらえないようなシステムにならないと、これは生きないと思います。ただ、お飾りだけ作っているだけでは、やっている意味はないので、これが本当に実のあるものするためには、何が要らないのか、何を付け足すのかという議論をしていきたいと思っています。事務局、大変でしょうけど、どこかでちゃんと現場の声が取れるような形のものを考えていただければありがたいと思います。
 他はよろしいですか。
 では、お返しします。

5.閉会
○勝見総務局都政改革担当部長
 都政改革担当部長の勝見でございます。
 短い限られた時間で非常に多くの具体的な御意見、御指摘を頂戴いたしましてありがとうございました。いろいろ御意見もありましたが、やはり今回の政策評価、ポイントというか難しさというのは、やはり一つ一つの事業レベルではなくて、施策レベルで複数の事業ですとか、複数の事業を束ねた施策レベルで評価を実施していくというところが一つ難しさであり、やりがいだと思っているところでございます。  どうしても東京都をはじめ、行政というのは一つ一つの事業できちんと実績を積み重ねる、それ自体も非常に今難しい状況ございまして、どうしても担当している職員、一つ一つの実績、アウトプットを積み重ねる方に力点が置かれていたところを、少し施策レベルというところで広げまして、あと都民の目線というところも意識して成果を重視した効果的、効率的なものになっているかですとか、都民への説明責任を果たしているかという視点で今回やっていくというところが一つポイントだと思っております。
 まずは、本日の御意見を頂戴しまして、今回初年度ということで、昨年まで見える化を実施してきました21の局がそれぞれ21評価対象に選んでおりますので、それぞれのところで適切な指標設定ができているかというお話がありましたが、そうした観点で、一つ一つ具体的な御議論につながるように、一つ一つの局の新たな事業展開に、有意義なものに今回の議論がなるように事務局としてもやっていきたいと思っておりますので、本日いただいた御意見を整理しまして、ヒアリングの前にも事前に局にも先生方からいただいた問題意識をお伝えしながら、具体的な議論につながるようにということで、またやり方についてもいろいろ御助言もいただきましたので、事務局のほうでも検討させていただいて、一つ一つの評価対象のところの議論を実りあるものにするようにというところをまず1点取り組ませていただきたいと思います。  あわせて、来年度に向けましても、今回取り組む評価のところを、どう生かしていくのかですとか、あと今回やった取組を都民にさらにまたわかりやすくPR、簡潔にしてくべきではないかとか、いろいろな御意見もいただきましたので、あわせてそういう制度的な、全体的なところも並行して検討してまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

○石田会長
 すみません、前後して。この評価書の当初案ですが、おめくりいただくと、予算と人員というのが出ていると思うのですが、この予算額の中には、人件費は入っていませんので御留意ください。
 例えば1ページ目で17億ですか、あって、人員が65人と書いてあるけれども、この65人の人件費はこの中に入っていないという。だから65人、ではどれぐらいと考えればいいかというと、人件費は大体一人当たり単価年で700万円ぐらいとお考えいただく。
 ただ、この65人も実際にどの事業についてというのではなくて、張り付いている人数なので、もしかするとここで例えば65人と書いてあるけれども、実際この事業に本当に携わっているのは30人かもしれない。一人の人がいろいろな事業にまたがっているので、その辺については今回のこの評価シートは、この事業についての人員が一対一の張り付きではないということと、人件費はこの予算額の中に全く入っていないということを御留意いただき、そうでなければ、全然規模感が違うんです、人件費まで含めると。ですから、その辺は御留意いただいて、ヒアリングに入っていただけたらと思います。
  今回はお忙しい中、皆さんからたくさんの貴重な意見いただきありがとうございました。

○糸賀総務局行政改革推進部都政改革担当課長
 最後、連絡事項でございます。
 本日の議事録につきましては改めて御確認させていただきたいと存じます。
 また、今後ですけれども、先ほど既にお話ございましたけれども、7月下旬ごろに各局とのヒアリングにおきまして、引き続き皆様方から御意見・御助言をいただく予定でございます。それを踏まえまして、第2回の分科会は9月ごろを予定しております。改めて日程調整をさせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。  連絡事項は以上でございます。本日は、どうもありがとうございました。  

    

15時30分 閉会