第6回政策評価分科会



箇条書き名簿(PDF:85KB)


箇条書き資料1(令和元年度実施施策の取組について)(PDF:1.2MB)








箇条書き資料5(政策評価分科会の意見・助言に対する各局の対応方針一覧)(PDF:1.2MB


箇条書き資料6(新たな都政改革や社会環境の変化等を踏まえた政策評価について)(PDF:1.2MB
      

議事録

令和2年6月29日(月曜日)
都庁第二本庁舎31階特別会議室26

10時00分 開会


 
1.開 会

○糸賀課長 定刻でございますので、ただいまより「第6回都政改革アドバイザリー会議 政策評価分科会」を開催いたします。本日は御多忙のところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 私は、本分科会の事務局を務めます、総務局行政改革推進部政策評価担当課長の糸賀でございます。どうぞよろしくお願いいたします。会長が選任されるまでの間、進行役を務めさせていただきます。
 初めに、会議の実施方法について御説明をいたします。本日の会議は、Web会議システムを活用して実施しておりまして、委員の皆様にはリモートにより参加をいただいております。
 また、本会議は公開で実施いたします。現在、事務局がおります都庁の会議室が傍聴場所となってございまして、会議映像をモニターにて視聴することができる環境になってございます。
 なお、会議資料につきましては本日、議事概要につきましては後日、ホームページに公開いたします。
 会議時間は、11時15分までを予定してございます。


2.総務局理事(都政改革担当)挨拶

○糸賀課長 それでは、開会に当たりまして、総務局理事の藤田より一言御挨拶を申し上げます。よろしくお願いいたします。

○藤田理事 おはようございます。総務局理事の藤田でございます。
 本日はお忙しい中、本分科会に御出席いただきありがとうございます。また、昨年度に引き続き、本分科会の委員をお引き受けいただきありがとうございます。
 政策評価につきましては、昨年度よりスタートし、各局が施策の推進・見直しを行ってまいりました。委員の皆様には、目標設定や自己評価等の重要な局面で、今後につながる貴重な御意見・御助言をいただきましたことに感謝申し上げます。
 さて、最近の都政改革を取り巻く環境につきましては、昨年末に「新たな都政改革ビジョン」を策定し、改革を次のステージへと進化させました。新たな都政改革では、目指すべき都庁の姿を描き、環境やニーズの変化に弾力的に対応し、改革を進めていくこととしております。
 ただ、その後、新型コロナウイルス感染症が発生したため、そこで浮き彫りとなりました新たな課題に対応することを最優先に、計画の前倒しなど、迅速かつ柔軟に展開しているところでございます。
 政策評価につきましては、こうした状況も踏まえまして、各局の政策展開を下支えするような取組としていきたいと考えております。
 皆様方には、引き続き、忌憚のない御意見・御助言をいただき、活発な議論を行っていただきますようお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、冒頭に当たりまして、私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。


【参加者紹介】

○糸賀課長 本日は今年度最初の分科会でございますので、委員の皆様の御紹介をさせていただきます。
 まず、構成員の3名でございます。
 文教大学経営学部教授、公認会計士の石田晴美様でございます。

○石田構成員 石田です。昨年度もお世話になりました。今年度も引き続きよろしくお願いいたします。

○糸賀課長 続きまして、明治大学政治経済学部教授、西村弥様でございます。

○西村構成員 おはようございます。明治大学の西村でございます。引き続き関わらせていただきたいと思っています。よろしくお願い申し上げます。

○糸賀課長 続きまして、弁護士、水町雅子様でございます。

○水町構成員 水町です。今年度もまたよろしくお願いいたします。

○糸賀課長 次に、専門調査員の4名でございます。
 A.T.カーニー株式会社、マネージャー、大川浩平様でございます。

○大川専門調査員 大川です。よろしくお願いします。

○糸賀課長 株式会社出島プランニング、代表取締役、出島誠之様でございます。

○出島専門調査員 出島です。おはようございます。今年度もよろしくお願いいたします。

○糸賀課長 公認会計士、中川美雪様でございます。

○中川専門調査員 公認会計士の中川です。よろしくお願いいたします。

○糸賀課長 株式会社日本総合研究所、リサーチコンサルティング部門理事、山田英司様でございます。

○山田専門調査員 日本総研の山田でございます。本年度もよろしくお願いいたします。

○糸賀課長 ありがとうございます。
 なお、事務局の出席者につきましては、事前に配布してございます「出席者名簿」をもって、代えさせていただきます。よろしくお願いいたします。


3.会長選任

○糸賀課長 続きまして、本分科会の会長の選任に移ります。
 会長につきましては、本会議の設置要綱第5条第4項によりまして、構成員の互選によることとされております。
 構成員の皆様には事前に御相談させていただきましたとおり、昨年度に続き、文教大学経営学部教授・公認会計士の石田晴美様にお願いしたいと存じます。皆様、いかがでしょうか。
(異議なし)
○糸賀課長 ありがとうございます。
 それでは、石田様に会長をお願いしたいと存じます。
 石田会長、一言お願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○石田会長 石田です。
 昨年度は、都の新しい試みである「政策評価制度」の構築について、皆様から多くの貴重な御意見をいただきました。深く感謝申し上げます。
 今年度の制度ですが、昨年度から大きくブラッシュアップし、かつ、不断の見直しを図っていく予定と伺っております。
 本制度が都職員にとって、余計な仕事にならず、PDCAサイクルを機能させるために必要不可欠な制度になるよう、分科会から意義のある提言を行ってまいりたいと思っております。
 皆様、昨年度に引き続き、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。


4.議 題
 (1)令和元年度政策評価実施施策の取組状況について

○石田会長 それでは、今後は私が会長として進めていきます。
 本日の議題ですが、「令和元年度政策評価実施施策の取組状況について」と、「新たな都政改革や社会環境の変化等を踏まえた政策評価について」の2点です。
 まず、事務局より、1点目の議題につきまして御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○糸賀課長 1つ目の議題でございます。資料は1から5まででございます。
 まず、資料1を御覧いただきます。
 1ページは、昨年度から実施してまいりました政策評価の概要でございます。
 目的は、1つ目が成果の重視、2つ目が都民への説明責任の徹底。これらをベースに、政策・施策レベルでの自律的なPDCAサイクルを推進するものでございます。
 各局は、見える化改革の事業ユニットにおける「施策」を対象に、可能な限り定量的な目標を設定した上で、進捗状況や現状分析に基づく自己評価を行います。
 各局の自己評価に際しましては、本分科会が意見・助言を行うこととしてございます。
 2ページが、政策評価を実施した事業ユニット・施策の一覧でございます。
 3ページは、これまでの取組経緯でございます。
 図の①は、昨年度第1四半期で、各局は、成果指標・目標等について設定を行いました。  ②は、本分科会によるヒアリングを経て、一部、指標の追加、修正等を行いました。
 これを踏まえまして、③は、各局は、施策を推進したところでございます。
 そして、④は、各局は、成果指標の達成状況等に基づき自己評価を行いまして、これに対しまして、先月ですが、分科会ヒアリングを実施し、意見・助言を行ったところでございます。
 今後は、これらを施策の改善、企画立案などに反映させてまいります。
 続きまして、4ページでございます。今回実施いたしました各局の自己評価のポイントでございます。
 まず、進捗状況の把握・現状分析に当たっては、大きく2つの視点、1つ目は、成果指標の達成状況で、2つ目が、社会環境変化への対応につきまして、分析、検証を行いました。
 これに基づきまして、課題の抽出、それから、施策に関する見解を示すとともに、今後の方向性について検討を行ったところです。
 続きまして、資料2でございます。各事業ユニットの施策の評価書でございます。
 各局の自己評価に対する分科会ヒアリングでの、委員の皆様からの御意見、御助言を受けて、各局が修正、追記を行ったものでございます。
 時間の関係から、説明は割愛させていただきます。
 続きまして、資料3でございます。評価書の要約版でございます。事業ユニットごとに要点を絞って、簡潔にまとめたものでございます。こちらも、ヒアリングを受けて、修正を行ったものでございます。
 続きまして、資料4です。成果指標の目標と実績の一覧表でございます。
 主に定量的な目標につきまして、目標値と実績値を取り出して、一覧表にしたものでございます。
 次に、資料5ですが、分科会の意見・助言に対する各局の対応方針の一覧でございます。
 分科会ヒアリングにおける委員の皆様の主な御意見、御助言と、それに対する各局の対応方針についてまとめたものでございます。
 少しだけ御紹介させていただきますと、1ページ目を御覧ください。
 都民安全推進本部の「都民安全の推進」施策でございますが、この施策につきましては、大きく3点の御意見、御助言をいただきました。
 1点目が、施策を効果的に展開していくためのアプローチ、それから、メリハリをつけた取組への御提案。
 2点目が、全国的な特殊詐欺や刑法犯の数といった情報も、関連指標として追っていくべきであるとの助言でございます。
 3点目は詐欺電話への対策として、自動通話録音機を設置することでの、詐欺被害の未然防止効果について、言及したほうがいいとの御意見をいただきました。
 これらの御意見、御助言を受けまして、右側の各局の対応方針欄に記載のとおり、評価書の修正を行うとともに、貴重な御意見として今後の参考にさせていただいてございます。
 また、このような助言をいただくことで、バックデータや関連指標の確認などにより、現状分析をより深める機会となったとともに、都民にわかりやすく伝わるかといった視点も、改めて確認させていただいた次第でございます。
 時間の関係で、1例だけの御紹介で恐縮でございます。
 以上が令和元年度実施施策の取組状況です。
 説明は以上でございます。

○石田会長:御説明ありがとうございました。
 それでは、意見交換に移ります。
 先般、各局の自己評価に係るヒアリングを実施したところですが、これまでを振り返り、皆様の率直な御感想、御意見等をお願いします。
 お1人様、3分程度で御発言をお願いします。
 それでは、構成員の西村先生から、どうぞよろしくお願いいたします。

○西村構成員 西村でございます。
 1年間回してみてどうだったかという趣旨であろうと思います。
 初年度ですので、試行錯誤しながらやってきたというところだと認識しておりますが、その中では、分科会のアドバイスに対して、思ったよりリアクションが各局からいただけて、こういった形で続けていければいいのかなというふうにも思う反面、このヒアリングにかかる時間的、人的なコストであるとか、あるいは、専門性の観点から、どの程度行き届いた助言ができていたかどうか。
 これは、私自身に対して反省でもありますが、そういったところからしますと、まだまだ改善の余地があったのかなというふうにも感じておるところでございます。
 あと、わかりやすさという点では、要約版も作っていただいたのですが、その辺のつぶのそろえ方というのがまちまちであったりとかして、もう少しよくできるところがあったのかなというふうには思っているところですが、初年度として、テスト版という位置づけで理解しておりましたので、その中では、何とか順調にやってこられたのかなというふうに認識しております。
 手短ではございますが、以上でございます。

○石田会長:ありがとうございました。
 それでは、水町先生、お願いします。

○水町構成員 目標設定のヒアリングをさせていただいたときに、この目標で評価は大丈夫なのかなと思ったところが、やってみたら、意外と結構いい、充実したものになっていたなというのがあったりとか。目標だけではわからないことがわかって、いい評価もあったので、すごくよかったと思います。
 ただ、一方で、目標に対して達成できていないけれども、その分析が余り深掘りできていないというか、表面的な分析しかできていないような評価も見られて、評価の充実度のレベル感というものが、結構まちまちだったので、もうちょっと平均的レベルを上げていくということも必要かなと思いました。
 あとは、西村先生からあった第三者のヒアリングの意義についても、昨年度からずっと、先生方がおっしゃっていたと思うのですが、私も、自分がやっていること以外は、全然わからない。素人の状況で聞いてはいるのですが。ただ、私は、第三者ヒアリングの意義が結構あると思っていて、専門家の視点というよりは、第三者が各局の業務内容を聞いて、それに説明してもらうという場が、やはり重要ではないかと思っています。
 公務員の仕事というのは、内に閉じがちというか、もちろん、都民と触れ合う部署もあるとは思うのですが、そういうのがないような部局の場合は、公務員独特の仕事のやり方とか説明とかでは、都庁の中では余り説明しないでも済んでしまうことでも、第三者が入ってくると、説明するという機会、要は、第三者に合理的な説明をしていただくということ重要なのではないかと思いました。
 ですので、専門的視点をもうちょっと踏まえたほうがいいのではないかとか、いろいろあるとは思いますが、こういう第三者的な意義というのがあったのではないかと感じました。以上です。

○石田会長 ありがとうございました。
 それでは、大川委員、お願いします。

○大川専門調査員 1年間、このサイクルを回していただいて、ヒアリングにも参加させていただいたわけですが、ずっと同じことを申し上げておりますが、このヒアリングはなぜやっているのかというところが、各局の方に完全には落ちきっていないのだろうなというところが、一番の問題ではないかと思っております。
 どうしても意味合いが「私なり」というところになってしまいますが、PDCAをやっていくのだという意味では、そのとおりだと思っているのですが、PDCAの、特にC(チェック)ですね。これが目標に対する進捗の度合いのチェックという意味も、もちろんあるのですが、施策自体の妥当性のチェックというところの意味が、この取組というのは非常に有用であり、かつ、ほかの予算査定とか、ほかの仕組みでは、多分されていないところではないかと思っております。
 ですので、この妥当性の意味のチェックというところをやるのが、この施策の意味なのです、位置づけなのですというところを、各局の方が御理解いただけると、なおいいのかなと思っております。
 具体的にどうかというと、このチェックをやるためには、ニーズをもうちょっと、ファクトとして押さえるということを、各局が取り組む。ニーズだけではなくて、環境自体がどうなっているかというのを捉える必要があると思います。
 今回、コロナというのは、誰にとっても非常にわかりやすかったのですが、そういうところがない場合でも、ニーズの変化、環境の変化というのが起きているわけですので、きちんとそれを押さえて上で、施策に反映させていく、施策を検討していくということをやっていただく必要が、あるかなと思っております。
 なので、施策の説明というのは、評価シートに大分まとまってきて、書いていただいたと思うのですが、評価シート自体に、「環境の変化をどう捉えたか」とか、「ニーズをこう調査した」というような結果を記述していただくということを通じて、「これはちゃんとやらないといけないね」というふうに思っていただけるのではないかと思いました。

○石田会長 どうもありがとうございました。
 それでは、出島委員、よろしくお願いいたします。

○出島専門調査員 昨年度からヒアリング等に参加させていただいて感じていることになりますが、そもそも、この制度自体が意味があるのかどうかというところについては、1年やらせてもらって、意味があるのかなと。
 そう感じる理由としては、こちらがいろいろとアドバイスというか、助言させていただいても、「改善する余地がない」とか、「ある程度できています」ということであれば、そういう意義というのも限られると思うのですが、実際に話してみると、「そこは考えていませんでした」とか、「そういうところの指標はまだ設定できていません」とか、「そこは今検討しているところ」ですとか、そういう言葉が出てくるので、それについては、政策評価の取組自体に意義があったのではないかというふうに思います。
 先ほど、水町先生がおっしゃったような、第三者として気づいた点について指摘するというところで、こうした制度があるということ自体に意義があるし、それが今までなかったという面が、東京都においてあったのではないかと感じました。
 課題として残るのが、どこまで各局の政策展開を前に回すような、そうした仕掛けになるかというところかなと思っています。
 これは、どちらはいい悪いというとかではないのですが、重点的に政策展開を加速化させるような取組なのであれば、もう少し質的にも、質というのは、施策の中身的にも踏み込んだ議論が求められるでしょうし、これは、一定程度、網羅的にそうした施策の視点が抜けているところとか、そういうものをチェックするところのものなのですということであれば、今のような形でも十分に機能するのかなと思っています。
 結論としては、恐らく、よりメリハリをつけて、重点的な施策について踏み込んだ提案をしていくということなのだと思うので、そういうことについては、「では、どういう施策を選ぶのか」とか、「その中でどういう提案をしていくか」というところは、課題として残っているのかなと思います。
 例えばですが、水道局が別の仕組みで施策評価、事業評価をやられている中で、この施策評価の中で中身に踏み込んだ助言がどこまでできるのかというような部分が、課題として残るので、今後、重点の施策を選んで、この仕組みの中に乗せるというふうになったときには、中身の問題もあるのですが、対象、施策の選び方といいますか、そうしたところも検討が必要になってくるだろうなと感じているところです。
 昨年度から今年度にかけての取組については以上です。

○石田会長 ありがとうございました。
 では、中川委員、お願いします。

○中川専門調査員 私は、1年間通じての評価委員会のやり方についてと、あと、最後に出てきました評価結果についてお話ししたいと思います。
 まず、やり方ですが、昨年の7月にヒアリングをさせていただいて、そのとき、各局、40分ずつお時間をいただいたのですが、そのとき思ったのは、非常に時間が短く、あまりコミュニケーションをとる時間がなかったということです。
 かつ、渡していただいていたのが評価シートだけだったので、それ以外の情報があまりなく、この短い時間と少ない情報の中で判断するのは、なかなか厳しいなという感想を持ちました。しかし、この5月にヒアリングをさせていただいたときは、同じ40分だったですが、ちょうどいい時間だと思いました。
 それは、一度ヒアリングをして、状況もわかったというのもあったと思うのですが、評価表以外の計画などの資料をお送りいただいたりですとか、それらを見た上で事前に質問を投げかけて、それに対して答えをいただいたりということで、コミュニケーションが以前より取れたというのもあったと思います。そういう意味で、後半のほうのヒアリングとは、非常に効果的だったなと思いました。
 それから、評価結果のほうですが、最初いただいたドラフトの段階では、新型コロナの自粛期間の真っ最中であるにもかかわらず、そういう情報がほとんど盛り込まれていないことに、びっくりしました。
 そういう環境の変化に対応することこそ、重要なのではないかと思って、私も委員会のときにそういう話をさせていただいたのですが、今回、各委員の意見のとりまとめの結果を拝見したところ、やはり、ほかの施策でも、新型コロナへの対応の意見がかなり出ていましたので、ほかの委員の方もそう思われたのかなと思いました。
 最初は、新型コロナに全然触れていなかったような評価書でしたが、最終版では対応されていましたし、また、それ以外の点では、せっかく分析したのに、その分析結果が全然今後の方針に反映されていないよう評価書も見受けられましたが、そういうものも改善されていましたので、この委員会の意義というのは非常にあったのではないかと思いました。
 私のほうからは以上です。

○石田会長 ありがとうございました。
 それでは、山田委員、お願いします。

○山田専門調査員 既に意見が出尽くされた部分もあると思いますが、私からは、大きく4点お話しさせていただきたいと思います。
 1点目は、やはり、似たような評価指標がたくさんある中で、この政策評価というものをどう位置づけるのかということを、より粘り強く周知徹底していくというのは、非常に重要なのかなという認識でございます。
 どうやって、どういう形で回していくかというかという話につながると思いますが、そういった意味で、今年は初年度で、全体の流れとしては、多分よかったのではないかと思いますが、一方で、政策評価の対象項目というものは、来年からどういうふうに選んでいくかということが、非常に重要なポイントだと思っております。
 やはり、ここは、かなり重要度が違うのと、そもそも、このアウトカム指標を重視するというようなテーマに適した設定が、令和2年度からやっていく中では、各局から出てくる対象となるテーマというものをどう選んでいくところについては、よく議論していったほうがいいのではないかと思います。
 ここが、うまく抜き出せていかないと、ばらつきであったりとか、先ほど御意見があったとおり、評価意見の表層的な修正みたいな形で終わってしまうのではないかと思っております。
 3点目は、かなり負荷というものがあり、本年度の特殊事情であるかもしれないですが、既に、かなり「コロナ対応」ということで、各局追われているということで、現場サイドが疲弊しているので、どのように手当をするのかというところもあると思います。
 最後に、これは非常に難しい話だと思いますが、どうしても局単位に選定すると、どうしても局に関する関心事が中心になってしまうので、こういう状況の中でいうと、同じ局の中でも、他の政策テーマとの連携、関連性、及び、局を跨いだところの重要施策というものが、どういい形で評価をされていくかというところについては、なかなかすぐに改善というものが見えるものではないと思いますが、そういったところをどう見ていくかというところについては、課題があると思っております。
 特に、オリ・パラの延期やコロナの話がある中で、恐らく、各局で連携してやらなければいけない重要施策というのがあって、そこについて、我々としては、何も触れなくてもいいのかなというようなことを感じた次第でもございます。
 私からは、手短ですが、以上でございます。

○石田会長 ありがとうございました。
 皆さんからまた、たくさんの感想、それから、今後の新しい制度についても貴重な御意見をいただけたと思います。
 私からは、特に皆様の意見の繰り返しになりますので、これからの制度のほうが大事ですので、次の議題に移らせていただきたいと思います。ありがとうございました。


(2)新たな都政改革や社会環境の変化等を踏まえた政策評価について 

○石田会長 それでは、引き続いて、2点目の議題に入ります。
 最初に事務局より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○糸賀課長 それでは、2つ目の議題でございます。資料6を御覧ください。
 1ページ目の上段でございます。今後の政策評価についての考え方についてです。
 昨年度より実施してまいりました政策評価は、先ほど御説明したとおり、成果(アウトカム)に着目し、各局が自己評価を行うことにより、自律的なPDCAシステムを回してまいりました。
 一方で、昨年12月に、「新たな都政改革ビジョン」を公表しまして、都政改革は新たなステージへと移行してございます。そこでは、アジャイルに改革を進めることとしてございます。
 また、今年に入りまして、再三お話しいただいているように、新型コロナの発生、拡大が社会問題化し、これまで以上に、環境変化や都民ニーズに迅速に対応する必要が生じております。
 これらの状況を踏まえまして、令和2年度以降の取組(案)が、下の表の右側でございます。
 まず、①の名称でございますが、これは、あくまでも仮称でございます。これまでの「評価」から、「効果検証」といたしております。施策や取組を評価すること以上に、取組の検証を行いながら、今後の改善、見直しにつなげる、より未来志向な取組としまして、各局のモチベーション、取組意欲の向上を図りたいというような意図を込めてございます。
 続きまして、②目的、③評価対象、④評価の視点でございますが、これまでの成果重視と都民への説明責任を果たしつつ、特に、いかに環境やニーズの変化に迅速に対応するかという視点を重視してございます。
 また、これまでは、見える化改革の事業ユニットを対象に、政策評価を実施してきましたが、この環境やニーズに迅速、柔軟に対応するという考え方は、あらゆる施策に通ずるものでございます。
 したがいまして、事前にその考え方を浸透させるために、チェックシートを作成しまして、各局に提示しまして、意識の浸透を図っていきたいと考えております。その上で、重点的に取り組んだ施策を各局が選定し、検証することを想定してございます。
 また、2ページ目の⑤でございますが、自己検証のタイミングは、半期ごととしております。このように年度途中に施策を検証、見直す機会を設けまして、その時点の状況変化や都民ニーズを踏まえ、柔軟な政策展開や改善につなげていきたいと考えてございます。
 次に、⑥外部有識者の関与でございますが、これまでは、自己評価の妥当性についての意見、助言としてございました。これを、例えばですが、マーケティング等、経営の視点に関すること、ICTの利活用ですとか、広報手段ですとか、今後の施策の見直し、改善の参考になる御意見や助言を中心にいただきたいと考えてございます。
 実際に、これまでの分科会ヒアリングにおきましても、このような助言をいただいてきたと考えております。
 また、⑦の検証シートの様式でございますが、1つの施策に対しまして、概ねA4判、両面1枚程度で、簡潔でわかりやすい資料としたいと思います。
 都民が見て、理解しやすい、情報が必要十分であるといったことを重視するものでございます。
 それから、⑧その他でございますが、各局の自己検証などを踏まえまして、ベストプラクティスの紹介など、迅速で柔軟な施策の推進を具現化するための講習会の実施を、昨年度に引き続きまして検討いたします。
 また、本仕組みについては、今回、このような(案)を示したところではありますが、行政計画などの既存の制度や仕組みとの関連性の観点からも、不断の見直しを行っていきたいと考えております。
 次に、3ページ目の取組スケジュール(案)でございます。上段の、議題1で説明した令和元年度の政策評価についてです。
 これらの実施施策につきましては、現状施策の見直し、推進に着手しているところで、引き続き、着実に進めてまいります。
 下段の、ただいま御説明した取組につきましては、喫緊の課題であります、都庁全体の新型コロナへの対応。現状は、マンパワーもかなりの資源を投入しているところでございます。これら踏まえたスケジュールとしてございます。
 今年度の第3四半期ごろに、各局への制度周知を行いまして、それを受けまして、各局は施策を推進し、来年度の初め辺りに、各局が検証を行います。
 対象施策は、原則として、昨年度実施しました21ユニットを含む全ての施策としまして、そのうち、重点的に取り組んだ施策について、各局が自己検証を行うこととします。
 なお、各局が自己検証を行う施策の数などの詳細につきましては、今後また検討を行いまして、改めて分科会で議論いただければと考えてございます。
 最後に、次のページでございますが、「参考」としまして、検証シートの様式イメージを添付してございます。
 このページでは、施策目標、施策を構成する事業、それから、主な成果指標を記載いたします。
 半期ごとに検証を行うことから、成果指標の実績についても半期ごとに追っていくというふうにしてございます。
 それから、次のページでございますが、社会環境への変化やニーズに対してどのような取組を行ったか。また、それらを踏まえた自己検証を行うとともに、課題を抽出しまして、今後の方向性をお示しします。
 さらに、⑦でございますが、こちらで、外部委員に提案、助言を求める事項の欄を設けております。ここに、各局の困っている事項などを記載してもらいまして、主に、この事項を中心に、皆様から御意見、助言をいただくことで、先ほども御説明がございますが、より的を絞った、有益な意見交換ができるのではないかと考えてございます。
 説明につきましては、以上でございます。

○石田会長 御説明ありがとうございました。
 今年度の新たな政策評価制度について御説明いただきました。
 昨年度、私どもの分科会からお願いしました、スピーディにということで、半期ごとに行う。さらに、A4判の1枚程度に簡潔にまとめた検証シートにするということで、私たちの意見を盛り込んでいただき、感謝申し上げます。
 それでは、また意見交換に移ります。
 ただいまの件について、先ほども皆様からいろいろ、未来に向けての御提言もいただいていましたが、また重複しても構いませんので、ぜひ闊達な御意見をよろしくお願いいたします。
 それでは、また、西村先生、よろしくお願いします。

○西村構成員 ずいぶんいろいろと思いきられて、削るところは削ったというふうな印象を持っておりますが、基本的なアイデアとしては、よろしいのかなというふうに思っております。
 行政の悪いところは、行政には継続性とか安定性というのは重要なのですが、逆に、なぜやっているのかわからない、やれと言われているからやっているという事業があるのも、また事実だろうと思います。そういったものについて、不断に見直しをしていくというふうに理解しましたので、そういう意味では、意義のある取組にしていけるのではないかと思っております。
 ただ、一番気になっているのが、何でも「環境の変化」であるとか、何でも「ニーズが」というふうに、言いくるめることもできてしまう可能性が出てくるという点です。
 それを防止するためには、恣意的なことではなくて、きちんと改善につながっているのだというふうに、どうつなげていけばいいかというのを考えていたわけです。
 もちろん、このシートにも書いてありますが、この政策、施策の目標、ゴールをしっかり書いていただくということが、大事だろうと思います。
 何らかの課題を解決するために施策があるのだというふうに考えますと、それに資するかどうかというところが、最終的には、究極的には重要になってきますので、この目標の書き方、あるいは、下にあります、成果指標(アウトカム・目標・実績)の書き方が重要になってくるのかなと思います。
 ①の施策目標については、できるだけ的を絞っていただきたい。どうしても行政の方々というのは、何でもなんでもやるのだ、全部大事だということで、AもBもCもDもやりますと書いて、どこかでひっかかるだろうみたいなふうになってしまうのです。
 もちろん、そういう場合があるかもしれませんが、できれば、総花的に書くのではなくて、この施策の中では何が核なのかというのを、きちんと考えていただき、施策の中でゴールの優先順位をきちんとつけていただかないと、結局、「あれはできて、これができなかった。いや、それはニーズの問題だからだ」みたいな話になってしまうと、誰のために何をやっているのかという話になっていく可能性、懸念もあるかなと思いますので、目標のところをしっかり、きちんと的を絞られるということが、大事だろうと思った次第です。
 それらについては、かなりいろいろな意味で、施策を立案した段階と実施の段階で、状況が変わっているという場面がいっぱいあると思いますので、それをきちんと、どう見ていくかというのは、知恵を絞りながらというところがあると思うのですが、見ていきたいと思っております。
 私からは以上でございます。

○石田会長 ありがとうございました。
 それでは、水町先生、お願いします。

○水町構成員 すごく見やすくなって、いいかなと思うのですが、ちょっと気になる点としては、④の社会環境の変化やニーズを捉えた取組のところです。
 先ほど、大川委員からお話があったところと重複するのですが、5月に評価シートを見ると、社会環境の変化やニーズというところが、あまり書けていない局が非常に多かったので、どういうように検討させるかというのを、ちょっと枠組みを決めないと、何となくみたいに書いてあって、意味がないような内容になる可能性が結構あるという気もするのですね。
 今、西村先生がおっしゃったように、施策目標に対して、そこの中でニーズがどう変わったか。社会環境もこう変わって、だから、シート全体の中でも、社会環境の変化やニーズというのをきちんと捉えて、どういうことを書いていくべきかというのを、事務局のほうから示していかないと、ここがちょっと曖昧な内容になりやすいのかなというふうに思いました。
 あとは、①の施策目標(定性目標)のところですが、もうちょっとブレイクダウンしたほうがいいかもしれないなと思いました。
 どうしても施策目標というと、今出していただいている評価書とかを見ても、書けているところは結構あると思うのですが、すごい大上段の、それは誰もが、「それはそうでしょう」と思うような、大上段の目標になってしまうと、そこから②と③につながっていかないという、ところがあるので、もうちょっと大上段だけではなくて、そこから一段階細かく落とした目標というのを書いていただくとか。
 あとは、現状の課題とか、結局、①、④と⑥というのはつながっていると思うので、現在考えている課題はここで、これのためにこういう目標があって、こういう事業でやってみたいな、何かそういうことがあるといいのかなと思いました。
 あともう1点が、③の成果指標なのですが、これは、ちょっとわからなかったのでお伺いしたいと思います。
 今までだと、最初の成果指標を決めて、年度単位で評価するという話だったと思うのですけど、これは、令和2年度以降は、この成果指標はどのタイミングで設定するということなのでしょうか。

○糸賀課長 では、事務局から。
 こちらのシート自体は、検証したあとに出していただくことになっていまして、この目標自体は、これまでの例からいきましても、例えば、行政計画、あるいは、庁内の計画物から、基本的には、数値目標があるものを、横引いてきているというのが非常に多かったです。
 したがいまして、目標は目標として各局でやっていただいて、ただ、検証が半期ごとというところで、半期で見直していく。これまでのように、事前にこの政策評価としての目標設定をするのではなく、半年ごとの事後検証という形を想定してございます。

○水町構成員 とてもよくわかりました。
 そうですね。行政計画から引っ張ってくるのであれば、事前設定しないでも構わない。事前設定できているからということだと理解しました。
 では、特に③については意見がないので、私からは以上です。

○石田会長 ありがとうございました。
 では、大川委員、お願いします。

○大川専門調査員 これから考えていくことに含まれると思うのですが、この選び方、何を対象とするかというところが、極めて重要だというふうに思っております。
 といいますのも、この施策の評価制度を通じて、見直してもらうだったりとか、施策自体を発展的にやめるということが、求められてくると思うわけですが、全部の施策にそれができるかというと、やはり、そうではないのだろうと、1年回してみて感じております。
 なので、これに適合するような、議論が有意義なものになるような施策というのを、きちんと選ぶということが、まず大事なのだろうと思っております。
 選び方についても、この施策の重要性は非常に高いけれども、方針転換に非常に労力がかかる、調整がかかるというものを、初めに持ってきてしまうと、結局、何もできなかったということになってしまうのではないかと思いますので。施策を、環境、ニーズ変化を捉えて変える、見直していくといったモメンタムが、都庁内、各局内で醸成されてきたあとで、大きいものに着手できるということになるのかなと思っております。
 そういったステップアップを踏んでいかないといけないと思いますので、この新年度の段階では、重過ぎないものをちゃんと選んで、さらにニーズを捉えて、変えていけたら、前向きに変更できたといったことが、何回か繰り返されたあとに、大きなものに取り組んでいくとか。そういった施策評価を経年で見たときのステップアップの戦略を考えるべきなのかなと思っております。
 なので、新年度の選び方としては、ちゃんと変えるという性格が出やすいものにするということが大事じゃないかと。そこをどうやって仕組み化していくかということを考える必要があるのかなというふうに思っております。
 具体的には、各局だけに選ばせると、その辺りのご認識というのが、局によってばらつきが出てくると思いますので、事務局のほうで、あくまでも案として、「こんなのがいいのではないか」といった議論を、各局としてやっていくということが、一つポイントかなと思っております。
 最後、2点目に、先ほども申しましたが、環境、ニーズの変化がどうだったかということを、きちんと調べていただきたいなというふうに思っております。
 局によって違いましたが、「自分たちの認識として、環境、ニーズに対応していると思われる」みたいな趣旨の記述が、いくつか見られたので、それだと、本当に調べていたのかどうなのかがよくわからないので、ちゃんと調べたというような証拠といいますか、ファクトが透けて見えるような記述の仕方にしていただきたいなと思います。
 「こんな調査を行って、こうだった」とか、「こういうヒアリングをして、こういう結果だった」という、そのプロセスがわかるような記述の仕方にしていただけると、「きちんと調べなければいけないのだ」というふうに思われると思いますし、その調べたことと、今のもともと掲げた目標を照らし合わせて、「こう変えたほうがいい」とか、「これはやめてもいいのではないか」とかいった議論になるかなと思いますので、選び方とニーズのファクトをちゃんと調べるということを、工夫できたらいいかなと思います。
 以上です。

○石田会長 ありがとうございました。
 では、出島委員、お願いします。

○出島専門調査員 私のほうからは、1点だけになるのですが、今、仮称ではあるのですが、「効果検証」という言葉が使われていて、こういう言葉を使われると、もう実証研究じゃないですが、「エビデンスは取れたのか」とか、「本当にその介入効果はありましたか」「施策効果はありましたか」というのを、何かギリギリやるイメージで、政策評価よりも、ブレーキが結構強い印象を持ちます。
 一方で、今回の企画自体は、より前向きに見直して政策をよくしていこうという「未来志向の」という言葉を使われていましたが、そういう制度であることが、「効果検証」からすると、未来とかは、極端に言うと関係なく、「本当にその効果があったのか、なかったのか」ということの検証が大事なので、そこが強く出過ぎてしまうのが、ちょっと懸念があるなと思います。
 では、見直すということなので、「レビュー」とか「モニタリング」とかいう、ライトな言葉を使ってしまうと、他の制度との重複であったりだとか、あとは、行政改革担当部門としては、やはり、より評価とか効果検証を見るというのがミッションにあると思うので、その辺り、内向きには、「提案型、未来志向の制度なのですよ」と言いつつも、外向きには、「しっかり効果検証をやる、政策評価の仕組みなのです」と言わななければいけないというところを、何らか解いていかないといけないのかなと思いました。
 なので、これからまた議論されるところだとは思うのですが、個人的には、効果検証制度というものがあったにしても、よりわかりやすいサブタイトルなのか、内向きには、説明的でもいいと思いますので、「こういう制度なのだ」ということが分かるように。今もあるのですが、これまでのコミュニケーションも、政策評価という形で、会も進んでいったと思うので、何らかの、ワンセンテンスでもいいので、わかりやすい言葉で、「この制度はこういうものなのです」というものが残っていくといいなと思っております。
 最初はそういう趣旨が残った状態で「効果検証」という言葉が走っていくと思うのですが、だんだんと、「これは効果検証でしょう」となってくるので、「効果検証のはずなのに、これって、そんなに詳細な分析ができてないですよね」みたいな話になると、非常に残念な感じがしてしまうので、我々がやろうとしている、これまで議論してきたものが伝わる表現というものを、こちらでも考えたいと思いますが、ぜひ御検討いただけたらと思います。
 私からは以上です。

○石田会長 ありがとうございました。
 では、中川委員、お願いします。

○中川専門調査員 私は、事務局に2点質問させていただきたいと思います。
 この様式ですが、昨年度では、シートが詳細版と要約版がありましたが、これが統合して、両方兼ねたものになるという理解でよいのかということが1つです。
 あと、これをこの委員会にかけるタイミングというか、これについて、昨年度のように、一旦、前半部分というか、目標などを書いた時点で、委員会でヒアリング等をさせていただいて、最後、書いた結果についてまた、ヒアリングさせていただくというようなやり方を想定されているかというのを、お聞きしたいと思います。
 というのは、最後の⑦に、「外部委員に提案・助言を求める事項」というのがありまして、これは非常にいいと思います。局の問題意識であるとか、課題というのが、非常によくわかりますので、また、私たちとしても、こういう問いかけがあると答えやすいので、非常にいいと思うのですが、これが出てくるタイミングがあまり遅いと、せっかくの実際の事業に反映されないという可能性もありますので、タイミングを教えていただければと思います。

○糸賀課長 それでは、事務局からでございます。
 1点目でございますが、様式についての御質問です。これにつきましては、これを統合するという形になります。これまでの分厚い、200ページぐらいある様式と、それから、要約版がございましたが、基本的にはこれに一本化するということでございます。
 2点目のヒアリングの時期でございますが、こちらのスケジュール(案)の3ページを御覧いただきますと、来年度の初めに、今年度の後半で取り組んだものの検証を来年度の初めに出していただくことになります。
 この時点で、⑦も含めまして、その時点の自己検証、委員に御助言をいただく事項を記載いただきまして、さらにその半年後、したがいまして、来年の初めに出て、その次が、また秋口になるかと思います。
 その段階でまた出していただき、それに基づいて各局が施策を行うということで、まず、検証シートについて、来年の頭の時点で委員の皆様から御助言をいただき、さらに半年後に、また検証するというサイクルを考えてございます。
 昨年度ですと、目標設定から今回の自己評価のヒアリングまで1年間空いていると思いますが、今回につきましては、それを半年にすることで、期中であっても、助言を生かしながら、施策の改善を行っていきたいという趣旨で、スケジュールを想定してございます。

○中川専門調査員 ありがとうございます。わかりました。

○石田会長 ありがとうございました。
 では、山田委員、お願いします。

○山田専門調査員 私のほうからは、先ほどのお話と重なっていると思いますが、やはり、どのテーマを選ぶのかということは、非常に重要だと思うので、先ほどの様式のところに、御提案なのですが、「なぜこのテーマを局が選んだのか」というのを記載する欄を、冒頭に載せたほうがいいのではないかと思います。
 それにより、一番初めの議論として、「そもそも、このテーマを抽出するのがよかったのか」というところを含めての検証ができるのかなというのが1点でございます。
 あと、2点目は、ちょっと難しい話なのですが、今回、「令和2年度以降」となっていますが、この「令和2年度」が非常に特殊な状況下であるということを考えると、「令和2年度と令和3年度以降」というふうなことに、具体的にはちょっと分解されるのではないかと思っております。
 というのは、恐らく、このコロナの緊急対策ということがありますので、スケジュールの設定とか、先ほどお話のあった、新たな都政改革のビジョン全体の大きな方向は変わらないとしても、そこにある上位概念のところで、何か変更があると、政策的には連続的に変わる部分があると思います。
 ですので、この辺の調整というのが、「令和2年度」というのは結構大きいのがあって、そういう効果がある程度一巡してからの「令和3年度以降」のスケジュールというのは、常態にだんだん戻っていくのかなということでいうと、令和2年度のスケジュールをそのまま令和3年度以降に延長するという形ではないのかなと。今年1年、まず、この環境下において、どう有効に動かせるのかという視点が、必要なのではないかと思っております。
 それに関連して言うと、テーマの選定のところにかかるのですが、通例ですと、施策の重要性という観点からテーマを選んでいくと思いますが、こういう状況下における場合においては、緊急性の高いものについて、いろいろな施策が出てきたのですが、これが、「緊急時」という名前のもとに、本当に効果があるものかというところを、選び出していくというのは、非常に重要なのかなと思っております。
 いわゆる、民間企業の「効果検証」ということでも、緊急性と重要性という観点で見たときに、緊急というのは、その場でいいと思ったことをどんどんやっていくというのは、非常に重要なのですが、果たしてそれが本当によかったのかどうかというのは、「緊急」という名前のもとに、結構なし崩しになっているケースがあるので、令和2年度だけに限って言うと、重要性という観点以外にも、緊急性で対応したものみたいなくくりを、テーマ選定のところで入れ込んであげるというのは、一つ意味があるのかなと思っております。
 あと、先ほどの繰り返しですが、部局間の連携、部局内での連携というところと、あと、都政改革のビジョンの中に、「外部との連携」という言葉がありましたので、「施策を実現するために外部とどういう連携をするか」みたいなことを記載できると、より充実したものになるのかなと思っております。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。

○石田会長 皆様、どうもありがとうございました。
 時間がまだあるようですので、私からも少し意見を述べさせていただきたいと思います。
 まずは、目的のところです。
 御説明では、「成果を重視した」というのと、「都民への説明責任」というのを、「しつつ」という、同時平行で、「新たな環境やニーズを的確に捉えた、各局の迅速な施策展開の推進」とありますが、やはり、ここは、「成果を重視」というのと「説明責任」という文言を2つ
見えるように、令和2年度以降の取組(案)のところに書き込んでいただきたいというのが一つです。
 それから、もう一つは、やはり、名称ですね。出島委員からもありましたが、今回は仮称ということですが、「施策効果検証」というと、どうしても後ろ向き、終わったことについてどうだったかということに、どうしても捉えがちですね。
 外だけではなくて、都の職員の方についても、前を向いて、どんどん回していくということであれば、ぜひ名前はもう少し御検討いただきたいということで、これは、先生方にもお願いなのですが、ぜひいい案がありましたら、事務局等に、あるいは、メーリングリスト等を作って、みんなで回して、考えていけたらと思っています。
 それから、3つ目が、「対象の決定」ということで、これは、大川委員と山田委員からもありましたとおり、それから、昨年度もずいぶん議論になったと思うのですが、各局が自分で選ぶというのはどうなのか。
 「自律的な」ということで、それはそうということなのですが、各局が選んだもののほかに、一つか二つはテーマを事務局が、先ほど山田委員がおっしゃったような、緊急性についての効果検証もあるでしょうし、何かしら、横串を刺すようなものを、一つか二つ、「事務局提案」というものも追加されたらいいのではないかと思います。
 各局に全部任せるのだけではなくて、各局プラス、数多くすると、また負担感が出るでしょうから、ローテーションなのかわかりませんが、事務局からも重要と思われる、各局、横つながりのものとか、緊急性の検証のようなものを入れていただけたらいいなと思います。
 あと、先ほどの議論で、西村先生、水町先生らからありましたが、専門家の意見、第三者の意見という、私たちも第三者ですが、ただ、もっと狭い分野の専門家という方の意見というのも、分野ごとにお一人、お二人ぐらい呼んで、話が聞けるような体制という、絶対に呼ばないといけないということではないですが、狭い、尖った分野については、もう少し御専門の方を、各局、一回か二回ぐらい入れて、ヒアリングをするというのもあるのかなと思いますので、御検討いただければと思います。
 それから、今までずいぶんありました、「環境の変化やニーズの変化について」ということですが、今回のヒアリングで私も感じたのですが、「それが書いてないですね」という話をしたところ、「いや、この評価シートは、いつ時点の評価シートなのですか」というのを、各局からいただきましたので、これは、将来にわたってぐるぐる回していくものなので、過去のある一定の時点の認識ではなくて、ヒアリングするならヒアリングするとき、現在までの認識を全部書くというような認識の徹底というのを、各局にお願いしたいなと思いました。
 それから、最後、検証シートですが、今までの大部なものを、A4判1枚におまとめいただくということで、大変ありがたいと思います。
 それで、昨年度のシート案は、この分科会で決めたものではなくて、事務局案でとりあえず回したということでしたが、今回は、このシートのイメージを出していただいているので、このイメージで今後の政策評価の制度が大きく機能するかどうか、変わってくるところだと思いますので、ここは、事務局と先生方、委員の皆様にお願いなのですが、次の分科会の前に、メーリングリスト等でも、あるいは、先生方で、「こんなものにしたらいいのではないか」というアイデア等を、みんなでもう少し時間と労力と手間を分担し合って、よりよいものにできればと思っています。
 そして、第7回のときには、そういったものを出して、結局、第7回の分科会で、またイメージ案が出たときには、それに大幅な手を加えるということは、事実上難しいと思いますので、そこに行くまでにまだ2か月ぐらいありますから、事務局と私たちでいろいろと考えを、意見交換をやることができたらと、いいものを作りたいと思っていますので、そういうふうに、私としては思ったところです。
 今の私のまとめについて、何か御意見等がございましたら。先生方、ありますでしょうか。
 御自由に御発言いただいて結構ですので、どうでしょうか。

○出島専門調査員 個人的に大賛成です。
 実は、個別にいろいろ、事務局の方々から質問をいただいて、その際、いろいろとやり取りもさせていただくのですが、ほかの委員の方々がどういうことを言われているのだろうなというのが気になったりもするし、同じようなことを言われているかもしれませんし、「ああ、そういうことなら、こういうことになりますよね」ということで、もっと。
 別に、本当にメールのやり取りだけでも、情報共有できると、大変助かりますので、最後に言われた、第7回の前に、事前に、メーリングリストなのか、グループメールでやり取りできるというのは、大賛成です。そうしていただければ助かります。

○石田会長 賛成意見をどうもありがとうございました。
 ほかの委員の皆様はいかがでしょうか。

○大川専門調査員 メールでもいいですし、世の中には、グループチャットの「Teams」だたりとか、「LINEビジネス」とか、いろいろありますので、何かコミュニケーションをとりやすい手段が用意されているといいなと思います。

○石田会長 ありがとうございます。
 名称もそうですね。それから、この検証シート等についても、事務局と相談しながら、どういうことができるのかということを、検討していきたいと思います。
 では、そのほかはよろしいでしょうか。
 それでは、お時間となりましたので、本日はここまでにしたいと思います。
本日の議論を踏まえて、事務局に改めて検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。本日は本当にお忙しいところ御参加いただきましてありがとうございました。

5.閉 会

○石田会長 それでは、最後に、都政改革担当部長より一言お願いいたします。
○渡邉部長 本日は、政策評価分科会の構成員及び専門調査員の皆様におかれましては、お忙しいところ、第6回の分科会に御出席いただきましてありがとうございました。
 今回初めて、Web会議方式を採用したところですが、コロナの感染防止の観点から、今後もこのスタイルが続く可能性が非常に高いと思っております。今回の運営の結果を、今後の反省として生かしていきたいと思います。
 また、昨年度から続けてまいりました政策評価でございますが、今回の分科会をもって、一定の成果物としてまとめることができました。これも、2度にわたるヒアリング、そして、分科会での御議論を重ねていただいた、その成果でございます。重ねて御礼申し上げます。今後は、速やかに成果物として公表させていただく予定でございます。
 また、政策評価の新たな仕組みですが、名称、様式、その他ルールについては、様々な御意見をいただきました。
 石田会長もおっしゃっておりましたが、今後、さらにブラッシュアップを重ねて、メーリングリスト等のアイデアもいただきましたので、その辺、事務局で検討して、改めて御提案させていただければと思っております。
 位置づけも含め、この制度の不断の見直しをこれからも行ってまいりたいと考えておりますので、引き続き御指導を賜れればと思っております。
 新型コロナの終息はまだまだ見通せない状況ではありますが、委員の皆様のますますの御健勝と御隆盛を祈念いたしまして、挨拶とかえさせていただきます。本日はありがとうございました。

○糸賀課長 最後に事務連絡をさせていただきます本日の議事録につきましては、改めて御確認させていただきたいと存じます。
 また、次回は第7回ですが、こちらの分科会につきましては、改めて日程調整をさせていただきたいと存じます。
 以上で第6回都政改革アドバイザリー会議 政策評価分科会を終了させていただきたいと思います。皆様、どうもありがとうございました。


11時13分 開会