第8回市場問題プロジェクトチーム議事録

平成29年4月26日(水曜)
都庁第一庁舎7階大会議室

14時01分開会


 1.開会
○事務局 それでは、ただいまより第8回市場問題プロジェクトチーム会議を開催いたします。
 本日の会議の議事進行を務めさせていただきます、市場問題プロジェクトチーム事務局の池上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は多くのプレスの方々にいらしていただいておりますが、本日の会議の様子は最初から最後まで公開しますとともに、あわせてインターネット中継を行っております。
 なお、本日の会議はタブレット端末を使用して進行してまいります。会議資料につきましては、お手元の端末内に御用意しております。
タブレット端末を御覧ください。議題に入る前に端末の動作確認をしたいと思います。トップ画面として資料の1の1枚目、第8回市場問題プロジェクトチームが表示されております。今から会議資料の2枚目、3枚目を表示いたしますので、画面が動き2枚目、3枚目の資料が画面上に映るか御確認ください。1枚目の画面から動かないという方がいらっしゃいましたら、挙手をしてお知らせください。また、会議中、端末に不具合が生じた場合は、周りに職員がおりますのでサポートさせていただきますので、お声がけをください。何か不足等ございましたら、事務局までお声がけください。よろしいでしょうか。

 2.あいさつ
○事務局 それでは、議題に入ります前に、プロジェクトチームのメンバーを御紹介いたします。順に御紹介いたしますので、その場で御起立の上、一礼のほどお願いいたします。
 まず、座長の小島敏郎専門委員でございます。

○小島座長 よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、竹内昌義専門委員でございます。

○竹内氏 よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、菊森淳文専門委員でございます。

○菊森氏 よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、梶田晋吾専門委員でございます。

○梶田氏 よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、井上千弘専門委員でございます。

○井上氏 よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、時松孝次専門委員でございます。

○時松氏 よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、佐藤尚巳専門委員でございます。

○佐藤氏 よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、森高英夫専門委員でございます。

○森高氏 よろしくお願いします。

○事務局 続きまして、森山高至専門委員でございます。

○森山氏 よろしくお願いします。

○事務局 皆様、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議題に入ってまいりますが、この後の進行は小島座長にお願いいたします。 小島座長、よろしくお願いいたします。

 3.議題
 (1)市場問題プロジェクトチーム第1次報告書案について
 (2)その他
○小島座長 座長の小島でございます。第8回目の市場問題プロジェクトチームでございます。
 今日は、第1次報告書の素案を議論したいと思っております。第1次報告書と言っておりますのは、市場プロジェクトチームの仕事の中に土壌汚染問題の部分がございますが、これは別途、専門家会議で御議論をいただいております。専門家会議の結論がまとまった段階で、その部分の議論をすると、こういうことになりますので、それを除く部分について工程表どおり5月に報告書をまとめたいと、こういうことでございます。
その報告書の姿ということで、今日は素案ということでございます。今後、この素案について、過不足のある点、あるいは誤っている点、あるいは、これを追加しなきゃいけないというような修正を加えながら、次回は報告書の案というものにつくり上げていきたいというふうに思っております。
最初に申し上げておきますが、この報告書の素案、3部構成でございますが、一つは市場PTの役割の一つとして掲げられております市場のあり方という項目があります。それから、豊洲の移転案と築地の改修案と二つの案を俎上に上げて、それの課題というような形を整理しております。どちらの案を採用すべきということをこの報告書案で述べているわけではなくて、いずれの案もいろんな課題があって、その案を採用する場合には、その課題があることを認識し、それを受け入れた上で判断をしなければいけないということであります。もちろん、良い面と悪い面というものがあるわけでございますから、そういう判断をするための材料を整理をしたというものでございます。
という位置づけを御説明した上で、市場問題プロジェクトチーム、今日の素案の課題というものを簡単に説明をしていきたいと思います。じゃあ、よろしくお願いします。
(資料1 2ページ)
三つの課題です。まず、市場のあり方でございますが、中央卸売市場というのは卸売市場法という法律で規制され、逆に言うと法律で守られている市場であります。この中には輸出機能というものが、法律の定義にはこれは入っていないと、あくまでも地域の食品の拠点ということで、中央卸売市場、今、問題になっておりますが、課題ですが、重要な都市及びその周辺の地域から地域外の広域にわたる生鮮食料品ということで、この法律が変われば別ですが、現在の定義の中に輸出機能というのは入っていないということでございます。
(資料1 3ページ)
もう一つは豊洲市場移転案、これを考えよう。
(資料1 4ページ)
もう一つが築地市場改修案、これを考えよう。この三つを考えるということでございます。
(資料1 5ページ)
まず、卸売市場のあり方でございます。
(資料1 6ページ)
豊洲市場のポイントですが、公共事業、役所の仕事は計画から建設の間にすごく時間がかかります。その間に世の中が変わってしまって、でき上がった頃には、その施設が世の中にマッチングしていないということがよくあります。この議論でいきますと、少子高齢化、食料需要の減少、魚を食べる習慣の減少と。それから、市場の外での取引ルートが増えてきた。その結果、市場の取引数量が減り、市場の役割が低下してきたということが挙げられます。
これに対応するように総務省、旧自治省ですね、あるいは農林水産省が、こういう変化への対応として経営戦略をつくりましょうと、品質を向上しましょうという対応戦略を確立しています。豊洲市場で参りますと、こういう世の中が変化していくにもかかわらず、この変化にキャッチアップしない、結論として経営戦略がない巨大市場ができ上がってしまった、さあ、これをどうするか、こういう課題だと。
(資料1 7ページ)
これを、数字でいきますが、築地市場、今の築地市場ですが、平成元年から平成27年の間に取引量が40%から50%減っています。大体半分の規模、半分強の規模になっているということがあります。取扱量が半分になったのに、なぜ依然として築地市場は狭いのか、自動車が減らないのか、なぜ40haの用地が必要だったのかというような疑問が今の段階ではあります。
先ほど、市場は法律に守られている、それは民間の市場に比べると、民間が経営するとか、あるいは流通に比べると、とても安い使用料で提供されていると、こういうことだろうと思います。先ほどのように総務省、農水省は地方公営企業についても経営戦略をつくらなきゃいけないということで、今の課題は経営戦略がないままつくってしまった巨大な豊洲市場というのをどう考えるかということでございます。
(資料1 8ページ)
なぜ、卸売市場は公の施設なのか、なぜ法律で守られているのかというのに三つあります。価格形成機能、集荷・分荷、それから情報発信機能・代金決済機能というふうに言われております。
(資料1 9ページ)
データで見ていきますと、少子高齢化によって食料需要が減っている、魚の食べるのが減っているというデータでございます。これが少子であり高齢化率ですね。食料に支出するのが90年32%、2015年は21%、10%減っているというようなのがあり、さらに食料支出の割合が減ってくるというのが農水省の予測です。
(資料1 10ページ)
そのうち、お魚はどのくらい食べるだろうか、これも農水省の予測でありますが、お魚、ピンクですね、お魚はどんどん減っている、9.4%、8%、2025年には7.2%ということで、需要そのものが減っている、これが全体の予測でございます。
(資料1 11ページ)
市場を通さない流通ルートの拡大。市場は、生産者、出荷者、卸売業者、仲卸、売参、買出人、小売、消費者と、こういうことでございますが、市場に対応する競争者が大きく伸びています。一つは、スーパー等が直に市場を介しないで仕入れると。もう一つは、インターネット通信販売の産地直送というもので、市場を通さない流通ルートが大きく伸びていると。
(資料1 12ページ)
これを、市場の取引数量の減少、市場の役割の低下というものを全国的に見てまいりますと、平成元年、平成5年から出していますが、水産で言えば卸売市場を通したのが74.6%、これが平成元年。これが半分に、半分というか、全体の54.1%というふうになっています。青果は、かなり高いですね。82.7%、これが60%。括弧が中央卸売市場ですね。金額をいきますと、これは平成5年の金額と平成26年の金額がございましたので、これを比較すると、金額で言うと半分に減っていると。こっちは7割弱ということで、青果は頑張っているということが金額面では言えると思います。これが、全体の市場を取り巻く状況であります。
(資料1 13ページ)
ということで、今、政府のほうでは、農協改革とか、いろいろございますが、いわゆる規制改革の中で本当に卸売市場が要るのかという議論があります。平成28年の10月の会合の具体的方向というものでは、特に卸売市場については、これは食料不足時代の公平分配機能から、だからやっていたんだと。だから、今はその役割が小さくなっていて、種々のタイプが存在する物流拠点の一つ、つまり競争の中における一つだと。そういう意味では、卸売市場法という特別な法制度に基づく時代遅れの規制は廃止すべきだという議論があります。
これに対して、
(資料1 14ページ)
農林水産省ですが、こういう議論が政府の中でなされている中、第10次卸売市場の整備基本方針では、いや、卸売市場は引き続き国民へ安定的に生鮮食料品等を供給する使命を果たすと。しかし、そういう規制改革会議の議論もありますので、今までのように安閑としていてはいけないということで、経営戦略をちゃんとつくりましょうと。で、客観的な評価、将来の需要予測を含めて、市場の整備の考え方、コスト管理も含めた市場運営の方針を明確にした経営展望をちゃんとつくって競争社会で理解を得るようにしましょうと、こういう方針になっています。
(資料1 15ページ)
地方公営企業を所管する総務省、旧自治省ですが、将来にどのくらいお金がかかるのか、あるいは更新を行うためにどのくらいの額が必要なのか、これは、この市場PTでやってきたライフサイクルアセスメント、ライフサイクルコストというようなものですが、そういうお金を全部出していって、投資計画、財政計画というのをつくって、しっかりした経営をしましょうというふうに言っております。
(資料1 16ページ)
今度は築地のデータを見ます。これは、以前、市場のほうから出されたもので、ここから3割減と、こういうことを言っております。では、平成元年から見ると、どうなのか。平成2年に、後に出てきますが、築地再整備計画というのが出てきました。その計画がなされてから、現在、どのくらいか。大体、半分ぐらいになっています、取扱量は。
(資料1 17ページ)
青果はどうか。40%強、この25年の間に減っているというデータがあります。
(資料1 18ページ)
築地は28万平米ですね。
(資料1 19ページ)
皆様は御存じかどうかわかりませんが、前、一回出しました。平成2年の築地再整備は、失敗した。そうです、失敗したんですが、これは築地の1.9倍です。これを平成2年に考えたと。こんなものつくっていたら、今ごろ取扱量が半分ですから、物凄いすかすかになっているはずですね。こういうものをつくろうとしたのが築地再整備計画です。
(資料1 20ページ)
素晴らしい計画ですね。これが当時の計画です。
(資料1 21ページ)
豊洲新市場、これから伸ばすぞと、141%伸ばす、成果は127%伸ばす、こういう計画であります。先ほどの全国的に取扱量が減っているという中で、もし豊洲市場がうまくいって、141%、127%の計画値を達成した、そのときの首都圏の卸売市場はどうなっているだろうか。ひとり勝ちですね。ほかの市場はどうなっているだろう、あるいは首都圏の他の市場は潰れているかもしれない。全体のパイが減るので。そうすると、これがうまくいった場合の首都圏全体の卸売市場の再配置、役割ということを考えないと、全体のパイが広がればいいわけですが、広がらない場合には、周りが沈没して豊洲だけが生き残っている、こういう状況になることは容易に想像されると。うまくいかなかったら宝の持ち腐れと、こういうことになると。
(資料1 22ページ)
豊洲市場は、約1.7倍です。そういう意味では、築地の1.7倍という、このものを取扱量減少の中でどういうふうに使って行くかというのが課題になります。
そこで、
(資料1 23ページ)
今後の市場のあり方の議論は、政府のスタンスは、今まで個別市場での経営を自己完結化していました。これを、マーケットを見据えた広域連携視点で考えなきゃいけない。それから、実際に運営してきた人は経営ということを考えていなかった、今後は経営を考えなきゃいけない。それから、地方と東京はやっぱり違うかもしれない。東京は、マーケットの規模、投資規模も非常に大きいということであります。
投資戦略の視点とシナリオです。これは一つの可能性ですが、青果と水産を分けてしまう、そして機能を分けて再編をするという方法もあるかもしれない。そのときに、買い回りはどうなるのかと。買い回りは、物流機能の向上で解消ができると。そういうことを考えると、11の市場の再編も視野に入ってくる。これは、部門ごとの再編ということもあり得る。あるいは東京以外の首都圏の市場の再編ということの視野に入って考えないと、全体のパイが減っていく中で、豊洲市場というもの、あるいは築地市場というものをどういうふうに位置づけていくかと、こういう問題になるだろうというのが市場のあり方の視点でございます。
(資料1 24ページ)
次は、豊洲市場移転案についてであります。
(資料1 25ページ)
ポイントは、そういう全体が減っていく中での巨大市場ですから、開場後、継続して発生する巨額の赤字を誰が負担するのか。今までの議論で、既に使った5,880億円、この話と豊洲市場の開場は関係ないという議論がありますが、使ったお金で後はただというわけにはいかないと。さらに6,000億以上、いわゆるライフサイクルですね、それを考えると、これは安く見積もってということですが、維持管理費用、設備更新費用がかかる。これからのお金がすごく大変、一体、誰が負担するんですかと。
設置費用、5,884億円というものが増えてしまった、このプロセスの中では不透明さがあります。別途のチームでやっていますが。その後、さらに6,000億を超えるお金の中でメンテナンス費用というものが継続をして、不透明さがそのまま継続をしていくことにならないかという問題があります。背景は、不透明な設置費用の増加が市場会計を圧迫する、ライフサイクルコストと開場後の市場会計の収支をどう考えるか、コストの要因は、土壌汚染対策費860億、これもコスト要因です。それから、費用対効果を考慮していなかった施設・設備の費用、こういう問題が経営上の問題としてあるということです。
以下、それをずっと説明していきます。
(資料1 26ページ)
ライフサイクルコストは、もう何回も話をしていますが、初期建設費用、これが5884というものです。この議論ばかりずっとしているんですが、この市場PTは、これよりもこっちの話が大きいんだという話をしてきました。維持管理費用、更新・廃棄費用、一体、今後、幾らかかるのかという話をしてきました。
(資料1 27ページ)
当初からの疑問です。民間企業ならばということで何回も議論しておりますが、11の東京都の中央卸売市場は、損益計算書だけで見ると、営業収入が147億円です。テナント料と言われる使用料収入は110億円です。こういう会社が5,884億円の新規投資をする、民間のモールでも何でもいいんですが、そういう投資をして、果たしてペイするのかというのが当初からの疑問であります。
(資料1 28ページ)
なぜそうなっちゃったのかということで、これは何回も言われていますが、建設費が何で3倍近くになっちゃったのかと。土壌汚染対策費も、訴訟なんかで議論されている580億ぐらいから、今は850億になっている。860億近いお金、一体、本当に必要だったのかとか、いろんな問題があるということでございます。
(資料1 29ページ)
先ほどのことですが、建物・施設のメンテナンスは、建設や設備を請け負った企業やその関連企業が担当することが多い。ということは、ここが不透明だと、その構造が今後も継続をする。ということで、減価償却の対象は3,050億ですが、設備更新は必要。3分の1が設備だろうと。ここも計算しなければいけませんが、大体1,000億。こういうものを更新を15年にして20%だけを更新していく、そうすると15年ごとに200億円のキャッシュが必要となっていく、通常のメンテと別に、というようなことで、これのいわゆるメンテナンスのための契約のあり方も、別途、考えていただかないと、こういうことになりかねないというのが一つですね。
(資料1 30ページ)
これは都政改革本部でも御覧になったと思いますが、豊洲のそれぞれの建物一つ一つ、非常に坪単価が高いと。これは平米単価でしたが、3.3掛けると坪単価になりますので、坪単価が170万、165万、177万、217万、これ管理棟が217万ですね、別に生鮮食料品を扱うわけではないんですが、というようなことを考えると、ほかの対比する超高層オフィスビルだとか高級ホテルだとか大型物流センターを考えると、極めて高いという高価格体質になっているというのがわかります。
(資料1 31ページ)
これは中央卸売市場のものですが、豊洲市場は開場すると76億5,000万かかります。77億ぐらいかかる。今のところ、こんな内訳になっています。これに対応して築地市場は15億7,000万であると。ということですから、先ほどの実情からいうと、使用料収入は全部で110億ですね、それを当分上げないということになると、豊洲を開場すると大赤字になりますと。これは高性能だから、こんなにかかるのは当たり前なのか、無駄に高いのかということになります。地域冷暖房をいろいろヒアリングした結果、どの業者も希望していなかったということがわかったので、何でこれが入ったのかなという問題もあります。
(資料1 32ページ)
これもずっと御覧いただいているグラフのレベルを同じにしたもので、いかに豊洲がガリバーであるかということがわかると。豊洲市場だけで96億円の赤字が出るというふうに見込まれています。これは、減価償却込みですね。
(資料1 33ページ)
減価償却を除いても27億の赤字が出ると、こういう計算になっております。
(資料1 34ページ)
これは、開場した後、10年間のものを見たわけです。予測値というのはいろんな前提を置いて計算するものですから、前提を変えれば数字が変わってくるというので、厳密な数字というよりも数字のオーダーを知ることが重要ということで、こういう前提を置いて計算をしたものであります。これは築地の売却益が5年に分けて入ってくるという計算ですから、特別に入ってくる一時的な収入・支出を除いてみると、もう40年以降、ずっと140億ぐらいの赤字になるという計算になります。これを毎回、都議会、都民にお示しして、赤字の予算、赤字の決算を御承認いただくと、こういうことになる。何もしなければですよ。
(資料1 35ページ)
建物の寿命は38年だとか、一番長いので60年。10年は大丈夫だろうと。10年で市場が終わるわけではないので、一応、建物が最後までもつという間に、どういう経常損益の予測になるかというものをつくってみたというものでございます。
(資料1 36ページ)
これが表ですね。じゃあ、飛ばします。
(資料1 37ページ)
これも先ほどのキャッシュフローの話ですから飛ばして、問題は、10年から20年の間が問題ということであります。
(資料1 38ページ)
築地市場の売却をするという手続、これは豊洲市場を売却する手続きも同じなんですが、今、市場ですから、いわゆる都市計画上、市場という都市施設があるということになっています。市場として使用しないということになると行政財産にならないので、今度は普通財産になります。普通財産として財務局に引き継がれます。引き継がれたときに、一応、売却代金相当のものを交付をする、これが先ほどの5年分のお金ですね。いつ交付するのか、幾ら交付するのかは、また別ですが、これは役所の中、都庁の中のお金のやりとりです。
じゃあ、都庁の外でどうなのか。築地を売っていく場合にも、今は市場という都市計画になっていますから、都市計画を変更しなきゃいけません。民間に売っていく場合には、都市計画を変えて財務局は民間に売却をすると。売ってから都市計画をかけると、ちょっと、そういうケースもあるんですが、通常、こういう形で売っていく。代金の支払いがあって、この代金と調整するかどうかはわからない。築地も、すぐ売れるわけではない、都市計画の変更が必要ということであります。
(資料1 39ページ)
一体、幾らで売れるのかと。今まで、皆さん、ホームページで見ていたのは、この図ですね。3,500億円です。今は、すっかり4,386億円というのが当たり前で、これで売れるんだというふうになっていますが、ちょっと前までは、ホームページにあったお金は3,500億です。先ほどのもので実際に幾らで売れるかというのは先の話ですから、当然、ここにも、これはあくまで一定の条件のもとでの試算で、将来の売却額を示すものではありませんという注意書きが前回も出ていました。こういう数字として受け取っていただきたいと思います。
そうすると、下位推計、昔、森ビルが計算したようなお金、あるいはホームページに載っかっていた3,500億、このときも3,000から3,500だったと思いますが、それから今回、一番高い値段が出ているわけですが、こういう値段。実際に幾らで売れるかは、よくわからない。土地取引ですから、他人に売る場合に、今、議論になっている築地市場も汚れているんだ、土壌汚染対策が凄いんだ。土壌汚染対策が凄いんだというと、もっともっと安くなるわけですね。高く売れない。という売買契約のところの問題も、これ、ありでございますから、これは含まれていないということであります。
(資料1 40ページ)
移転には費用負担問題があって、その解決をどうするかと。子世代、後の世代につけ回しをしないということですから、方法は使用料収入を上げるたこ足生活、先ほどの11ある市場をどんどん売っていって、それを豊洲市場の維持経費に充てるというような方法を考える。あるいは、税金を投入するというようなものです。これ、ちょっと省略します。こういう方法がある。
(資料1 41ページ)
先ほど言いましたように、これが通常のものですから、こういうものを都民、いわゆる平年度ベースとしては赤字の予算、赤字の決算で都民にお示しをすると。これを、ずっと続けるということになる。先ほどの対策を講ずれば、税金を投入したり使用料を上げたりすれば、また変わってくるということでありますが、そういうことです。
(資料1 42ページ)
このゼロリスク、土壌汚染対策はちょっと省略をいたします。ずっと飛ばしていってください。時間の関係で。
(資料1 46ページ)
コールドチェーンですね。
豊洲市場は、いい建物だから高くて当たり前なのかというか、あるいは無駄に高いのかという議論でありますが、
(資料1 47ページ)
これがコールドチェーンですね。
コールドチェーンと品質管理については、農水省は別に東京都だけを相手にしているわけではないので、お金のない自治体も相手にしています。そうすると、このコールドチェーンの一番の問題は、卸売市場での長時間にわたる滞留を避けること、これが品質管理の基本だと。
(資料1 48ページ)
全館空調は、現実にはほとんど必要ないんだと。魚のコールドチェーンというのは、大体、魚は氷の入った容器で配られてくるので、魚の温度というのは氷によって決まると。部屋が寒いから、温度調整しているからというのは、それは関係がないと。魚の温度とは。せいぜい氷の解ける時間に影響を与える程度なので、いわゆるコールドチェーンの議論というものの基本は氷だというふうに言っているので、氷が一番大切。成果物は、20度以下であるということが必要だと。
(資料1 49ページ)
HACCPについて、豊洲市場ならHACCPが取れて築地ではHACCPが取れないというわけではない。これも、実際、第一水産が築地で認証を取っています。要するに、施設ではなくて、いわゆる工程管理ですから、これをやるかやらないかという問題であります。豊洲市場は閉鎖型の施設だから、ハード面では優れているということは言えます。
(資料1 50ページ)
豊洲市場、もし開場するという場合に、ヘアピンカーブの手当てが必要です。ここに、またバス停があるので、ここはすごく危ない、滞留すると。ここは修正が必要です。
(資料1 51ページ)
それから、中のスロープのところですが、繁忙時間、繁忙期といいますか、時間帯では、たくさんのターレが通る場合にはコーナーが渋滞をすると。これの対応が必要ですと。
(資料1 52ページ)
これは、いい解決策がないと。一体とは言いますが、青果と仲卸の間がすごく遠いということですね。
(資料1 53ページ)
積載荷重の問題、ちょっと、これ飛ばします。本文で書いてあります。
(資料1 54ページ)
アクセスは大変不便だ、これは課題だということでございます。これも飛ばします。
(資料1 55ページ)
築地市場改修案でございます。
(資料1 56ページ)
築地市場改修案については、放置されていた前回、前々回やりました築地市場の補修という、そういう意味では大改修をやらなきゃいけない。それから、建築技術が進展して、取扱量が大幅に減っていると。それから、トラウマを克服して本当に合意ができないんだ、本当、そうなのか。それから、豊洲市場をどう処理するかということがあります。
(資料1 57ページ)
問題を分けていくと、耐震工事、違法な仮設建築物、雨漏りなどの大規模補修、こういうことを前々回やりました。
改修工事をやっていく上で必要なのが、アスベスト、土壌汚染対策がありますと。でき上がったものについては、機能を向上させるということが現代の市場競争の中では必要だということで、こういう課題があるだろうと。
(資料1 58ページ)
耐震工事ですね。
(資料1 59ページ)
耐震工事は営業しながらできないのかと言われると、できるものはやっていると。営業しながら改修工事を行って、耐震性が確保されたものが5棟あると。
(資料1 60ページ)
仮設建築物は、これは依然として取り扱いが問題と。
(資料1 61ページ)
アスベストです。アスベストも同じで、営業しながらアスベスト除去工事をしたものがあります。営業しながらできないということになると、これはもうできていないはずです。
(資料1 62ページ)
土壌汚染調査、これはこれからやるという話ですね。環境確保条例の違反状態なので、それを解消するというのが今の課題です。
(資料1 63ページ)
ちょっと土壌汚染はまたずっと飛ばします。
(資料1 64ページ)
これも飛ばしますね。
(資料1 65ページ)
築地市場はなぜ頓挫したのか。再整備ですね。先ほどの平成2年の現在の築地市場の1.9倍の大改修ですね。物凄く大きな市場です。
一つは、市場の規模は過大だった。今、考えると、そんな1.9倍なんか要らないだろうと、現に取扱量が40%~50%減っているということですね。
それから、業者間の互譲の決意、これは種地の問題ですが、これとの見合いで考えることができるでしょうと。
それから、技術もよくなっています。
(資料1 66ページ)
次は紙芝居ですね。これは今ですね。
(資料1 67ページ)
完成形がこんな完成形。
(資料1 68ページ)
仮建物をつくるんではなくて、新しいものをつくっていく。これは歴史的な建造物になると思いますが、これを新しい築地の魅力にすると。
これは青果ですが、青果も今耐震上は満たしているので、これを使う。
ですから、新築と、それから、リニューアル、それから、耐震リニューアルと、この3種類で建物が成り立つということであります。
 じゃあ、紙芝居を順次。
(資料1 69ページ)
 ステップの1は、種地作りで水産を移します。
(資料1 70ページ)
ここを解体撤去します。
(資料1 71ページ)
種地ができます。
(資料1 72ページ)
 ちょっと青果は別にして、水産だけやっていきます。
(資料1 74ページ)
種地ができて。
(資料1 75ページ)
ここに水産の新しい茶屋をつくります。
(資料1 76ページ)
ここに引越しをします。
(資料1 77ページ)
ここがあきます。
(資料1 78ページ)
空いたところに、ここをこの仲卸を引越しをしていただきます。
(資料1 81ページ)
今度は、ここは空きますから仲卸はこっちに移動します。ここが仲卸、ここが茶屋になる。と、ここが空きます。
(資料1 82ページ)
ここに新しい卸をつくります。
(資料1 83ページ)
というと、今、仮設でばらばらになっている卸の機能を全部ここに入れていきます。
(資料1 84ページ)
これも卸も移転して、これで仮設の違法状態が解消します。
(資料1 85ページ)
これも解体撤去ですね。
(資料1 86ページ)
でき上がりがこんな感じになって、2階が駐車場がつながって増えると。この上に屋根をつけるかどうかは、業者の皆さんの使用料負担の範囲はどこまでかということによります。
(資料1 87ページ)
将来計画は、ここをもっときれいにしてお金がもうかるようにしたらどうかと。これは歴史的な建造物でいいだろう。
この間のヒアリングのときには、ここに外食がいくというのはどうなのかと。いや、ここもありますよ。ここは一等地ですよと。川沿いのレストラン街になりますよと。いや、そこがいいねというような話もありました。
(資料1 88ページ)
というような格好で、こんな図になります。
(資料1 89ページ)
環状2号線との調整は必要です。
(資料1 90ページ)
もともと環状2号線って昭和21年、25年、それから、平成5年、19年、今の事業認可は平成19年、道路ってすごく時間がかかるんですけど、平成2年のときも、凄い築地再整備計画がありました。もしあれができていたら、道路の計画は変わっていたはずですね。通らないですからね。
ですから、状況が変われば都市計画を変えて、道路についても変えるというのは、多分、このときだって想定されていたんだろうというふうに思います。
(資料1 91ページ)
これが7年ということですが、リニューアルがうまくいくのは、会社の指揮命令のような事業遂行の組織があると。そういう意味では、そういう新しい組織が必要だろうというふうに言うことができます。
(資料1 92ページ)
坪単価120万円。
(資料1 93ページ)
このお金は先ほど言いましたような、坪単価というのは十分な単価なんですが、東京都の市場では、この豊洲市場のお金がもう慣れ親しんで、これが当たり前だと考えていると。
こういうこれが当たり前だというと、安すぎると言われると。東京都以外ではそんなことはないんだろうと思いますが、それでも安すぎるという、要するに、坪単価120万円は安すぎるんじゃないかという議論ですね。これは東京都から外に出るとあまり通用しないと思いますが。
(資料1 94ページ)
これは先ほどのもので、豊洲市場の跡地も同じパターンで都市計画を変えなきゃいけない。
(資料1 95ページ)
前回、積算根拠ということで、これを用意していたんですが、こういうような条件づけで計算をしていくと、こんな値段になるということですが、先ほどのように、実際に売るときはどういうような形になるかというのは、そのときになってわからないという留保つきということであります。
(資料1 96ページ)
これは築地の場合ですね。築地の場合の推計、42年までです。
(資料1 97ページ)
それをグラフでいくと若干、こんな感じが10年ですが、やっぱり全国的に市場が減っていくので、そうはうまくいかないと、努力が必要ということです、いかに築地でもですね。
(資料1 98ページ)
これは90年推計ですね。
(資料1 99ページ)
比較をしていくのは、上位、先ほど一番大きいのは幾らで売れるかということになりますので、上位、中位、下位とやって比較をしていく。
ランニングコストってすごく大きいので、そのランニングコストの何年分なんだろうかと、初期費用ですね。省エネ製品を買うと電気代が幾ら安くなります。何年分の電気代で元が取れますというような計算をしてみたのが9年から11年と、そういうことであります。
これで終わりかしらね。
以上ですね。
ありがとうございました。
素案が大体100ページ近いんですが、その素案をざっと説明をさせていただきました。
今日は、3点議論をしたいと思っております。
第1点目が、
(資料1 23ページ)
これですね。
今日、ご覧いただいたと思いますが、卸売市場をめぐる環境というのは極めて厳しいものがあります。この25年間の間に取扱量が半分に減っている。まだ下げどまっているわけではないと、こういう中で、この豊洲市場を開場する、あるいは、築地も今の規模を維持しながらということですが開場する、どちらの案をとっても、非常に厳しい中で、その新しい市場を開場していくことになると。
豊洲の場合も10年間ぐらいは大丈夫ですが、お金的にも大丈夫だろうと言われていますが、10年から20年のこの間が非常に厳しいと。そのときに一体取扱量はどうなっていて、首都圏のほうはどんなふうになっているんだろうかと、やはり、いうことを考えると、先ほど申し上げたように、うまくいくと周りが沈没している、うまくいかないと巨大市場を持て余すという、こういうことになっているのではないかと、それではちょっと困るよねというところで、この経営戦略上の視点とシナリオというものが提案をされています。
ちょっと、これに対するコメントを梶田先生からお願いできますでしょうか。

○梶田氏 市場の取り巻く状況というのをどういうふうに捉まえるかということを整理をしていくというか、踏まえる必要があるんだと思います。
 実は、その中ではやはりこれまでに比べてというか、従来に比べて、非常に市場に限らず、いわゆる、キーワードで言う経営というのを重視する、あるいは、そういったものを捉まえるという視点が出てきました。
 ただ、その経営というのは非常に言葉としては使いやすいんですが、具体的に、さらにそれは何を見ていくのかと、あるいは、正しい答えを導き出して、そこに向かうということよりも、関係している、あるいは、実施していく主体がどう考えて、どのように取り組んでいくのかという、この先を表現する、あるいは、取り組むための一つのアプローチだと思っていますので、そういったものの観点とか、考え方というものの整理というのを、これを機に進めていくということが、当然、必要になってくるのかなということが、当然、あり方として求められるんじゃないかというふうに思っております。

○小島座長 ちょっと具体的に言うと、築地もある意味では昭和のにおいのする組織ですよね。
で、いわゆる経営という意思決定の速さと、その意思決定をしたら、それが実際の行動に結びついていくという、今の競争条件の中のその会社組織。いわゆる、市場と競争している、そのインターネット取引とか、巨大スーパーというのは、そういう意思決定の速さと、その意思決定を確実に実行するという会社組織というか、決済組織もあるわけですね。だから、代金決済機能がインターネットでできてしまうという、こういう時代になってきて、市場が持っていた四つの機能ですね、これがほかのもので代替できてしまうと。あるいは、市場もそれを取り入れていくと、いわゆるネット決済みたいな。ということになると、その法律で守られた市場というものの将来を、どういうふうに考えたらいいのかと。
 それから、今のような意志決定の速さと、意思決定したものをそのまま実行するという、その能力に劣るというと変なんですが、あるいは、それを向上させていくというのは、何が課題なんでしょう。
 先ほどの築地をやるときも、民間だとできるんだけど、それは会社が一つで、例えば、東京駅はJR東京1個だけですし、渋谷は営団地下鉄と東急と東京都か、もう1個何だっけ。三つでしたよね。難波は高島屋と南海ですよね。だから、会社がこう動きなさい、動きなさい、動きなさいとやれば、すぐ動くということができるわけですが、同じような効率的な組織をつくらないと、何をやるにも競争に勝てないという、そんな状況なんじゃないかと思うんですが、何か案というのはありますか。

○梶田氏 競争というのは、非常に公共性とか公益性ということとの対極にあるものですので、その両方を備えてどういうふうにやっていくのかということを、具体的に考えていくというのは大変重要だと思います。
 ですので、単純にその民間企業の経営活動そのものを当てはめたらいいという話でもなく、そのために、じゃあ、誰が何をするのかと、どこまでどうしていくのかということをきちっとまず整理をして、それに基づいて進めていくということを、どうしてもやっぱり仕組みとして備えていかなきゃいけないと、あるいは、そういった取り組みをきちっと進めていくということを表明していくというところが、まず出発点なのかなというふうに思います。

○菊森氏 菊森です。これは経営体がどんな意思決定をするかというところとかかわってくるんですが、例えば、民間企業であれば、当然、経営戦略。経営戦略とは何かというと、環境の変化にどう適応するために、商品と顧客の選択をどのようにしていくかというのが、一般の民間企業の経営戦略、一言で言うと、こうなると思うんですね。
 今回の市場、市場というのも、今まではあまり、個々の業者さんは非常に経営に苦心されて、非常に頑張ってこられたわけですが、この市場の経営というのは、そういう意味では民間的な経営発想を取り入れていくと、そのためにも農水省のペーパーにも書かれていますように、やっぱり経営戦略的な発想をして、SWOT分析などを具体的にやって、方針を決めていくということが必要になってくる、それほど経営環境の変化が、もう極めて激烈であるということを意味しているというふうに思うんですね。
 ただし、市場自体は、その中でも比較的、いわゆる公益性、公共性というのがここは極めて高いので、そういう意味では、それとの調和をどう図っていくかということだろうと思うんですね。その調和というのは、やっぱり市場は国民生活にとって不可欠なものであるということと、やっぱり、零細事業者も含めたさまざまな事業者が、今までのように活動できるような体制も維持する必要があると。こういった二つの価値観を、どう調和していくかということかなと、私なんかは思うんですね。
 大事なことは、その意思決定を図っていくものと決めていくときに、やっぱり一つの経営体として、一定のルールでもって方針を決めていけるということが大事、そのためにはガバナンスといいますか、誰がこの市場を運営しているのかというところを明確にしないと、難しいのではないかなと思います。

○森山氏 今のお二方の先生のお話の中にもあるように、今の市場の意思決定の仕組みが非常に見えにくくなっているというのは事実だと思います。これは市場の監察制度等もそうだと思うんですが、市場の中で働かれている方々の権利もあるでしょうし、いろんな言い分なんかも、これまでは必ずしも組合が意思決定機構として機能してなかったんじゃないかと思うんですね。
ですから、こういった、今回この市場の今のところ施設の問題ばっかりですが、この機会を通じまして、その市場で働く方々の運営の主体と意思決定の仕組みというものを、やっぱり整備していく必要があると思います。
それと、もう1点は、その持続可能性といったことで考えたときに、これまで市場の業務というのは、ほとんどが見て覚えろ、もしくは、盗んで覚えろ的な、いわゆるOJTの究極みたいな部分が多くて、必ずしも新規参入するためには、非常に難しいハードルがあったと思うんですよ。これがやっぱり公共性という機能を重んずるなら、何らかの教育の仕組みも含めまして、市場のこの商取引だけの機能ではなくて、今後、中央卸売市場を維持していくための何らかのもっと包括的な仕組みとか、そういったような視点が、東京都も含めたこの市場局に求められると思いますけどね。
以上です。

○小島座長 市場のあり方について、ほかに御意見がある方は。
 森高先生、お願いします。

○森高氏 森高です。ちょっと経営では門外漢かもしれませんが、今、豊洲を開場すると大赤字になるというお話ありましたが、当然、築地と同じ商売のやり方であれば、という前提だと思うんですね。
 それで、私、建築のほうの立場でちょっと話しますと、繰り返しになるかもしれませんが、豊洲市場移転において、これから一番力を入れなければならない課題というのは、将来の運営とか事業継続を見据えた、豊洲市場にふさわしい経営戦略の立案ですね。他の委員の方も経営戦略とおっしゃっていましたけど。
 冷静に見ると、豊洲の市場というのはまだ使われてませんが、他の市場にはない高いスペックがある、無駄なスペックとおっしゃっていましたが、機能的なスペックが高い。こういうスペックをいかに有効利用するかということです。閉鎖型市場になっていますが、これは高度な衛生環境が確保できるし、当然、HACCPを導入しやすい環境にもあるわけですね。それから、流通動線も築地に比べて合理化されているとか、IT化対応もできやすいと。それから、環境に配慮した設計がされていることで、こういうふうな条件をいかに有効活用していくか、すなわちこれからの豊洲市場の価値を如何に創造していくか、ということではないかなと私は考えます。
 ですから、これは東京都と市場関係者の努力で、豊洲市場の有効活用を考えていけば、今後の経営収支の改善の足がかりに資するのではないかというのが私の意見です。すみません。

○小島座長 ありがとうございます。今の御発言に踏まえて、次のテーマ、豊洲市場のあり方、豊洲市場でもっていくための運営とお金をどうするかという話ですね。そこの話に移っていきたいと思います。
 豊洲市場を考える場合に、一つは築地市場が移転するという考え方と、いや、そうではなくて、新しい豊洲市場をつくるんだと、これはずっと菊森さんのおっしゃっていたことです。
 新しい豊洲市場をつくるということで、先ほどおっしゃった準備ができているのかという、いわゆる、移る人々の準備、それから、役所側の準備ですね。例えば、IT化で車を動かしていって、場内滞留時間がゼロ分というのが最初の基本計画ですよね。でも、そうなってないんですが、基本計画を見る限り素晴らしいんですが、これが今でき上がったものを見ると、できていない。そこをどういうふうに考えるのかというのは、前からおっしゃっていたので、そこについてちょっといかがでしょうか。

○菊森氏 基本構想の段階、まあ、これは大分古い話になるんですが、基本構想の段階で、非常に理想的な新市場をつくっていこうということで、それは掲げることは非常に大事だったと、それも半ば実現しているであろう面もあると思うんですね。
 例えば、そのIT化の話も出ましたが、半分ぐらい、今までの機能にないものをつけ加えることはできたんだろうと。
 それから、やはり閉鎖型の築地に比べれば衛生にプラスになるような、そういう仕様にもなっていると。HACCP対応もしやすくなっているという面は、確かにそういう面もあるだろうと思うんですね。
 問題は、これらの市場構想、もともとの構想が全部、構想段階から計画段階になって実施段階になるときに、全ての構想の項目が実現するかと言われたら、どんな構想でも、それはなかなかあり得ないわけなんで、どれをやっぱり成功させて、どれを置いておくかと。やむを得ず、そこのところは、ここまで半分ぐらいしか達成していないという状況も起こり得る話だと思うんですね。
 問題は、そういう中でどれだけのコストをかけて、それなりの効果が上がったかどうかという検証を、どこかの時点でやっぱりやっていかなきゃいけなくなるだろうと思うんですね。
 これは開けてみないと、市場を開場してみないとわからない面も当然あるんですが、今の時点である程度確実に言えることというのは、先ほど座長のプレゼンテーションでもありましたように、やはり数字の問題が大きくあるのかなというふうに思うんですね。
 それは、今、築地にいるときよりも、かなり大きな巨額な赤字というのが出てくる可能性が高いということなので、そういったものをどの程度まで容認していくかということと、それから、先ほど森高先生が非常に大事なことをおっしゃったんですが、豊洲に移転した場合に、じゃあ、具体的にどのように、ひょっとしたら赤字になるかもわからない、それをどのように収入を上げていくかという経営戦略、これは絶対にやらなきゃいけないことだというように私は思うんですね。
 ですから、この大きな赤字を抱える可能性もある。もちろん経費が大きいからなんですが、これを補って余りあるだけの収入計画が本当につくれれば、こんなに素晴らしいことはないわけなんですけど、その努力をどうやっていくか、そのための経営戦略をどうつくっていくかというところは、これから、さらに具体的に議論されなければいけない点だと私は思います。

○竹内氏 うまくいけばいいんですけど、往々にして再開発とかで大きなビルを建ててしまって、賃料収入を期待していたものができなくなるとどうなるかというと、今、地方都市のいろんなところで、つくったけどテナントが入らないというビルがいっぱいあります。僕は、それと豊洲が同じようになるのではないかというふうに思っていて、取扱量が半分であれば半分の面積で計画するのが正しいとすると、そういう言い方をしては何ですけど、1.7倍なので、実は3倍とか4倍とかの大きさが既にあるというふうに考えていいんじゃないかなというふうに思っています。
 それから、もう一つ、衛生の問題を、確かに今の築地は劣悪で何とかしなければいけないですけど、豊洲で衛生に関してどうか、今はあそこは何もないですから、ネズミも入らないし、非常にきれいな状態ですが、もしあそこでいざ営業が始まったら、ネズミは来ないのかというと、特にネズミを対策をしているわけでもなく、スロープは排水されたらどこにも途中で排水路がなく、全部あそこ水こぼれたら凄いことになるんですよね。
 そういったことを、今はきれいなので何も想像ができないですが、そういった、これからきちっと豊洲が使えるようにするまでに、相当時間と経費がかかるんじゃないかなというふうに思っています。
 それから、あと、冷蔵庫に関してのHACCPの話も、HACCP準拠という言葉で話をされていますが、座長のお話のとおり、工程管理ということが前提だとすると、豊洲に行けば高性能だからとおっしゃいますが、断熱性能とかを見ると、さほどでもないのかなと、そういうように思います。
 とにかく、空気のボリュームが大きいので、あれに対する光水熱費の的確な判断を、どこかでちゃんと計算をして出す必要があると僕は思います。
 以上です。

○小島座長 ありがとうございました。最初にいろいろ業者さんたちの御意見を聞いていたときに、いろんな要望が出されていて、使い勝手の話、さっきの交通のお話もそうですが、屋根が足りないとか、結局、使いながら直していくんだというお話だったような気がするんですね。なれていくと。
 問題は、使いながら直していく経費って幾らぐらいかかるんだろうということなんです、またね。今は5,884億円で高くて、これどうしようかと言っているんですが、当初、いろいろつくるということ、物をつくっていく、設備をつくっていくということが、使用料にはね返るという感覚が全くないまま議論されているので、このままどんどん青天井になっていくと、使いながら直していくといっても、使用料見合いでないと直らないという、そこら辺の議論をどういうふうに考えればいいのかなと。
 まだまだ実は御要望があって、ひさしがないとか、ないないというのはいろいろあるんですが、これ以上増やさないということになると、使いながら直すお金は払えませんよという話になるので、ここまで来たら、どんどん、どんどんまたお金をつぎ込んで、いいものにしていくのか、そこら辺の判断もあるのかなという気はしますね。
 佐藤先生、どうぞ。

○佐藤氏 31ページをちょっと出していただけますか。
 ここに小さいですけど、豊洲市場と築地市場の費用が出ています。一番上のところに委託費というのがありまして、豊洲市場が34億、それに対して、築地市場が5億5,000万円。
 内訳を見ると、豊洲の警備が10億、築地が1.8億と、極端に違います。
 それから、設備保守も24億に対して築地が3億と、1桁違うんですよね。
 豊洲のほうは、樹木管理費とかというのが入ってきています。
 面積が1.7倍なのに、これだけの委託費がかかるというのが、まずは、ここら辺をまず精査しないといけないだろうということが一つあるかなと思うんですね。
 初年度は確かに大混乱をするので、こういうものは予想されます。ただ、使い込んでいくに従って、ある程度合理化するなり、警備も本当にここまでいるのというぐらいな費用の違いですよね、人数のかけ方の違いだと。
 逆に言うと、築地市場をもし再生して先ほどの案でつくったときには、築地市場のこのままの数字では、まず同じように行かないでしょう。やはり、ある程度の安全性を確保するような設備を入れてくると、それなりに費用が上がってくるので、やはり、オーダーの違う費用が見込まれるんじゃないかということで、今、築地15億に対して豊洲76というのを、単純に比較するのは正しい比較じゃないだろうという感じがしております。それは、また後々議論しなきゃいけないかなということです。
 さらに光熱費についても電気・水道代が豊洲が34億に対して、築地10億、地域冷暖房が約8億ありますが、電気・水道代というのが、これは単純にやはり1.7倍にされていることが非常に大きく効いていて。何がそうかというと、駐車場の部分が、かなり面積を占めていて、駐車場のようは換気をするなり照明をするなりということで、相当の電気料が食われているんじゃないかというふうに予想します。
 築地の再生案の場合は駐車場はほぼ屋外ということですから、確かにその辺はかからないんですが、築地が果たして屋外の駐車場はいいのかという議論は今後、多分精査していかなきゃいけない問題として出てくる。
 ということで、ちょっと費用の単純な比較というのは、ここでは私は問題があるかなということで指摘をしておきたいと思います。
 以上です。

○竹内氏 ここで何で警備費が増えているかというのは、これは初年度のために増えているというふうに佐藤さんは今お話しましたけど、そこの根拠というのは特にないんですよね。

○佐藤氏 ないです。ですから、この辺は本当は内訳を知りたいんです、私も。なぜこういう数字になっているのか。

○竹内氏 僕も知りたいです。

○佐藤氏 金額も含めてですね。それはちょっと、もし機会があれば、そういうのをやはり精査するべきだと私は思っています。

○竹内氏 なぜ増えているかという話の根拠がないけれど、という前提でお話しますけど、豊洲の警備費が増えるのは、やはりフロアに分けていて、見通しが利かないところが非常に多いので、そこを1カ所ずつ、こうやって見ていくと、物凄い数になるんじゃないかなと僕は想像しています。全てが複層化という何階かになっているということが、豊洲の決定的なだめな点で、そこを何とかするためには警備していかなきゃいけない。
 それから、これが初年度のランニングコストであるということであれば、僕も光水熱費に関して、設計事務所にきちんと、ちゃんと人が入ったときに、どのくらい光熱費がここから増えるのか。多分減るということはないと思うんですけど。人が活動すると熱量があるので、相当増えていくはずなんですね。それがPTの中でもやっているんですが、その指摘はしているんですが、設計事務所から出していただけないんですね。
 日建設計という設計事務所はそういったことが物凄く、環境的なところに物凄い強い事務所で、よく私たちコンペに負けるんですけど。ちょっとやればできるんじゃないかなと思うんだけど、出てこないということは、もっとかかるのかなというふうに変な想像をしてしまうくらい、出してくれないんですよ。やっぱりそういうところの情報が出てきていないということは、もっと上に振れていくのではないかというふうに、今ちょっと想像してしまっています。
 いずれにしても、佐藤さんと同じで、ここはもっときちんと出していかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。

○小島座長 ありがとうございました。事務当局に聞けばいいと思いますが、去年の11月7日に移転する予定でしたから、契約が済んでいるものは契約額だと思いますね。それで電気代というのは幾らくるかわからないという部分がありますが、警備費とか何かそういう意味では契約額なので、もう確定だったと思いますよ。それを何カ月分というふうにやって計算すれば出るので、そういう意味では平年度ベースで月割りをする、その月割りのものを12カ月で掛けていくということですから。例えば、地域冷暖房だとか、委託料のうちの警備だとか、設備補修何とかというのも、そういう意味では、契約済みのものは契約済みだったんだと思います。
 使ってみなきゃわからない部分はありますが、そういうのを事務当局に聞けばいいんだろうというふうに思います。もちろん設備、いわゆる経費を節約していくというのは、当然のことなんですが、じゃあヒアリングして卸も仲卸も青果も、別に地域冷暖房はいらなかった、要望した覚えはないと言いながら、これ8億くらいあるんですけど。じゃあ今キャンセルできるのかというと、多分それはそういう契約になっていないんだろうと思うんですね。
 だから、そういう今までの積み上げの中で、どこまでそのコストを削減できるのかというのは、事務当局の交渉能力の問題もある。あるいは実際に、どれだけ使うか使わないかというので、お金が動いたり動かなかったりする部分もあると。そういうものがここに入っているんだろうというふうに思います。これは聞けばいいということなんですね。
 お金の話をちょっとして、いよいよ築地の話に移りたいと思います。
 お金の話で何か。

○菊森氏 1点だけ。40ページのところにですね、使用料収入を値上げするという方策があるという話が書かれております。それで、豊洲の赤字を支えるため、他の市場の使用料も上がるということなんですが、そうなりかねないという、そのリスクは当然考えておかないといけないわけですが、実際にその次の行で、豊洲の業者の経営が困難にというのは、やはりこれはなるべく避ける必要があるだろうと。そのためにも使用料収入の値上げのやっぱり幅を適切なものにしておかないと、仲卸さんの一部にやはり経営が悪化するところが出てきたりするというような事態は避ける必要があるだろうと。やっぱりこれは事業継続性というのは、やっぱり考えざるを得ない。そのときに豊洲市場がどこまで対応できるのかということをやっぱり考えていかざるを得ないと私は思います。
 お金の面で一番差し迫った問題として大きいのは、この点ではないかと思います。あとは減価償却等の数字については、今までのプロジェクトチームの会議、この場で申し上げているとおりでございます。

○小島座長 ありがとうございます。次の三つ目の課題で。
 豊洲の話でちょっと一言、施設とHACCPの関係をお願いします。ちょっと忘れていました。

○森山氏 確認ですけど、先ほどもHACCPについて記述のページ、後半あったと思うんですが。新しい建物をつくれば、HACCP準拠するとか、後は建物が新しいから衛生的に大丈夫だとか、コールドチェーンが実現できているというふうに、ちょっと方々で勘違いしていらっしゃる方もいらっしゃるので、指摘しておきたいのは、確かにHACCPやコールドチェーンを実現しようという意図のもとに、最初の基本計画は練られているようですが、実際には豊洲の建物は、それらに対応していくためには、個別の業者さんが自分たちで設備をまた構築しなければならないという状況になっています。これはもうHACCPという制度が施設のほうに準拠するのではなくて、食品の取り扱いの仕組みと、それの管理のやり方という、そういう全体での運営のほうに準拠した認定ですので、逆に言うと、そちらのほうが大事で、それにあわせて、いろんな建物の追加設備がまだ豊洲には控えているということを指摘しておきたいと思います。
 以上です。

○小島座長 それでは豊洲の議論から築地の改修案の議論に移りたいと思います。
 築地改修案のローリングの方法は先ほど御説明したとおりですが、ここでの議論ですが、築地改修案を実現していくためには、いろんな課題がありますということで、素案の本文では、92ページ以降に、築地市場改修案の実現のための課題という項目で、工事の実施における課題、種地づくりとか、それから次は法的手続の課題、94ページですが、それから、機能向上に関する課題、それから工期、工事費用の妥当性に関する課題、環状2号線との調整という、五つのカテゴリーで課題を挙げております。
 主なものは参考資料2ですね。ここに書かれて、本文に書いたものをQ&A的に書いておりますので、そちらを参照していただければよろしいかと思います。
 では、この議論をオープンしたいと思います。
 佐藤先生ですね。

○佐藤氏 ありがとうございます。築地市場の問題、先ほど五つのポイントがあるというふうに整理されました。
 まず計画に入る段階でのいろんな調査をしなければいけないということが、まずあると思うんですが、土壌の問題が一つあると。土壌汚染が一応ありそうだということがわかっています。
 今回築地をローリングということで、部分的に改築をしていくわけですが、舗装をはがして、土を絶対掘らなきゃいけない状況になると。これは基礎をつくる。あるいは基礎梁をつくるとか、基礎をつくるという段階。それから排水管を埋めなければいけないというようなことで、土壌をある程度の深さ、例えば1.5メートルとか2メートルとか、そういう深さを掘らなきゃいけないわけですね。
 それを掘っている間は、土が露呈しているわけです。そうしますと、風なり雨が降ったりということで、土壌が舞ったり、あるいはその土壌がターレの車について市場の中に持ち込まれるという危険性があって、まず工事をやっている段階で、やはり土壌が直接食品に触れる可能性があるわけですから、それについての何らかの判断をする必要があるだろうというふうに思っています。
 ということで、まず土壌絡みで、それを土壌対策上、問題がないかということと、それから環境アセスというポイントでも、やはり先ほど粉じんが飛ぶというようなことを考えると、場外市場のほうにも影響が及ぶ可能性がありますから、やはり工事中の環境は大丈夫かという観点で、アセスをやる必要があるんじゃないかというふうに感じています。
 これについては、ここで議論してもあまり始まらなくて、やはり都庁の内部で環境局なりの判断をまずはしっかりと仰いでいただかないと、先に築地再生ありきで決断してから、それらの問題を調査するのではなくて、今の段階でもう一般事項として、それはもう聞けば、必ずやはり都庁としては万全な安全をチェックするという意味で、やらざるを得ないんじゃないですかというような回答が返ってくる可能性が高い。そういう意味で、これはあらかじめチェックしておく必要があるだろうというふうに思います。
 それから、2番目の問題として先ほども法的な問題があるということで、仮設建築が12年前に失効しちゃっているわけです。仮設を許可している文書の中に失効した場合には直ちに除去し、それを報告することという文章が入っているんですね。それを12年間していないという問題があります。
 これはなぜ延長できなかったかというと、そのときに説明を東京都の方から受けたんですけど、基本的に築地の建てかえを前提として仮設を許したのだから、その建てかえをしないのであれば、もうそこから先はその仮設の使用許可を延ばすことはできないという判断で延長できなかった。しなかったんじゃなくて、できなかったということを説明されました。
 ということで、この問題についても、建築指導課に一般的な事項としてこういう場合、違法建築がある場合に、それを除去しないで、次の確認手続、計画の手続に入れるのかということは確認をしておくべきだと思います。そうでないと、これも後から、やっぱりまずいよということになると、そこでもうとまっちゃうわけですから。
 その仮設建築の中で一番問題になっているのが、正門の上の仮設駐車場です。立体駐車場です。これがなくなるということは、もう圧倒的に築地が機能しなくなっちゃうわけですから。そういう点で非常に問題であると思います。
 これが、ようは計画に入る前の段階。さらに、計画を行うについて、もし築地でやるとなると、基本設計、基本計画から立案をしなおさなきゃいけなくなるということになると、基本計画というのは、建物の規模を決める話と、ちゃんとそれで機能するかという話と、それから関係する各省、特に環2の問題なんか大きいと思うんですが、今まで都市計画的に進めてきたということを全部ガラガラポンでゼロからやり直すことになるわけですから、1年やそこらじゃこんなもの調整できっこない。やはり2年3年という月日が必要になると思います。
 ですから、基本計画をつくるだけでもそのくらい時間がたっちゃう。そこから基本設計をやるというようなことになると、案で示されている1年半でそういうところが終わるというのは、私は4、5年かかるんじゃないかというふうに予測します。これはまた都庁の中に、やはりそういう計画をする専門の部隊がいると思いますので、そういう方々に判断をしていただければいい問題です。
 次に、計画の問題として挙げたいのは物流の問題があります。ちょっと築地計画のSTEP2という2枚目のページを見せていただけますか。これです。今中央の青いところがこれが白いところに移動して、黄色い壁がこれ仮設のフェンスです。これを建てた段階で、今ですね、この青い部分というのが荷捌きで使われているわけですね。ここの部分は。ちょっとわかりにくいですが、ここですね。それからそれ以外のところも荷捌きで使っているわけです。そこを潰して、仮設のフェンスで囲むわけですから、そこの面積が減っちゃうわけですよね。
 それについて、取り扱い数量が減っているから大丈夫だろうというような話もあるんですけど、現実、今あのエリアを全部使って荷捌きをしている状態なわけですよね。それが、明らかに減る。減るということは、年間400件の交通事故が起きているということが、逆にもっとそういう条件が悪くなるわけですから、こういうところでも軋轢が生まれるわけです。
 そういったことに対して、本当に築地場内の方々は、これで実際始まった段階で、苦情が出ないのかどうかというのは、あらかじめ、やはりちゃんとシミュレーションをするべきだろうというふうに思います。
 さらに、今そこの荷捌きのエリアは基本的に屋外なんですよね。屋外で荷捌きをして、そこで荷をおろして、ターレに積んで中に入る、あるいは中で買ったものをさらにターレで積んで持ってきて、そこの屋外で荷を積み込むということですよね。基本的には現状と同じだというふうにおっしゃっていた。ということは、やはり大雨が降ったり雪が降ったり、物凄い暴風雨が来たり、黄砂が飛んで来たりと、そういう環境の中で、現状と同じように、あるいは夏の暑い日は物凄い日照りの中で、荷捌きをしなきゃいけないと。
 そういう計画を中央卸売市場の基本計画なりなんなりで、これからつくる、あるいは改修するときに、本当にそういう計画を立てるんですかというあたり。その辺はやはり都庁の中でちゃんと考えていただかないといけない問題です。単に今ある築地をそのまま存続するということではないだろうと思うんですね。一旦これだけの改築をするということは、次の30年なりを使っていくということですから、それがずっと屋根がない状態、吹きさらしの状態で物を扱うということでいいのかという疑問があります。
 それから、あとは空調機械の問題がありまして、一応今回の案は閉鎖型にできるということで、閉鎖型にするということはやはり空調をしなきゃいけない。先ほどの照明も入れていかなきゃいけないと。空調をやるということは、空調機械がある程度必要になります。それからクーリングタワーというのがございまして、先ほどの地域冷暖房を入れればクーリングタワーはいらないんですが、地域冷暖房をやらないんであれば、クーリングタワーという冷却塔を屋根の上に乗っけなきゃいけないんですね。
 今の再生案では、そのクーリングタワーがどこにあるか、あまりイメージされていません。普通に考えれば平屋根のところですから、今駐車場として使われているあたりの部分に相当なエリアのクーリングタワーがずらっと並ぶんですよ。これ、皆さんあまり想像ができないかもしれないけど、凄い量になると思います。かなり冷やすわけですからね。そういったような問題が、あまりはっきりと明示されていないです。
 それから、室内の、屋内の機械に対しても、売場の上に棚を設けて、ダンボールをのせるような棚を設けて、その上にもしかしたら機械を置くんじゃないかと思うんですけど、そうなると階高が私の試算だと8メートルくらいになっちゃうんじゃないかというようなこともあって、今のような計画がちゃんと成立するのか、そういったあたりも精査が必要でしょうと思います。
 それから、もう一つ工事中のお話ですが、先ほどこちらでお示ししたように黄色い仮囲いがございます。仮囲いをするということは、作業ヤードがその中になきゃいけないということと、それから資材の仮置き場というのが工事中絶対に必要になるんですね。ということは計画する建物よりも5メートルなり7・8メートル広いエリアを仮囲いで囲まなきゃいけないとなります。ということは、それは何を意味するかというと、現状の通路なり先ほどの荷捌きを潰していくのか、あるいは場内の実際使っているエリアに食い込んで、そういうものが入ってくる可能性があって、そういうあたりも実際にはちゃんと考えていかないと、なかなか成立しない問題じゃないかなというふうに思います。
 ということで、かなりハードルが高くて、ローリングをするのは、私は基本的には非常に難しいだろうと。ただし、こういう小さく建てて小さく運営していくというのは、私は先ほどの費用がたくさんかかることを考えればいいことだと思いますから、成立するなら成立させたいですし、築地というブランドも、もし守れるんだったら守れたほうがいいだろうということで。
 唯一それができるとしたら、やはり一旦全員どこかに移っていただいて、今申し上げたようないろいろな問題点が一気に解決した上で、一斉に工事をやって、建ててしまってからまた戻ってくるなら戻ってくるという第3の案、第4の案かもしれませんけど、そういう方法をとられるのが、移転する費用あるいは帰ってくるという、そういう補償費も含めた計算をしても、むしろそのほうが短時間でできるし、金額も安くできる可能性があるんじゃないかというふうに感じているところであります。
 一気に言っちゃいましたけど、ポイントはそういうところです。

○小島座長 幾つかありましたから、ちょっと法律的なことというか、

○竹内氏 まず一回答えます。ちょっと項目がよくわからないんですけど、土壌汚染の話、次何でしたっけ。

○佐藤氏 アセスもしなきゃいけないでしょうと。それから三つ目が仮設建築の法的な考え方。先に除去しなきゃいけないか、後で除去でもいいのかというお話。

○小島座長 土壌汚染とアセスの話ですが、土壌汚染、法律の対象にはならないでしょうけど、条例の対象になるんですね。3,000平米以内のものの工事ですから。そういう意味では、条例でやっているときも、掘って汚染土壌が出てくる、いわゆる法律で言う形質変更時要届出区域みたいなものは、その汚染土壌が飛散しないようにやるというのは当然の義務になってきますから、それはそういう土地をいじる人たちは、汚染土壌があるところでやる場合に飛散しないようにやるというのは当然の法律的な義務ですから。そういうことをやっている業者がこれをやらないと、そういうところはできないので、別にというと変なんですが、そういう汚染土壌を扱う業者は当然にその法律に従ったことをやる。周りに飛んだりとか、外に出しちゃうとか、そういうことがないように法律ができているので、それに従った経験を積んでいるはずです。
 だから、別に新しいことではなくて、そういうところで土をいじったりする業者はそれをやっている。
 それからアセスメントということが制度的なアセスメントという意味ではないと思いますので、制度的なアセスメントは法律と条例に対象事業があって、その対象事業に該当すればアセスメントをやることになります。
 アセスメントというのは、何ていうか一つの手続ですので、準備書をつくって、意見を聞いてやっていくという、そういう手続のことを言っているので、その手続が必要だということであれば、これは対象事業になるかならないかという法律、条例上の問題になるんですね。
 これも確認をしますが、読んでいる限り、駐車場の場合にはいわゆる駐車場、民間がつくるものを増やす場合には対象になる。それから市場は敷地面積が広くなる場合には対象になるということですから、技術的にそういう影響を及ぼさないようにするという意味であればわかりますが、制度的に、いわゆる手続を開始するという意味の環境アセスメントということになれば、これは対象事業ではないだろうと思います。
 それでよろしいですかね。そういう意味で。

○佐藤氏 いや、よろしいと言いますか、それを都庁内部でちゃんと確認をしていただいたほうがいいんじゃないでしょうかと。

○小島座長 いや、環境アセスメントというのはどういう意味でしょうかという。いわゆる条例の対象になるという意味ですかというのが、僕の質問ですけど。

○佐藤氏 条例の対象、それは私はそこまで専門家じゃないからわかりませんが、基本的に豊洲の場合には工事中の、要は汚染土壌が飛散するかしないかという問題で、アセスメントについてもちゃんと評価しているんですね。同じような安全性を扱う、安全性に対して、非常に過敏というか、ならなきゃいけないという、築地市場においても、単に条例にかからないからやらなくていいという判断なのか、やはりこれは、やはり皆さんの不安を取り除くためにやっておくべきだというふうに都の方は判断するのか。それはだから都の環境局なりの判断をちゃんと仰ぎたいというふうに思いますが。

○小島座長 わかりました。法令上の話じゃないということですね。
 じゃあ、どうぞ。

○竹内氏 次に仮設建築物に関しては、基本的に法律を調べましたところ、現在、建築基準法の85条というのがありまして、その中に仮設建築物の許可基準というのがあって、幾つかやり方はあるんですけど、仮設建築物、最終的には除去をするという前提で確認申請を出すことで審査してもらおうと思っています。
 もし、佐藤さんがそれができるかどうかわからないよねというお話であれば、何をもってそれができないとおっしゃっているのかということを教えていただきたいというところです。

○佐藤氏 これは私が言うよりも多分森高さんが答えられたほうがいいかもしれませんけど。

○森高氏 じゃあちょっとよろしいですか。
 私ども設計事務所でいろんなプロジェクトにかかわっておりますが、今竹内さんの案では、最初の取っかかりで、今、これから新築する水産横の仮設のいわゆる駐車場は使い続けながらローリングをやるという案ですよね。

○竹内氏 そうです、仮使用許可を取るか取らないかですね。

○森高氏 仮使用許可を取るというのは非常に大変なことで、既に仮設の建物だけではなくって、築地には既存不適格の建物も結構ありますし、ひょっとしたら合法でないものもあるかもしれませんが、それを全て調べた上で基本計画をやらないとだめだと思うんですね。

○竹内氏 はい、全て調べて。

○森高氏 例えば、今仮設を今日取れるとおっしゃっていましたが、私どもは今までこういう事例はないです。取れません。

○竹内氏 取れません。具体的に教えていただけますか。

○森高氏 いや、具体的には言えません。言えませんが、撤去しなさいと言われますね。

○竹内氏 いや、だから、最後に撤去するっていう前提で。

○森高氏 いや、最後じゃなくて、これ、ローリングのごとに建物を使うために、仮使用申請、出さなあかんでしょ。途中経過。例えば水産本来の新築部分において、申請出さなあかんですよね。

○竹内氏 はい。

○森高氏 申請出すときに、じゃあ既存の仮設どうするのっていうの、必ず言われますよね。

○竹内氏 ええ、工事後、除去するという前提で出します。

○森高氏 いや、その都度、申請出して通るかどうかいうのは非常に疑問やと思いますけど。竹内さん、前にも言いましたが、今の案の段階で東京都の建築指導課の意見を聞かれましたか?

○竹内氏 聞いておりません。それはなぜかというと、やはり最終的な案でないと指導課も答えられないというふうに判断したからです。

○森高氏 そんなことないでしょ。

○竹内氏 いや、だから、そういう。

○森高氏 まず聞かれてから、それでだめと言われたらいいですが、まだ聞かれてないんでしょ。

○竹内氏 まだ聞いておりません。

○森高氏 じゃあいっぺん聞いてみてください。

○竹内氏 いや、だから、案をつくってからではないと、法律の審査ってできないと思うんですよ。

○森高氏 でも、案て、もうこれ、既にたたき台の案があるじゃないですか。

○竹内氏 これを持ってきて

○森山氏 よろしいですか。今の両方のお話もなんですけど、実は築地の建物の、ある種、詳細な調査といいますか、現状の調査が、僕、まだ不十分だと思ってるんですね。
 これ、80年以上前の建物だということもありますが、ここに至るまでの間、何回か増築、改築、繰り返されていて、年代ごとに構造の方法も違うし、今、森高先生おっしゃっているように、例えば80年前の工法と40年前の工法と、違うもの混在している、かつ混在しているってことですから、これ、一つの試案でしょうが、やはり築地を一度、全体、詳細に僕は調査していただくと、そういう機会を持っていただく必要があると思います。
 理由は、現地再生云々の前に、現状の安全性っていうことも随分言われてると思うんですね。これは市場の方のヒアリングしているときに、何年も移転ありきで放置されてるので壁が一部外れてる、変なの外れてるとかという話もありますし、あとは僕が現地、何度か視察して見た上でも、一部、柱の部分のコンクリートがはがれてるとか、これは保護コンクリートだったりすると思うんですけど。そういったことも一通り、一度詳細に調べないと、調べた上で緊急の安全対策もそれですぐ施して、その上で今度、この再生云々という話も、もう少し詰めていく必要があると思いますから、やっぱり調査が必要だと思いますね。調査ありきじゃないと、どうしても各専門家の先生方もはっきりとしたこと、言えないというのは、それは事実だとは思います。

○竹内氏 いいですか。この案の性格をもう一回ちゃんと説明しますと、この案というのは、ローリングができないっていうことに対するローリング案の一つです。なので、これから、それこそ築地のステークホルダー、いわゆる使われる方たちとどのぐらいの面積が要るのか、どういうふうなスペックが必要なのか、そういうことを全部打ち合わせをした上で、でも今と同じ面積あったらどうだろう、どうやったら動かせるのか、機能が動いていけるのかというのをやっている案です。
 ちょっと法律的な話は、ひとまず置いておいて、幾つかお話をすると、そうですので、例えば今の絵で茶屋の部分が、あちら側の水産のところに移ったのが狭いか、狭くないかということも含めて、ちゃんと打ち合わせをする必要があると思ってます。
 ただ、機能的に卸、仲卸、買い出し、茶屋という部分を、順番に、流れをそのままにして、水産の茶屋の位置をどうやって動かすのかっていうのが、あそこがいいよという意味での、そういう意味のものです。
 佐藤さんが非常に仮囲いを、作業ヤードとか仮置き場とかというのを必要だというふうに言われるのは、ちょっと僕には理解ができなくて、東京都心で工事をするときには必ず、そういうヤードがない中でどういうふうにやるのかというのをゼネコンと相談しながら、交通の少ないときに物を持ってきたりとか、仮ヤードを、ちょっと離れたところに置いたりとかということをするのが当たり前なので、私の経験的には、まさにこの建物のすぐ外側に仮囲いをつくってやることで、残りの部分はそのまま残したまま工事ができるんじゃないかなというふうに思ってます。

○佐藤氏 都心でそういう工事をやってるのは、主に夜中とかに道路占拠をして、道路使用をして工事してるわけですよね、一般的には。

○竹内氏 はい。

○佐藤氏 ということで、こちらについても道路使用のかわりに荷捌き場を使用しながら、そういう工事をしなきゃいけなくなるわけですよね。

○竹内氏 築地なので、夜中ではなく。

○佐藤氏 昼間の2時から。

○竹内氏 午後2時から8時ぐらいの間だと思います。

○佐藤氏 その時間も、要は仮設ヤード、仮囲いの中じゃなくて、そういう荷捌き場でやるわけですから、それのための準備にまた時間がとられるとなると、実際の作業する時間帯っていうのは、例えば3時間ぐらいしかないとか、非常に短い時間になっちゃう。そうすると作業性の問題もあって、工程に影響を与える問題でもあると思うんですよ。

○竹内氏 積み込みの話ですよね。

○佐藤氏 いや、作業するのに。そこにクレーンが来て、例えば鉄骨つり上げるとか、あるいは鉄骨を搬入してくる大きなトレーラーが来て、鉄骨を持ち上げるわけでしょう。そういうものを荷捌き場に置いてやらなきゃいけなくなる。

○竹内氏 いやいや、完全に仮囲いの中で、積み込むときはもちろん必要ですけど、佐藤さんも、もちろん御存知だと思いますけど、積み込みだけだったら、そんな大した時間かからないですよね。

○佐藤氏 いや、でも次から次へと鉄骨持ってきて積み込む訳でしょ、例えば建てる場合にはやってかなきゃいけないわけですよね。

○竹内氏 いやいや、それはだから自分の中に仮ヤードつくったりとかすることで、普通やりますよね。

○佐藤氏 できる場合はいいですけど、最後、建て込んでくると、できなくなっちゃうじゃないですか、一番最後には。

○竹内氏 いや、まだ、だから、そういう具体的な話というよりも、まず考え方として、仮囲いの中でできませんかという。

○森山氏 今のお話は仮定の話に対して仮定のお話だと思うんで、実は参考になると思うんですけど、今、築地の入り口にたってる、今問題になってる仮設の駐車場、2階建て、3階建て、これ、たしか、まだ築地の取扱量がピークと言われてるような90年前後ですかね、に、工事してると思うんですね。ですから、そのときの工事に携わった方々から、まだ、そういう建設会社の方がいらっしゃるでしょうから、一度ヒアリングしてみたらどうですか。そのときにどういうふうに工事、進んだのと。仮設の駐車場、かなり規模大きいですけど、といったことも聞く必要あるんじゃないかと思うんですけどね。

○佐藤氏 ちょっとそれについて、前回の築地の再整理のときのことについて、東京都に調査をしていただきました。2010年4月21日の議会答弁の中に、そこに匹敵する部分がございまして、平成22年東京都中央卸売市場、築地市場の移転再整備に関する特別委員会の議事です。
 平成2年に策定された築地市場再整備基本計画におきましては、当初の本格工事である正門仮設駐車場の着手は平成2年5月と予定されておりました。しかし、建設予定の既存施設の移転先や、工事中の車輌動線の確保など、業界調整が難航したことから、建設工事の契約は平成3年1月になりました。さらに、関連する設備工事が契約不調になったため、契約締結が遅れたこと、あるいは鉄骨の需給逼迫による影響から、実際の工事着手は平成3年6月となり、基本計画に比べ、約1年の遅れを生じました。
 これに対して都は、工事の遅れを回復するために、市場外に駐車場として利用できる用地を確保するなど、業界の協力を求めましたが、年末繁忙期の工事中止や交通混雑の解消について、業界との調整に時間を要しまして、正門仮設駐車場は当初の計画から1年5カ月遅れで完成しました。結局、正門仮設駐車場の遅れは、仮設卸売場など、他の施設の建設計画に影響を与えまして、その後、予想外の地中障害、アスベストの処理なども加わりまして、次第に再整備工事全体の工程の遅れは顕著になったものでございますということで。
 この工事をやることについて、相当な軋轢があったということが、この議事からわかるわけですよね。

○竹内氏 なので、それは事前のヒアリングとか調整がうまくいってなかったということと、その時期の混雑が今とは全然違うので、困難をきわめたっていうことだと思うんです。

○佐藤氏 全然違うとは言えないんじゃないですか。だって、どう考えても、あそこの駐車場というか、空き地を荷捌きとして使ってるわけですよ。

○竹内氏 いや、だから荷捌きのところは使わない。もう何か水かけ論っぽいんですけど、すみません。

○小島座長 ちょっと根拠の数字を挙げながら議論していただかないと。いや、そうじゃないですか、そうじゃないですかって、何か証拠のない主張同士のような気がするので、少し議論を整理していただいて、そう思っているのはそれぞれ勝手なんですけど、エビデンスを出して議論していただかないと、思ってる、思ってないの議論になってしまいますから。

○佐藤氏 エビデンスを出してほしいんですけど、エビデンス出すっていうことは、設計をするってことなんですよね、結局は。この荷捌き場でトラックがどういうふうに配置されて、どういうふうに荷捌きするんですか。今なんかも完全に混乱状態の中で何とかやってるわけでしょ。それを大前提として、おっしゃってるわけでしょ、計画を立ててらっしゃる。これが、場所が移動することによって、また大混乱が生じるわけで、それを一体誰がどういうふうにさばいてやるのかっていうような問題もあるわけですよ。

○竹内氏 いや、それはだから工事の事前に協議をしながらすると。
 建物、今あるところを潰しながらやるのではなくて、私の案だと、今あるところを新しい種地として用意して、少なくとも同じ面積以上にして、そちらに移ってやるというのを前提にしているんです。

○佐藤氏 いや、それはいいですよ。私が問題としてるのは、あくまでも荷捌きをしているエリアが今潰されちゃってる方向でしょと。だから、そこが問題なんじゃないかということを言ってる。

○竹内氏 潰してなくやれるっていうのが、私の答えです。

○佐藤氏 いや、潰してますよね。

○森高氏 ちょっとすみません。多分、佐藤さんは結構、現実の工事に向けての、現実的な話されてて、竹内さんは一応アイデアとしては非常に敬意を表しますが、まだアイデアから抜け切れてなくて、だからもう議論が全然かみ合ってなくて、これはもう一度ちゃんと、ここじゃなくて、ここでは時間がかかるので。
 それで私、1点だけ、確認したいのは、もう既にこれ、工期7年で、工事費734億でしたっけ。

○竹内氏 はい。

○森高氏 数字がもう既にメディア通じて、ひとり歩きしてますが、この数字の設定の位置づけっていうのを、ちょっとお考えをお聞かせ願いたいと思うんですね。これは標準的な値なのか、これは多く見積もって、こんな値になってるのか。少なく見積もって、こんな値になってるのか。少なく見積もってたら、こういう課題があると、どんどん増えますよという位置づけなのか。そのあたりを教えていただきたい。

○竹内氏 類似施設とかを見て、ある程度余裕を持った数字として、坪120万円という数字を使ってます。

○森高氏 ある程度余裕を持ってるとおっしゃってますけど、それでいいんですね。

○竹内氏 はい。

○小島座長 よろしいですか。ちょっと議論を整理していただきたいと思ったのは、先ほどちょっとマンションのとき言いましたけど、工事実施段階で騒音があるとか、トラックが来るとかというのは施工管理の問題で、住民説明会にもいらっしゃいますよ、大抵ね、それは現場をよく知った人が、粉じんが飛ばないようにやりますとか、あるいは通学、通勤のときには工事車輌は入れないようにやりますとか、大体どこの工事もそうされるじゃないですか。だから、それはね、つまり、何というか、段階を分けて議論をしていただきたいっていうことなんです。いわゆる工事実施のときにどうするかって話と、設計の中でこなしていく話と、それから先ほど私も言いましたが、住民の、住民じゃないや、業者の合意がなければ、これはできない。
 ずっと、さっきおっしゃってるのは、業者の合意がなければどうなるかっていう話はずっとされました。だから、これは7年とかも含めて、業者の合意があり、先ほど言いましたようにちゃんと会社組織のように、ここをあけて、動いていくということの前提で話をしているので、だから業者が嫌だよと言えばできないんです、最初から、それは。だから、そこの要素の話と技術の話は分けて考えていただかないといけなくて、業者の合意がないままに進めれば、動かしながら業者の合意をやれば、それは時間がかかるでしょう。それが前の失敗の教訓なわけですよ。だから、さっきの教訓は、前の失敗の話をされた。

○佐藤氏 そんなことないですよ。だって、前回の移転、現在地再生でも、業者の方々はやりましょうって、全員合意で始めたことじゃないですか。だけど、いろんな問題が途中で生じてきて、結果的にはポシャっちゃったわけですよね。当初は皆さん、合意してたんですよ。

○森高氏 それもありますし、今一応7年でできるって、そういう工程ありますよね。それでも今、やっぱり既存の建物の調査を始めないとだめだし、法的なやっぱり調整もしないとだめだっていうことで、前段階の時間って結構かかると思うんですね。
 それで、ちょっとあれ、小さくてわからないんですが、あの工程を事細かに見ていくと、工事を何期かに分けてて、そのたびに設計して施工してっていったら、東京都ですから発注方式はプロポーザルか入札になるわけですよね。それだって結構時間かかりますが、その時間がね、入ってなくて、不調になれば、あとはどんどん長くなっていきます。私、多分7年でできなくて、これ10年以上、絶対かかると思いますが、まあ絶対とは言いませんが、10年以上かかるローリング案で、10年って一言で言いますが、これって本当に業者の人、待ってられますか。その間ずっと窮屈な形で商売しないとだめだし、その間に時代も変わるし、環境も変わるし、世代も変わるかもしれませんから、例えば5年たったとき、世代が変わったときに、もう勘弁してくれっていう意見だって出るかもしれない。だから10年、本当に我慢できますかって話です。ということも、やっぱり確認しておかないとだめだと思いますね。

○竹内氏 もちろんそれもそうです。業者さんがまとまって、やるよ、我慢してね、その上で、それでもここにいますかという話をした上での話というふうに。いろいろ指摘をいただいてますけど、それは全くそのとおりだと思います。

○小島座長 業者の合意というのがあっても意味がないというお話だと、前回もそうですけど、これはやっぱりできないですよ。今そういうお話でしょう。最初があっても。

○佐藤氏 いや、意味がないじゃなくて、最初は皆さん合意するかもしれませんけど、こういう7年なり10年なりという状況がずっと続いて不便になると、結局は皆さん、もう疲れちゃってやめてくれという話。それは、だって前回の本体の工事に入る前に起こったことですよ。本体が、幾ら大きいものをつくるから今と状況が違うということじゃなくて。準備工事をしてる段階で、既にそういうクレームが出て、だめになっちゃったっていう歴史があります。

○竹内氏 前回はきちっとした種地を確保しながらやってるようには見えないですよ。まず仮設をつくって移れってやってるから、破綻するんです。

○佐藤氏 いや、でもね、わかりました、いいです。
 でも、ようは私が一番申し上げたいのは、物流の要であるところを一番最初にいじるっていうことは、やはり大問題ですというのは私の一番のポイントです。

○森山氏 今、佐藤先生御指摘の茶屋をいっぺんに移ると危険じゃないかってお話は、僕、築地、つぶさに見てますけど、それは確かに。いきなり手をつけるのは危険ですから、やはりヒアリング等もしながら、茶屋も4ブロックぐらいに分けて、恐らくかなり丁寧な工事計画が必要になるだろうとは思います。佐藤先生、森高先生もそうだと思うんですけど、できないってお話をしてるんじゃなくて、こういうことをクリアしないといけないよと。逆に言うと、それだけ今リスクを見ておいたほうがいいよっていうことだと思うんですね。
そのリスクをもう少しきちんと精査するためにも、築地の現状調査、詳細な。これ、逆に、ある程度の時間と費用をとっていただいて、やってみるしかないと思いますけどね。その上で判断しないと、やっぱり全て机上に、やっぱりなってしまうと思います。

○小島座長 よろしいですか。

○竹内氏 もう一言だけいいですか。

○小島座長 はい、どうぞ。

○竹内氏 すみません。非常に築地に残ることに僕はこだわっているように見えますが、僕の考え方はそうです。PT全体としてどうかというのは、両論併記だよというところはそうですが、やはり築地が持っているいろんな文化とか、職人さんと消費者の関係とか、それの銀座とのすぐの距離とかっていうようなことは、できるだけ僕は守ったほうがいいと思っていて、そのために残りたいという人がいて、その人がまとまってくれたらできるっていう、幾つか段階を経ている話なので、すぐにこれをやりましょうという話ではなくて、合意形成のための一つの案として考えていただきたい。

○森高氏 すみません。現実的な話を言わせていただくと、僕も築地っていうのは非常に歴史があって、魅力的なところだと思いますが、ただ、今、耐震性の低い建物が存在しながら仕事やられているわけですよね。僕の立場は、構造設計者の集まりの代表ですが、建物の安全安心をいかに確保するかという立場で活動してまして、今、築地の現状を見てると、いつ来るかもしれない首都直下地震が来たときには相当大きな被害が出るかもしれない、そういう危険な状態で仕事を続けられている、まあ納得されてるとは思いますが、これをじゃあ7年も10年もそのままにしていいのっていう話です。
 すごく僕が懸念してるのは、今、築地の市場に不特定多数の見学者が立ち入ってるわけですよね。僕、これはぜひね、もう立入禁止にすべきだと思います。これは東京都の方にお願いしたいと思いますが。

○竹内氏 そういう懸念も含めての話です。やっぱりそこは全然無視するつもりは全然なくて、そのために、まず森山さんが調査って言ってますけど、そういうことも含めてやらなきゃいけないと思うんですけど、今ここで選択肢をなくすっていう、もう無理だよっていうふうに言い切るのは、そういう意味では時期が違っている、状況が変わっているっていう状況の中で、意味があること、選択肢を残すことが必要かなというふうに思います。
 以上です。

○井上氏 ちょっと別の観点から。
 今、建物の改修に伴うリスクとかの議論がされたと思うんですが、もう一つ、やっぱり築地でリスクとして考えないといけないのは土壌汚染そのものの問題だと思います。これは実際、土壌汚染があるかないかっていうのはまだ予断をもってっていう時期ではなくて、まず調査をするべきであろうと。少なくとも今ある事実としては、地歴調査の結果、有害物質を使った疑いの可能性の高い建物が幾つか、過去、その場にあったという事実はありますから、やっぱり多くの方は不安に思われると思いますので、その調査はすべき。
 ところが、やっぱり築地は既に建物が建っていて、そこの恐らく表層だけの法律で定められている最低限の調査では多分、済まないのではないかと。具体的に言うとボーリングするような調査が伴うだろうと。そうすると、やはり、今、操業しながら、そういったボーリング調査を行うとなると、やっぱりそれなりの時間も見なくてはいけない。その結果を見て、その次にどうするかっていう判断、これはその結果を見てすることだと思いますので、あまり今どうこうっていうことを言う必要はないと思いますけど、やっぱりそこも半年から1年はかかると思いますし、ただ、これは早急に着手していかないと、どんどんそれを後ろにやってしまうと、その結果を見ての判断も後ろになってしまうということがあると思うので、そこはぜひ東京都として検討すべきことであろうなというふうに思います。

○菊森氏 非常に、築地市場の改修工事について検討していくことは、私は非常に意味のあることだと思います。これができる、できないっていうことも含めて、PTできちんと検討していく必要があると思うんですね。というのは、やはり耐用年数に見合った手当をどんどん行っていく必要があるということで、そういう意味では全国の市場とか、今まさに問題になっている更新時期に差しかかる、さまざまな公共施設がございますので、それの改修工事とか建てかえとか、あるいは設備更新といったものを考える上で、大きな参考となる事例ではないかと私は思います。そういう意味では、全国の自治体に、まさにアセットマネジメントを考えてもらうっていう点からも、築地の改修について、この場で検討していくってことは、私は非常に重要だと、今後の役に立つ可能性があると思っております。
 以上です。

○小島座長 今日はちょっと御意見をいろいろお聞きしていて、仮設を含めた建築物の状態っていうのは、森山さんもおっしゃったんですけど、一体、建物が幾つあって、いつできて、どういうふうに管理されているかっていう悉皆的な話をまだ聞いていないんですよね。それから、先ほどの、なぜ違法建築が放置されているのかっていう公式な見解というのも聞いていないです。だから、公式な見解っていうのは議会答弁とか何かもあるんですが、要するに幾つあって、なぜそうだったのか、本当に調査が行き届いて、わかっていることはわかっているし、わかっていないことはわかっていないですね。だから、そういう意味では、違法建築物、仮設の話もそうですが、一体、幾つ建物があって、どういう状態にあるのかっていうのは早急にいただきたいと思いますよね。やっぱりそれが多分、必要なんでしょう。
 それから、土壌汚染の調査はこれからあると思いますが、今日は省きましたが、いわゆる土壌汚染があった場合どこまでやるかって話は、アプリオリに決まっているわけではなくて、法律の話をすれば、あるいは条例の話をすれば、大したことはないとは言いませんが、豊洲のようにやることはないっていう話になってしまいます。当初から法律、条例の範囲で安全で大丈夫ということであれば、もともと860億は使う必要がなかったっていうのはもうわかってる話で、なぜ860億も使ったかっていうのは、無害化された安心安全な状態で開場するという、その前提のために、それを実現するためにお金を使ってきた。今さらといいますか、そうじゃなくてもいいんだってことになれば、860億を返してくれって話になっちゃうっていう気がするんですが。
 それと、豊洲のレベルが全国の市場のレベルなのかというのは、ちょっといろいろ御議論いただいているんですが、豊洲の土壌汚染レベル、対策レベル、これをやるとほぼ、全国の市場で汚染土壌が発見されたときにはすぐ閉鎖ということになる、でもそれでいいのかねというのもよく考えなきゃいけないし、それが別に法律や条例に書かれていないにもかかわらず、そういうことで各自治体に対策を要求していくことがいいのかっていうのも一つの議論の対象になっている。それが豊洲と築地の土壌汚染対策をどういうふうに考えるかというテーマではあるということです。これは多分、第2次なるのかと思いますが。いわゆる法令上の問題、あるいは対策上の問題というのは、あるということは、課題の提起としてはさせていただいている。
 いずれにしても、エビデンスなりデータを見ながら判断していかないといけないので、まだいろんな調査事項、もらっていないので、次、これがたたき台の素案なので、必要なデータをもらいながら、あるいは対応のやつも修正しながら、エビデンスを出しながら豊富化していけばいいかと。あと1カ月ということでありますが、その間に集中的に作業して、修正していきたいというふうに思います。
 今日は予定どおり白熱した議論になりましたが、時間が来ておりますので、次回、5月の下旬になると思いますが、それまでにまた皆さんにはいろいろと作業の御協力をお願いしたいと思います。
 それから、今日の議論でわかったのは、まだまだ市場当局にデータを求めなければいけないという部分がありますので、それも出していただいて、データを求めるということにしたいと思います。
 今日はどうもありがとうございました。
 事務局のほうから。

○事務局 座長、ありがとうございました。
 本日の議題は以上となります。限られた時間ではありましたが、第1次報告書素案について検討することができました。
 最後に事務局より、事務的な連絡をさせていただきます。
 本日の会議の議事録ですが、準備が整い次第、都庁のホームページに掲載いたしますので、あらかじめ御了承ください。
 以上をもちまして、第8回市場問題プロジェクトチーム会議を閉会いたします。
 どうもありがとうございました。

16時07分閉会

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