第6回市場問題プロジェクトチーム議事録

平成29年2月23日(木曜)
都庁第一本庁舎7階大会議室

15時00分開会


 1.開会
○事務局 ただいまより第6回市場問題プロジェクトチーム会議を開催いたします。
 本日の会議の進行を務めさせていただきます、市場問題プロジェクトチーム事務局の池上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は多くのプレスの方々にいらしていただいておりますが、本日の会議の様子は最初から最後まで公開しますとともに、あわせてインターネット中継を行っております。
 続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。机上に置かせていただいておりますが、順に、会議次第、出席者名簿、配席図、会議資料3点。資料1「第6回市場問題プロジェクトチーム」、資料2「築地市場の補修について」、及び資料3「市場会計と減価償却費の扱い、豊洲市場の経営リスクについて」でございます。何か不足等ございましたら、事務局までお声がけください。

 2.あいさつ
○事務局 議題に入ります前に、プロジェクトチームのメンバーを御紹介いたします。順に御紹介いたしますので、その場で御起立の上、一礼のほどお願いいたします。
 まず、座長の小島敏郎専門委員でございます。

○小島座長 小島でございます。

○事務局 続きまして、井上千弘専門委員でございます。

○井上委員 井上です。

○事務局 時松孝次専門委員でございます。

○時松委員 よろしくお願いします。

○事務局 佐藤尚巳専門委員でございます。

○佐藤委員 佐藤でございます。

○事務局 竹内昌義専門委員でございます。

○竹内委員 よろしくお願いいたします。

○事務局 森山高至専門委員でございます。

○森山委員 よろしくお願いします。

○事務局 森高英夫専門委員でございます。

○森高委員 森高でございます。よろしくお願いします。

○事務局 菊森淳文専門委員でございます。

○菊森委員 菊森です。よろしくお願いします。

○事務局 梶田晋吾専門委員でございます。

○梶田委員 梶田です。よろしくお願いします。

○事務局 皆様、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議題に入ってまいりますが、以降の進行は小島座長にお願いいたします。
 小島座長、よろしくお願いいたします。

 3.議題
 (1)築地市場の補修について
 (2)その他
○小島座長 それでは、第6回の市場問題プロジェクトチームを開始いたします。
 まず、私のほうからプレゼンテーション、本日の議題についてお話をしたいと思います。
(資料1 2ページ)
 前回、第5回のPTで、本日、築地市場の補修の問題、築地市場の家主さんは東京都でございますので、東京都の家主としての責任はどんなものがあるのかということでございます。検討事項として、屋根だとか排水溝だとか、海水ろ過装置だとか、路面だとか、電気配線、トイレ、マンションの管理会社の責任というようなものと同じですね。で、大きなものとしては耐震工事の検討というものがあります。建物の大規模改修というようなものですね。で、これが今回です。第7回、3月でございますけれども、豊洲市場の地震からの問題の液状化です。これで一応用意していたテーマが一巡をするということでございますので、この段階で一通りの整理をしようかなというふうに思っております。
(資料1 3ページ)
 本日の補修の議論をする前に、築地では、築地再整備ということで計画をされておりました。これが頓挫をして豊洲に移転しようと、こういうことになったわけでございます。それでは、なぜ、その築地再整備は「頓挫」をしたのかということから見ていきたいと思います。
(資料1 4ページ)
 かつての築地再整備です。1990年、平成2年のパンフレットを見ますと、とてもすごい絵になっています。今の歌舞伎座のようなビルがここに建っておりますけれども、こういう、いわゆる再開発、築地の再開発のような構図を、絵をつくっておりました。ここにもビルが並んでおりますけれども、これがかつての築地再整備計画でございます。費用は見直しをして3,400億円、工期は20年以上と、このときは、これを見ると環状2号線の橋もございませんので、余り考えられていなかったのかなというふうに思います。
(資料1 5ページ)
 これが頓挫をするわけですけれども、取りかかった中で中止ということでございますので、そのときに使ったのが約400億円というふうに言われております。これがその内訳でございますが、調査・設計費用、約40億円、39億円ぐらいかかっています。1割ぐらいがそうなんですけれども、400億に40億弱というのは多いんじゃないかと、こう思っておりますが、多分これは全体の設計をして、いわゆる3,400億の設計をして、それが途中で頓挫をしたということですから、400億分の40億ではなくて、全体のこれまでの調査費、設計費だったのではないかというふうに思っています。これは後で御説明があるかと思います。
(資料1 6ページ)
 築地再整備がなぜできなかったのかということで、疑問解消BOOKがありますが、それによりますと、工事期間が長いと費用がどんどんかかっていく、それから、営業をしながら再整備をするということで、営業活動に深刻な影響があると。で、完成しても基幹市場としての機能配備が不十分だと、こういうことで、再整備ができなかったと、こういうことでございます。
(資料1 7ページ)
 これも疑問解消BOOKですけれども、これを要約しますと、工事の技術的な問題としては種地が確保できない、それから時間と費用がかかる、業界調整が難航する。やってみて、やっぱり営業が円滑にできないんだということで業界の方も苦情を言い出すと、こういうことで、この三つに集約をされるのかなというふうに思います。
(資料1 8ページ)
 豊洲に移転をするということの一番大きな条件は40haでございます。議会のいろいろな議事録を見ていても、この豊洲以外にも候補地を考えたということがございますが、その豊洲に決まる、豊洲だということの一番大きな決め手は40haということであります。では、40haというのは、誰が、どういうふうに決めたのか、なぜそうなのかというところが問題になります。疑問解消BOOKでは、40haの根拠がそれぞれ書かれております。卸売・仲卸で30ha、千客万来で3ha、潤い施設で4ha、あるいは駐車場などで3haなどなど、こういうふうに分類がされております。これが計算上の40haの根拠というふうになっております。
(資料1 9ページ)
 ということを総括していきますと、再整備ができない理由は、種地が確保できない、時間と費用がかかる、業界調整が難航と。それで400億円を使ったんですけれども、400億といえば、東京都では、あ、400億かということになるかもしれませんが、他の地方自治体で400億だと、もう立派なものができてしまうぐらいの額です。では、その400億というのは再整備の条件が整わないまま事業を始めてしまったのかという疑問が出てきます。したがって、これらの問題は取りかかってみて初めてわかったというには余りにも問題があるのではないかと、再整備に取りかかる設計段階で、なぜこういうことがわからなかったのかというのは素朴な疑問でございます。
 それから、築地再整備より移転整備のほうがいいんだということで、この40ha、先ほど申しました、これが決め手になっているわけですが、40ha要件はなぜ不可欠だったのか、誰が設計したのかと、そして現在、今、豊洲は建物等が完成をしているわけですけれども、この当時考えられていた40haの割付けと、現在の豊洲市場はどういうふうになっているのかということで、40haの妥当性の検証ができるのではないかというので、これが質問でございます。
(資料1 10ページ)
 次に経営合理性の問題です。豊洲市場のPFI、民間活力の導入の一つの方法ですけれども、このPFIは、なぜ放棄されたのかという課題です。
(資料1 11ページ)
 豊洲新市場を整備するときに民間の活力、民間の知恵も導入しようと、いろいろ方法があるわけですが、このときにはPFIの手法を使ってやろうということで計画をされました。これが平成18年の12月、実施方針ですね。これをやっていれば民間の考えが導入されていたはずなんですが、これは実行されませんでした。
(資料1 12ページ)
 ということで、PFIで豊洲市場をつくろうとした理由は何だろうか。あるいは、断念した理由は何なんだろうかと。そういう民間の知恵を導入するということを断念した時点で公費ということになりますので、市場の整備費用をそのときにどう考えていたのかと、その費用が市場会計に及ぼす影響について、どう考えていたのか。つまり、民間的な考え方だと、投資効果を考えて投資の費用を抑えていくということが当然入るわけですが、これが税金ということになると青天井になっていくんじゃないのかということから、断念したということが経費の膨張ということにつながっていったのではないかという疑問でございます。
(資料1 13ページ)
 それでは、この間、築地の補修はどうしてきたのか、今日の本題でございます。
(資料1 14ページ)
 さて、築地の豊洲移転というのが具体的に始まった時点、石原慎太郎元都知事が築地を視察したのが平成11年9月1日です。このときに有名な「古い、狭い、危ない」という発言があって、ここから動き出すわけですけれども、こう「古い、狭い、危ない」と言われてから今日まで、もう18年たっています。それでは、この18年間、一体築地は、この「古い、狭い、危ない」という中でどうやってきたのかということでございます。もちろん、この18年間も築地は、国内最大の水産物市場として機能し続けておりますし、築地ブランドは国の内外にもう定着をしているという実績を残しています。このような議論がありながらも、ブランドが国の内外に定着しているというのは、ひとえに長年にわたる築地の業者が築いてきた実績によるというものでございます。
 翻って、家主としての東京都でございますけれども、築地市場が稼働している限り、業者が働きやすい環境を整備して、この業者が一生懸命つくり上げてきた築地ブランドを維持するということは、市場を管理する東京都の役割でございます。したがって、今日議論する補修を行う場合も、この日々動いている市場、市場を考えますと、営業しながらの補修ということになりますので、業界の意向と、打ち合わせというのが非常に重要になってくるということでございます。そこで、この18年間、一体築地の補修について何をやってきたのかということが今回の課題でございます。
(資料1 15ページ)
 適正管理の責任、確かに古いのはよくないです。狭いのも問題です。危ないのも問題です。ということで、そう言われたら、一体マンションが古いよ、あるいは狭いよ、汚いよと言われたらマンションの管理会社はどうするかということで、古いんだったら、ある段階で補修して直す、あるいは塗装をきれいにするとかいうようなことをやりますし、狭いという問題は、実は前回もありましたが、2004年、豊洲の目標をつくったときから今は約70%、取扱量ですね。ということですから、整理整頓すれば限られたスペースを有効に利用できるということに普通は考えられる、どうなっているんでしょうか。それから、危ないということは、ソフトの対策とハードの対策があります。築地市場は観光客も入って非常ににぎわっておりますけれども、やはり観光客と市場の活動の動線の分離だとか、築地市場の中の場内動線の整備だとか、こういうソフトの対策で危険を回避することができるということもあります。それから、地震の関係で耐震の工事、あるいはアスベストの対策、これまでいろいろやられておりますので、市場の御説明を伺いたいということでございます。
(資料1 16ページ)
 具体的に挙げていきますと、「古い」というケースで、家庭でもそうですが、一番気になるのが水周りですね、雨が漏るとか水周りが問題だというとなかなか大変なので、雨水、それから水周りの対策はどうだと。最近は気候が変わってきておりますので、局地的に大雨が降ります。ここでは、都庁で、新宿では晴れていても新橋では大雨が降っているとか、そういう気候になってきております。そして、その関係上、通常の雨降りという今までのデータが、これからは余り使えないという時代に入っていきますので、局地的な集中豪雨というのがどういうふうに起こっていて、どう対策を今講じているのかというようなことも考えなければいけない。ただ、トイレ・手洗い所はどうなっているのか、ここら辺が水周りの問題ですね。それから床面ですね、トラックがたくさん通ると道路が傷みます。そういう道路の舗装はどうなっているのか。あるいは、皆さんも歩いたことがあると思いますが、市場内のあちこちで凸凹ができていると、その舗装はどうなっているのか。建物、壁を塗りかえるというような、ちゃんときれいにするというようなものも建物を長持ちさせる方法ですけれども、それはどういうふうになっているんでしょうかという、各家庭が考えるような家の対策ですね。
(資料1 17ページ)
 「狭い」・「危ない」ですけれども、取扱量が減っていると、家でいくと4人家族だったのが3人家族になり、夫婦二人の家になると、当然家が広くなってくるわけですね。家自体は同じでも、そこで生活している人数が減れば家は広くなるわけですから、そういう意味では、取扱量が減少してきたということで、場内スペースを効率的に使えるようになっているのではないかと、ここはどうなんでしょうか。それから、先ほど申し上げました場内動線の安全の確保、それから、今よく指摘されている道路での荷捌きをしている、これはいけないよと、こう言われているんですが、これとこれは関連をしている。子供がいるときには庭にプレハブをつくっていたかもしれませんが、いなくなればプレハブは要らなくなって、夫婦二人で家の中で暮らせると、こういうようなことですね。
(資料1 18ページ)
 「危ない」の現状と対策を説明してくださいということで、電気配線ですね、漏電の危険があるから、しっかり配線には気をつけましょうと、これはテレビのCMでもずっとやっていることですから、電気配線をちゃんとチェックをして、漏電による火災というものは気をつけなきゃいけない。それからアスベスト、これはかなりやっておられると思いますので、御説明をいただきたいと思います。問題は、大きな工事になる耐震の工事ですね。これも放置しているわけではなくて、できるところはやっているということで、これまで実施した耐震工事の状況、で、そのときにどうやって工事をしたのか。しかし、まだ耐震工事が残っている建物はどれだけあって、なぜ、それはこのときに一緒にできなかったのか、今後どういうような方法があり得るのかと、こういうことでございます。
 今日のテーマを目次的に御説明すると以上のような問題でございます。
 それでは、説明を終わりまして、次に、市場のほうから御説明をお願いします。

○施設課長 中央市場事業部施設課の施設課長、名取と申します。よろしくお願いします。
 では、資料に従いまして説明をさせていただきたいと思います。築地市場の補修についてですけれども、1枚お願いします。
(資料2 2ページ)
 築地市場、皆さん御存じかと思いますけれども、昭和10年2月、約82年たっていますが、この時代に開設しております。敷地面積としては23haございます。東京都の中央卸売市場では一番古い水産物・青果物の総合の市場でございまして、供給圏は関東近県までに至ります。水産物では世界最大級の取扱量となっておりまして、日本の建値市場としての役割を持っております。日経新聞等にも値段が載っているかと思います。施設の概要ですが、老朽化は当然、古いですから著しいんですが、日々補修させていただきまして、機能の維持、安全確保を精いっぱい今努力しておる次第でございます。また、生鮮食品を扱う上で欠かせない衛生環境の保持にも日々取り組んでおります。この風景が、これがよくテレビとかに出る正面ですね、よくここでいろいろ取材等される正面のところです。地下鉄の出入り口はこの横にございます。これが、ちょっと、高い建物の上から見たところでして、この白いのが発泡スチロールが一時集中する場所ですね。全体の上から見た風景になります。
(資料2 3ページ)
 次、お願いします。飛びまして、補修を日々どういう体制でやっているかという簡単な絵でして、補修をするのは職員がいますので、常時築地市場におりますので、定期的に巡回を日頃しております。また、使っていただいている事業者さんからもお電話をいただきまして、それらを踏まえて、補修する箇所、こういうところ不具合があるよという連絡がありましたら、基本、一義的には職員により対応していく、路面の陥没、小規模な陥没、雨漏りなど、こういうものを把握しまして、とりあえず応急で補修できるものはすると。それで、一時的な対応で済まないものは工事を発注する場合、もしくは、もうすぐに、ちょっと表現があれなんですけれども、上手ではないんですけれども、もう手に負えない場合は、もう発注をする、緊急で工事を出すといった対応をして、工事、最終的に出す。日ごろ応急処置をしたものは、たまってたまって、最終的にきれいに、外注をしましてやる場合がございます。
(資料2 4ページ)
 で、それは具体的にどれぐらいの量があるかという形で少しまとめました。どうしても近年、路面補修関係、あと、小さなちょこちょこした不具合がございますので、左側の図面が、直営と書いていますが、職員による直営の補修の件数を、左肩、件数でございますけれども、23年度から27年度まで、件数で、色については、内容の種類によって舗装は黄色です。ポンプ類とか水周りの便所類、機械類と色で分けていますけれども、日々増えているのかなと。件数としては年間で一昨年、27年度で1,700件程度ございます。で、それを外注で工事しましたと、そういったときの補修費ですね、大きな工事ではなくて、日々の補修で、外注した舗装工事代なり、サッシ関係を直したりといった関係の累計の金額でございます。これも23年度から27年度まで並べております。23年度ぐらいは、年間で足し算して3億程度だったんですね、3億。最終年度、昨年度ですと1億5,000万円ぐらいを使っております。
(資料2 5ページ)
 直営、職員による直営でどういった工事をしましたかという形で、代表的なものを挙げさせていただいています。これは路面の陥没箇所を埋めた後ですね、モルタルで、一部、穴の開いたところを応急処置しております。また、右側の上は亀裂、亀裂があったところを埋めている、目地を埋めている状態。次に、トイレの自動水洗ですね、こういったものが壊れた場合は、予備のものでとりあえず替える。マンホールの蓋ですけれども、これも重量ある車がよく通りますので、これをストックがあるものなどで、事前に用意したもの等で、これ、よく見てもらうときれいな丸じゃないですね。手でつくったという、いかにもお手製のところが少し見受けられると思いますけれども、こういったものを自前でつくったものでとりあえず直しておく。
(資料2 6ページ)
 雨漏り対策として、もともと、ちょっとこう、アップにしていますけれども、波板があって、もうこれ、雨漏りした場合、これをいじるのではなくて、その上に、屋根の上に屋根ですけれども、屋根をかけてこの場をしのぐと。ここの下の図ですと、すき間が、開放性がある部分ですけれども、ここに吹きつけないために縦に波板を入れたと、こういった対策をしましたと。
(資料2 7ページ)
 また、他の雨漏り、建物の中ですけれども、これ、事務所とかにあるアールの、梁の横なんですけれども、光っていますが、天井が抜けているわけでなくて、雨漏りした受けで、ステンレスです、ステンレスで光って見えていますけれども、ステンレスで要は受けをした、受けに対してといを入れたと、応急措置ですね、一種の。で、右側も、よく見ていただくと、波板が、庇が、雨漏りのところに庇やって、庇からまた雨漏り、雨漏りというか水が流れますんで、といで受けていると。家の中に、室内にこういった、室内といいますか、建物の中でこういう対応をしていると。左下は、スロープのところですべりどめで、輪っかの状態でよく見られると思いますけれども、そこから下の部分に水が漏れているということで、注入して、下に漏れを防いだと、水が漏れていたんですね。あとは、よく基礎があって、壁があったら、このすき間のところにコーキング、住宅でもマンションでもあると思いますけれども、そういうところの補修をしたと。
(資料2 8ページ)
 で、雨が降ったときの、もうこれは28年度の日付。どれぐらいの時間、最大降雨量ですか、この日にどれぐらい降ったかと、不具合があって雨漏りしたという、そういった件数の比較表、比較を並べてみました。ここ0.0とありますけれども、ちょっと備考欄に書かせていただきましたけれども、気象庁の、これホームページからとっておりまして、測定地点自体は、これ北の丸の部分の雨の量でございます。東京は4カ所ぐらいあって、もう一つは大田区の方、羽田かな、そちらにもあるんですけれども、とりあえずここは、一応、北の丸の数字を持ってきました。その0.0という表記は、降らない、降水量なし、または降水量0.5未満は、もう0と書くという一つの決まりがあるみたいで、その表記になっていますが、4月で少ないけれども通報が1件、2件あった。これは、一つは北の丸とこの築地の場所の違いもあるでしょうし、0.0というのは少し降っている場合があります。そういった点で少しはある。ずっといきますと、8月に47mm、これで4件、雨漏り関係の不都合があったと。あと9月、秋ですね、18mm、ここはそれほどないですけれども、クレームが少ない雨でも少しある、こういった状況でございまして。
(資料2 9ページ)
 過去の22年からのデータと、その実態の比較、比較といいますか、一番ひどい状態の時のものを少し挙げさせていただきましたけれども、これ、22年のときに30.0mm、同じ地点の数字でございます。23年の55.0mm、8月ですね、これが少し多いかなと。あと、近年ですと28年8月です、47.5mm、25年にも49.5mmありますけれども、下に被害の写真の例があったのは、23年の8月26日、こちらですね、55.0mmがあったと。このときにどういう状態になったかというと、少し水の方を撮っていますけれども、水に、一時的に吸収できなかった、排水し切れなかった場合。右側のやつが、少し撮るのが難しくて光っていますけれども、これは、要はスロープが、ちょっとイメージですみませんが、スロープがあって、その横の建物からこぼれているというイメージですね、雨が少し、よく見てみると雨が横から降り注ぐ、雨があふれている、そういう写真でございまして、少し写真が、いい写真でなくてすみませんけれども、あふれている、雨漏りというよりもあふれているというイメージですね。そういった状況が、これぐらい降ればなったという実例でございます。
(資料2 10ページ)
 話は変わりまして、トイレの状況はどういうふうな対応して、対応といいますか、日々……。

○小島座長 少しスピードアップして。

○施設課長 アップしましょうか、はい。
 トイレ、全体で200カ所以上はございます。そのトイレについては、清掃委託をしていまして、定期的に対策して、あと、また排水関係は、廃棄物を除去しておりますけれども、そのトイレに、もう一つ、衛生面では、トイレの入り口に薬剤を入れた足洗い器、洗いの槽ですね、これは写真がありますが、足を洗って、長靴を洗って、ここに次亜塩素酸等を入れて、ここで殺菌槽を置いて、ここで洗って入って、出るという対策。また、排水溝は、ここバキュームで、たまった、堆積したものを撤去、撤去というかバキュームで除去していると、そういった状況で対策をしております。
(資料2 11ページ)
 これも路面の補修の、先ほど、職員、直営対応したこういうところを職員でやって、乾かして対応していると。
(資料2 12ページ)
 次へ行きまして、路面補修だけ、これ、築地の23haの敷地でございまして、そこの部分のそれぞれのポイントで例を挙げています。直接直した例を挙げて、直した場所でございます。27年度で約600カ所あるのかなと。
(資料2 13ページ)
 これを発注して、外注して、業者さんにやっていただいた部分の27年度の契約の部分を図面に落とした形ですね。
(資料2 14ページ)
 場内いろいろ、これ写真で上から、築地市場の上の方から見た、配置があるんですけれども、先ほど発泡スチロールがあったところですね、そういったところに渋滞、渋滞といいますか混雑するところがありますので、そこにつきましては、十分に荷さばきスペースが確保できない中で車両が輻輳しております。場内は混雑・動線が錯綜している部分がどうしても出てきます。そういう中で観光客の方々がいろいろ中に来られる場合がありますので、今現在は、立入の時間は10時以降としていますよと。一般の寿司屋さんとかそういったところに多く来られるのは、ここに書いていますけれども、関連事業者と、要は魚がし横丁と言っているところですけれども、そういったところも看板を設置しまして、誘導して、あっちやこっちへ行かないようにという形で、具体的には、先ほどの水産仲卸売場の方には、こっちは10時からにしてくださいよという意味で、真っすぐはだめよと。で、今の寿司屋さん等がある魚がし横丁のほうは、こっちですよという案内を、ちょっと暗いですけれども、そちらに張って誘導を促していると。
(資料2 15ページ)
 また、場内の整理ですけれども、築地市場協会さんの方の交通委員会さんの方でお願いしまして、いろいろルールを徹底してもらって、それを周知していただいている。あと、東京都の巡視職員または警備員、ここにも警備員が映っているかと思いますけれども、そういうところで場内整理に寄与していただいている状況です。場内通路で荷さばきの状況とその対策ですけれども、場内動線を著しく阻害するような荷さばきをされている場合は、個別に対応して、移動してもらうように、市場協会を通じて業界団体と協力して、いろいろ対策を日々取り組んでもらうようにするとともには、築地市場のほうでも、そういうのに日々対応しているといった状態でございます。
(資料2 16ページ)
 漏電事故といいますか、維持管理していく中で漏電事故、これ大事ですので、こういった電気の受電のところですね、そういったところの設備、電気設備関係は定期的に、常識ですけれども適切に対応して点検をしております。また、こういうところに漏電ブレーカーがあるんですけれども、古いものはどうしても定期的に替えなきゃいけませんので、そういうのについても適切に交換していっていると、そういった対策。
(資料2 17ページ)
 また、一番この築地市場でも悩んでいるのはネズミ対策で、どうしてもこういうところの分電盤等が暖かいのか入ってくるので、そこには、それぞれケーブルの横に穴埋めをして、ネズミ捕り用のシートですか、そういったものを貼って、ここからネズミが入らないように、入ってもすぐ捕まるように対策をしています。また、電気関係のところに雨漏りしないように、先ほどと同じような受けですね、そういったものを対策して、漏電しないように、ショートしないように対策をしています。また、各事業者さんがいろいろコンセントを使っているところ、ここで事故が起きる場合がどうしても怖いので、これについては注意喚起のビラを、配布チラシがありますけれども、こういったもので日々啓発をしております。
(資料2 18ページ)
 次のページへ行きまして、今回、移転でなしに、まだ引き続き11月7日以降も使うということになったので、臨時に、目視ですけれども、一斉に築地の状態をもう一回確認しておこうということで、11月に2日間かけまして、外観ですけれども、構造上、設備上の状態について、最低限の安全と業務上の支障がないかということで点検しまして、それぞれピックアップしまして、すぐ直さなきゃいけないもの、引き続きお金をかけてでも直さなきゃいけないものをピックアップしまして、引き続き、計画的に直していこうという中で、既に直したもの、こういうところに少し挙げています。オーバースライドドアですね、そういったものとか柱のコーナーガード、これ、腐っていて、ひっかかって怪我をするといったもの。あと、給水ポンプの、これ予備なんですけど、予備を直しておかないと、いざといったときに動かないので、そういったものを直す。でも1,000万円ぐらい使ったんですけれども、年度内にも引き続き直していくもの。あと、来年度以降に計画的に直していかないといけないもの、こういったものにろ過設備もありますし、そういったものも、引き続き計画的に直していかなきゃいけないものを、事前にちゃんと計画して直していくと。来年度も先ほど値段が、補修費で3億程度を昔使っていたといいますけれども、その程度は必要になるのではないかということで、今、計画で上げさせていただいています。
(資料2 19ページ)
 先ほどの、今の臨時の点検、どういうところを直したというのは、柱のコーナーガードですけれども、こういったところの少しめくれている、ささくれの大きいやつですね、そういったものは少し対策したとか、あとは、これはろ過室の中も、どうしてもろ過、ここにろ過海水の施設がありますから、その中を補修していったと。部品を直して、これは対応予定、来年度以降ですね、引き続きちゃんと直していくというか、消火設備とかそういったものは順次直していくといった対応をして、その点検に基づいてやっております。
(資料2 20ページ)
 次、耐震化の状況とアスベストの今、どういう状況かというのをお話しさせていただきます。
(資料2 21ページ)
 これ、敷地全体の中で色をつけていますが、これも耐震診断をやった建物としては16棟、全部で挙げております。表のそれぞれの吹き出しに、建設年度と建物面積、診断したIs値、あと、いつ診断したかの年度を入れております。で、それぞれ合計しまして16棟ございます。この中で濃い青は、これはそのときの基準で0.6以上のものについてはこの濃い青ですけれども、これについてはこのまま使っていくということで、それ以外の薄い部分については、何らか対応していかなきゃいけないという形で。
(資料2 22ページ)
 それに対して、ここに書いてあるのは、この5棟については対応して、工事をして0.6を上回ったという形でなり、対応したという形でやったものです。こちらのもの、ブレスを入れていったもの、ここは除却をしたんですね。こちら、補修をして、耐震補強をして対応できた厚生会館です。こちらが水産仲卸のこれが新館というやつですかね、ここについては壁を、両妻に壁を入れて耐震補強が終わったといった対応を行いまして、この5つについては一応0.6を超えましたと。
(資料2 23ページ)
 残り0.6を超えていないもの、これについては、ここに青果、この建物、6棟ございます。こちらから行きまして、これはスリットを入れてあるんですけれども、どうしても中の、事業所の中まで手を入れられなくて、要は事業所に、影響がやっぱり大きいという形で、ここまでしかできなくて、これは0.55まで一旦ですけれども、そういった状態で終わっています。
 こちらの6番と書いていますが、ここについても、ブレスを入れたんですけれども、どうしても卸売場等ありまして、事業に影響がやっぱり大きいという形で、ここまでしかできなかった。で、ここの下の部分の水産物ですけれども、これも壁を入れたんですけれども、どうしても最後、事業の、営業に支障があるという形で、ここでやむなく全部入れ切れなくて0.5で終わりましたと。こちらの水産の卸のところですけれども、ここについては、1階のピロティーみたいになっていまして、ここにどうしても壁が、入れると事業上支障があるという形で、これについては手つかずの状態というか、未実施に終わっております。
 それで、皆さんがよく御存じの水産物部の仲卸の9店舗と、大きい大屋根の部分ですけれども、これにつきましては、ここに書いていますように平成21年と23年度にこの妻側、妻側といいますか、ここの部分の柱の補強と、ここの柱に押さえるバットレスというものを入れていますけれども、そこで、それ以外についても、どうしても計画はしてあるんですけれども、建物の中の大勢の仲卸さんがいらっしゃいますけれども、そこへの移動を含めて、事業の影響が非常に大きいといった形で、そこについては、ここの妻側のところをやっただけでしたので、最低の0.53、0.6をクリアできなかった状態でおります。
 もう一つ、こちらに、上にあります、ここの立体駐車場です、青果の。ここにつきましては、最近これ、実はやったものでして、25年度ですね、ここにつきましては、新大橋通りという、ここに道路があります。ここで緊急輸送道路になっておりますので、そこの沿道建物という形で計算をしまして、これについては、最近の診断ですけれども、0.36となっていますが、ここにつきましては、もう最近でしたので、豊洲に移転という形で、移転後の撤去という形で、何も今、手はついていない状態でございます。
(資料2 24ページ)
 先ほど言ったこの仲卸について、やっぱり難しいな、どういう形で難しかったかというものを次のページに少しまとめさせてもらいました。水産仲卸の売り場で、どうしても一遍に、大きいので、2万平米程度ありますので、一緒にはできませんので、ローリングしながらやっていくしかない、店舗を動いていただくなり、そういった形しかないなという、やっぱりそうした場合は時間が非常に必要となります。また、この後に出てきます、アスベストの関係が出てきますけれども、屋根が一部含んでいる、アスベスト含有のスレート板というやつですけれども、屋根のところをいじるようになれば、そこに対しても適切な防護、密閉空間等も必要になりますので、工事としては長期化・複雑化、この長期化が避けられません。
 また、店舗ですから、毎日営業されています。毎日、毎日営業されている中で、実際は、その限られた時間の中で、いながらでやらなきゃいけない、それを回避するためには、店舗を動いていただく可能性がやっぱりあります。そういった場合、行った先で、また場所が変わると不便になり、顧客の方に影響がある、商売上、収益に影響するといった場合もございます。また、そこの柱、よく、基本的には柱を補強するなり、柱と柱の間に補強材を入れる場合があります。基本的にそういった、鉄骨ですから、そういったものをやると、この建物の中自体がそれほど広くございませんので、柱を補強すると、柱の補強のために、また養生をしなきゃいけません。そうすると、そこがさらに通りにくくなりまして、顧客の買い回りにも非常に影響が出る。店に行くのにも真っすぐ行けたのが、少し迂回しなきゃいけないといった場合がございます。そういったものに対して、やっぱり不便、影響がありますので、そこの理解、営業へのいろいろ支障がやっぱりあります。
 もう一つは、耐震工事が終わりました、また戻ってこられましたというときに、柱が当然大きくなっている場合がある。また、斜めの材が入っていった場合については、戻ってきたら同じ重機が入らない場合、使い勝手が非常に変わります。前よりは決してよくならない方向に行きますので、こういった場合に対して、営業上の支障が非常にありますので、それに配慮しながらお話をして、工事をしなきゃいけないといった問題がありまして、特にここの水産物につきましては、先ほどの改修については、この店舗の移動はない状態のところまでしか、ないでできる範囲しかやっておりません。
(資料2 25ページ)
 次に、最後になりますけれどもアスベスト、アスベスト吹付のものを含め、含有している建材もございました。これまで、撤去なり対処してきたもの、もう、ほぼ撤去ですね、撤去したものを部位と面積、時期を入れた表でございます。これ全て一番最初で平成元年ぐらいからやっていますが、トータルこれにつきましては、これまでの累計で約3万2,000平米ですかね、を除去してまいりました。これまでやってきた経過で、これだけ除去していったんですけれども、現在残っている。
(資料2 26ページ)
 じゃあ、残っているのはどれだけだということで、次のページになりますけれども、ここの青果部の駐車場のところの梁ですね。ここに水産物部の関係の駐車場、立体駐車場の梁です。こういったものに吹付が残っているもの。あと、小さい部屋ですけれども、電気室で、機械室です、そういったところの屋根。あとは、ここに書いていますのは、断熱材の成形板です。それについては、吹付アスベスト等として色を分けています。で、先ほどの水産仲卸の店舗ですけれども、ここの屋根、この屋根、スレートって言っています。この屋根自体につきましては、書いていますけれども、アスベスト成形スレート板、一種の成形板でして、含有しているものですから、吹付ではありません。成分上入っていると言われているやつでございます。これは撤去のときにちゃんと手で撤去しなさいといったものですから、平常時は特段、いじらなければ大丈夫といったものですけれども、これら、あと、吹付のものもあります。
 残っているのについては大丈夫かということがございますので、なぜ残っているかというと、吹付しているものは安定していますよと、安定していますので、ここについてはこのまましていますが、その安定を確認するために、この青いポチでしていますが、このポチにつきましては年4回測定をしまして、それだけ飛んでいないかということを確認して、管理をしていっております。特に飛んでないという形で、今はこのまま見守っていて、本来はここを移転したときに全部撤去しよう、適切に撤去しようと考えていたものでございます。引き続き監視をしておりますので、この引き続き監視をして、続いて管理をしてまいります。
 一部、細かい電気室の中に囲い込まれているものとか、今、最近いろいろ話題になっています、建物の外壁の塗料に入っているものについては、特に解体のときには非常に気にしなきゃいけませんけれども、そういったものは、ちょっと表記上は抜いております。ここに全部書くと複雑なので、それは省かせていただいております
 以上、この資料に基づいた説明はこれで終わらせてもらいます。ありがとうございました。

○小島座長 はい、ありがとうございました。
 それでは、質疑・応答に入っていきたいと思いますが、最初に、今、市場からの説明にはなかった、私の基本的質問ですね、それの9ページを出してください。これなんですが、いわゆる現地再整備、昔あったやつですね。で、400億円というお金というのは、他の自治体から見ると、それは非常に大きなお金なんですね。種地が確保できない、時間と費用がかかる、業界調整が難しいと。事業に入る前にやっぱり設計をし、さあ、これから始めますよというときに、当然、種地はここで、時間と費用は幾らで、業界の方々も、ここで工事をするんですけれどもよろしいですか、いいですよと言って初めて大枚をはたいて工事に取りかかると、こういうことが普通なんだろうと思うのですけれども、なぜそんなことになったんだろうかと、昔のことではありますけれども、今の時点でわかっていることを教えてくださいというのが一つですね。
 二つ目は、どうも40haという根拠がよくわからないと、で、いろいろ日建設計さんにも前、PTでお聞きしたんですけれども、いろんな条件は東京都から示されたということがわかっています。そうすると、東京都は、豊洲の設計といいますか、条件というものをどうやって作ったんだろうと、なぜ40haが必要だという結論に至ったんだろうと。で、その段階では、どこのコンサルに委託をして調査をされたんだろうかとか、あるいは、東京都の内部でそれだけの能力があって全部計算をされたんだろうかとか、そういうところがよくわからないので、一体誰がその設計をしたのだろうかと。で、40ha要件は絶対条件としてなぜ不可欠であったのかと。ところが、でき上がっているものと比較すると、疑問解消BOOKとは随分違ったものになっているので、それはどういうふう、なぜそうだったのかというような点の質問なんですが、答えられる範囲でお答えをまず願いたいと思います。

○物流調整担当課長 新市場整備部物流調整担当の市沢と申します。よろしくお願いします。
 では、まず1番目のところですね、再整備のところですけれども、現在地再整備につきましては、昭和61年に、都として現在地再整備を行うと決定してございます。今から大体30年ぐらい前の話になります。その決定後、都と業界の方とで協議機関を設けまして、協議しながら基本計画をつくったり、設計したりということをしてまいりました。実際に基本設計をつくりましたのが平成2年ということで、当時は、工期が14年間、総工費2,380億円ということで考えてございました。
 ということで、平成2年に設計をしまして、3年から工事に入っていくということになるわけです。当時、先ほどの質問の中で、設計段階でなぜわからなかったかということになるわけですけれども、その再整備の設計していた平成2年のとき、当然その業界とも協議を重ねながら、施設の配置とか、工事の手順、そういったものを進めてきておりますので、当初、業界の方も私どもも、現在地でのローリングによる再整備については、できるだろうということを考えて進めてきたというところでございます。しかしながら、実際に工事に入ってみると、平成3年から入っていくわけですけれども、営業活動への影響が極めて深刻であるということが次第に明らかになっていき、業界調整もどんどん難航していく中で、工事が中断してしまうという事態になります。
 では、具体的にどういった営業活動の支障なのかと申しますと、通常の市場業者の方々の車両、それに工事用車両が加わることで錯綜して、交通混雑が起きてしまうということ、それから、空いている土地のところに仮設の工事用のスペースを設けたりすることによって、本来そこを駐車場として使っていたところが使えなくなったりするということで、駐車スペースが不足していくということ、それから、場内の通路が工事によって制約されていくという中で、本来、目的地まですんなり行けるところが、そこに支障が出ることによって迂回しなければいけないとか、そういったことによって搬送時間が増加してしまうと、要は不便になっていくと、そういったことから顧客離れの懸念が出てくると、そういったことが出てまいりました。
 また、場所を移ること自体によっても、仮設の場所に一旦移るということによっても、当然費用や、作業や、それから、その方の顧客に対する周知とか、そういったもろもろの負担というのがかなり出てくるということで、やはりそういったものが大きくなっていって工事が中断していくというような事態になります。中断するのは大体平成7年、8年ぐらいのことですけれども、その後も、私どもと業界とで協議しながら、何とか基本計画を見直しながら、幾つかの再整備案の検討を行っていくわけですけれども、いずれの案も最終的な合意に至らず頓挫していくということで、設計段階ではできると思っていたものが、実際やってみると、思った以上に厳しいものであって、頓挫してしまったというのが質問1の答えだと思っております。
 それから、1の(2)の400億円の支出した理由ということですけれども、当然、再整備ができると思って、仮設の工事をしたりとかしていますので、そういった認識でやって、平成3年から仮設の建物を建てたり、駐車場を建てたりとか、もろもろの工事を行っております。そういったもので400億円を支出したということになります。ただ、実際、この400億円の施設の多くは、実は現在も使っておりまして、そういう意味では、必ずしもその400億円を無駄にしたというわけでもないんですけれど、当時、できると思って使ってしまった金額が大体400億円だということになります。
 それから、二つ目の40haの要件のところになるんですけれども、ここについては、大変申し訳ないんですけれども、現時点では、私ども十分明らかにできてございません。調査はしているところですけれども、当時、何で40ha必要だったのかという点については、現時点では、まだお答えできる段階にはございません。
 ただ、次の質問のところで、当時の40haと現在の豊洲市場の比較と、その妥当性ということですけれども、先ほどの座長の資料にありましたけれども、平成21年に疑問解消BOOKというところで一旦私ども整理していまして、卸売場とか仲卸売場、そういった本来、平面配置が望ましい部分、それから、それに附属するバースとか待機駐車場、そういったもののスペースとしては約30ha必要だと。それから、条例により義務づけられる緑化についても約4ha必要だと。その他、通勤駐と事務所などの管理施設の3haや、にぎわい施設の3haなどを入れると、おおむね40ha必要だということで整理してございます。また、その当時、同じ疑問解消BOOKの中では、大田市場との比較もしてございまして、取扱数量の比などで比較した結果、おおむね、その面積も妥当であろうというような検証も一応行ってございます。
 以上です。

○小島座長 ありがとうございました。
 大田市場との比較は一種の検算みたいなものですから、なぜ40haが必要かという理由ではないと思うんですね。そういうふうにやって検算してみると、まあ妥当だというふうに読めるので、そういうことだろうと思うんですが、これまでPTでは、その豊洲市場は何にどれだけの面積を割いているのかというのを議論してきて、大分整理をしていただきましたので、引き続きその作業は、一体豊洲市場というのはどんなものなのか、どういうところに、どのくらいの広さを割いているのかということを正確に把握したいので、その作業を引き続きお願いしたいと思うんですね。それを見ないと比較ができないので、大分わかってきたことは、いわゆるレンタブルというか、使用料を取る面積は築地も豊洲もほとんど変わらないということはわかったと。で、築地は23haで、豊洲は40haを超える。ほぼ倍になっている、1.9倍ですね、大体ね。で、レンタブルスペースは変わらないけど、なぜ2倍近くが必要になったのかというのを分析をして、多くは通路であったりいろいろになっているわけですから、そこを比較していくと、いわゆる根拠に基づいた分析ができるようになるということなので、それはちょっと作業を引き続きお願いしたいということです。
 この件に関して、どなたか御質問がございますか。

○森山委員 すみません、今の中断した関係の中で、このお見せいただいた資料24ページにも書いてありましたけれども、実際に事業者の方々からの、これ、具体的にもう工事を止めてくれと、ここでやめてもらえないかという話が具体的に出てきたんでしょうかね。それとも、これは難しいという判断で止めたのか、そのあたりはどうなんでしょうか。

○物流調整担当課長 実際、その工事に入るときには、これ以上、移ることによって自分たちの営業に支障を来して、このままだと、自分たちの経営が成り立たないというような声を実際に要望でいただいているというふうに聞いてございます。したがって、単なる不安ということではなくて、実際にそれが問題になって協議しても、なかなかいい案が浮かばなかったというようなことで中断したというふうに伺っています。

○小島座長 ありがとうございました。
 これは後の耐震工事とか何かのところの、この24ページのこれですね、現在の築地も持っている、やらなきゃいけない課題にも影響するわけですが、再整備ができない理由の三つ、種地が確保できない、時間と費用がかかると。種地が確保できないというのは、一つは工法の問題でもありますね。ローリングが必要と書いてあったんですが、工法の問題と、それから業者の協力の問題ということですし、時間と費用は、主に役所側の問題かもしれませんね。ローリングをどういうふうにやるかによって時間がかかってくる、工費が変わってくるという影響はあると思います。一番の問題は業界調整ということ、今のお話だと、お金を使って始めたんだけれども、業界の調整ができなくて工事が止まってしまったと。で、いろいろ考えたんだけれども、なかなか業界がまとまれる案ができなくて、最終的にはできなかった。そこから、じゃあ豊洲だよねということになっていくわけですが、そこの議論で、いや、他にも代替案があったはずだけれども、40haというと豊洲しかなかったので、最初から豊洲決め打ちだったんじゃないんですかという議論が40ha問題と、こういう構造なんですよね。
 さっきの出していただいた24ページの、ある程度工事をやっていただいていて、耐震の工事をやっていて、残ったところをしっかりやるという場合も同じ議論がありますが、一番の問題は業界調整と、業界の、今、築地で働いている人たちが、しっかり耐震工事をしてくれと言うか言わないかというところがポイントなんでしょうかね。
 すみません、質問です。

○物流調整担当課長 すみません、私の方、過去の再整備の方を担当していますけれども、やはりその当時も平成7年、8年で中断した後も、やはりさまざま再整備の案を出しながら協議はしているんですけれども、それでも、やはりその経営といいますか、業界のその運営に支障を来すというところというのは、どうしても譲れない部分はあると思いまして、やはりそういったことから、頓挫していくということになっていますので、そういう点では、事業者の経営に支障を来すということというのは、業界の方にとっては死活問題だというふうに考えております。

○小島座長 ありがとうございました。よろしいですか。

○竹内委員 その当時の平成元年あたりのところというのは、バブル崩壊後で、これからもまだいろんなものが伸びていくだろうという予想があってしかるべきだと思うんですね。ただ、今現在に至って取扱量が3分の2まで減ってきている、取扱いのお店の数ではないですよ、量が減ってきていることを考えると、そういった形の種地がない、営業に支障を来すといったとしても、そういったところは前よりは大分緩和されているのではないかという想像がつくんですけれども、その辺に関しては、どういう認識をお持ちでいらっしゃいますか。

○物流調整担当課長 取扱数量も確かに減ってはいますけれども、この当時は、やはり市場に入り切らない車も結構あって、市場の外まで車があったというような状況だったと聞いています。そういう意味では、もし、市場の車が減っていくのであれば、まず最初にしなければいけないのは、外の車を入れていくというのが論理としてはあるのかなと思っています。また、市場は24時間ずっと稼働するというわけではなくて、やはりピーク時のところに車両が集中すると、そういった状況にありますので、多少車両が減ったとしても、ピーク時のところのやはり混雑というのはなかなか厳しいものがあるのかなと思うと、今においても、なかなかその当時の課題というものがクリアされるかというと、なかなか難しいんじゃないかなというふうに考えてございます。

○竹内委員 すみません、僕はやっぱり、その仮設計画って建築法で言うんですけど、どういうふうに物をどかしていって、交通計画を立てていくところがずさんだったんだろうなという予想をしています。それは僕の考え方です。
 一方で、東京駅などは24時間ほぼ人が動く状態、電車が止まっている時間は何時間しかないですけれども、完全に新しい建物に建てかわっているという状況が現在あります。そのころは、まだそんなこと誰も考えたことはないと思いますけれども、大分時代も変わってきているので、そういった形での、何かをやりながら時間軸で、先ほどピークのところが大変だと、ピークのところはもちろんそうかもしれないですけど、そういったところも含めて時間軸、それから量の問題をやっていくと、東京駅ができたんなら、築地もいろいろできるんじゃないかなと思ったりするんですけど、いかがでしょうかね。

○物流調整担当課長 東京駅の場合は、恐らく、例えばJRさんだったらJRさんの管轄内で、全てある程度コントロールがきく部分はあるんじゃないかなと思います。築地市場にしても、東京都が開設者ですので、本来は東京都がコントロールしていくというのは、そのとおりだと思うんですけれども、一方で、さまざまな経営されている方、事業者の方が中にいらっしゃって、そういう多くの方々が、それぞれの立場によって、若干違うような立場で活動されている中で、全てを調整しながらやっていくということになると、そこは、やはり十分配慮していかなければならないと思っておりまして、単純にその東京都の管理下なので強引に、強引にと言ったら失礼ですけれども、こういうふうにしていくと決められるような状況ではなかなかないと。都民の方に生鮮食料品を提供していただくのは市場業者の方ですので、そこに支障を来すというところに関しては、やはり我々も十分配慮していかなければならないかなと思うと、ある程度配慮した形でやるということが必要になってくるという点で、東京駅の事例とは少し変わるんじゃないかというふうに思います。

○小島座長 ありがとうございました。
 動かしながら建設するって、大学が表参道にあるので、渋谷もよく行くんですけれども、あれも、もう胸を張ってやっていますよね、電車を止めることなく改築をすると、これはすばらしい工事だって、渋谷駅へ行くと、もうPRがずっとあって、我が国の優れた技術というPRがあって、なるほど建築技術って、ここまで進んでいるのかと。渋谷区さんにちょっと中を見せてもらって、地下も見せていただいたんですけれども、技術はすばらしいんだなと、日本の建設会社ってここまで来ているのかというふうには思っているので、昔とは違うと思うんですよね。まさに、その技術があるということを建設会社も、あそこに行くとパネルがあって、もう日々PRしているという、そういう時代に今はなっている。あそこは3社でやっているので、3社が協力をしながら、電車を止めることなく、人の流れが止まることなく再開発をしているという例だと思うんですよね。
 だから、昔とは技術は違っているんだろうというふうに思って、これが日本の技術進歩かというふうに思ってはいるんです。だから、技術の問題と、今仰る、いわゆる業界の調整、技術がどれだけ進歩しても、業界が合意ができないとなかなか進まないんですよと、そういうことでしょうかね。

○物流調整担当課長 はい。

○小島座長 そういうことなんですね、はい。
 そういうことで、整備ができるかどうかのポイントは、東京都の市場としては、業界に一にかかっているんだということなんでしょうかね、そういうことですか。

○物流調整担当課長 はい。

○小島座長 はい、わかりました。
 じゃあ、次の基本的な質問で、ちょっと菊森さんでよろしいですかね、PFIの。

○菊森委員 PFIについて、先生のほうで12ページにまとめていただいておりますけれども、PFIを、普通は東京都さんを初め都道府県、あるいは政令指定都市では、いわゆるPFIガイドラインを設けて、まず、こういう大規模な建築物をつくろうという場合には、その運営も含めた民間的手法としてPFI、PPPを検討しなさいというふうになっていたと思うんですね。その豊洲市場をPFIで行おうと、まず、そういった考えられたその理由は何かということと、それがなぜ、どういう理由で断念されたのかということ。この理由については、一応、公式にも発言はされているとは思うんですが、本当にそうなんだろうかと、本当は何が理由なんだろうかというところが、ちょっとわからない面があります。
 それで、PFIを断念した時点で、豊洲市場の整備費用というものを、今後、じゃあPFIにかわるものとして、どのようなお金の使い方をしようというふうに考えられたのかと。で、その結果、市場会計に多額の赤字を計上せざるを得ないような、大規模な投資になっておりますので、そのことが市場会計に及ぼす影響について、どう考えておられたのかと、もっとコストを圧縮するような手法、投資額を圧縮するような手法というのを考えられなかったんだろうかという素朴な疑問が私の中にはございまして、それらについて御回答いただければと思います。

○物流調整担当課長 当初、PFIを行おうとした理由ですけれども、当時、国の方でもPFIの基本方針があり、PFIを活用していくべきだということや、都の方でも、PFIを初めとする民間活力の活用を検討すべきという、そういう状況にあったと思います。そういう中で、豊洲市場についても平成16年に基本計画をつくっていますけれども、当時、そういう状況を踏まえて、PFIなど、民間活力を活用した手法を積極的に導入していくということを記載されていますし、翌年、実施計画のまとめをつくったときにも、同じようにPFI導入の検討を行っていこうということで進めてきたというような状況にございます。
 実際、そのように進めてきたわけですけれども、その後の状況の変化としては、断念したのが平成22年になるわけですけれども、そのときには、ちょうど土壌汚染対策の問題が出ていまして、その土壌汚染対策によって、建設期間中とか、それから建設した後も、その地下水の管理をするとかそういったことで、どうしてもその土壌汚染対策とその建築工事の整備・運営が同時期、同じ場所で実施されることによって、やはり一定の制約が出てくるということで、バリュー・フォー・マネーが見込めないということで、断念しています。
 また、そのPFIをやることによって、土壌汚染の実験というものをやっている時期でして、それを終わってから手続を開始していくと、当時目標としておりました平成26年度中の開場が難しくなるということで、その工期の面からも、スケジュールの実現が難しいということで断念したということでございます。
 それから、PFIを断念した時点で、その整備費用をどのように考えていたのかということですけれども、その断念理由の一つが、そのバリュー・フォー・マネーが見込めないということで、直営でやってもPFIでやっても、そんなに費用的には変わらないというような認識があったと思います。そういう点から、整備費用については変わらないという認識だったんだというふうに考えてございます。
 市場会計に及ぼす影響ということですけれども、当時、22年のあたりというのは、建築費用も990億円を想定していた時期でしたので、当初は保有資金や国庫補助金、それから築地市場の売却収入、そういったもので何とか対応可能だろうというふうに認識していた頃だというふうに思っております。

○菊森委員 ちょっと、今、御回答いただいた点について、2点について、私のほうから、さらにお聞きしたいと思うんですけれども、そのPFIを断念されたときに、それが東京都さん独自で考えて断念するという結論を出されたのか、あるいは、どなたか外部のアドバイザー、あるいは、そのPFI、可能性調査をされたところの意見を入れて、そう考えられたのか、どちらなんですか。

○物流調整担当課長 断念した当時の状況というのは、まだつぶさにわかっていない部分はありますけれども、恐らく前者の都独自で決めたことだというふうに考えております。

○菊森委員 ということは、その土壌汚染の部分がかなり大きいということですね、その後のその工事も、どうやっていったらいいのかわからないと、だからPFIという方式は断念せざるを得なかったという、そういう理解でよろしいんですかね。

○物流調整担当課長 はい。

○菊森委員 わかりました。
 で、もう一つ、この12ページのところの3にありますところで、私が聞きたいポイントというのは、仮にそのPFIを断念されたとしても、公共工事、一般の公共工事でやっていくという手はもちろんあるわけですね、それが直営ということでもあろうかと思うんですけれども、そのハードの建設については、その運営とはまた別に、いかにその投資額を削減したり、将来かかるであろう経費を抑えるためにいろんな工夫が、通常、工事にはつき物だと思うんです。どういう工夫をそのときにされたのか、あるいは、今のお話だと、VFMは変わらないから、ほとんど何もやってないような印象を与えてしまうのではないかと思うんですが、何かその辺で圧縮策といいますか、工事費の圧縮策、それから、その後の経費を圧縮する策というのを、全ての公共工事で、今、皆さん努力されていると思うんです。それについては、どういうことをされたのか、お聞かせいただければと思います。

○物流調整担当課長 当時は、やはりその民間でできることについては民間の整備が望ましいというものが一部あったと思いまして、例えば冷蔵庫であったりとか、あと、豊洲にはガソリンスタンドもありますけれども、そういったものについては民間事業者に整備していただくということで、そういったところで、都がやるよりは経費が浮くんじゃないかというようなことが一部あったと思います。
 ただ、全般的に申し上げますと、やはり、どちらかというと業界の要望を聞いて、いい市場をつくっていくということとか、実際、設計をやるときには東日本大震災があったりしまして、そういったことを加味したりとか、そういった需要の方がやはり当時は大きかったんじゃないかなということで、どちらかというと、結果的にはそういう削減のところは限定的だったのではというふうに思っております。

○菊森委員 わかりました。
 最後に、これが最後の質問です。もし、その経費についての削減をそれほどしない場合に、一体その、いわゆる収益的収支がどういうふうになるんだろうかということをお考えになったのか、ならないのか、豊洲市場について、それをお聞かせください。

○物流調整担当課長 その件については、ちょっとすみません、私も担当でないため十分理解できてないところがありますけれども、前回のところで、初めてそういう収支を出したということですので、やはり当時は、余りそういったことというのは十分意識していなかったというのはあったのかなというふうに思います。

○菊森委員 ありがとうございました。

○小島座長 はい、ありがとうございました。
 PFIの計画をし、断念をしてきたプロセスの中で、今仰ったその土壌汚染対策費用、これも、これからまた議論になっていくんだろうと思いますけれども、通常の売買契約のように売り主が負担するということになればね、別にそんなに問題にはならないですけど、買い主が負担するということだと、これはもうPFIが成り立たないという、そういうことだったんだろうねと思うんですね。だから、このPFIを考えるときに、土壌汚染が発覚をし、売り主と交渉して、やはりちゃんと売り主がしっかりしてくださいねと、土壌汚染対策をしっかりした上で売ってくださいねということであれば、通常の売買交渉であれば、そのことがPFIの障害にはならないというふうに思うんですよね。だから、これの問題はまた、いろんなところで議論されていくし、一つの大きな課題だとは思うんですけれども、今のお話を聞いていると、土壌汚染対策を買い主が負担するからPFIが成り立たないというふうに聞こえるんですけれども、そういうことでしょうかね。

○物流調整担当課長 PFIを断念したのが平成22年の2月ですね。それから、土地を購入したのはその後なので、当時はそういったところまで認識していたかというと、それ以前の問題ですので、その土地を購入したときに負担額等は決めていますので、その前の事情ですので、そこまで加味していたかというと、そうではないと思います。

○竹内委員 今までのお話の中で、なぜPFIを断念したかという話の中に、平成26年の開場に間に合わないというお話があって、そこのスケジュールに合わせるためには、PFIじゃなくて直轄でやらなきゃだめかなと、入札とかのいろんな関係があるからと仰った話なんですけれども、平成26年の11月に開場しなければいけない理由というのは何だったんでしょうか。

○物流調整担当課長 当時は、整備方針で26年の開場という目標があったことと、それから、築地市場の現状がかなり深刻な状況で、一刻も早く開場しなければならないというようなことから、できるだけ早く開場していくということが、当時は重要な課題だったというふうになっておりました。

○小島座長 ありがとうございました。
 ただ、今のところも、あ、そういうことなのかなと。で、最終的に去年の11月7日というのはオリンピックと環状2号線が理由になっていたので、早く工事を終わらなきゃいけない理由というのがどんどん変わっていったのかなという気もするんですね。これは公共事業によくある話で、ある、例えばダムも、ダムをつくるんだと、ダムを計画してからできるまでにすごく時間がかかる、その間にどんどんダムをつくる目的って変わっていくんですよね。で、つくるということだけが変わらないというのがよく公共事業であるんですけれども、いつまでにやらなきゃいけないかという理由が、その時代によって何か変わってきたのかなという気もしますよね。最後のところはオリンピックと環状2号線だったので、じゃあ、その前は何だったんだろうということなんですよね、聞きたかったのはね。それは、何かありますか。やはり築地の状況だということでしょうか。

○物流調整担当課長 そうですね、もともと、その一番最初は、平成24年とか25年の開場とかというのを目指していて、それが少しずつ遅れてきて、26年というところもあって、その26年度中に開場させなければいけないということで、節目、節目で理由があって延ばしてくることはありましたけれども、やはり私どもとしては、できるだけ早く開場していくというスタンスのもと、これまで進めてきたような状況でございます。

○移転調整担当部長 あわせてでございますが、これまでのPTの中でも御説明をしてまいりましたが、やはり食の安全・安心の確保をする必要があるということを、築地市場が現在閉鎖型ではない、開放型のところで行われていて、そうした現在に合ったような品質・衛生管理が難しいということ、あるいは、狭い中で、狭いというふうに申し上げておりますけれども、効率的な物流ができないということ。それから、新たなニーズとして、例えば加工等のニーズが増えてきていますけれども、そうしたものに早く対応していきたいと、先ほども3割減ってきているのではないかという話もございましたが、こうしたものを食いとめて、少しでもその取引量を維持していきたいということがございました。それとあわせて、もうともかく根本としては古い施設であるということがございましたけれども、そうした新しい需要に見合った施設をつくっていきたいというところがございまして、それぞれの目標年度を設定しております。
 ただ、結果的には諸事情によって延びてきているという実態はございますけれども、やはり古いということは変わりませんし、ますます古くなっておりますし、それから、そうした新しい時代の需要に対応していくということのために、一刻も早く整備を進めてきたと考えております。

○小島座長 ありがとうございました。
 PFIの議論はこれでよろしいですか。
 じゃあ、その他のところです。補修の関係で、いろいろと補修をしていただいていると、補修の考え方の、私のページのところをちょっと説明を、14ページですね、14ページ。うん、これ、なぜこんなことを言っているかというと、他の自治体でちょっとダムの話をやっていて、ダムと洪水の話をする場合、何が議論になるかというと、洪水によって堤防が切れて、水害が起きる、洪水というのは自然現象ですから、水害は害なので、洪水と水害は違うんですけれども、その害が起きると。だからダムが必要だというふうに最初やるんですね。ところが、ダムができるまでに20年かかると、危ないと言っているのは今なんですね。そうすると、ダムができるまでの20年間は、水害が起こってもいいんでしょうかという議論になる。そうすると、水害が起こらないように堤防を強化してくださいという議論をするんですが、なかなか堤防を強化していただけないんですね。強化しちゃうとダムが要らなくなるということになっちゃう、ということにもなりかねないので、ダムができたらやっていただけるのかもしれないけれども、ダムができるまでは、なかなか堤防工事をしっかりやっていただけないということがあったりするんですよ。これはひがみかもしれませんが、そういう関係にもあるのかなという気も、公共工事というのはいろんな要素があって、つくることが自己目的化してしまうと、その本当の被害の防止ということを考えなくなっちゃうという、陥りがちということなんですが。
 で、ここで、一体その豊洲移転が具体的に動き始めて何年たったんだろうと。この前からもう少し、頓挫してからだともっと20年もたっていますけれども、この18年間というか、石原さんが、その「古い、狭い、危ない」と言ってから18年と、この間も築地は動いているわけですね。この18年って結構長くて重いわけですよ。この間に、さっきの堤防の対応じゃないですけれども、豊洲に行けば何とかなるから、そこまではやらない。つまりダムができれば洪水が、被害が防止できるから堤防はつくらないというのは、それはないだろうと思うんですね。で、この18年間も、実際に供給している間に、その今の東京都民に、あるいはその都民以外の方々に対しても、安全・安心で質の高い生鮮食品を供給するというのが18年間努めてらっしゃったわけですよ。で、この間にも、例えば前回もお話、前々回もお話ししましたが、コールドチェーンでも、品質管理でも、既存の市場、別に築地だけではなくて、他の市場もやらなきゃいけないということなので、そこは底上げとして絶えずやっていくのが市場の責任なんですよねという。
 そういう中で、この18年の間、どんなことをされていたのかなと。で、かなりの応急的な補修とかというのはされているということは今日でわかりました。多分、一番大きな問題が、その説明の中の24ページにある、アスベストもやっていただいて、今は封じ込めて問題はないということですよね、さっきの説明ね。除去するところは除去したし、残っているところは封じ込めていると、アスベストは今は問題ないと、ちょっと、はい。

○施設課長 先ほど申しました、安定を確認して日々の測定もやっていて、それを確認して、維持管理しているという状態でございます。

○小島座長 で、今の問題がある、大きな一番の問題は、その耐震の問題が、できるところはやったけれども、まだできていないところがあります。できていない理由がこれということなんですが、これをどういうふうに解決していくかというのが課題なんですよね。ちょっとその点は、どうなんでしょうか。どうなんでしょうかって、やっぱり、ここに書いてある以上のことはないのかもしれないけれども。

○施設課長 ここに書いてある原因で移転、都立高校でしても、学校でも休みが一月、二月あれば、そこでやる。どうしてもこの市場は特性的に、毎日やっていますので、定休日ありますけれども、大きな休みはない中で一定の工事をする場合、いながらの工事になりますので、移転ありきを考えると、こういった営業上の支障が非常に、支障に配慮しなきゃいけない。特に、この水産仲卸売場ですと、個々の小さい店舗の方もいらっしゃいますし、大きい方もいらっしゃいますけれども、それぞれの了解が得られて、工事に合わせてそれがうまくいかないと、なかなか効率的にいかない。その調整に対しては非常に営業に配慮した上でやらないと、日々の営業に非常に支障があるというのは、やっぱり業界の方々も非常に納得していただけないので、それに対する対応が非常に難しい。
 また、工事の方法も当然いろいろ工夫があるかと思います。当時とはまた違って、いろんな方法等、やっぱり検討は今後もしていかなきゃならないんでしょうけれども。基本的にはやっぱり柱、これは建物は柱と屋根といったプラットフォームのような建物ですけれども、その柱をやっぱり補強したいというのがありまして、そこには、行っていただくとわかると思いますけれども、その中に各店舗さんが、みずからいろいろ店をつくり上げています。そこにも影響しますので、その辺の調整を非常に念入りに、また、各皆さんの御協力を得られるように、どれだけつくれるかということになります。

○小島座長 専門の方がたくさんいらっしゃるので質問してもらいたいんですが、22ページのできた、耐震工事ができた5棟と、耐震工事ができていない、工事ができていないというか、確保されていない6棟の、この差は何でしょう。つまり、例えば5棟の中の仲卸が入っていらっしゃるところ、茶屋に近いほうは耐震性が確保されました。工事ができました。同じ仲卸なんだけれども、プラットフォームのところは耐震性が確保されないと、同じ仲卸なんですけれども、この差はどこにあるんでしょう。

○施設課長 こちらプラットフォーム、今仰っていたのは鉄骨造ですけれども、こちらの方は、やはり柱と柱が、スパンが飛んでいる建物でして鉄骨造です。これにつきましては、真ん中の柱と柱間のすき間、また鉄骨造ですので、そこに対する補強が、設計したときには、ほとんどの柱に補強しないといけない計算になりました。数が、補強の数が多かった。一方、その内側の新店舗と言われているほうは、構造がSRCといいまして鉄骨鉄金コンクリートになりまして、これにつきましては、建物の構造が違って、また補強も端の方をやらせてもらいまして、そこには店舗さんがいらっしゃらなかった。置き場が、物置とか、その開口部を塞ぐことができたり、その構造上が少し違ったので、店舗には影響なくできた部分で処理ができた。構造と店舗の配置の違いと言ってしまえばそれまでなんですけれども、そういった状況です。

○小島座長 じゃあ、竹内先生。

○竹内委員 質問が幾つか、何段階かに分かれるんですけど、店舗の移動もかなわないんだよと、東京都が管理している施設だけれども、ここのお店がこっちに移って、しばらくこっちへ行っていてください、ここで耐震改修して、後で戻ってくださいか、そっちへ行ったままかもしれないんですけど、そういうことが調整としてできなかったよというのが、できなかった理由と。という中で、すみません、今回、皆さんが築地から豊洲に移るということに対して、豊洲の中のどんな状況かというところまでものすごく細かく、東京都は業者の方々に説明をして、御納得いただけている状態なんでしょうか。
 意味はわかりますか。その今までの権利関係とかそういうものをずっと保存したままやろうとしたんだけど、みんな言うことを聞いてくれなかったよと。僕は民間の人間として、テナントビルのオーナーだったら、テナントが何か文句を言うのであれば、じゃあ、あなたはもういいですと、どこか違うところに行ってくださいということを言うと思うんです。民間のオーナーとテナントという関係だったら、わかりますよね。

○施設課長 はい。

○竹内委員 だけど東京都は、市場のそれぞれの方々に対しては、それが言えなかった。言っても聞いてくれなかったんだよと、だからだめだったんだというお話ですよね。

○施設課長 はい、その理解を得られなかった。

○竹内委員 で、今回、築地から豊洲に移るというのは、そんな環境の変化よりも、めちゃくちゃ大きな環境の変化を、皆さんが御納得いただけている状態なんですよね。

○小島座長 なるほど、そういう質問ね。

○移転調整担当部長 まず、前提条件でございますけれども、東京都として、今、築地で事業を行っている事業者さんたちには、皆さん、新しい市場に移っていただけるように配慮はしてまいりました。まず、卸は国の許可であり、仲卸さんは東京都の業務許可のもとで事業を行っています。それから、場所については、これは行政財産使用承認という形ですので、これは東京都のある意味、権力的な部分というのはございますけれども、やはり実際の業務を行う中では、なかなかこの市場の事業者さんが、他の業態に変わるということは難しいものですから、やはり小規模な事業者さんもいるし、そうした点は十分配慮していく必要があると思っております。
 そうした中で、これまでも私ども東京都と、それから業界の皆様とで協議体をつくり、どういった施設配置にするのかという点から始まりまして、それぞれの店舗の配置等についても、これは水産、青果、あるいは関連事業者を含めて協議を行ってきております。そうした中でも、必ずしも全ての要望にお応えできるというわけではございませんが、敷地の面、それから金銭的な面ももちろんございますので、あるいは役割分担、どこまで大家としての都が整備するか、そういう点はございますけれども、基本的には、これまで節目、節目では、東京都は事業者の皆様とは協議をして、一定の理解を得た上でステップを踏んで整備をしてまいっております。
 ただ、そうした中で、全てをお応えできていない点、このPTの中でも御議論いただきましたけれども、そうした個々の課題は幾つかあろうかと考えておりますが、そうしたものが幾つかあるとしても、基本的な部分については、これまで事業者の方の理解を得た上で整備を進めております。また、そのための小規模な事業者さんが多いということで、今、ちょっとすみません、手持ちには資料はございませんけれども、設備等を導入するための必要な支援策は行ってきております。そうした経営的な面の支援も含めて、移転ができるような準備はしてきてございます。

○小島座長 今の竹内先生の質問は何だったんだろうなと思っていたんですけれども、その仲卸の人たちが耐震工事をするために築地の市場の中で動けないと、中でね、ちょっと寄れないと。

○竹内委員 ちょっと寄ってくれと言っても、だめだよと言われちゃう。

○小島座長 言ってもだめだと、でも、豊洲に行こうねといったときにはオーケーがとれるんだから、築地の中でちょっと動いてねというのが、なぜとれないんですか、そういう質問でしょう。

○竹内委員 はい。

○小島座長 それだけのいろんな応援、支援策もやれば、その橋を越えて行くというぐらいの合意がとれるんだったら、市場の中でちょっと動いてねというのが、どうしてできないんですか、東京都には、ということなんですけど、それはどうなんでしょうか。

○移転調整担当部長 先ほどの説明と重複するかもしれませんが、今の築地市場の中では、元から狭いという点がございまして、その中でさらに、工事車両と営業用の車両、買いに来るお客さんもございますし、市場の中での物流もございます。そうしたものとの錯綜が障害……。

○竹内委員 いや、ごめんなさい、僕が話をしているのは、どうやってコンセンサスをとってきたかという話なんです。築地から豊洲に移るコンセンサスを得られているということは、今まで築地でやっていた、いろいろな市場でやっていたことではとれなかったコンセンサスが、とれたんだというふうに理解したわけですよ。なので、これは時間的な経過があると思います。バブルの真っ最中に、もう業者さんがひしめいるときにコンセンサスがとれなかったのはそうかもしれない。だけど今、豊洲に移っていいよという話になっているんだとすると、今はコンセンサスが、このときとは違って市場さんのコンセンサスがとれる状態がつくられている。そこまで御努力されているんですよねという話なんです。
 だから、逆の、その先の話をしますと、例えば、これから先、築地の中で再整備をしよう、耐震改修しようといったときに、あなたはこっちからこっちに動いてくださいという細かい動きみたいなものは豊洲に行くほどのものではないので、コンセンサスがとれるようになっているんじゃないですかという質問なんです。

○移転調整担当部長 現在地再整備については、ちょっと今、私の方から申し上げられませんけれども、ただ、豊洲へ移転する際には新しい市場をつくりますので、必要な設備等も含めて、全て事前に必要なものは設置をしていただく、あるいは4日間の引っ越し期間を予定しておりましたので、その中で必要な、休市日の間の4日間で引っ越しをしていただくので、そうした工事との調整、錯綜というのはございませんでした。また、工事等の関係がありましたけれども、事前に習熟訓練という形で、実際に事業者の方々に豊洲市場に入っていただいて、動線等を確認していただく期間を設けておりましたので、そうしたことで少しでも混乱を避けていかれたのではないかと考えております。

○竹内委員 ありがとうございます。

○小島座長 その他、いかがですか。はい、お願いします。

○森高委員 築地の耐震改修が非常に難しいという理由はよくわかりましたけれども、私、立場的にね、やっぱり、いつ首都直下地震が来るかわからない状況の中で、このまま放置するのは、皆さん、まずいというふうにお考えになっていて、じゃあ、もし移転が延びるとしたときに、その状況をどう改善するかというのは、これからの解決策かもしれませんけれども、そのときには、技術的にできても、やっぱり市場関係者の理解を得ないと前に進まないわけですね。そのあたりというのがちょっと厳しいなというふうに思いますけれども。
 今、議論になっている耐震補強工事というのは、あくまでもね、建物を支える構造体が大きな被害を受けたり潰れないように補強しているだけですけれども、昨今、東北の震災のときにもありましたけれども、昨年の熊本地震もありましたけれども、構造体だけではなくてね、例えば屋根とか、天井とか、壁とか、そういう被害で人命に影響を及ぼす可能性も非常に高いわけですよ。今、耐震補強ができていない仲卸売場、一番大きな面積を占めているところですね。これ、上にスレートの屋根がありますでしょう。それ、アスベストが入っていますよね。それが落下したらどうするのとかね、そういう懸念もあるわけです。だから、早くこれ、手を打たないと禍根を残すかもしれないので、というのが私の今の印象で、じゃ、どうしたらいいのというのは、今、解決法はありません。
 でも、竹内さんが仰っているように、市場関係者が積極的に皆さんで、もう理解して、例えば半月ぐらい市場を止めてやるんだったら可能かもしれないけども、そういう覚悟があるかどうかだけですね。

○竹内委員 すみません、横で言うのもなんですけど、ちょっと厳しいなという、その構造家がちょっと厳しいなというときの「ちょっと厳しい」がよくわからないんですけど、もう少し素人にわかるように説明して。

○森高委員 今、これ営業しながらとにかく工事をやらないとだめだというのは、これ大前提ですよね。

○竹内委員 はい。

○森高委員 市場を止められないので。それは厳しいなという意味です。

○小島座長 はい、どうぞ。

○森山委員 僕も森高先生と同じように、築地現状、放っておいていいの、というのを心配しています。で、そこからいきますと、これまで再整備でも、いや、市場の人たちが協力しないんだと、ちょっとどいてくれというのも言うこと聞いてもらえないんだというふうに、その業者さんのせいにもうできないんじゃないかと思うんですけれども、再度、こういった状況なので、安全性確保のためには一度まとまってもらえませんかという努力をもう一度やってみるべきではないかなと思いますけれどもね、これは。

○竹内委員 いや、できるんですよ、あ、ごめんなさい。

○小島座長 いいですか。

○竹内委員 いやいや、豊洲に移転するコンセンサスが得られている現在、そのかわりやってもらえるって考えられませんかという話なんですけれども。

○施設課長 今、これまでの過程が当然ございます。

○竹内委員 難しかったら難しいでいいです。

○施設課長 先ほど先生が仰ったように、営業が止められれば、それは技術的には可能なんですけれども、その中で営業は止められない。コンセンサスといっても100%、当然100%、全ての人というのはすごく難しいと思います。それをつくる、そのコンセンサスをつくるまでが非常に難しいのと、それが仕事といえば、大家の仕事なのは承知していますけれども、その中でどういうふうに調整していくか、また、この築地、今、立ちどまった状態で、あとどれだけ使うのというのは、やっぱり営業される方は気にされています。その中でどうするかをやっぱり考えていく中で、今日、先生方に質問をいただいたのもそうですし、私どもも考えていかなきゃならないと思います。その間、じゃあ今日、明日どうだというのは、当然、点検を強化して、もうこれ以上悪くならないようにはやらせてもらっています。ただ、明日どうだ、明後日何があるかもしれない。それは当然ですけれども、その、どれだけ使うかも踏まえて、やっぱり業界の方々にも協力を得て、どうやって得られるかというのは、やっぱり考えていかなきゃならない課題とは、当然認識しております。

○小島座長 ありがとうございます。
 今日いろいろなことを聞いてきたんですけれども、いわゆる、それぞれの役割があって、その建築の技術、あるいは土木の技術といいますか、それはだんだん発展してきて、これは建築家とか、あるいはそのゼネコンだとか、そういうものが昔よりもどんどん進歩して、いろんな工法も出てきている。一方は、その営業をしながらつくり、耐震工事というのはやらなきゃいけないということだと、さっきの、いろいろずっと議論していても、最終的には業界が調整できるか、まとまるか、もうこの1点にかかっているんですという。で、業界の人たちが「嫌だよ」と言えば、これはもうできないんだし、しっかりやりましょうねと、やっぱり安全な耐震工事して、安全にしようというのは東京都の役割だけれども、それを業界の人たちが拒否しちゃったらできないんだと、そういうことですからね。
 やはり、当然働く人たちも、それは耐震設計、耐震のところが危ないとかいうことであれば、それは基本は協力してもらわないと、自分たちが屋根が落ちてきたらどうするんだという話になりますからね、それはやってもらわなきゃいけないわけで。実は、その東京都だけが一生懸命やるんだけど、業者が合意をしないからできないんだと、責任は業者にあるという感じになるんですけど、でも、業者から言わせれば、もし問題が起こったら、被害が起こるのは自分たちなんだから、その、やらない責任、できない責任を業者に押しつけないでよって、当然、そういう反論が来ると思うんですよね。だから、この議論がね、確かに進めようと思う側からすると業者側の合意ができないからということなんだけれども、その業者側からすると、違う議論になるんじゃないかという気がする。で、そこにコンセンサスができて、じゃあ、いつまでも放っておけないから耐震工事しましょうよというその経過になって、それをやっていくというのが東京都の仕事でもあり、なおかつ、実際その場で働いている業者のやるべきことなんだということなんじゃないですかね。何かこう、責任はね、全部業者にあるみたいに聞こえて、ちょっと違和感があるんですけれども、いかがですか。

○移転調整担当部長 私ども、ちょっと言葉足らずのところがあるとすれば、ちょっと補足をさせていただきたいんですけれども、私ども、決して開設者として業者の方の責任である、あるいはわがままだとか、そういうことで思っているわけではございません。まず開設者として、しっかりした施設をつくり、そして事業がうまくいくように、全体を見ていくという立場はあると思っております。これまでも、ただ、その中で事業者の方がうまく納得をしてできるような、例えば、現在地再整備の話をいたしましたけれども、やはり、どうしても工事の車両は、スペースはとられ、工事の車両が入ってくる。それから、営業の車両は通常どおり入ってくる。そうなると、通常どおりの取引量がうまく円滑に捌けるかどうか、こうしたことに、まず現場の事業者の方が気づいたわけですし、また、それを踏まえて、東京都としても考えて、これはまあ難しいだろうということで、中断をしたということでございます。決してそれは、きっかけはやはり実際に商売に使っている、現場で使っている事業者の方が気づいたとしても、それを踏まえて、やはり私ども東京都として、開設者として考えてございます。
 その言い方が、ちょっと誤解を招いたとしたら、事業者の方に対しても申し訳ないので、その点については訂正させていただきたいと思っております。
 その上で、私ども、今、御説明をしておりますのは、現在地再整備がどうだったのかということで、本日は御説明に参りましたので、このときにはこういう状況でございましたと、やはり狭い中で工事をしていかなければいけないということで、こういう状況でございました。そうした御説明をしてございます。
 ただ、今、移転が延期の状況で、じゃあこれからどうするのだということにつきましても、まだその延期ということが、まだ、これからどうするのかということがはっきりしてございませんので、何とも正直申し上げて、じゃあ耐震化工事をこれから強化していくべきなのかということも、まだ私ども東京都としても、なかなか判断がしづらい状況かとは思っております。ただ、開設者として、やはり今日の宿題にもございましたが、しっかりとした安全な場所をつくるという役割は、これを担っているわけでございまして、それは変わりませんし、そのために解決策として、私どもとしては、これまでの、なかなか、頓挫した理由、現在地再整備がうまくいかなかったという中で、豊洲市場をという形で解決していこうと考えてきたところでございます。

○小島座長 ありがとうございました。
 その業者さんもね、じゃあ自分たちの働いている環境が安全・安心でという、そして良質な商品を提供できると、今でもいろんな認証を取ろうと築地でも取ろうという努力をされている方がいらっしゃるので、それは応援してあげなきゃいけないんだと思うんですよね。そういう意味では、何か、こう東京都だけが働きかけるんではなくて、その業者さんのほうから、本来は耐震工事もそうだし、いろんなこともやってくださいねと、そのために私たちも中で話して、東京都と一緒にやっていくというのが望ましい姿なわけですよね。だから、そういう関係をつくれるように、お話をしていただきたいという気はします。
 ちょっと時間が経過しておりますので。はい、どうぞ。

○佐藤委員 すみません、今、築地の安全性を確保するということで、耐震性のことが随分話題になっておりましたけれども、他にもいろんな問題点があると思っています。というのは、今、敷地内の建物の建築基準法上の用途というのは何なのかということと、それから、今、市場ということであると、特定多数の人が使用する施設であると思うんですね。それに対して、現在は観光客に開放されて、不特定多数の人が使用している状況だと、いわばショッピングセンターと同様の状況になっちゃっているわけですね。そうしたときに、ショッピングセンターといっても、基準法上的には商業施設になると思うんですけれども、その場合は最も厳しい基準が適用されることになります。
 そうした観点で見ますと、その耐震性ばかりではなくて、避難安全性、動線をさばくかという話じゃなくて避難の安全性、それから防火性能、燃えちゃ困るという話、それから耐火性能、これも火災、何時間もたなきゃいけないという話、それから、火災が起きたときの排煙設備の環境はどうなっているか、あるいは、消火設備はどうなっているかということで、単なる市場であれば免除されているようなことが、商業施設になった途端に適用しなきゃいけないことが多々あるんじゃないかと思うんです。ただ、現在は市場ということで、計画通知もとられて運営しているから、そういう状況じゃないんだけど、現実的に安全性という点で言うと、非常に疑問を持つようなことになってやしないかなというのが1点。
 それから、もう1点は、敷地内の現存建物の建築確認の状況はどうなっているかというのを非常に知りたいと思います。といいますのは、先ほどから議論になっています、改善工事をしようと思ったときに、耐震改修であればいいのかもしれませんが、何らかの、そのよりよい方向に改善しようと思ったときには、大規模修繕というカテゴリーになってくると思うんですね。そうすると計画通知を出さなきゃいけません。これ、ちゃんと報告していただけるとうれしいんですが、平成8年に計画が、現在地再生計画が頓挫したときに、仮設建物を幾つかつくっていますね。仮設売場、それから正面入口上の駐車場、あの多層になっている。あの、一見、全然仮設に見えないんですが、あれが仮設ですよ。特に駐車場については、今、使われている状態で非常に重要な施設、これなくしては市場が機能しないような施設であるわけですね。それが仮設の状態で20年以上使われていると。
 で、基本的にその現在地再生で建てられた仮設が、現在地再生計画が頓挫した段階で、基本的には、その仮設使用が続けられるような状態であるのかないのか、本来であれば仮設というのは、2年ごとで許可申請をして延長していくんですが、それが、今の状況ですと、ちょっと存在が怪しいんじゃないかと。で、もし、そういう建物が敷地内にある場合に、計画通知が出せないんじゃないでしょうかと。つまり、大規模な改修ができない。さらに、その非常に大事な、それを、その状態を改善するには、その仮設であるものを全部除去しない限り、そういう手はずというか、手続すらできないだろうと思うんです。そういったときに、駐車場がなくなっちゃって本当にできるんですか。あるいは、その駐車場を別のところに仮設でもう1個つくりましょうと言ったときに、その仮設の計画すら確認申請がとれない状態なんです。
 ということは、今の状態では、八方手ふさがりで、本当に今のその改修工事、先ほど拝見したような工事しかできなくて、根本的なその安全性を確保するための工事は一切できない、八方手ふさがりの状態になっているんじゃないでしょうかというのが私の質問です。

○竹内委員 というか、専門家として間違っている。

○小島座長 え、そうですか。

○佐藤委員 え、どこが間違っているの。

○小島座長 ちょっと、まずは答えていただきましょう。

○施設課長 最初、一つ目は、実際、卸売場の用途なのに、実際はいっぱいお客さんに来ていただいて、商業用途のような使い方についてどうだと、私どもとしては、いっぱい来ていただいて、いろいろな意味でうれしいんですけれども、で、ショッピングセンターのような使い方をされていて、防災上、安全上、衛生上はどうなのかと、安全上、衛生上はなかったですけれども、どうなのかというお話ですけれども、市場で、卸売市場でとっていますので、用途上は卸売場で、まさに建築確認はとってございます。で、建物もそういったしつらえでございますし。
 ただ、ショッピングセンターといっても、ご覧になっていただいたと思いますけれども、たまたまここに出ている図面ですと、右上の、このちょこちょこっとしたところが寿司屋さんとか、いろいろあるところでして、低層なおかつ上部開放の部分が多いです。建物の、大きなショッピングセンターの中というよりも、外に小さい低層のものが建っている状態でして、今、既に、直ちに危険かどうかというのは、使い方と、あとは避難の方、ちゃんと適切に誘導できれば、今直ちにどう、すぐ危険だとは思っていません。今、法的に、その中で全然違う、あからさまに違う使い方、あと、ずっと絶えずショッピングセンターの上に、部屋の中で大量の人がいらっしゃるとまではいってないのかな。それに応じた、当然防災関係の設備の点検、非常用設備とか、そういったものについては点検しておりますし、ガードマン等で何かあった場合は対応、誘導しておりますし、防災訓練、防火訓練は定期的にきちんとやっておりますので、そういったもので対応できるかなと思っております。
 もう一つの建築確認の状態、この築地の中でどうなっているのかと、建てかえ手続はとれるのかというお話をいただいたと思います。これ、古くから相当、昭和9年が最初の建物でして、このときからの細かい確認関係、書類関係、今、私たち、建物の管理者ですけれども、全て、細かい書類全て整っているか、確認できているかというと、これは正直に言って全部、古いものまで全部ありません。あるのかもしれませんけど、少し引っ越し等で、関係で紛失しているものも当然ございます。この辺は、管理者としてはよろしくない、よくないことだとは認識しておりますけれども、今現在、全てあるわけではない。
 また、正面のもう一つ仮設の駐車場、正面の、今、先生に仰っていただきました、仮設の手続を行って、当時その仮設の建物を建てて、そこに仮に行っていただいて、種地というか、その建物を使っていただいて、ローリングしようとした建物です。当然この仮設につきましては適切に、仮設の建物を建てるといってもきちんとした、駐車場にしても、それなりの重さに耐えられるようにきちんと設計して、建物を建てております。これにつきましては、適切に建物の届け出を全て行って使っておりまして、どうしてもこれ、全体、長期間かかりますので、それぞれに手続を行っている間に期間が徒過していますので、再度、仮設の許可をとって、ずっと行ってまいりました。
 今日までに至っては、その後、何年ですか、ずっと、仮設の許可をずっととっていたんですが、ある時点で、仮設の許可が、許可が切れていまして、そのままの状態で、その状態のまま維持管理した状態が現在続いている部分がございます。この辺については、管理者としては非常によろしくない、悪い形だと思っておりまして、これにつきましては、最近の状況も調べている中で、その部分が欠けていることが最近わかりましたので、そこにつきましては、今現在どう使っているかというと、建物自体はちゃんとつくれるように手続を当初行っていたんですけれども、それで手続を行って、適正に許可を得ていたんですけれども、その後の書類の再度の提出が不備がございました。この点については、非常に、使っている方に申し訳ない、おわびをしなければならない部分がございます。
 ただ、その後の防火上の点検整備、維持管理、それについては、引き続ききちんと行っていまして、今現在も使っていただけるように、申し分ないように、維持管理はしております。今後も、きちんとそれは維持管理するのは当然のことだと思いまして、やってございますが、書類上については、一部不備がございます。そこについては認識しまして、これについては、どう対応するかも含めて、きちんと維持管理をしなきゃいけないとは認識しております。

○佐藤委員 今、維持管理をしなきゃいけないと仰いましたけれども、その法的に十分な状態じゃない状態になっているわけですね、仮設建築が、書類上。

○施設課長 書類上、そうです。

○佐藤委員 で、それを改善できる状況になるんでしょうか。

○施設課長 これ、今、直ちにできるどうかと申され、私の一存で、さすがに答えられませんけれども、それが使える、そのまま使えるべく努力はしなきゃいけないと思っています。

○佐藤委員 だから、私が一番申し上げたいポイントは、そういう状況にあると、新たな確認の申請ができないんでしょうということです。その状況が改善できないと、大規模な改修工事なんてできませんよという話です。

○施設課長 仰るとおり、その前の状態が書類上、不備が、何らかの形でオーケーが出ないと、次の大規模改修等は、当然仰るとおり進みません。ですから、それに対してどうするかというのは、大規模をやる前には、処理しなきゃいけません。仰るとおりでございます。

○小島座長 あの都庁の中の、これに限らずいろいろ書類がないとか、書類がないとかというのは今はいっぱいあるんですけれども、手続が確認できないとか、あるいは、その法的にどういうふうに整理するのかとか、こういう問題がある。これは、ちょっと整理をね、ちゃんとした上でね、まだ次もありますから、言っていただいたほうがいいと思うんですよね。で、今の状態は、今の築地が動いていて、手続に不備があるものがあり、かといって、あ、わかりましたといって明日から止めるというわけにもいかないわけでしょう。で、止めたら、別に止めろと言っているわけじゃないですよね。築地を止めて、早くもう閉場しろと言っているわけじゃないわけだから、どういうやり方でね、どういうふうに整理をするのかというのは、これは業者さんの責任じゃなくて、東京都の責任の範疇の問題だから、よく整理をしてね、対応を考えていただきたいと思うんですよね。これは行政の中の話だから、整理した上で、またお答えをと思います。まだ整理ができてないようなので、それはあれしてです。
 何か、竹内さんは何かありますか、いいですか。

○竹内委員 大丈夫です、時間がないので。

○小島座長 はい、ちょっと時間がないので、また、この議論は次回ということで、最後、前回の財務会計のところで、いろいろとわかりにくいというお話をいただきましたので、少し補足説明をしていただこうと思っています。

○菊森委員 時間も押してきていますので簡単に、補足的に、前回の補足として説明をさせていただきます。
(資料3 1ページ)
 お手元には資料があると思いますけれども、市場会計、今日私がここで10分ぐらいお時間をいただいてお話ししたいことは、市場会計と減価償却費の扱いの関係についてということと、それから、さらに進展して、豊洲市場の経営リスクについてという、この二つのテーマについてお話をさせていただきたいと思います。
(資料3 2ページ)
 その前に、一番基本の基本をちょっと洗っておきたいと思うんですけれども、これ、1月25日に既に市場のほうから説明をいただいているものでありますけれども、そもそも、この中央卸売市場会計というものの原理原則なんですが、これは地方公営企業法の一部適応事業として、独立採算を原則として、企業会計方式というものによって運営しましょうと。で、その市場の財務状況を示すものが財務会計だと。ですから、通常であれば、一般の財政というような大きな会計があるわけですけれども、これとは全く別に、企業会計方式によって運営しましょうというのが今回のこの市場会計の原理原則なわけです。
 じゃあ、その財務会計といいますけど、どういう構成になっているかというと、これも前回、市場のほうから御説明いただきましたように、収益的収支と資本的収支と。これはどういう違いかというと、毎期、毎期、毎年度、毎年度の収益から費用を引いた収支を出していこうというのが①の収益的収支。それから、より長期間にわたる施設の整備等に関する支出と、その財源となる収入を示したものが資本的収支と、この大きな二つがあると。我々としては、この両方を見ていかなきゃいけないんですけれども、特に、この収益的収支のところが大事だというふうに考えています。
 で、3番のところですが、減価償却費と財務会計についてでありますけれども、民間企業なんかも、まさにそうなんですけれども、施設整備のために支出した建設改良費は、毎年度、減価償却費として費用化されて収益的収支に組み込む、すなわち経費計上していくということになります。
(資料3 3ページ)
 ここで、減価償却とは何かということを言葉で書いているので、ちょっとわかりにくいと思うんですけれども、例えば、50億円の建物があったとします。その建物が50年使えるとしますと、それを経費計上するということは、毎年度1億ずつ経費計上していくと、非常に単純な例ですけれども、そういうことになります。その分、収入の、収益の足を引っ張るといいますか、収益からその分を、経費を引かなきゃいけなくなってくるということになります。これが500億だと年間10億、5,000億、今回のケースと似ていると思うんですが、例えば5,000億だと、毎年度100億の、それだけの減価償却を行わなきゃいけなくなってくるというものであります。通常、業務用の建物の場合、38年から50年の間で減価償却しているというのが実態であります。今回の試算の基本も、前提も、そのような計算を市場の方と私どもの方でさせていただいたということであります。
 で、減価償却費とは何かというと、改めてここに書いていますけれども、固定資産を費用化する際に、各期に計上される費用であると。したがって、市場経営のコストを適正に算出するためには、この減価償却費を含む収益的収支を見ることが必要になってくるということを意味します。
(資料3 4ページ)
 それでは、この東京都の中央卸売市場会計(試算)と減価償却について、現状と豊洲市場開設後を比べてみましょうということで、前回、市場のほうからお示しいただきましたような損益計算書が出てくるわけであります。後ほど、ちょっと見ていただきますが、結論だけ先に申し上げますと、現状では、比較的健全な経営をされているということになります。ただし、減価償却費は大体45億から50億円程度にとどまっているということです。で、営業損益は15億から20億円程度の赤字だけれども、営業外収益によって、これが20億から40億ありますので、それでカバーして、経常損益ベースではプラスにしていると。議会には、これらの財務会計の数値が報告されているということになります。何でこんな議会に財務会計の数値を報告するかというと、その理由は設備の入れ替えとか大規模修繕、今日議論になりましたけれども、大規模修繕とか建物の再建築を行っても経営を持続させることが不可欠であるから、こういう比較的健全、安全性の高い財務会計の数値というものを使っているということになります。
 今後、豊洲の市場をもし開場した後どうなるかということの試算を前回、市場のほうからお示しいただきました。豊洲市場開設後、28年度、これが開始年度ということなので、開業年度という仮定なのでこうなっていますけれども、予算ベースの推計で収益68億、費用が166億。で、収支はどうなるかというと、マイナスの98億円に、赤字になると。で、築地はプラス6億円だったんだけれども、移転することによってマイナス98億、約100億の赤字になるということが明確になったということを示しています。
 で、中央卸売市場の試算では、この赤字を他の10市場の黒字と合算して、11市場全体で赤字を減額しようと試みていると。それでも、平年度ベースで赤字が年間130億~140億円ぐらいに達してしまうと。果たしてこれが、健全な市場経営と言えるだろうかというのが、私の問題提起なんです。
(資料3 5ページ)
 ちょっと細かくて、手元に資料のある方は、これを見ていただきたいと思うんですけれども、確かに11市場合計では、経常損益のところ、大体収支、赤字のときもありますけれども、大体収支とんとんになるようになっているということなんですが、その営業収益とか経常収益を見ていただきますと、大体、特殊要因を除けば、大体百二、三十億から百四十億ぐらいの赤字がずっと、平成40年度まで少なくとも続く。恐らくこれは、その後、将来も続いていくということが想定されます。
(資料3 6ページ)
 これは再掲、前回の再掲でありますが、築地とこの豊洲の比較をしていただくと明確に、このグラフを見ると大きな赤字になるということがわかります。
(資料3 7ページ)
 ここで、東京都中央卸売場会計の特徴と課題というところをちょっと見ておきたいと思うんですけれども、これが、全国の中央卸売市場会計と比べて特に悪いかというと、そうではございません。で、11市場の合計額で、損益計算書及び貸借対照表を作成しているというのは、現状、どの央卸売市場もとっているところであるようなことであります。ただ、このために何が問題かというと、各市場の経営内容が十分には把握されていないということになります。いわゆる言葉は悪いですけれども、全体を見る、丼勘定的なという表現があるのかもわかりません。
 二つ目に、もう一つは、経営計画というものをどう考えるかということなんですけれども、市場というのは非常に、その時々の価格であるとか、市場の状況に左右されますので、経営計画をつくらないという考え方もあろうかと思います。でも、やはり何らかの計数計画を作成してみないと、なかなかその実態、将来どんな予見が変わっていくのかということも議論の余地もないということになりますから、計数計画の前提となる市場環境や、収益・費用等の数値条件の検証ができないということに陥ります。そこで、今回、市場当局とともに、私どもPTでも、この二つをつくりました。というのが前回のお話しになるわけですね。一定の仮定のもとに市場ごとの収支を、さっきのグラフにあったような市場ごとの収支を出しましょう、少なくとも平成40年度ぐらいまでの計数計画をつくってみましょうということで、作業を一緒にしていただいたわけであります。
(資料3 8ページ)
 それで、もう一つ論点があります。それは減価償却前利益というものを前回お出ししております。これは、議会に報告される財務会計とは別に、減価償却前利益の試算を実施したわけであります。その意味というのは何なのかというと、豊洲市場と11市場合計について、減価償却を除いたベースで経営可能性があるかどうかも検証したいということだったわけであります。減価償却が、もうかなり巨大な金額になった場合に、果たして商売ベースとして本当に経営が成り立っていくのかということを見るときに使われる方法です。で、減価償却を除いたベースでの経営可能性とは何かというと、営業収益から管理費用を引いたもの、これだけを引いたものですね。これは何かというと、日々の市場業務から市場運営者、すなわち東京都が得られる収支、これが赤字、これすらも赤字になるようでは、そもそも経営ができないということを意味します。で、その結果はどうだったかというと、豊洲市場については、減価償却を除いても収益68億に対して費用95億ということで赤字の27億。ということは、単独での経営可能性はないということになります。
 で、11市場合計について見た場合に、平年度ベース、これは特殊要因を除く、例えば築地の売却益を特別利益で上げておられますけど、そうじゃなくて、経常損益が大体どうなるのかと見ていきますと、マイナスの5億からマイナスの10億円ぐらいで推移するという結果になりました。ということは、これは何を意味するかというと、建物の設備が壊れるまでは使えるけれども、その施設を使えるけれども、その後は11の市場全部が税金を投入しなければ、新しい建物とか設備をつくれないということを意味するということになります。
(資料3 9ページ)
 それで、最終的なちょっとまとめをしていきたいと思うんですけれども、豊洲市場開場に伴う経営リスク、どんな経営リスクがあるのかと。リスクと書いたのは、必ずこれが確実に起こるとは必ずしも言えないかわからないけれども、今までの趨勢から見て、私もエコノミストでございますので、将来的にどうなるかということをやっぱり見ていかざるを得ないということであります。この事業が抱えるリスクというものを変動をリスクといいますけれども、それを見ようということであります。今日、ここでは4点挙げております。
 まず1点目、収入減少リスクと。今日も議論が出ていましたけれども、趨勢的な水産品取扱額の減少傾向。それから卸経由率。今、大手が直接いろんな物流、あるいはその商売をしておられますので、なかなか卸市場を経由しないというケースもまま増えてきております。卸経由率の低下傾向によって、現状のままでは長期にわたって減少が予想されると。
 で、二つ目、業者の経営負担の増加リスクと。これは、もうこのプロジェクトを通じて何回か話に出てきておりますけれども、卸、特に仲卸の方々ですね、築地から豊洲の移転する場合の経営負担の増加というのが見込まれます。各事業者の規模・収益性によって、当然、経営負担感は異なるんですけども、総じて負担は増大傾向にあるだろうと。これによって、中には豊洲市場への移転を躊躇、あるいは撤退する事業者も出てくる可能性があるというのが二つ目のリスクであります。
 三つ目、これはもっと大きなリスクですけれども、食の安全・安心が維持できないリスクということがあり得るわけです。食を扱う場合でありますので、万が一この食の安全・安心が維持できなくなるとした場合に、業者・販売先の豊洲市場の利用がなくなったり、あるいは、そうなると市場が成り立たないということが、そういう可能性が生じます。
 で、最後に、資金調達困難リスクとして挙げましたけれども、これら三つのことのうち、いずれかが起こってくると、だんだん豊洲市場の資金調達ができなくなるリスクが存在する。今は背景に東京都がありますから、いかなる場合でも東京都は、何らかの意味で最終的には資金の繰り出しをして、この独立会計の公的主体を守ろうとするだろうと。その場合、東京都一般会計からの繰り入れなどによる資金調達が可能であります。だけど、年間20億円以上に収益収支が赤字になった場合に、これ、20億円ぐらいは今は想定されているんですけれども、それ以上に赤字となった場合に、それは、とりもなおさず都民の負担となっていくだろうと。果たして「都民ファースト」あるいは「wise spending」という観点からいった場合に、将来にわたって、この増加する繰り入れによって市場への支援を行うことが果たして税金の使い方、あるいは運営の仕方として適切なんだろうかということは、私は疑問を呈したいと思います。
(資料3 10ページ)
 で、もう一つ、これは万が一、豊洲市場の経営リスクが増大した場合に、他市場に波及するリスクというのがございます。東京都中央卸売市場は11市場の合計だという話をしました。豊洲市場の収支が当初から赤字があると、開設当時からですね、今後、赤字が拡大するリスクがあるので、もう他の10市場、あるいは取引されている業者の方々の負担が増大するという可能性は当然見ておかなきゃいけないと。そのとき、ガリバーである豊洲市場の赤字の影響を受ける構造になっているのではないかと。
 で、次に、他の10市場でも、中には一部の市場で既にその兆候はあると聞いていますけれども、取扱額減少などの外的要因によって経営難から、あるいは縮小が出てくるような、そういう市場が出る可能性もあると。全国の中央卸売市場の縮小、一部に、もうそれが顕在化しています。
 そういう意味では、市場機能は都民生活に不可欠である、これは絶対命題だと思いますが、東京都全体の市場機能を守るためにも、この経営の健全性をどう維持し続けるかということが非常に重要であって、東京都はその責務があると私は考えます。
 以上でございます。

 4.閉会
○小島座長 ありがとうございました。
 若干時間が超過いたしましたが、次回は液状化の問題ですね、専門家会議で、築地で開かれておりますけれども、そこではいろんな液状化の話が、質問が出ておりました。このPTのほうで議論をするということで整理をしておりますので、次回3月は、そのことをテーマに挙げて、それからこれまでの、もし時間があればこれまでの整理と、議論の整理ということをしてまいりたいと思います。
 時間が超過いたしました。どうも、今日はこれで終わります。ありがとうございました。
 あ、何かありますか、事務整理、通達。

○事務局 最後に事務局より事務的な連絡をさせていただきます。
 本日の会議の議事録ですが、準備が整い次第、都庁のホームページに掲載いたしますので、あらかじめ御了承ください。
 以上をもちまして、第6回の市場問題プロジェクトチーム会議を閉会いたします。
 どうもありがとうございました。

17時20分閉会

▲ページの先頭へ