市場問題プロジェクトチームによる築地市場青果部関係者へのヒアリング議事録

平成28年12月14日(水曜)
築地市場2階第4会議室

12時30分開会

 1.開会
○小島座長 時間になりましたので、「市場問題プロジェクトチームによる青果部関係者へのヒアリング」を始めたいと思います。

 2.あいさつ・趣旨説明
○小島座長 まず、年末のお忙しいときにおいでいただきましてありがとうございました。前回、いろいろな進行上の関係から、青果さんの御都合が余りよくないときに日にちを設定してしまいまして、申しわけございませんでした。今日も本当に、もう年末でお忙しいところおいでいただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、まず、プロジェクトチーム、私たちのメンバーの紹介をさせていただきたいと思います。
 私が、座長を務めております小島と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、こちらからお願いします。

○菊森委員 ながさき地域政策研究所の所長をしております菊森と申します。よろしくお願いいたします。

○佐藤委員 建築関係のことを調べさせていただいています佐藤尚巳建築研究所、佐藤でございます。よろしくお願いいたします。

○時松委員 東京工業大学の時松です。よろしくお願いいたします。

○森山委員 森山と申します。お願いします。

○梶田委員 新しく加わりました。本日よりよろしくお願いします。私、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの梶田と申します。よろしくお願いします。

○小島座長 今日は、井上先生、竹内先生、森高先生、3名が欠席でございますが、その他の方には出席をいただいております。
 それでは、今日の開催の趣旨、あるいは、PTの役割ということについて簡単に御説明をさせていただきたいと思います。お手元に資料がお配りしてあると思いますが、前のスライドで進めていきたいと思います。
 まず、プロジェクトチームのメンバーでございますが、今、御挨拶をさせていただいたメンバー、それから、3人が欠席ということでございます。
 プロジェクトチームの仕事でございますが、検討を行いまして、知事に報告をする、報告書をつくる、こういうことが私どもの仕事でございます。
 まず、今どんな状況にあるかでございます。
 築地市場の豊洲への移転というのは、長い歴史がございまして、小池都知事が選挙で当選した段階では、地下水モニタリングをやっている段階でございました。この地下水モニタリングの結果その他を見て考えようということで、立ち止まって考えるというのが8月31日でございました。延期をするという判断でございます。
 ところが、その後、間もなく、10日ぐらい経ってからですが、豊洲の地下ピットの盛土なし問題が出てまいりました。この問題の行政手続上の影響というのは、これまで踏んできたプロセスの、すごろくでいえば、時計の針が戻って、専門家会議のところにもう一度戻った、そういうことでございます。
 そこからもう一度手続を再開するということになるわけでございますが、専門家会議の盛土にかわる措置ということの御報告、取りまとめをいただいて、市場PTでそれをまた見た上で、環境アセスメントも盛土ありということで手続が行われておりましたので、アセスメント審議会にかけて、変更手続で済むのか、もう一度アセスメントの手続を行うのかを審議していただく。
 そのアセスメントの手順が終わった段階で、必要な追加的な対策工事の入札実施完了、こういう形でようやく元のところに戻ってくる、こういうことで、この専門家会議から元のところへ戻ってくるまでに1年、アセスメントをもう一度行うということになるとさらにもう1年というのが行政手続の状況でございます。これも先般知事がお話をしたとおりでございます。
 さて、PTの仕事ですが、一般に家移りをするというときに、普通何を考えるか。まず移る先を見て、すごくきれいだし、いいなということなのですが、当然、ここは安全な場所なのか、あるいは、オフィスであれば機能性が、仕事がしやすいか。
 そして、最も重要なことは、経済性、予算であります。オフィスが移る場合に、家賃は幾らかとか、水光熱費は幾らかとか、あるいは、長い間使っていけば修繕の積立金も必要ですから、こういうお金のことを考えて、最終的に判断をするというのが普通のことでございます。
 市場PTもこの普通のことをやろうということでございまして、土壌の安全性、市場の機能性、経営の持続性ということについて今、調査をし、検討しているところでございます。その結果を知事に報告して、そのプロセス、結果も全て公開をする。こういう多くの情報が明らかになったときに、築地の方々、あるいは、都民の方々がどういうふうに考えるかという判断になるわけでございます。
 知事は、「都民ファーストに基づいて、総合的に判断をする」というふうにおっしゃっておられます。私ども、何らの予断を持たず、この作業をしているということでございます。
 PTの予定は来年の3月まで明らかにしておりますが、前回、第3回、物流の機能まで進んでおりますが、12月にはコールドチェーン・衛生関係、来年の1月には経営の持続性、2月には築地の補修、そして、第7回、3月でございますが、地震と液状化。
 専門家会議に私はオブザーバーとして出していただいておりますが、地震と液状化の御意見も随分出ております。それらはこの3月のPTでこなしていきたいというふうに思っております。
 そして、前回出てきた資料でございます。
 豊洲に移転をするということで、私どもは、豊洲ってどういうところなのか、会場は見させていただきましたが、それを数字で確認をしたいということで出していただきました。まだ明らかになっておりませんが、敷地の面積は1.7倍、建物が1.8倍になっている。
 それでは、お店はどうなんですかというと、お店はそんなに広いわけではなくて、築地とほとんど変わらないか、青果の卸売のお店のところは0.8倍ということで小さくなっている。お店自体は広くなっていないんだということがわかりましたが、その他のことがよくわかっていないということなんですね。
 これは当初から、素朴な疑問という、小学生がよく聞くようなことなのですが、築地は23ヘクタールで、豊洲は40ヘクタールもある、2倍近く広くなっているのに、お店が広くなっていないのはどうしてという、これに簡単にどうやって答えるのかなと。
 実際はどうなっているのかということですが、敷地は築地の1.7倍、建物は1.8倍、これを計算してみますと、お店の面積は建物面積の10%だけであります。
 では、残りの90%というのは何に使われているのかということでございます。
 築地は狭いということで、40ヘクタールの土地が必要だということで移ったはずでございます。確かに建物面積は築地の1.8倍というふうに広くなっております。
 市場の基幹施設がそのうち81%を占めておりまして、その他施設が小口買参棟、加工パッケージ棟などの施設が19%、こういう内訳になっています。この基幹施設の中に、全体の10%ですが、売場があり、荷捌きスペースや通路などが14%を占めている。
 すると、まだ6割近い敷地が何に使われているかということが、分類がはっきりしておりませんので、現在確認をしているというところでございます。これが明らかになってくれば、豊洲というのはどういうところなのかということがイメージできるというふうに思います。
 次に、今後のことでございますが、12月にコールドチェーン・ HACCPなどについて議論をしたいということで、前回お話をしております。
 第5回、年明けには、業者の負担と事業継続性ということで審議をしたいと思っております。
 建設費用という格好で、既にかかった費用が、全体で5,884億円、これは2015年3月の数字ですが、そのうち建物が2,752億円ということになっております。
 建物を設計する場合に通常計算する費用、ライフサイクルコストといいますが、建物はつくったらそれで終わり、あとは償還だけということではなくて、建物の維持管理、使っていく上で、これからかかる費用がかかる。
 通常は、建設費の2倍から3倍というふうに言われております。豊洲では、これからかかる費用が、建設費が2,752億円ですから、幾らかかるんだろうかということを今、調査検討しているということでございます。
 そのうちの、いわゆるランニングコストについては、先般明らかになりまして、築地は大体1日当たり430万円かかっているということですが、豊洲は開場して動き始めますと、1日当たり1,100万円かかるという計算であります。
 もちろん、この費用は今の数字ですから、圧縮がどれだけできるのかということになりますが、そのうち、市場全体で負担する、いわゆる一般的に都が負担するという、市場全体が負担するお金と、そこで使う方々が負担をする部分、例えば、光水熱費のうちの自己負担分というのが出てくるわけでございますが、その内訳もこれから明らかにしていきたいというふうに思っております。
 数字だけを見ると、ランニングコストは、豊洲は築地の5倍、光水熱費を見ると4倍という経費になる。それを365日ですから、お金を365掛けると、増える部分が合計で61億円、光熱水費は年間で32億円の増、算数をしてみますとこういうことになる。これがこれからかかる費用の一端ということで、いわゆる建物・設備の改修費等がこれから幾らかかっていくのかということを今計算しているというところでございます。
 そこで、前回例示いたしました「実態に即してご意見をお聞きしたい事項」ということで、前回は水産物関係の話をお聞きいたしました。建物の設備、交通アクセス、動線、店舗や冷蔵庫の配置、海水は水産のことですが、こういうような動線関係についてお聞きをいたしましたが、今回は青果の関係でお話、これに限らず御意見をお聞きしてまいりたいというふうに思っております。
 以上が、私どもPTの役割、そして、今後の予定、それから、今日お伺いをしたいことということでございます。
 私のほうからは以上でございます。

 3.ヒアリング
○小島座長 それでは、私の説明はこれまでにいたしまして、いろんな御意見をお聞きしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○泉氏 私は、青果協会会長を務めております泉と申します。
 こういう行政手法は初めてなものですから、少し小島座長に先に幾つかお伺いをして、我々とPTの皆さんのお立場のようなことを確認した上で、意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 まず、一番我々がわからなかったのは、小島座長が知事の顧問でいらっしゃる、この行政的なお立場がどうにも我々よくわからなくて、今までは中央卸売市場の職員と全てやっていけばよかった。そこが大分変わってきているようなので、ぜひそのあたりについて、まず座長の我々との立場といいますか、行政上のお立場というのか、権限、責任、そういうふうなことをまずちょっと伺いたいと思いますが、どうでしょうか。

○小島座長 私も国の役人でございましたから、行政はラインでできておりますので、いわゆる知事がいて、副知事がいて、局長がいて、この後、市場長ですかね、そういう縦のラインで物事は進んでいきます。いわゆる予算的なことだとか、行政的な判断もそういう格好で進んでいきます。
 もちろん、責任を明らかにするために、行政庁では、起案、決裁、そのような格好で全て権限と責任の所在を明らかにしていくというのが行政のやり方です。これは全く変わっておりません。
 私どもの立場は、知事に対して、先ほど申し上げましたように、報告書を提出する。その報告書を見て知事が総合的な判断をする、こういうことでございます。
 国においては、法律に規定された審議会であるとか、あるいは、大臣の私的な諮問機関であるとか、そういうものが報告書を出したり、答申を出したりいたします。
 これに対して、行政はそれに拘束されるものではなくて、それを大臣が、今回は知事に出すわけですから、もらった知事が自分の行政判断をするというときに参考にする、こういう立場です。
 もちろん、知事も、国においての大臣も一つの行政の長ですから、その判断をもって、部下である副知事以下を指揮監督する、そういうような関係になっていくということです。

○泉氏 よくわかりました。我々の理解で正しかったと思います。知事に直結して、知事に対する御助言とか、あるいは、知事の御下命によって調査をされる、そういう組織という理解でよろしいわけですよね。

○小島座長 はい、結構です。

○泉氏 先週の知事の記者会見の中で、「PTの皆さんと都の職員が話し合いながら進めています」というお言葉がありました。そして、「PTの皆さんは公正性、そして、客観性でおやりになっている」ということもお話しになられましたが、これはそれでよろしいんでしょうか。

○小島座長 はい。先ほど申しましたように、いろんな御意見もお聞きしなければいけませんし、物事にはいろんな意見がある。私も環境省でずっと仕事、あるいは、厚生省とかでもやっていましたが、物事はいろんな意見があって、ちょっとやり方に東京都も戸惑っているかもしれませんが、いろんなやり方があります。
 結論を決めて、同じ意見の人しか話を聞かないとか、あるいは、もう、結論があらかじめ決まっている人で会議を構成して、もう、ある場合には1日限りして、はい終わり、1日諮問・答申というのは、昔はよくやっていました。
 もうこれは、審議会で審議するということよりも、1日で決めちゃうということだから、その日にもうあらかじめ結論が決まっている。よく批判をされていましたが、諮問即答申というようなことも昔はやっていました。
 最近は、議論のプロセスを透明化するために、さすがにだんだんそういうことはなくなってきたと思いますが。
 そういう意味で、議論をオープンにして、賛成の人、反対の人、いろんな議論を戦わせて整理をしていくということになると思いますので、そういう意味では、あらかじめ結論をこうするとか、ああするとかということではなくて、幅広い意見を聞きながら議論を整理していきたいというふうに思っています。

○泉氏 本当に、私実は、ちょっとしつこいようなのですが、6年前に苦い経験をいたしまして、7年前になるでしょうか、政権が今の与党でない時期がございました。そのときにちょうど我々、参考人招致という形で、経済・港湾委員会に呼ばれたんです。
 その日の朝のニュースで、時の与党の方々は「市場の予算は通さない」、明確にテレビに向かってお話しになって、我々が行って、一体何を聞くんでしょうと。私自身も当然、先生方から、我々を呼んで聞いてくださる以上は、A案なのか、B案なのか、C案なのかというのを聞いた上で御判断されるとばかり思っていたのに、今朝のニュースは何でしょうかと、疑問に思いまして。
 それで、あえてこういうしつこい質問をしているわけで、あのときそれこそ、議会とまた先生方のお立場は違うと思いますが、非常に偏した形があったものですから、それを懸念してちょっと申し上げただけです。
 そういうことであれば、私、1つだけちょっとこれは疑問なのですが、PTの先生方が、ごく例外だと思いますが、マスコミに露出して、非常に極端な意見をおっしゃる、これは公正、あるいは、客観性という点で、座長はどうお考えなんでしょうか。

○小島座長 PTの議論は、PTの中でいろいろ話し合っていくわけですが、意見が違う方々で審議会を構成するというのはよくある話です。
 利害関係が異なる、お金を払う側とお金を使う側が同じ審議会にいれば、それぞれの団体が後ろにいらっしゃって、「我々はお金を払わない」とおっしゃいますし、使う側は「もっと金がかかる」ということをおっしゃる。
 だけど、そういう議論があって、審議会の中でもそうですし、審議会の外でもそういうふうにおっしゃる。これはよくある話です。
 それから、例えば、水俣病のこともずっと私はやっていましたが、病状について、これが水俣病である、いやいや、水俣病はこういうものだ、検討会の中で議論しますが、当然、検討会の中だけではなくて、外でも、それは科学的な、あるいは、自分の信念だから、ずっとそれをおっしゃる。で、ほかの先生もそれをおっしゃる。
 それは、その先生の学問的な立場でありますから、それはそれで、中であっても外であっても同じことをおっしゃるのがむしろ学者としてはそういうことがあろう。
 しかし、その話を聞きながら、行政としてどう判断するかというのはまた別のことですから、そういう御意見をお聞きしながら、行政として一つの意見を整理していく。あるいは、どちらがどんな根拠で話をされているのかということを整理した上で、行政という違う立場で判断をする、というようなことはよくある話なので。
 逆に、PTの中でおっしゃっていることと、外でおっしゃっていることが違うほうがちょっとおかしいとは思いますが、PTの中で議論を重ねながらどうやって整理をしていくか、そういうようなことだろうというふうに、私は行政の経験、いろんな先生方とか、団体の方々が入っている審議会を運営してきた経験からそういうふうに思っております。

○泉氏 本題にお答えする前に、最後にもう一つだけ、申し訳ありません。小池知事は都民ファーストとおっしゃり、あるいは、透明性とおっしゃり、情報公開というのが都政の一丁目一番地だと、そういうふうにおっしゃっておられて、当然、座長も顧問として知事と御相談されたり、あるいは、御報告されたり、あるいは、意見を交換されたりという場があると思いますが、そこら辺は、我々はのぞき見ることはできないんでしょうか。

○小島座長 意見交換といっても、オフィシャルなものも、オフィシャルでないものもありますから、役所の中でも意思決定プロセスに関わるようなものは残していくでしょうけれども、右へ行ったり、左へ行ったり、というものは、普通は残してないでしょう。
 私は、経験からいっても、大臣室に入って、正式にいろんな人を連れて会議をやるのは別ですが、報告に行ったり、「こんなことでどうですか」というのは、全部は残さないですから、いわゆるオフィシャルに決めていくプロセスはやはり整理をしなければいけないですが、これは事務量と、それから、事柄の性質によるのではないでしょうか。
 いわゆるPTの活動として整理をしなければいけないことは、これはきっちりとお話をしなければいけないとは思いますが、そうでないことのほうが多いかな、というので、仕事は仕事としてしっかり整理をして、つまびらかにしていきます。これが答えになるでしょうか。

○泉氏 ありがとうございます。
 ほかの方もおられるので、本題のほうのお答えを幾つかさせていただきたいと思います。
 豊洲は40ヘクタールだけれども狭くなっている、何がどこへ行ったかわからんというお話でしたが、この40ヘクタールの中には、5街区、6街区にある千客万来用の土地が残っています。これを引いていきますと、そんなにあと何がということはないので、この数字は結構リアルで正しい数字だと考えています。
 それから、なぜこんなに広くなっても施設が狭いかという御下問ですが、これは、昭和61年のとき再整備やるときも、建て替えると新たに動線を増やさなければいけない、つくらなければいけない、これを議論する中で、水産の皆さんから「やったら狭くなっちゃう。たまらないよ。だから青果は2階に上がってくれ」と、実は30年前、そういう議論がありまして。青果部は大混乱をしたわけです。
 結果、しようがない、築地を再整備するために、青果が嫌だと言えばここで止まっちゃうから、2階に上がりましょうという決断をいたしました。結果、しかしできなかったわけですが。
 新たにつくる市場は相当動線もしっかり取っていますので、当然ながら、敷地の広さと主要施設の広さが大幅に増えるということにはならない。
 そして、先生方もフィールドワークの一環で築地を御視察いただいていると思いますが、早朝ご覧いただいたらわかるように、新大橋通り、あるいは、晴海通り、周辺の通りで、これは違法駐車であり、そこに荷捌きをし、という、全く市場の用地に入っていない部分を相当活用してやっています。
 今回は、江東区さんからも非常に厳しいお言葉があって、全部場内に収容しろと、車はですね、路上での荷捌きはいかんよ、これに応えた形でこのような形ができたというふうに思っています。
 それと、私の立場ですが、よく移転推進派とか反対派とか慎重派とか、いろんな言葉があるのですが、何度も私いろんなことを言っているのですが、築地市場の中にいる者で喜んで築地を去りたい者は1人もいません。ただ、将来を考えたときに、築地の建て替えはできないという現実があるわけで、そこをどうしようかという将来の方法論の違いというふうに私は言ってまいりました。
 そういう立場で行かないと、移転推進だの反対だのという、いかにも対峙しているような図式が今までずっと長く続けられたのですが、そうではないということをぜひ御理解いただきたいと思います。
 それから、使い勝手のことですが、これは私が相当イマジネートじゃない人間なのかもしれませんが、使わないうちに使い勝手がいい悪いとおっしゃる方の意味が私はよくわからない。使ってみて、使い勝手が悪かったか、よかったかというのはわかるのですが、多分習熟も十分にまだできていない状況の中で、使い勝手。
 特に市場の場合は、ピーク時とそうでもないときの差がものすごく大きいんです。このピーク時を経験して、例えば、暮れの特定の日の朝2~3時間の大ピークと、1月、2月の非常に暇なウイークデーと、これを一緒くたで物を考えることはなかなか難しいというふうに考えていますので、私どもとしては、移転をした後にしっかりと習熟というか、使い勝手について使いながら検討して、修正すべきものは修正していきたいというふうに考えております。
 もう一つだけ言わせていただきますと、我々、多年の気持ちでずっと移転に向けて準備をしてまいりました。言ってみれば、まあ、船が出発するぞと、ドラがゴーンと鳴った途端に止められてしまって、さあ下りろと言われたようなものなので、できるだけ早く、もちろん専門部会の先生方の知見と、そして、対策はぜひやっていただかなければいけないのですが、できるだけ早く移転の時期を明示していただいて、まだそれに向けた準備なり、残ったままとまっているものがございますので、それらを進めていきたい。
 私どもとしては、いろんな手続を踏まえた上で、小池知事のお言葉で安全宣言をしていただく、これが移転の唯一の条件だというふうに考えています。後のことはよろしくお願いいたします。

○小島座長 どうもありがとうございました。
 次の方、お願いします。

○増山氏 私は、青果仲卸の増山と申します。
 卸さん、売さん、仲卸、3者ございますが、一応、仲卸という形の中で意見を述べさせていただきます。
 まず、今日のこのペーパーは、でたらめで、憤りを感じています。というのは、都民ファーストで、都民の方々がこれを見たら、我々はなぜ豊洲に行くのか、最初からのコンセプトは、やはりそこには危険、汚い、狭い、狭隘という言葉が今まで何十年出ていました。
 ここに書いてあるのは、こんな狭くないです、今度の新しいところは。
 例えばの話として、仲卸の店舗、私、卸売会社の方、またこれから卸の社長さんが申し上げますが、この数字がそのまままともに出ましたら、皆さん、こんな広くならないのに、狭いのに何で行くのか、何でこんなのをつくったのか。
 そんなことはありません。例えば、私、仲卸ですから申し上げたいと思います。仲卸144コマが23平米で、現在3,312平米ですかね。で、仲卸エリアが8,300ございます。
 豊洲は、約1万3,000平米ございます、仲卸エリアが。ただ、店舗面積は、どうしても私ども144コマという形の中で進んでいましたので、どうしても144コマをつくらざるを得ない。
 そして、あともう一つは、12メートル、18メートルという1.2メートル角の柱のスパンがありまして、私どもは仲卸、昔から30平米欲しい、大田が30平米ですが、むしろ35平米欲しい、そういうことを言っていたんです。言っていたけれども、1.2メートル角の12メートル、18メートルのスパンがあって、どうしても24平米にせざるを得なかった。それにしても、一応、仲卸エリアとして1万3,000平米ございます。
 やはり、私は仲卸の今まで携わってきた人間として、それなりの設備、それなりの広さは確保しているはずです。
 さらに、当然、閉鎖型の青果棟の周りには、きっちりとした搬出バース、これも入っていません。これだと、普通の、わからない方が、都民の方々が見たら、何でこんな狭いところへ行くのか、何をやっていたのと誤解を招きます。
 私どもはちゃんとしたコンセプトの中での市場をつくっているはずです。それをやはり、訂正とは言わないけれども、この数字は間違っていません。間違ってないですが、誤解を生みます。これは訂正していただきたい。口幅ったいようですが、先生方によろしくお願いします。そうしませんと、正しい情報が出ない。
 それから、当然今、国も挙げてやっていますが、商物分離の時代に入ってきています、これからの物流は。当然、生鮮食料品流通の基幹インフラとしてこれから100年やりますから、しかし、物流の仕組みは変わります。
 今までは現物主義だったんです。ここに荷物があって、ここで競りをして、ここで販売をする。今は荷物が通過する。そういうようなものがもう当然として行われる。将来さらに行われるでしょう。
 そうなりますと、ただ広ければいい、ただ卸売場が広ければいいという問題ではないです。ただ広ければ店舗はいいんだ、じゃないです。店舗も入れないで、店舗はサンプルなり、また、情報化の中で、物はそっちで動くよ、そういうことがあります。
 それから、私もやはり委員としてずっと携わってきましたが、どういう形で物が流れていくかというのを十分に精査しながら、今の錯綜した物の流れではなく、一気通貫ではないですが、やはり入庫から出庫まで、どういう形できっちりと物流されているのか。
 ですから、今度の市場は、現在の市場と大きく違うのが、物流センター機能を持ちました。卸売場ですから物流センターじゃないですよという言葉もございます。
 しかし、やはり、もうこれからの市場は物流センター機能を入れなければいけないということで、店舗じゃないんです。店舗も多少広くなりました。けれども、やはり、いろいろな総合的な場が必要であり、物流動線が必要であり、搬出が必要であるという形でつくってありますので、その数字まで入れていただきたい。もし今度お出しになるなら、と思っております。
 以上です。ありがとうございます。

○小島座長 ありがとうございました。
 これは、中央卸売市場のほうに、役所のほうに提出をお願いしているわけで、先ほどの11ページのところで述べましたが、まだ57%のところが明らかになっていません。
 この数字の中の青果棟、水産卸棟、いろいろありまして、その間で荷捌きスペース、通路等が7万2,000平米、これ以外全然書いてないので、多分これ全部を明らかに、どこが何平米、どこが何平米ということが明らかになれば、今お申し越しのことが明らかになるというふうに思います。
 御心配なさらずに、作業は続けていきますので。

○増山氏 よろしくお願いします。

○小島座長 正確な数字がやがて出てくると思います。
 では、次の方、お願いいたします。

○山田氏 青果仲卸の山田と申します。
 私は、仲卸店舗の電気容量についてなのですが、現在、電気容量、我々仲卸店舗、アンペア数は御存じですか、皆さん。御存じないですか。

○小島座長 はい。

○山田氏 現在、30アンペアなんですね。豊洲へ行っても30アンペアということで、この30アンペアというのは、はっきり言って、先人たちの時代のままの容量なんです。現在、皆さん、我々の事務所でも、複合機は使っており、パソコンですとか、かなり電子機器とかいろいろなものが整備されております。
 はっきり言って、30アンペアのままですと、過去にはかなりブレーカーが下りてしまったということで、並行して現在、動力の電源も入っておるのですが、仲卸店舗、過去において、エアコンですとか保冷庫、そのための動力の電源も入っておりました。それで、我々個人でコンデンサーを入れて変圧して、そこから電源を取っている状況なんです。
 豊洲へ行ってもこのままの状況では、完全に我々、事務処理がつかない状況ということで、かねてからお願いしてあったのですが、まだ聞きとどめいただいてないということなので、その辺ちょっとお聞きしたいと思います。

○小島座長 鈴木社長、お願いします。

○鈴木氏 卸のほうの東京シティ青果の鈴木といいます。
 11月15日は、弊社、東京シティのトシマ会長のお別れの会ということで、2時から設営していまして、出席できず本当に申しわけありません。また、再度こういった機会を設けていただきましたことを感謝申し上げます。
 私は卸の立場でございますので、全体の枠でちょっとお話ししたいと思います。
 築地市場は昭和10年にできまして、家業と言われるおやじさん、水産ですと魚屋さんが中心でやっていました。昭和の末ごろ、量販店さんが増えてきまして物流が変わってきました。
 過去は、荷物を市場に入れて、競売で八百屋さんが引き取ってくれたという時代がありまして、昭和の後半から半々ぐらいになってきた。
 このところ見ていますと、非常にスーパーさんの台頭が多くて、夜間の搬出がふえてきたというのが現状で、築地ではちょっといろんな面で難しいということで、私ども、今まで三位一体ということで、卸、仲卸、小売、3人で協議しながら、いろんな案件を整備してまいりました。
 私はとにかく豊洲市場でのビジョン、豊洲ビジョンのモデルとして、80年間育まれた歴史と伝統を継承した従来型営業スタイルの築地モデルと、今後の時代の変化、環境変化に対応して、全ての未来型の営業スタイル、豊洲モデルを構築し、事業モデルの根幹として考えておりました。
 これからの市場の役割としては、最新鋭の施設のみならず、豊洲市場を拠点として、全国に情報発信のステーションとして機能が必要だと考えております。
 市場というのは、なかなか今、国でも、市場が過去の遺物だというような話がございますが、我々は第一次産業の、我々にとっては農家でございますが、いろんな需要、供給のバランスが不一致な点がほとんどの中で、いろんな引き出しをもって対応してきたのが卸市場であり、卸会社というふうに自負しております。ここを一つのポイントとしてまずお話ししておきたいと思います。
 また、今回の豊洲市場の移転で、旧来の問題点、課題の解決を、年月を重ねて、我々3者で協議してまいりまして、そして、その中で青果部の設計を反映してつくり上げてきました。
 施設については、いろいろ私ども、搬入の産地のトラック、県単位で試験をやってまいりました。不備は確かにあります。それをどうやって使おうかということで今、検証しております。
 できた中で、我々も荷受けのプロで販売もプロですが、施設に関する工程についてはプロフェッショナルでないものですから、あくまでも素人なので、我々の希望を入れた形で進めてまいりましたが、3者で協議してこれで行こうと決まっていましたが、そういう中でもいろいろ問題点があると。
 ただ、それはこれから解決すればいいと私は思っていますし、まだちょっと延期になっていますから、これから一つ一つの搬入、搬出、入り口ゲートを含めて、高さの問題が出てくると思いますが、そこについては一つ一つ検証していきたいと思っています。
 また、卸売市場は多分、水産のほうはご覧になったと思いますが、青果の卸売市場、卸、仲卸、荷捌きに分かれていまして、1階は基本的に卸売市場の機能である食の安全・安心を確保する閉鎖型の施設、これは全く築地と違います。ここが一つのポイント。品質ありきの取引を、効率よく荷受けと搬出を可能にすることを目指してきました。
 また、2階は、情報共有を図るため、産地、卸、仲卸、小売さんの事務所を集結して、迅速な情報発信基地とした、新たな取引市場に参入する3階のお客様も豊洲市場の拠点となるように、事務所なりを併設しました。また後で御説明しますが、2階はそういうことです。
 3階は、懸案だった、今まで対応できなかった、SMさんを中心とした対応、多様化した業態への加工、配送を実現して、きめ細かな物流サービス機能を目指しております。この加工、荷捌きについては、仲卸、バイヤーさんに、例えばベンダーさんも、約19社参入予定でございました。
 政府も積極的に推進する、輸出に対する、卸売市場のモデルとなる、我が社の主体である安全・衛生的な加工施設をつくり、HACCPへのステップとして目指してまいりました。
 平成28年、農林水産省農林水産物食品輸出促進対策事業の補助金として交付が決定しおりましたが、開場延期になり、これは取り消されました。農水省のほうからどういたしますか、我々はHACCP、輸出物に分けて進めているので進めますということで、自らの資金でこれをつくりました。
 さまざまなコンセプトで、当初の目標として、当社の年間取扱目標である1,000億円の見込みがあるわけですが、現状、築地市場内の扱いは約800億円でございます。3階また新しい施設を含めて、移転後は100億円を目指し、数年後は200億円アップして、目標1,000億円に持っていくというビジネスモデルを掲げておりました。
 具体的な投資額等については省きますが、1階の自動立体冷温倉庫、これは、ご覧にならないとちょっとわからないと思いますが、一時保管がきく温度管理のできる施設でございます。また、1階に6扉、3階に6扉があって、お好みによってタイムリーにそのドアまで届けるということです。要するに、空間を利用した施設でございます。
 また、低温施設については、整備等の位置づけがありました。PFIという話もありました。なかなかそれがうまく進まず、私どもがやはりこの案件を進めたと。
 現状は、場内に低温倉庫がございます。ただ、皆さんが「そんなに大きいのは要らないよ」という中で物体をつくれば不備だろうということで、卸を中心になって考えてくれということで倉庫をつくりました。
 また、1つの建物で、1階と3階の物流、一時保管のできるような形と、3階の施設を活用する業者たちの多様化のニーズにこたえるために、自動垂直搬送機をエレベーターのほかに4基つくりました。動線を縦横にいかに効率的につくるかということも、完璧とは言えないですが、一生懸命やっておりました。
 また、2階の情報共有事務所でございますが、これについては、2階の事務を構築するべく、当初から東京都と協議しまして、当社が指定を受ける事務所内に総合市場として、特殊性を生かすため、産地と実務者の情報共有の場として、新規に3階を利用する業者も含めて、豊洲市場を拠点として営業拡充のため活用してもらう施設をつくりました。
 業者の事務所スペースを割き、バイヤーズルームと称し、商談スペースもつくってまいりました。
 また、豊洲市場については、築地と比べて非常に便が悪いということで、当初、社員以外にも青果部の業務に従事する方々、福利厚生とは言いませんが、食堂も160席、また、業者も選定してまいりました。
 また、1階には、青果部の新たな商品開発、新商品のPRの施設として、テストキッチン、名前もフレッシュ・ラボと言っていますが、生産地の方が生産物を持ってきて、そこで調理をしてプレゼンできる場所でございます。ご覧になっていただくと具体的なイメージがわくと思いますが、これも情報発信、情報提供ということの基幹的な場所と考えております。
 また、3階は、先ほどちょっと申しましたが、低温加工荷捌き施設においては、当初から民間施設で行う、PFIで進めておったのですが、非常にこれが難しいということで、東京都が基本的な施設をつくり、内部の造作は民間が行うことにしてくれということで進めてまいりました。
 これの進め方を、卸、仲卸、小売、バイヤーさんと協議を行い、3階の施設は3者の協同指定、その代表として卸の当社が受け持ってくれということで進めておりました。建設に当たっても、代表で当社が行うことを決議し、使用者が応分の負担をすることで合意しております。
 また、その施設を、より高度な整備を施し、3階の施設を活用する業者の人たちの要請に応えること、また、先ほど申しました輸出を視野に入れたHACCP対応の加工パッケージ施設も建設しました。
 当初の大規模な設計については以上でございますが、非常にさまざまな施設を卸、仲卸、小売さん、皆さんがスムーズに行けるよう、築地ではなかなかできなかったことを、夢を描いて構築してまいりました。
 これから人口が減り、農水は7,000万の人口に対して農家に少しでも手取りを増やせという理屈で今いろいろやっています。我々は、農家を守るため、消費者に安全なものを供給するため、卸市場の必要性を求めて、今度の豊洲市場に夢を描きながら、いろいろ方向転換を進めてまいりたいと思います。
 ひとつ、今いろいろなことで案件が止まっております。私ども、産地の方々も、いつ始まるんだ、安全なのかと、そこをやはり払拭することでございます。安心・安全の確保が最重要でございますから、盛土の件とか、ピットの件とか、それはもう皆様専門の方にお任せして、皆さんが安全だよというもとに我々は進めてまいります。
 ぜひ、東京都知事みずから安全宣言をお願いしたい。風評被害の払拭、これは知事自ら産地にめぐっていただいて、我々も同行してどんどんPR活動をしていきたいと思っております。
 また、いろいろ私どもは案件も進めています。損害額の圧縮ということで、少しでも早く移転することによって損害額は減ると思いますし、損害大手の考え方、早期提示をお願いしたい。
 また、最後に、一番大事なポイントでございますが、開場時期、少しでも早く提示をしていただき、その時間軸で一つ一つ進めてまいります。
 私ども、今まで、東京都知事から言われました1プラン、2プラン、早くて来年の冬、再来年ということを想定しながら、今、決断が下されましたから、その中でも、少しでもきっちりできるように進めてまいりますので、今後とも御指導、御鞭撻を賜れればと思います。
 パワーポイントで御説明すればもっとわかりやすかったと思いますが、口頭で失礼いたします。
 以上です。

○小島座長 ありがとうございました。
 まず、いろいろお聞きしたいと思いますので、どうぞ。

○江田氏 私は、仲卸の金芳の江田と申します。よろしくお願いいたします。
 先ほど、山田社長よりお話がありました電気の容量の問題、30アンペア、同じような話になって恐縮ですが、例えて申し上げますと、もし私の記憶違いでなければ、店舗のほうには100ボルトと200ボルトの電源が来ていると思いますが、200ボルトに関しては保冷庫とターレの充電でもう終わってしまいます。
 残り100ボルトのほうで、コンピューター、サーバー、あと電話、ファクス、あとは空調ですね、そういったものを全部やりくりしないといけないという状況でございます。このまま30アンペアで開場するとする。
 そうすると、私もその辺は詳しくありませんので、業者の方に聞いたら、「もしこのままだと、例えば、お湯を沸かすことはできませんよ」と言われています。弊社の場合は、たまたまお客様がよくいらっしゃいますので、お客様がお見えになったらお茶をお出しするのですが、それもまず無理だというふうに聞いています、容量の問題で。
 今、さっきパソコンとか申し上げましたが、まず使ってないお店はほとんどないのかなと思います。それも、台数が増えれば増えるほど当然、容量が増しますので、その辺だけはどうしてもやはり、お茶を入れるには、いずれにしても、絶対的に足らないというのだけはよく御理解をいただければと思います。
 一番心配なのは、私も素人でよくわからないですが、パソコンの電源が飛んじゃうと中身がだめになっちゃうと思いますが、それは絶対最優先しなければいけないので、その他どこを削るかというふうになっておりまして。
 習熟訓練のときに、社員、もちろん従業員を含めてみんなで見に行って、実際こういう状況だよと。では、パソコンは絶対消せないから、じゃあパソコン使っている間、この電気は消さなきゃいけないとか、この空調は切らなきゃいけないのかと、そういう話になってしまいます。
 それではやはり余りにも使い勝手の面で、日々のことですので、たまのことでしたらいいにしても、毎日のことですので、電気の容量の件だけはぜひとも御検討いただければと思いますので、改めてよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○小島座長 ありがとうございます。
 では、次の方、お願いします。

○藤田氏 卸売会社東京シティ青果の藤田と申します。
 私は、長年にわたって、豊洲への移転の話が出たとき、ちょうど15年前になるかと思いますが、そのときからこの市場の移転について携わってまいりました。
 今日、使い勝手のこともあるのですが、施設関係を申し上げますと、私ども、満点とは言いませんが、築地で実現できなかった商売、これをやはり仲卸さん、あるいは、小売の方、そして私ども卸と、問題点を出し合って、それなりに考えた施設であるというふうに自負しております。
 全てが全て満点ということではありませんが、少なくとも、やはり時代の要請に応えるべく、例えば、荷捌きスペースを十分に取ろうよとか、あるいは、築地でできない、例えば、チェーン展開をしている量販店対応ができない、この理由は何なのかといったとき、やはり、荷捌きをするスペース、それと、車を着車させるスペース、これが十分に兼ね備えられていないところがやはり原因であるというふうに結論づけまして、そういったことの実現に向けてさまざま努力してまいりました。
 その結果が、1階における小売バイヤーさん積込所と言っているところにしっかりとした屋根の高い荷捌き、積み込みができる状況が実現されている、あるいは、建物の周り、ここにも緩衝スペースといいますか、通路を十分に設け、移動しながら着車させ、そして積み込みができる、荷捌きができる状況を実現している。ひさしも十分についています。
 それから、かなり時代の要請で、高度な衛生管理、温度管理を求められる場面もありますので、3階の大口荷捌きスペース、大口ピッキングスペース。
 これは、当初この2つの言葉を使っていました。荷捌きというのは、私どもイメージしていましたのは、量販店対応、これの店別の仕分けであるとか、センター別の仕分けとか、そういったことの仕分け作業。
 そして、ピッキングと称しておりますのは、築地で育った一つでもあります業務対応、飲食店向けのさまざまな小分け作業ですね、商品の、小分けをしてお店に提供する、この作業を高度な衛生管理、温度管理をした中でできる。
 こんなことを、夢を追いまして、3階の施設、十分な、十分とは言えない面積なのですが、建物の制限がありましたので、ただ、できる限りの大きさということでつくった、このことを計画したことを報告させていただきたいと思います。
 したがって、現状は、私どもも、こうした中で、産地の皆さんへの利便性ということも十分に考えました。築地は、正直なところ、産地のドライバーさん、荷物を運んでくるのに行きたくない市場の代表のような市場でもあります。
 このことをとにかく払拭しなければいけないということで、スムーズな動線の確保、そして、スムーズな荷受け作業、そして、築地に荷物を持ってきてくださったドライバーさんが速やかに作業を終えて帰れるということを目指して、動線、あるいは、誘導体制も考えてまいりました。
 このことにつきましては、まだ青果部全体で、物流の検討というのは途中ではありますが、私ども卸としては、自分たちで考えた車両誘導の動線、産地車両が中心ですが、この動線について、本当に図面のとおりにトラックが誘導をスムーズにできるのか、できないのかといったことを現地で検証してみました。
 結果、ルールをしっかり守ればスムーズな誘導はできる。ただ、やはり、決められた場所以外のところに車がとまっていたりしますと、なかなかスムーズにいかない場面も想定されるということになりましたので、このあたりは、使い勝手の問題、また、みんなでルールの運用の問題ですから、青果部内でしっかりと話すことによって解決できるのではないか。
 施設は、やはり私は、ある部分、限界があると思います。そして、建てられるもの、手にできるものにも限界があると思います。
 私は、今、みんなで長年にわたり検討してきた施設というものを、これをうまくどう使いこなすかということを工夫する、知恵を出し合って工夫をして、スムーズな運営に結びつけたい、そんな思いでやっておりますので、今後もひとつよろしくお願いをしたいと思います。

○小島座長 ありがとうございます。
 次の方、お願いします。

○星野氏 仲卸に従事している星野と申します。
 仲卸と、卸と、いろいろ立場がある中で、やはり先ほど仲卸の方のおっしゃっているのと一緒ですが、なかなか私みたいに、日々こちらでずっと従事している者ですと、豊洲に習熟とか何度か行かせていただいているのですが、やはりなかなかシミュレーションとか、情報とか、全く、築地と環境がいい意味で改善されたという形の中で、従事するときに、今回のタイミングも含めてですが、相当行く機会がなかなかつくれなくて、みんな全部不安に思っているというのはそこのところかなという。
 その不安の中で、電力の問題とか、そういうのが出てきて、なかなか僕らの中では、うわさ話とか、そういうので、テレビで流れているのとかで、お客様から質問されたりとか、そういうので答えることができない状態でいる中で。
 自分たちの中でもやはり、実際行ったときに、行ってからわかってしまって困るということよりも、今回、こういう状況の中で、よく考えて、こういう場所をつくっていただいたことで、建設的に、我々も使いやすい。
 もともと使いやすくなるだろうと思って来ていましたので、本当にこういう場で、なるべく早く、しかも、いろんな、行ってみないとわからないこともたくさんあると思いますが、その中でも、今日具体的に出てきたものに関してはなるべく意見を取り上げていただいて、スムーズに移行できるような形で取っていただければと、一従業員の人間としては思いますので、ひとつよろしくお願いします。

○小島座長 では、最後に、お願いします。

○近藤氏 青果仲卸の近藤と申します。
 先ほど、我々と同じ立場の青果仲卸の方から、商物分離というような時代も当然あると、これは私も当然理解できるのですが、私どもの場合ですと、業務用対応ということで、一番この築地の特色は、いわゆる築地ブランドをつくり上げてきたような、真ん中で商売させていただいている自負があるのですが、
 いわゆる業務用対応、我々仲卸の一番大事な、いわゆる目利きの部分といいますか、やはりこのお客様にはこういう商品をこのように、このようにという、こういうピッキング作業の中で、仕分け作業等々をしながら営業している次第なんですね。
 それを我々の命とさせていただいていますし、恐らく、多くの消費者の方々は、築地市場はそのような市場であるというふうに理解して、応援してくださってきたんだと思います。
 今後もそれを達成したいなと思いますが、そうしたときに、「店舗はただの店舗ではない」というような、深くおっしゃったわけではないと思いますが、そのような響きもあったのですが、私どもは、店舗は店舗として大切にしたい。店頭というのはものすごく大切にしたい。
 その中で、皆さん、委員の方々、豊洲市場を訪れてはおられると思います。大変きれいな、すばらしい施設だと私は思いますが、圧倒的に全体照度が足りてないです。天井が高過ぎる。高いところから照明が当てられているわけですが、通常にホテルのロビーとかで考えるなら落ち着きがあって大変よろしいと思いますが、生鮮食料品を目利きしていくにおいては、やはり手元の明るさというのが絶対必要なんです。
 あれは、全然そういうことに従事したことのない方々がきれいに化粧仕上げをするからああなっちゃったというような施設のように思えてなりません。
 そこで、造作という部分で私ども、店頭に、やはり手元を明るく照らすための照明器具を設置したいという造作の申請をしましたところ、店舗の壁面ですね、防火ということの問題において、そこにねじ穴を開けたりすることによって、照明をふやしたりすることはまかりならんと言われたんです。
 ではどうするんだと。頭にカンテラでもつけながら商売するんですかという話になっちゃうわけですね。こういう矛盾というものが、開設者の方々も、どうも生鮮食料品というものをよくわかってないようで、この辺の矛盾というものに対して前向きに取り組んでくださってないような感じがします。
 いろいろ造作の中で制限があるのはやむを得ないことだと思いますが、明るさ、照度、この部分に関しましては、絶対に生鮮食料品には必要なものですから、こういったものが可能になるような御検討、これは使い勝手の部分に入るのだと思いますが、御検討いただきたいというふうに存じます。
 また、さっき座長がおっしゃったランニングコストが、豊洲はものすごくかかるということで、電気代もかかる、これは恐らく地冷等があるから大いに影響していると思いますが、つけ加えさせていただきますと、我々仲卸では、自前で、地冷というのは、開設者の方々、これでコールドチェーンは保たれるという認識でつくられたもののようですが、我々の認識の中では全然足りてない。それでは全然温度の低下が図れてないという認識がございまして、自前で空調設備というものを整えております。もちろんお金がかかりますね、我々側のほうで。
 それでもってしてということですから、さらに大きなランニングコスト、これはどちらが負担するかは別ですよ、さらに大きなランニングコストのかかる施設なのかなというイメージがありますので、それだけは一応情報としてお伝え申し上げたい。
 また、面積が、総合面積では広いのに、なぜか広い使い方ができているのかどうかが疑問ですよねと、この57%の部分ということになろうかと思いますが、通勤駐車場ですとか、今、築地では朝日新聞の地下を借りていまして、通勤駐車場とさせていただいている部分が中に入ってくる、あるいは、にぎわいゾーンができる。
 正直言いますと、私、にぎわいゾーンって何で必要かなと思うのですが、そういうものができる、ガソリンスタンドが入ってくる等の中で、敷地面積、青果部では敷地面積がそれだけ結果的には狭くなっているのでやむを得ないという部分はあろうかと思うんですね。それは57%の中で結構大きなウエートを占めると思います。
 ただ、先ほど来、シティ青果の社長並びに専務が3階施設のことをとうとうと語っていらっしゃいましたが、この3階設備、これはやはり将来に向けてのビジネスビジョンを持ってやられていることですが、一部のバイヤーさんの方が500坪の面積を占めて、そこをかすめ取ってしまっているような現状がありますので。
 これも全体、青果部全体の流れでいえば、ごく一部の業者のみがそれだけ広大な面積を取るということは市場としてどうなのかということがございます。これも本来でしたら、僕は検討課題にしていただくことではないかなと思って申し上げたいと思います。
 また、開場時期もできるだけ早く、これは私もそのように思います。できるだけ早くとは存じますが、やはり今、水銀とか余り耳ざわりのよくないような言葉がどんどんどんどん走っておりまして、専門家会議の平田座長も、「これは一般的にいえば問題のない数値だ」とはおっしゃいますが、海外の方々、例えば、福島、3.11、皆さん御記憶あろうかと思いますが、いまだに福島の物は受け入れていただいてないわけです、どこの国へ行っても。
 かなりヨーロッパを初め、厳しい基準、目つきで物を見てくる。時においてはこういったものが政治の外交の駆け引きにまでつながってしまうような材料になろうかと思います。もし、「豊洲市場からの商品は入れない」と例えば相手国が言った場合においては、これはもうどうしようもないわけです。
 ですので、早くということと矛盾してしまうかもしれませんが、風評というような部分ですね、ここに関してはきちんと、都だけではなくて、国のお力も借りながら、我々が開場した後に商売が成立しなくなるようなことのないように、消費者の方々ですとか、海外の方々にも「豊洲いいじゃないか。応援しようじゃないか」というようなお言葉を頂戴してからの開場ということを私は望みます。個人的にですが。
 それがいつまでも時間がかかり、オリンピック等と重なるような開場時期にまでもしなるならば、オリンピック後だっていいんじゃないかと私は思っています。混乱がなく、スムーズにできる時期、こういったものをやはりイメージしていただきたいというふうに、私は個人的にですが考えております。
 以上です。ありがとうございます。

○小島座長 ありがとうございます。
 委員の方々から、今日のお話を聞いた感想なり、述べていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 では、菊森さんから。

○菊森委員 今日はどうもありがとうございました。もう少し早く皆様方とお会いできていたら、非常にまたよかったかというふうに思っております。
 きょうは青果ということでございますので、今お話を伺っておりますと、豊洲市場に築地から移る、そのときに、やはり市場のイノベーションというものがどこにあるのか。あれば、多少の投資額の増嵩というのは、それは正当化される可能性、私は高いと思っています。
 きょうお話を伺っていると、やはり新しい動き、青果さんについて言うと、非常に新しい動き、すなわち、ネットであり、コンビニの増加といいますか、扱い量の増加であり、そして輸出と、ある程度、将来の日本の消費構造が変わってくる、日本の流通業が変わってくるところを反映させた形の対応を青果さんはなさっているなと、業態としてですね。そこは非常に心強く思いました。
 したがって、それに対してどのように豊洲市場というものが対応しているのかと。そのために必要なインフラとして使っていくのであれば、非常にこれは望ましい形ではないかと思います。
 ただ、一方、やはり物流、きょうのお話の中で非常に印象的だったのは、これも水産のところでも議論は業界としてされているのですが、市場機能という問題と、物流機能という2つの問題。物流は拡大していくんだけれども、市場機能をどの程度きちんと育てていくべきなのか。なくてはならないものであるがゆえに、私もその点を考えていきたいと思っております。
 きょうは非常に本当に参考になる御意見をいただきましてありがとうございました。

○佐藤委員 本日、お話を伺って、青果市場の方々の今までのいい市場をつくろうという御努力は非常によくわかりましたし、それから、今後に向けでできるだけ早く開場していただきたいという御希望について非常によく理解できました。
 建物として見たときに、閉鎖型ということで、かなり築地の開放型に比べると、築地の場合は、駐車場であり、通路であり、そこが荷捌きであるという、非常に多機能的な使い方をしているものが、豊洲に行ったときには、それが機能分化された形で空間配置されていると。
 そういうことで、一見すると、何といいますか、面積ばかり増えちゃってというような数字で見えるかもしれませんが、実はそれが機能分化していて、より迅速、あるいは、正確な物流ができる、安全な物流ができるということにつながっているんだろうというふうに私は実感しました。
 できるだけ早く結論が出せるように私どもも頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

○時松委員 今日は貴重な御意見ありがとうございました。皆様方のお考えがよくわかったような気がします。
 それで、先ほど御発言がありましたが、使い勝手は使いながらということなのですが、このPTでも、仲卸棟と青果棟が対角になって、その動線が問題ではないかという話が出ているのですが、この辺に関してはどのようにお考えなのかなと、ちょっと。

○泉氏 水産仲卸棟とか。

○時松委員 はい、そうです。

○泉氏 これはまことに言いづらいのですが、当初の計画は、5街区とアンダーパスでつながった7街区が仲卸棟であったんです。ところが、建物を重層化するために、晴海からの景観の問題で高さ制限にひっかかって入れかわったと。
 我々も寝耳に水で、入れかわった後に、水産仲卸が6街区へ行った。御承知のように、200メートルほどの桟橋のつくのは7街区ではなくて6街区のほうですから、本来的にはそちらに水産の卸があれば、将来のモーダルシフト等を考えたときに有効に使えるというふうに思っていたのですが。
 確かにおっしゃるとおりで、5、7で青果と水産仲卸があれば、アンダーパスだけで、当初の計画では、アンダーパスの中にターレレーンをつくるという議論もしていたのですが、仲卸さんが遠くなったということもあるんでしょう、今は、ターレは、あそこはだめですよと。
 ただ、私の聞いた範囲では、「地元の警察署からターレとトラックの動線を分けろというふうに言われた」というふうに聞いているんですが、なくなった事情はよくわかりません。
 ただ、現在のままやると、水産仲卸からアンダーパスを通って青果仲卸まで来るには、1.5キロから2キロ場内を走らなければいけないという問題がありますから。
 残念ながら、ここだけはなかなか難しい部分で、今、青果の仲卸と水産仲卸さんでいろいろ話し合いを続けていますが、ちょっと簡単には物理的に解決のつかない問題かなと思っています。

○森山委員 僕も今のお話をちょっとお聞きしたかったのですが、やはり、築地の青果というのは、水産と一体になっているのが強みだと思うんですね。大田と何が違うのかというと、やはりそこですから、恐らくそのあたりのことが今後課題になるだろうなと思いました。
 あと、僕も質問あるのですが、先ほど、輸出前提でHACCP対応を目指してというお話があったのですが、現状、築地では輸出対応等々はどのようにされているのか、されているのか、されてないのか、そのあたり教えていただければと思います。

○増山氏 はっきり申し上げて、例えば、羽田に近い大田、成田ですね、それから、当然、関西空港に近いという、港が近い市場が今非常に出ております。それから、水産は築地、ガリバーですから、水産は水産でやっております。
 私どももやってないことはございません。ただ、地方、並びに、今述べた市場よりは遠いという形。
 しかし、例えば2020年、これに関しても、私ども、お膝元ですから、今、JGAPとか、いろんな諸問題があって、なかなか難しいでしょうけれども、現在の築地はまるっきり話になりません。
 ただ、先ほど来出ています、将来、3階の整備の中で、HACCPまでは行きませんが、十分対応でき得る、2020年に向けてやはり我々もそっちまで目指したいと思っています。夢がないと、お膝元から何も品物を出せないのでは恥ずかしいと思います。
 それから、やはり卸売会社が中心となれば、そこに入荷の持続性もございます。ただ、やはり、今現在は、ちょっと輸出は弱いですが、将来は当然そこに、先ほど出ましたが、モーダルシフトの中でどのように桟橋が有効活用されるかというのもございます。
 ですから、将来に向けてはやはり豊洲、私どもも期待をしている、そういうふうに思っております。

○梶田委員 本日はお時間いただきましてありがとうございました。
 皆様、非常に熱い思いで御検討されている、あるいは、問題意識をお持ちだということをすごく感じました。
 つきましては、当然、皆様それぞれのお立場で、当然、一番本業、ビジネスをこれからされていくという、そういう場所がこの豊洲ということになります。
 いろんな意味で豊洲は、新しい建物とか、新しい設備だということだけではなくて、そこでビジネスをされるというのは、これからのビジネスをどんなふうにやっていくのかということを、ある程度皆さん御議論したり、あるいは、問題意識を共有したり、そういうことをもう少し議論、このチームの中でも詰めて、確認をしたり、あるいは、これからスムーズに進めていけるように整備をさせていただければというふうに思っております。
 なので、引き続きアドバイスなどいただければと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

○小島座長 きょうはいろいろお聞かせいただいてありがとうございました。
 青果のほうを見させていただいて、6街区と大分違うなという感じもあります。なかなかよくできたところだと思います。
 今日ちょっとお話を聞いて我々も議論しているのですが、豊洲というのは築地の豊洲移転なのかということです。お話を聞いていると、いや、築地の豊洲移転ではなくて、豊洲は新しいものだという御議論もあります。
 これだけの投資をして、どうしたら回収できるのかというのは、ものすごく大きな課題です。そういう意味では、「これは一体何なんだろう」ってやはり議論の中で明らかにしていかなければいけない。
 普通に考えたら回収できないです、この投資は。ただ、そういうものをつくってしまった。で、まだこれからもお金がかかる、何千億とかかるだろうというものの中で、皆さんこれから御商売をされていて、そういう意味では、新しいことを考えるというのは非常に、計算ができていくというものになるのかなとも思います。
 しかし、一方で、築地のよさという、築地が築いてきたブランドは、近代的な経営でつくってきたものとは全く違うものですから、豊洲に移って同じような今の築地のブランドがそのまま移行することはないだろうというふうにも思うんです。
 もしそういう近代的な経営というか、商物分離とかっていうことになると、今の築地をつくっている目利きのいわゆるブランドです。世界に名だたるブランドだと思いますが。
 この2つをどういうふうに考えながら、かつ、経営的にも成り立つように、もちろん、今、平田先生がやっておられている安全性が大前提ですが、これもさらなる対策に一体幾らかかるのかよくわからないです。盛土にかわる措置というものがどういうもので、それに幾らかかるのか。さらにお金がかかってくる可能性を考えなければいけない。
 という中で、安全性と物流機能と、それと経済的な持続性というものを考えて、どういうふうに最終的に、1つもまだ全然カードが開いていませんので、こういうもののカードが開いた段階で、どういう整備ができるのか、そして、それを皆さん方でまたどのようにお考えになるのかという中で、この豊洲の問題の最も賢い解決というのが出てくるのかなというふうに思います。
 建築の方々だと、確かに、道具とか施設は使いながら直すということがあるのですが、そうはいっても、設計をされる方は、まず使う方々の意見を聞いて、使いやすいものを設計して提供するというのが基本ですから、全部ユーザーに「あと適宜使ってね」というわけには設計段階ではいかないので。
 だから、何台車が入るとか、物の流れはどういうふうに行くのかとか、後では直せないものもありますから、設計の段階でどういう考慮をしたのかというのは我々が明らかにして、豊洲というのはどういうものかという議論は整理しなければいけないと思います。
 できてしまってからの大工事というのは、営業しながら大工事はもうできませんので、それは使い勝手で何とかなるというものではないですね。それはもうないということならば、それはそれでもう結構ですし、必須であれば考えなければいけない、こういうことにもなるかなと思っております。

○泉氏 よろしいですか、そのことについて。
 一つは、経費の問題はまだこれからいろいろあります。ただ、現在、青果部では、卸さんも仲卸さんも自前の空調を動かして営業していますから、豊洲に行ったときに、地冷なり電力費がフルに増えるのではなくて、今使っているものも、シミュレーション上は少し下がるという計算を立ててやってまいりました。
 それから、卸さんの面積ですが、0.8になっています。これは、数年かかって卸さんの内部で調整して、私ども、私は小売の立場なのですが、我々の駐車場は将来卸さんが発展したら返却してもいいから、小さく出ましょうよと、あえて卸さんが1.5というのを削っているんです、当初の計画から、だから0.8になっているんです。
 ですから、細かいところで、我々は我々なりに、やはり経営ということを無視した市場はつくれませんので、考えています。
 それから、使い勝手のことですが、我々は屋根つきの積み込み駐車場はかなり大きく、これはかなり小売の願いがありまして、私の先輩たちは、「もう孫や子に雨の中で荷捌きさせたくないだよ。理事長、何とか屋根の下で荷捌きできる市場をつくってくれよ」と、これが実現できたのですが、決して小売が占有するのではありません。時間帯別に仲卸さん、場合によっては卸さん、24時間フルに使っていこうと。
 ですから、三倍四倍使う方法を、使い勝手もやりながらやるというのが青果の方針でございます。
 お気づきと思いますが、卸、仲卸、小売、三位一体で、本当に長いこと青果の場合はよく言えば非常に仲よく、悪く言えば村根性でしっかりやってきたので、今後豊洲に行ってもそういうやり方で、ハード面で動かせないことは重々承知しております。
 だから、築地の現在再整備というのはあり得ないというのは私の経験上でもう無理だということは重々承知しているので、これは建てかえられない、やはり豊洲に行かないと築地の将来はない、次の世代に我々は責任を負えないということなので、あとはソフト面、必ずやり抜いていきたいと思っております。

○鈴木氏 いいですか。
 先ほど目利きという話がありまして、私は一言、ちょっとそこのパンフレットに書いてありますが、6つぐらいモデルを書いてありますが、ポートフォリオを変えていけばいいと。要するに、時代に合ったポートフォリオを変えていけば経営はできるんじゃないですかと。
 我々は今、市場法のもとに今やっていますから、非常に規制もある。ただ、いろいろ規制緩和だという話がございますが、その中で見た中で、私どもがやはりきっちりコントロール、ジャッジメントしていかないと、農家の生産物は守れないというふうに自負しております。
 これは今、商社が入る、いろんなことを規制緩和しようと思っていますが、やってみたらいろいろ失敗事例がいっぱいありますので、多分今、政府がどのように動くかなということも見ながら、書いてあるポートフォリオを、失敗が増えるかもしれませんが、目利きというのが業務のボリュームゾーンと書いてありますが、ポートフォリオ自体を変えていけば、10%ダウンだ、アップ、フローティングさせていけば、それなりに私はやっていけるつもりでおりますので、ひとつお願いしたいと思います。

 4.閉会
○小島座長 少し延びましたが、今日はどうもありがとうございました。
 これで終わりたいと思います。


13時57分閉会

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